ポンちゃんを保護時(9月初旬)に行いました初期医療の結果についてご報告いたします！
結果からお話すると、現在すぐに治療が必要な病気やケガ、慢性疾患や犬種特性疾患は見つかりませんでした！よかった！ホッとした！！13歳13㎏で健康だなんて、本当にポンちゃんは奇跡の大物やよ！
とはいえ、年相応、体重相応、犬種相応に、今後気を付けて経過観察してもらいたいことはありますので、下記について記載いたしますね。
《初期医療の内容》
《検査結果》
《今後の要経過観察事項》
《現在行っているケア》
毎度のことながら、『丁寧で安心安全な譲渡』のために細かいことも書いておりますが、ポンちゃんの健康状態を是非見てあげてください。なお、ポンちゃんは元飼い主さんのもとで不妊手術済み、前病院のデータよりフィラリア陰性です。
《初期医療の内容》
・自宅にて駆虫(保護時にドロンタールプラスを3日間投与。うじゃうじゃ出ました。)
動物病院にて、以下の検査を9月6/9/13日に実施しました。
・CBC2回
・生化学検査
・尿検査
・糞便検査
・組織検査(しこり2ヶ所)
・触診
・聴診(心臓)
・視診
・エコー
・跛行診断
・目
・歯
・耳
《検査結果》
・CBC ー 2回とも問題なし
・生化学検査 ー ALPの数値が高いが現時点では要観察。9月6日のCRP(炎症)が高かったが、9月13日には正常値。
・尿検査 ー 問題なし
・糞便検査 ー 虫卵なし
・細胞診(穿刺吸引生検) ー 左胸と腰あたりに大き目のしこりがあったが、いずれも脂肪。
・触診 ー 身体を触るとしこりかな？と気になるものは上述の2つ以外にもいくつかあるが、上記細胞診の結果を踏まえるとそれらも脂肪の可能性が高い。毎日身体を触って、大きさが変わってくるものがないか要注意。体重からいって、脂肪のかたまりは相当数ある。
・聴診 ー 心音に問題なし。
・視診 ー 皮膚に関しては、シーズーに多い脂漏症気味ではあるので、こまめにシャンプーをして清潔を保ってほしい。
・エコー ー 胆嚢に胆汁が多く溜まっていることと、左の副腎が大きい(通常6㎜以下。ポンちゃん約9㎜)。現時点では臨床症状がないので、今後2-3ヶ月おきに観察していきたい。肝臓、腎臓、異常なし。
・跛行診断 ー 軟骨はすり減っているが、四肢ともに痛みはない様子。歩き方が遅かったりベタ足なのは、年齢の影響か体重の影響か現在の体型では診断できないので、まずはダイエット。
・目 ー 両目とも、年相応に白内障。左目にマイボーム腺腫と角膜潰瘍あり。角膜潰瘍とは、目に何かが当たったり目を掻いたりすることで目の表面に傷がつき組織が欠けてしまうこと。シーズーのように目が出ている犬種に特に多いため、日頃からドライアイになったり目を掻いたりしないように要注意。ポンちゃんの角膜潰瘍は軽度なので、ヒアルロン酸を毎日点眼することとこれ以上目を掻かないようにすることで徐々に治ると思われる。ポンちゃんがマイボーム腺腫を気にして日常的に目を掻いているようなら元気な時に切除することを勧めるが、現時点では体重が適正を大幅に超えている影響で麻酔管理が難しいのでまずはダイエット。
・歯 ー 歯石が多い。目と同様に元気な時に歯石を取りたいが、麻酔管理が難しいのでまずはダイエット。
・耳 ー 脂漏症気味であることから、こまめに洗浄して清潔を保ってほしい。
《今後の要経過観察事項》
・2-3ヶ月おきに胆嚢に胆汁が溜まり過ぎていないか、副腎が大きくなっていないかを動物病院で診てもらう。
・多飲多尿、パンティングなどの症状が見られる場合は、ホルモン検査を勧める。
・左胸と腰をはじめ、脂肪と思われるしこりの大きさに変化がないか日々観察する。
《現在行っているケア》
・角膜潰瘍とドライアイ予防のために、1日4-5回ヒアルロン酸を点眼しています。時間は決めず、自分が手を洗った時とかおやつをあげる時などに点眼しています。ポンちゃんは、私が目薬の容器を持っただけで嬉しそうに寄ってきてくれるので、点眼は簡単で助かっています。角膜潰瘍も保護時よりずいぶん小さくなりました。(目薬代 毎月約2,500円)
・いつまでも大好きなお散歩を楽しんでほしいので、毎日アンチノールを1錠あげています。アンチノールは、関節以外にも認知症予防や皮膚・被毛、心血管、腎臓などの健康もサポートしてくれます。(アンチノール代 毎月約3,000円)
・ダイエットと関節のために、フードはヒルズの療法食「メタボリックス+モビリティ(体重管理と関節ケア)」を与えています。(フード代 毎月約9,000円/4㎏)
・脂漏症気味なので、約10日おきに自宅でシャンプー、約1ヶ月おきにトリミングをしてもらって清潔を心掛けています。自宅でのシャンプーもトリミングも協力的です。(トリミング代 約9,000円/サロンによります)
・QOLを向上するためにマイボーム腺腫の切除と歯石の除去を検討したいが、今の体重では麻酔管理にリスクがあるのでとにかくダイエットが急務！！！1年に2㎏のペースを目標に、減量に取り組みます。
※飼育費用の参考として各費用を記載いたしましたが、あくまでも現在私がポンちゃんのために行っているケアを挙げただけなので、譲渡後に同じケアの継続をお願いする意味ではありません。
以上、たくさん書いたので「やっぱりシニアやからいろいろあるやん」という印象を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的な意見としては「ポンちゃん、13歳まで大病もせず、体調不良時に診察も受けず、その体型で運動もしていなかったのに健康やん！」と胸を撫でおろしています。年相応に経過観察を要する事柄もありますが、シニアになれば定期的にホームドクターのところに顔を出して近況報告したり気になるところを診察してもらったりするのは、長く健康で一緒にいるためには必要かと思うので、特別なことではないかなと思います。
こんなポンちゃんをマルっと受け入れてくださる”一生一緒の家族”のみなさん、次回記事で里親募集を開始しますよー！
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