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借金は腹にくる

 父親の商売がうまく行っていなかったので(さらに、長年の競艇や女遊び、そして、周囲の人間からおだてられるままに、ほいほいと散財していたので)、死後結構な額の借金が残った。最後は街金にまで手を出していたが、早めに弁護士に相談していたので、葬式直後に家の前に「金返せ!」的なビラが貼られたくらいで、家に怖いお兄さんたちが押しかけてくることはなかった。ただ、学生時代に父の頼みで1件だけ某大手金融機関からの借り入れの連帯保証人になっていたので、その分の借金だけが残った。有る意味では怖いお兄さんよりたちの悪い、インテリ風のおじさん達が家に押しかけてくるようになった。

 担保にされていた物件を競売にかけてもどうしても数千万の残金が残る。どのように返済するつもりか、と賢げに何度も脅された(といっても、金を貸している彼らからすれば当然の権利だし、回収額の多寡で彼らも社内評価を受けるので、彼らを責めることはできない-悪いのはあくまで、うちの馬鹿親父だ)。具体的な金額を実感してみると、借金というのは結構腹にくることがわかった。まるで巨大な石を飲み込んだように、常に胃のあたりが重い気がする。寝ても覚めてもお金のことばかり考えるようになり、なんとかしなければ、とあせるものの稼いだお金はどうせ返済に充てられるのだと考えると、もともと乏しい労働意欲がますます減退していく。

 長嶋有さんの「パラレル」と絲山秋子さんの「ニート」という小説を立て続けに読んだが、どちらも借金に苦しんでいる登場人物の描写があった。僕の父親の命日が近いこともありついつい借金について考えることが最近多い。僕の借金は、連帯保証人になったときに先方に若干の手続きミスがあったことから、なんとか返せる額で折り合うことができた。しかし、今考えても、あの借金独特の腹にくる感じは二度と味わいたくないと思う。


 

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お泊りキャンプ

 幼稚園年長組の長男が今日から12日でお泊りキャンプに行く。誕生月の子どもを対象に、少人数で先生と一緒に晩ご飯を作ったりもする内容でとても楽しそう。仲のよいおともだちが一緒なので、長男も少し前まではすごく楽しみにしていた。しかし、直前になってそのおともだちの体調が悪化し参加が微妙になったので、昨日から長男はかなりナーバスになっている。考えてみると生まれて初めて身内から離れての外泊(次男出産時に祖父母に面倒を見てもらっているので、親と離れた経験はある)。多少ナーバスになるのも無理はない。昨夜は「そんなに心配ならキャンプに着いて行ってやろうか?」とおちょくったら、「パパ来ても無視する」って泣きながら拒否された。予定表を見るとすごくよく考えられた内容で、行ってみると楽しめることは間違いない。帰ってきたらどんな土産話を聞かせてくれるか、今から楽しみだ。

 僕も妹がいるので、彼女が生まれるときに祖父母に預けられていたが、完全に身内と離れて初めて外泊したのは、幼稚園のお泊り教室だった。あまりよく覚えていないが、幼稚園の教室にふとんを敷いてみんなで眠ったという記憶はうっすらとある。もう一つこちらは強く覚えているのは、晩ご飯の量が少なくてとにかくお腹が減っていたと言うこと。当時、僕は身長が137センチ、体重が38kgというかなり大きな子どもだったので、普通の幼稚園児の食事だと全然足りなかった。週に2日ある弁当の日(火、金曜日)はもちろんのこと、給食の日(月、木曜日)もデザートと称して、フルーツとおにぎり入りのお弁当を持参していた(おにぎりがデザートというのもすごい話だが)。幼稚園生活の記憶はほとんどないのに、今でも給食とお弁当の曜日ははっきりと覚えていることに我ながらちょっとびっくりした。給食とお弁当だけを楽しみに幼稚園に通っていた自分の姿が目に浮かぶ。


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アフタースクール

「探偵!ナイトスクープ」に大泉洋さんが出ていたり、「TVBros」で特集をされていたりして、気になっていた映画「アフタースクール」を観た。ネタバレになるのであまり詳しいことは書かない方がよさそうだが、非常に練りこまれた脚本で状況が二転三転する、エンターテインメントとしてとてもよくできた作品だと思う。途中一切だれることなく気がつけばエンディングだった。ここまで、観ていてストレスを感じない映画は珍しい。

俳優陣の演技もよくて、大泉洋さん、佐々木蔵之介さん、堺雅人さんといったメイン3人のキャスティングも絶妙だった。堺雅人さんの取ってつけたような胡散臭い善人ぶりと佐々木蔵之介さんの屈折していながらどこか品のある演技もストーリーとよくマッチしていた。大泉洋さんの飄々とした演技は陰影がなさ過ぎるかな、という印象を途中で持ったが、観終わってみるとこれも計算づくなのかもしれないという気もしている。

田畑智子さんのやぼったい感じもなかなか印象的だし、常盤貴子さんもきれいで存在感が大きかった。逆に、その存在感があだとなってか、僕はこんなちょい役で出ているわけがないと深読みしてしまって、結末が事前に予測できてしまったところが少し残念だった。

この作品にかかわらず、大物俳優の弊害というほどでもないが、知名度の高い俳優が出ているとそれだけで主要登場人物であるとわかってしまい、こういう謎解きものの場合ストーリーがある程度読めてしまう。クリストファー・ノーラン監督の「インソムニア」という映画はロビン・ウィリアムスが出てきた瞬間に「こいつが犯人だ!」っとわかってしまって、脚本の完成度の割には映画の出来のおもしろが半減してしまっている。

そういう意味では、「アフタースクール」も映画にする意味があったのかという批評は付きまとうと思う。逆に言えばそれだけ完成度がずば抜けて高い脚本ということなのだが。


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