求道者の行く末。
東京も朝晩の冷え込みに冬の足音を感じるようになってきました。
サッカーの世界ではそろそろお別れの季節。
ま、お別れしたくてもお別れできない場合もありますが。
徳島さんちのコバなんとか監督が来季も続投するそうなので、古巣から活きのいいのを持ってかれるかもね。あ、古巣ってウチやわ、きゃーこわい。
我がクラブからはまだリリースはありませんが、他のJ2クラブからは続々と戦力外のリリースが出されています。
その中に愛媛FCの福田健二の名前も含まれていました。
あまり試合に絡んでいなかったようなので致し方なしか。
生まれた土地のクラブが獰猛なストライカーのラスト・ダンスの舞台になるかと思っていたのですが、引退のリリースがないので現役の意思があるんでしょうか。
世代的にはシドニーですか。
柳沢とか中村俊、戸田あたりと一緒なのかな。
若いモンには、高卒ながらベンゲルに抜擢され、ピクシーに愛されたと言えばそのすごさがわかるでしょうか。
個人的に覚えているのは02年の味スタ、リーグ最終戦の浦和戦で、宮沢正史(今大分ですね)のFKのこぼれ球を押し込んだVゴール直後、観客席に飛び込もうとして間の溝に落っこちたこと。
なんてアツいヤツなんだ、と思ったのを覚えています。
本人的にはシドニーを逃し、W杯にも選ばれず、移籍してきたFC東京でも試合に出られず苦しんでいただけにもやもやが一気に爆発した場面だったんだと、今振り返れば思います。
その後の経歴はパラグアイ、メキシコ、スペイン、ギリシャと渡り歩いたれっきとした海外組でした。
主に2部クラブでしたが、移籍はすべて自分の力で勝ち取ってきたんですね。
前置きがながーくなりましたが、そんなこんなが書かれた本がこちら。
『導かれし者 流浪のストライカー、福田健二の闘い』(角川文庫)
過去にこのブログで『フットボール・ラブ』や『アンチ・ドロップアウト』を紹介した小宮良之さんの作品です。
単行本として2007年に発行された『RUN――流浪のストライカー、福田健二の闘い』(ダイヤモンド社)の文庫版として、ちょうど昨年の今頃発売されました。
相変わらず取り上げるネタが古いのはご愛嬌。
無理矢理このタイミングでねじ込んでみました。
好きなサッカーで
世界に胸を張れる
選手になって下さい
たった3行だったそうです。
自ら命を絶った彼の母親が健二少年に残したメッセージ。
生まれは愛媛ながら福田が習志野高校出身なのは越境入学したわけではなく、母親の死後、離婚していた父親に引き取られ、父が住んでいたのが千葉だったからだそうです。
取材対象の心理を掘り下げて書く巧さは相変わらずお見事、小宮氏。
ぐいぐい作品の中に引き込まれていきます。
奥さんとの馴れ初めとかもちょっと普通じゃないです。
その辺はご一読を。
ちなみに初デートは赤羽だとか。酔っ払いの街・アカバーネ大好きね、わたし(笑)
メンタル的に海外向きのエゴイストでしたから、仙台を経て海外で苦悩しながら自分の道を切り開いて様は実に痛快。いいことだけじゃなく、つらいこともありますが信念を曲げずにやり切るって、なかなか難しい。
そして同時に感じるのは日本はヌルいというか、どうしても彼のような選手はなかなか生まれにくい環境なのかな、と。
反骨精神あふれるというか、どこか影を持つ孤高のストライカーというのは、みんな仲良く楽しくサッカーしましょうと教える日本では生まれないだろうなぁ。確実にハブられる(俗っぽい言い方ですが)。
もちろんそれが悪いことではないし、それが日本的なのだろうけど。
文庫版で追加されたエピローグ。
締めの一文にこうありました。
「サッカーは10回の挫折を味わうとしても、その後におとずれる1回の喜びを信じてプレーできるんです。だから、サッカー選手としてやり切りたい。そう思っています」(抜粋)
さて。どういう決断をするのか。
ちょっと注目。
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↓次あたりも「新書じゃないけどタイムリーっちゃタイムリー」な本でも紹介したいと思いマウス。さー、選挙選挙。みなさん投票いきましょうね。いかないヤツは政治に文句言う資格ありませんからね。
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また会う日まで。
無念です。
こんなチームの状況の中、最後の試合を迎えさせたくはなかったですね。
悔い残ってないかなぁ…。
さて、奥野さん続投するとかしないとか情報が錯綜しております。
最終戦のコメントを見る限り本人はやる気満々なのでしょうが、新人さんというエクスキューズを差し引いてもペケでしょう。
後半戦4勝しかできませんでしたよ?
