新・自虐の詩 ロボット小雪
しばらくご無沙汰していた業田良家さんだが、朝日新聞の書評欄でこの本の存在を知り、即購入した。作者が名作「自虐の詩」のタイトルを再度使ったことも納得できる、格差、富の配分、人間の尊厳、など深遠なテーマを見事に描ききった傑作だ。
前半は例によって、登場人物の奇妙な生活がたんたんと通常の4コマ漫画のフォーマットで描かれる。近未来のロボットが発達した社会で、理想の恋人として、人々は異性のロボットを所有している。主人公が所有するロボットの小雪は少し旧式のロボットで、いろいろとへまをしながら、料理や掃除、さらには人間のいろいろな感情を学習していく。
中盤あたりから「向こう岸の街」の話が挿入され始める。平和なこちら側とはうって変わった、治安が悪く不潔な様子が描かれ、主人公たちの快楽的な生活(主人公は株取引にはまっている)も、何かの犠牲により支えられていることが、なんとなく推察できる。
主人公の親友家族が株の暴落の影響を受け破産し、「向こう岸の街」に移されからの後半の怒涛の展開には読んでいて鳥肌がたった。小雪が悲しみなど人間の感情を持ち初め、その親友家族、さらには「向こう岸の街」住人を救うために立ち上がる。
何かの引用かもしれないが、「向こう岸の街」の労働者が語る富を作り出す3つ方法、「地球から搾り取る方法」、「下っ端の人間から時間と労力を搾り取る方法」、「未来の子供たちから絞り取る方法」はとても説得力がある。環境からの影響は、ここ数年の温暖化により顕在化しているが、今後は若年非正規労働者や未来の子供たち(これはすでに少子化というかたちで現れているのかもしれないが)からの逆襲も始まるだろう。
搾取され続けている「最近の若者」に対して、「軟弱だ」とか「やる気がない」などと批判するような、団塊の世代以上の全ての高額所得者に送りつけてやりたい傑作だ。
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自分が存在していてもよいと確信をもつこと
二人の息子を持つ父として、子どもたちにどんな能力を備えて欲しいかということについてときどき考える。絶対音感とまではいかないまでも、楽器はひとつくらい楽しめる程度には弾けるようになっていて欲しいし、スポーツも、球技でも陸上競技でもよいので、得意な種目は持っていて欲しい。勉強もオールマイティでなくてもいいので、少しは自慢できる教科があった方がいい。絵もうまいに越したことはないし、料理や簡単な大工仕事など、手先も器用な方がいい。ファッションセンスも洗練されていた方が得そうだし、近年、職場で重視されるコミュニケーション能力や地頭力も高い方がいい。
しかし、このような個別能力は本人の適正や好みの問題もあるので、身につけられるような機会はできるだけ与えてあげたいとは思うものの、所詮は本人次第だと少しドライに考えている。サッカーが好きなら、それなりに練習するだろうし、何か表現せざるを得ない状況になれば、何かを表現しようともがくようになるだろう。尊敬できる師匠や刺激しあえる友人との出会いなど、運に左右される部分もある。少し、無責任かもしれないが、個別能力の取得については「応援するので頑張って」、というスタンスだ。
親の責任として、子どもたちになんとか持ってもらいたいと思っているものは「自分がこの世界に存在していてもよい」という確信だ。自分が存在しているか否かというデカルト的な話をしたいのではない。例え幻想でも思い込みでもかまわないので、自分の存在について自信を持ってもらいたい。何かができるから存在してもいいのだという条件付ではなく、ただ無条件に自分には生き続ける資格があるのだという確信を持ってもらいたいと願っている。能力不足の指摘や存在否定の発言を今後彼らは幾度となく、浴びるかもしれない。そういった場合でもしたたかに生き抜ける厚かましさを身につけさせたい。
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ほぼ終戦か
昨日のセレッソ大阪は熊本相手に一度は逆転したものの残念ながら結果は2対2の引き分け。2位争い(広島はもはや別格)をしている山形、仙台といったチームが引き分け、鳥栖が敗れる(当然、対戦相手の湘南は勝利しているのだが)など、上位との差を詰める絶好の機会で、今節は是が非でも勝ち点3が欲しかった。今後の対戦相手や他チームの状況を考えても限りなく敗戦に近い引き分けだと思う。
結果として、残り14試合で2位の山形とは勝ち点8(セレッソは得失点差が少ないので実質勝ち点9)差。3位の鳥栖とは勝ち点3(実質は4位の湘南の試合消化が1試合少ないので、3位との最大の勝ち点差は5)とますます厳しい状況となった。
乾選手の活躍により攻撃陣は復活の兆しを見せつつあるが、相変わらず、簡単に失点しすぎる。昨日も、せっかくいい時間帯で逆転したにも関わらず、あっけなく同点にされている。セレッソ大阪のチームカラーと言えばそれまでだが、こうも簡単に失点が続くとディフェンス陣の入替も含めて、そろそろ手を打って欲しい。
昨日の引き分けで自動昇格圏の2位はかなり厳しくなった。3位はまだ可能性があるので、わずかな希望をつないでいる。札幌、千葉は自動降格が濃厚なので、入れ替え戦の対戦相手の可能性となるチームは、現状勝点が20点台の磐田、横浜FM、清水、新潟、大宮あたりか。これまでの対戦成績を見ると比較的相性がいいのは、新潟、大宮(といっても圧倒しているわけではない)で清水とはほぼ互角。磐田、横浜FMとは相性がよくないのでできれば対戦は避けたい。まずは、3位以内に入ることが必須だが、3位に入れてもあまり勝てそうな気がしない。ほぼ終戦か、という気がしてきた。とりあえず、セレッソとともに磐田、横浜FMあたりも残りの試合を応援することにする。
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