■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

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「いずれな・・・山田君も同じ仲間・・・もう、逃げることは出来ない。この街から出ることは出来ない。一生、ここで楽に暮らしていくということだ な・・・お金には不自由しないしな・・・」 


「・・・分かります。ここで暮らしていくしかないと思います。女将は前からこのことを知っていたのですか?旦那さんがいた時から?」


「そうよ。署長さんとは長い付き合いなのよ。署長さんが昔住んでいた町に来た時に知り合ったのよ。それから・・・ねぇ、署長・・・」


「そうだ。俺と女将はそういう仲なんだ。旦那を殺すためにこの街に来た。女将と旦那とは何年も前から冷え切った関係だった。それと、暴力もあった。それで、女将は殺すことを決めたんだ。どうせ殺すなら、この街が一番だ。運がいいというか悪いというか、旦那が買出しの途中で交通事故死した。隣の町の山中だったが、住民カードのおかげで俺が一番先に発見し、死体をこの街に運んできた。殺す手間が省けたということだ。全てはうまくいった」


「旦那が死んでやっと楽になりました。署長のおかげです」


「そうか・・ハハハ・・・山田君も気をつけろよ。バカなことをしていると美幸に殺されるかもしれないぞ。順子と怪しいというじゃないか?」


「何もないですよ。それと、いずれ分かるということは、もしかしたなら、この街に来る人で殺す人を選んでいるということではないですか?」


「どういう意味だ?」


「順子さんの元彼とクラブホステス・・・」


「ハハハハハ・・・」と、大笑いをしたが、署長は何も言うことはなかった。

「茂さん、余計な詮索よ。もう、詮索は止めなさいよ。あなたも街の議員なんだし・・・」


と、女将はニコリと微笑んだ。



帰りの車の中で、女将は嬉しそうであった。


つまり、公安の調査がなくなったということだろう。女将も安泰という言葉を言ったということは、この街での女将の立場というものは強力なものかもしれない。


ということは、美幸も同じだ。それと、一つ気になることは順子との関係だ。

どこまで知られているのだろうか?このままなら僕の立場も危ないかもしれない。


最初に街にきた時と全く違う自分が存在していることを感じていた。


お金のため・・・地位のため・・・何のためなのか?


もしかしたなら、この街に染まってしまったのかもしれない。皆、こういうことを経験して無言になっていくのだろうか?誰にも言えないことで・・・



それから数日して、順子が僕に言う。



「冷たくない?時間を作ってくれるというけど、いつも忙しいみたいだし?」


「ごめんよ。議員としての仕事もあるし、必ず、時間は作るから・・・」


「信じていいの?それと、夏木さんのことはどうなったの?」


「・・・うん、街を出て行ったみたいだよ。公安もそう言っていたし・・・」


「それならいいけど・・・何か隠していない?」


「何も隠していないよ。街は怪しいし、とにかく調べているんだよ。だから、誰にも言えない。順子も黙っていてくれるよね?」


「うん・・・分かったわ」


僕は、順子の存在が重荷になってきていた。署長の言葉を忘れられなかったのだ。




順子とは終わりにしたほうがいいようだ。自然消滅・・・それとも、順子を結婚させることもいいかもしれない。署長なら、誰かいい人を紹介してくれるに違いないと考えるようになった。


美幸のおなかも日々大きくなっていたし、ここでヘタに順子とのことがバレたら困る。


その後、順子との関係はないままに毎日が過ぎていった。


ある日、順子が僕に相談があるというので、誰にも気づかれないように部屋に行った。


順子はいきなり僕に抱きついてきた。僕は抵抗することもなく関係を持った。


美幸が妊娠してから関係はなく、男としての欲望は溜まったままであった。


「相談って何?」


「母が来ることになったのよ?」


「順子の?」


「うん、叔父様が話したらしいのよ。母も乗り気だし、私と暮らせるということで了承したらしいのよ。どう思う?不思議な街だから母に何かあったらと思うと不安で・・・」


「大丈夫だよ。一緒に暮らせるなんていいじゃないか?」


「茂さんは変わったわ。街のことを調べると言ったけど何もしていないじゃないの?何があったの?叔父様や女将さんと何かがあったんじゃないの?」


「何もないよ。ただ、街のことは調べることは難しいと思っているんだ。何かがあるとしても、僕たちにとっては何も悪いことはないじゃないかい?そう思うと、無理して調査しなくてもいいかなと思っているんだよ」


「無理して私と付き合うこともないと?」


「そんなことはないよ。順子は別だよ・・・」


「美幸さんのおなかも大きくなってきたし、私とは別れたいと思っているのよね?」


「バカな・・・」僕は、順子の言葉を全否定することは出来なかった。


「信じていいのよね?」


「時間をくれよ。必ず・・・」と、言いかけた時に携帯が鳴った。



同僚の議員からで、今夜は飲み会をしたいということだ。



「今夜は飲み会だよ。店のことはお願いする。女将にも言っておくから・・・」


「茂さん・・・寂しいのよ。何で分かってくれないの・・・」


僕は、優しく順子を抱きしめた。もう、終わりにしたほうがいい。


このままなら、僕の地位はなくなってしまうかもしれない。それよりも署長の怒りを買うことにもなりかねない。そうしたなら全ては終わる。



その夜、飲み会で議員たちは上機嫌であった。一人の古参議員が僕に言った。



「山田さん、聞きましたよ。公安のこと・・・うまくいきましたね」


「えぇ、何とか。これで何もないでしょう」


「ヘヘヘ・・・あんたのおかげだよ。俺たちも安泰だ。街長も喜んでいたし・・・」


「街長?会ったのですか?」


「会ったよ。喜んでいた。これで、あんたの株は上がったな」


「どんな人なのですか?」














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