最近の主なニュース
気が付けば、前回の記事から1ヶ月近くが経過しておりました。
いまだ、ブログ更新を楽しみに待っておられる方もいるらしく、
申し訳ないという気持ちで一杯です。
最近の主なニュースをざっと駆け足でご紹介したいと思います。
まずは、体験教室の新しいメニューです。
これまでは、家族連れや若いカップルが中心の制作内容でしたが、
趣味のサークルやSNSを介してのグループでの申し込みが増えたため、
団体向けのメニューを新しく作りました。
申し込みは8人以上からになります。
新規に金型を自作しました。
通常の制作をより簡素化して制作時間を短縮したことで
料金を抑えております。
かなりお徳です。
現在はお試し期間中ですので、もしかしたら、期間限定になる可能性もあります。
気になる方は、お早めに。
そして、今年3月から着工しております、
工房横の駐車スペースの改装ですが、
文字通り、雨にもマケズ
鋭意工事中です。
仕事の合間にコツコツと進めているので、完成までは遠い道のりになりそうですが、DIYの本を買っては眺めての毎日はそれなりに楽しいものです。
ひょっとしたら、自己最大、最高の傑作になるやもしれません。
夢は膨らみます。
根と混
最近、ブログから遠ざかっておりましたが、
遊んでいたワケではありません。
ホントだよ・・・・
むしろ、ここ一ヶ月ほど一生懸命働いたおかげで、
腕が太くなったくらいです。
ここだけの話
ただ今、工房横にある駐車スペースをオシャレに改造をしております。
本来、ミキサー車をお願いせねばならない量を手ゴネ&流し込みで
ぺとぺと丁寧にならして、作っております。
近所の方々からは「器用なんですね。」とか言われておりますが
そんなことはありません。
日常の風景にモノを作る作業が見えにくくなっているからなのでしょうか?
その気になれば大抵の事はできます。
必要なのは「根気」と「根性」だったりするのですが、
そこを語るには身をもって示す必要があるのかもしれません。
年内には完成予定です。
工房キャラクターの設定に合う、メルヘンなイメージで
夢を膨らましております。

吹きガラスうんちく<基礎編その6>
前回は玉巻きについて「実践編」と銘打って
ざっくりと大味な解説をしましたが、
心配をしていた様な炎上もなく、概ね好評でしたので、ホッとしました。
以前、吹きガラスを習っていた方が制作に復帰するきっかけ
にもなっているようなので、地味ながらも続けてゆけば
微力ながらも貢献できるような気がしてきました。
それでは、さらに微妙な・・・・ 解説を繰り広げて参りましょう。
今回は回転数の緩急についてです。
玉巻きが苦手だと主張する人の多くが量が巻けないということに
不満を抱いているようです。
巻口からの熱気にあおられて
十分な回転数が得られていないことが原因だと思われます。
基本的にはより早く、より滑らかに回転できることが好ましいのですが
量をたくさん巻くためには、早い程いいというわけではありません。
回転が徐々に早くなり、マックスに達するタイミングと
緩やかに減速するタイミングが重要となります。
イラストで解説します。
❋出だしはしっかりと一周以上回転してから、
ゆっくり前方に押し出してください。
竿元の被り比率と巻き泡が混入しないように注意が必要です。
❋ガラス液面から竿を持ち上げる際に
回転スピードを上げつつも
すくい上げのペースはもったりと
動きにメリハリを持たせてください。
❋回転スピードを上げると
竿の先端はV字にピョーンと跳ね上がる傾向があります。
❋竿の背に盛るようなイメージで水平まできれいな弧を描きつつ
回転は徐々に減速してガラス先端の巻き尻をずらさないように
センターで保ってください。
❋ガラス液面からふわっと飛び立った後もぶるんぶるん回転し続けると
巻き取ったガラスが遠心力と重力で形が崩れて
大部分を取りこぼすこととなってしまいます。
注意事項はこんなところです。
実際には姿勢や体重移動、目線、など
指先の動きだけではない軽妙な所作が求められます。
高速回転からの
キレと留め、さらに余韻を醸し出す流れは
武道的な要素を個人的には感じます。
吹きガラスうんちく<基礎編その5>
いよいよ、「玉巻き」実践編です。
「玉巻き」は見て覚えるの典型例ですので
教室では実際にやって見せることができますが、
ブログ上で実践で役立つ情報として表現できるのだろうか???