監督だけの責任ではないとはいえ、彼の続投=来年は残留争いも視野に戦う覚悟があるのかということと同義。
続投するならそれに見合っただけの明確な理由をフロントには提示していただきたい。
まだ1年目だから様子見でもう1年…っていうのは通用しないよ?
そんな余裕があるチームはないはず。
もし続投させるとしても、一定の条件を設定してその条件をクリアできない場合は解任するぐらいのノルマを設けないと。
奥野さんの件については後日。
ミヤさんの引退はどことなくそんな予感がしていましたが…実際に聞くとショック。
それでも山形を引退の地に選んでくれたことに感謝、感謝。
聞けば、浦和や新潟からもミヤの雄姿を見るべくサポが集まったとか。
実にミヤらしいエピソードですね。
けしてフィジカルに優れたわけでも抜群のスピードがあるわけでもない。
それでもインテリジェンスあふれるプレーで山形の昇格や残留に貢献してくれました。
09年アウェイ柏戦での右足ゴールはクラブの歴史の1ページ。
個人的には、08年のダービー(ホーム)で決めたヘディングゴールがインパクトありました。
地震直後のダービー、そして前回対戦で屈辱の逆転負けを喫していただけあって、あのゴールには体中の血が沸き立つ感覚を覚えたものです。なによりミヤにヘディングのイメージがなかっただけにいいもん見させてもらいました。眼福眼福。
PKを蹴れども蹴れども入らなかったのも、今ではいい思い出です。
10年の残留を決めた京都戦でのクイックスローインも年の功を感じさせるプレイでした。
もちろんピッチ外でもチームの顔として、ムードメイカーとして欠かせぬ存在でしたね。
一時代の終わりを感じます。
今後山形に残るのか残らないのか定かではありませんが、もし残るのであれば小学生とかキッズとかの指導者とかになってほしいなぁ。
子供たちにサッカーの楽しさを十二分に伝えてくれるんじゃないかと思うのですが。
解説者だと越智さんのポジションを奪いかねませんからね~。
ま、あーだこーだ書いてますが、どんな道に進もうともサッカーには携わるでしょうから、今後も動向を追いかけたい人物がまたひとり増えましたな。
そいや、ミヤさんぐらいの選手なんだから引退試合とかやらないのかな。。。
山形OB対新潟OB・浦和OB連合とかやったらそこそこ客集まりそうだけど。
にしてもプレーオフがないと、来シーズンまでが長いなぁ。
もう私の興味はプレーオフを通り越して、来年どこが落ちてくるかに移っております。
町田がいなくなってしまったため、大宮だと個人的には助かりまする・・・。あそこはきっと落ちないだろけど。
↓室井さ~ん、明後日のオマーン戦、試合開始までに帰宅できる自信がありませ~ん。しょんぼり。
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ワルモノ見参。
DAI氏が突然ブログを閉鎖するそうです。
理由は諸事情により云々。
その諸事情を説明すべきではないのでしょうか(笑)
そしてコメントはするからアカウントは残す、と。
そんなことしたってどうせ結局名前変えて自分の主張を繰り返すんだから意味ないんじゃないすか。
さて今週末は負けると完全に昇格の芽が断たれる大分とのアウェイ戦。
シーズン終盤の大分戦、昇格争い、アウェイゲーム。
この3要素が揃うと、どうしても↓これ↓を思い出してしまい、本棚から引っ張りだしてきました。
秋天の陽炎(文藝春秋)。2001年の初版ですね。古い本です。
今は亡き(サッカー界では、ね)、金子達仁氏がまともだった時期に書いたスポーツノンフィクション。
1999年のJ2リーグ、大分トリニータに密着した作品で、もしかしたら“J2を舞台にした書籍”では、日本で初めてかもしれませんね。
なんてったって99年にできたわけですから、J2リーグは。
このシーズン、大分を率いていたのは、現札幌監督の石崎信弘。前年まで山形を率いて旧JFLの最終年に過去最高のシーズン3位まで引き上げた人物です。
