ふんわりシフォン -358ページ目

月が満ちるまで 君と僕 2

自信はあるのか。
自分に問い掛けている。

昨日、今日現れた奴に虚勢をはるなんて。余裕なんてまったくない。

寝付けなくてパソコンをうろついていたせいで、目が痛かった。

コンタクトが入らず、メガネをかけている。シルバーフレームの軽いタイプだ。
それでもメガネのつるに挟まれて、軽い頭痛がしていた。



「それを決めるのは彼女だから」

渡辺の言葉が頭痛にともなって蘇る。

金井先輩が決めることじゃないから。

ああ……そうだ。
僕の決めることじゃないさ。

ずっと見つめてきた。初恋だと言っていい。

好きな食べ物、好きな本、好きなドラマ…

何だって知ってる。

知らないのは、誰を好きなのかってことくらいだ。



高校からは今までとは違う付き合いかたができると期待していた。

風花の目に憧れでなく、恋に震える熱を見たかった。
風花だけは本当の僕を知っている。情けない僕を知っている。

家でなにかあるたび飛び出して、おばあちゃんのとこに家出した。

僕がおばあちゃんに話すのをじっと人形みたいに聞いていた風花。

その頃から、気になってた。


まだスタートラインだ。
なんとでもできる。

恋愛


恋のはじまりは
胸がときめいて

たくさんの言葉を交わしたね


どれだけたくさんの言葉をつなげても

まだまだ言葉があふれて

あれもこれもと欲張りになってた。



落ちついてくるとお互いが見えてきて

理想だとか現実を知ることになる



ぽつりと灯る火が震えてちらちら火花を散らす

落ちるまでどれだけ時間がかかるだろう

寂しく見つめるしかない



欲しいものはひとつしかないのに

ためらいやあきらめに押し潰されそうになる

ほかに好きな人なんてできない


あなたしか好きになれない

どこかに だれかに


小学校までの道のりは一時間以上かかった。

夏も冬も不満なんてわからずにとことこ歩いた。



寒いのは電信柱ダッシュでごまかして

暑いのは、あちこちで水をもらってしのいでいた。

みんな、ビニール袋を持っていたよね。なぜか。



夏のプールに行くのも、もちろん歩きだった。

送り迎えなんてなかったな。親は働いているし、おじいちゃんおばちゃんで車の免許を持っている人なんていなかったからね。

冷えた体にほかほかした服を着て、まず学校で給水。
ビニール袋のすみに小さな穴を開けて、出発。



足跡のように軌跡を残してね。



時折クネクネしてみたり、くるりと回ってみたりする。
穴が大きいと次の給水ポイントにたどり着く前に水がなくなるから、穴は小さくしてたな。

二カ所の給水ポイントを経て家にたどり着いてました。



後で聞くと一件は学校の先生だったそうで。もう一件は自転車屋さん。



その節はお世話になりました(笑)

こんないい天気の日には、陽炎のようにゆらゆら昔の自分が見えるようです。



ぽたぽた垂らしていく水は残らないけど、なにか心に残るものができたらいいな。