激しく、疑問です。
例えば、スキップ のコツなるものを言語化しようとすると
とてつもない情報量になって、
逆に意味不明な解説になってしまう予感がします。
気がとても重いのですが・・・・
このブログを読んでいる方は吹きガラス経験者で
怪しい解説でも察してくれるであろうという仮定で挑戦してみます。
良いタネの条件としては
回転軸の先端で切ることと、
竿元の被り幅と均一さ、安定感、量や温度などもろもろありますが、
とりあえず、
きれいな形に巻くということに特化した説明とします。
巻き始めから、出るまでの大まかな軌跡です。
出だしは巻口を回転軸の支点として
浅い角度からスタートしたいところですが、
竿元の被りが均一にカバーできないばかりか、
巻き泡が入りやすくなるため、
なるべく、高い位置から見下ろしてポット手前からスタートしてください。
回転しながら押し出す際の距離も稼げます。
徐々に回転数を上げながら、すくい上げてください。
この際は溶解炉の巻き口を支点としてきれいな弧を描きます。
各工房の環境がそれぞれ異なりますので
ここは試行錯誤して自分の好みを見つけてください。
次回はさらに詳しく解説します。
吹きガラスうんちく<基礎編その4>
今回は「玉巻き」についてです。
吹きガラスのすべてはここから始まりますので、
まさにキング・オブ基本ですね。
アシスタント能力を測るバロメーターでもありますので、
これからガラスの世界で生きてゆきたいと考えている
若者はぜひ、マスターして頂きたい技の一つです。
太い竿を使ったり、2度巻きをすれば、それなりに量は稼げますが
温度のことを考えると、最善ではありません。
前回も触れましたが、ボリュームだけではなく
形状や温度分布なども配慮する必要があります。
ガラスの素材感を十分に理解する前に
習うより慣れろ的な反復練習を続けているうちに
「いつしか時は過ぎてしまった」というケースは多いように思います。
炉の中でどのような作業が行われているかは
制作者以外の人間が覗き見る機会は少ないので、
詳細な検証が行われないまま
年数を重ね、独自の進化を遂げてしまうのです。
一度の巻きでなるべく、たくさんの量を巻けるというのを
目指したいところですが形状も重要です。
回転軸先端の中心でソフトクリームのようにガラスが切れると
遠心力で大きく変形することなく、ベストな形状で扱うことが容易となります。
背中で盛り上がったような切り方をすると、
回転軸に対して均等に巻きついていないわけですので
ベンチにたどり着く前にねじれてしまったり、
巻き取った直後から遠心力で大きく形が変わってしまうことになりがちです。
2度巻きの場合は温度分布の面で多彩なバリエーションが生まれ
どんどん複雑化してゆきます。
一見するとどれも同じように見えますが、
一度巻きのタネに対して2度目の巻き
(セカンド・ギャザー)の被りがどのようであるかによって、
その後のガラスの動きが全く別なものになってしまいます。
実際に使われるのは竿から先のガラスなので
竿元に大きく被っているケースは、あまりお勧めできません。
仮に下に向けて竿元のガラスを前方に引き出したとしても、
温度の観点から考えると、焼き戻しが必要になるからです。
2度手間になるばかりか、
ポットの中で熔けてるタネ以上には温度は復活できないので
どうしても、冷めたタネになってしまいます。
焼けば柔らかくなるというのは幻想です。
一度失った条件を取り戻せることは稀だったりします。
旬の刻を逃さず、正しく対応することが本当の意味で
大切だと思えるようになるまでには
気の遠くなるような時間と失敗が必要なのかもしれません。
卒業写真を眺めて、ため息をついたりして・・・・
話が逸れてしまいましたが、
やはり、ガラスは熱いうちに吹け!!が鉄則ですな。
そのためにも巻きはすごく重要です。
さて、次回はどうしたら、より良い巻きになるのかを
語ってみたいと思います。