そう考えると、ずうっとどこかしらの監督やコーチをし続けている石さんってすげぇな。
舞台は99年11月21日。J2リーグ最終節。大分対山形。
この前節で大分は鳥栖(今J1ですね)に勝ち、仙台(今J1です…)に敗れたFC東京(いま…)に勝ち点1差をつけて2位に浮上していました。
一時「12」まで開いた勝ち点差を詰めて、最終節目前での昇格圏内浮上でした。
そして最後に迎えたのが石崎監督の古巣・我らがモンテディオ山形。すでに山形は7位が確定していました。
その試合で繰り広げられる人間模様を丁寧に描いた一冊です。
試合内容自体はいわゆる凡戦だったようです(当時スカパーもなかった時代、わたしは試合を見ていません)。しかし、両チームの選手の回想を交えながら振り返られる試合の描写はすっと頭に入ってきて、心揺さぶられます。
でてくる選手がこれまた懐かしい面々。
大分の神野卓哉、小山健二や山形の鈴木克美、吉田達磨…。他にも若松大樹(両チームにいました)、高橋健二、佐藤淳二、崔大植ら、両チームの古参サポが泣いて喜ぶメンツが勢ぞろいです。バウテルとかね(笑)
そしてこの作品で特筆すべき点は、この試合を裁いた越山主審へもインタビューを行い、審判からの目線でも描いていること。
テンションの高い試合、主審のコンディション不良などもあったのか、誤審と思われる場面があり、それがまた物語のひとつのスパイスとして効いているんですね。
試合の結果はご存じかと思いますので、ここで改めて記すことはしません。
が、それが大分にとって悲劇的な結末であったことは、翌年のJ1リーグに川崎フロンターレとFC東京が昇格していることからもわかっていただけるかと思います。
あれから13年。
2位との勝ち点差3と、自動昇格圏内も狙える4位大分のホームに、わずかに見える光を追いかける手負いの8位山形が乗り込みます。
奇しくも、同じ11月。
日程くん、やりよるぜ。
大分に乗り込む山形の立場は、当時と変わりません。
ワルモノ、です。
09年のJ2降格から始まる雌伏の時を経て、大分が再びあの輝かしい舞台へと駆け上がる途中に立ちはだかる、因縁浅からぬ相手。かつての昇格を阻んだ相手。
ちょっとドラマの匂いがしませんか。
大分が古い悪夢の呪縛から解放されるのか、はたまた、再びワルモノ山形が大分にどん底を味わわせるのか。
もちろん山形は目の前の敵を叩き潰すのみ。それこそがJ1へと辿りつくための蜘蛛の糸よりも細い可能性。
昇格争いのライバルが喜ぶ姿を目の前で見たくないという単純至極な想いもあるでしょう。…というかあります。
サポーター的には、とにかくこういうシチュエーションを楽しむこと。
去年の今頃、我々山形サポーターは受け入れがたい現実が眼前に迫り来る状況でした。
あのときに比べれば、まだまだ精神的には試合を楽しめる状況ですからね。
古いサポーターが13年前のあの日の出来事を若いサポーターに語って聞かせるのもいいでしょう。そうやってクラブの歴史は紡がれていくものではないかと、そう思います。
勝って千葉の結果を待つのも良し。全力で戦って敗れて大分の引き立て役になるのも、また良し。
それがサポーターの生きる道、です。
ある程度プレッシャーから解放された奥野山形が、どういうサッカーをするのか。注目してみましょう。
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サッカー本のレビューとサッカーの試合のプレビューをリンクさせる斬新な内容でお送りいたしました(抱き合わせ販売ともいう)。
てか中古100円かー。そりゃそうだよなー(笑)
↓ちなみに金子氏は紹介した作品で山形を「ワルモノ」として扱っておりませんのであしからず。山王戦を前にした湘北高校バスケ部にインスパイアされたコピーライトマークがわたしに付いちゃう表現でございます。さぁリーグも大詰めじゃ。
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