ちっちゃいものクラブ <さらに小さく>
ブログテーマに「ちっちゃいものクラブ」というタグがあります。
バーナーワークで作るには重くて、ちょっと辛いなというサイズで、
反対に吹きガラスの領域で作るには小さい・・・・
という
微妙なサイズのミニ・オブジェを作ってきました。
商品としては原材料を削減して付加価値が高められるので
素晴らしい、ニッチなゾーンです。
これまでに、色々作ってきました。
最近では、王冠をのせて販売しております。
定番商品になるためには、作った数だけ
コンスタントに売れ続けなくてはならないため、
彼らは厳しいハードルを乗り越えてきた、精鋭達です。
お正月にお客さんにサービスで差し上げてきた
干支・ペーパーウェイトが大変喜ばれたので、
気を良くして現在も継続中です。
さらに、種類も5種類に増やしました。
主に子供さんをターゲットに制作しているのですが、
意外にお母さん達にも好評です。
悩みに悩んで、決められないというケースが続出しております。
根が単純なので、もっと小さいの作っちゃいますっ!!
と気合を入れて試作してみました。
それが、こちら。
高さ3cmほどのサイズなので、造形に制約がかかります。
お土産ですので、何度も焼き直しをせず、
窯から巻き出したガラスの熱量でチャチャッと作れないといけないしで
なかなか、上手くゆきません。
小鳥は生産ラインに乗りそうです。
問題があるとすれば、
小さすぎると最近、ぼやけて見えます。
老眼鏡のお世話になる日も近いのかっ??
だめよ~ダメダメ~♪
長らく、吹きガラス・ウンチク記事を書いておりませんでしたが、
何と!!
過去記事を愛読しておられるという方がいらっしゃるという
お便りを頂きまして、がぜん☆やる気♨が出てまいりました。
まぁ、ね。
過去にはとんでもなく胡散臭い理論を展開してまいりましたので、
今更、まともなことを書くのも難しいのですが、
最近の教室での傾向をまとめておきたいと思います。
教室に通う生徒さんは とにかく真面目で一生懸命です。
竿を握れば、勝負師のごとく眼光鋭く
ガラスに対して積極的にガンガン攻めて
じっくり、じぃーと見ています。
いわゆる、ガン見しているわけです。
以前にもお伝えしましたが、大抵それで撃沈されております。
「器の真ん中」なんていう不確定で曖昧なものを見れば、見るほど
心は揺らぎます。
回転軸の延長線上に意識を向けたほうが、圧倒的に打率は上がります。
スポーツが得意な方は瞬時に動線を読む作業を
脊髄で反応するレベルで習得しているはずです。
コンタクトレンズを使用している方は
鏡で確認することなく、自らの眼球に装着できるでしょう。
愛犬の目を覗きこめば、どんな悪さをしてとぼけているのかは
ほとんど、察しがつきます。
剣玉でもいいです。
こういった能力は特殊なものではありません。
ただし、
「絶対に外すな」という命令を受けると
途端に挙動が怪しくなります。
なぜでしょう???
気持ちが重いと反対方向にブレてしまうのです。
「失敗したくないんですよ」という言葉を
最近、驚くほど頻繁に耳にします。
世の中が失敗を許さないのでしょうか??
誰が責めるのでしょうか?
「だめよ~ダメダメ~♪」
駄目だと言われれば、
「良いではないか~」というのがお約束ですな。
ネタでやっているのなら、当然アリなのですが、
そろそろ、ガラスとの関係もスッキリさせたいですよね。
「絶対に勝たねばならない戦い」よりも
「負けなければ、良し」としたほうが、動きに迷いがありません。
軽やかです。
「点」から「線」へ、さらには「面」で捉え「立体」に発展させてゆくために
大切なことは
「想いの強さ」よりも「想いを途切れさせない」ことなのかもしれません。
いじりまくり!られる
先日、J:COMチャンネルの番組「イジリー岡田の街゛いじり」
の取材&収録がありまして、
工房にイジリー岡田さんが来ました。
番組ディレクターによりますと
今回は吹きガラスの製作現場を紹介する
という内容ではどうもないらしいです。
私個人をイジリー岡田さんがいじりまくるという、
ちょいっと、不味いんじゃないだろうか???
と感じさせる趣旨で放送予定です。
これまでにいくつかの番組で扱って頂きましたが、
工房看板犬の方が放映時間がが多かったりという黒歴史が
存在するため、実際に番組を観るまでは浮かれてしまうわけにはいきません。
余談ですが、イジリー岡田さんには出だしから、
とても紳士な物腰であいさつをしていただき、ちょっとびっくりしました。
打ち合わせを入念に行うなど
これまでテレビ画面で観た印象とは全く違うお人柄で
芸風と実際の人間性は別物であるということに改めて
気付かされ、とても有益な時間を共有させていただきました。
J:COMチャンネルで16日から22日まで
複数回、放映します。
よろしければ、ぜひ!!
自家製道具の紹介 [ 木ごて]
工房を立ち上げた当初は
様々な自家製道具の紹介をしておりましたが、
おかげ様で
滅多なことでは壊れないので、
新規の制作からは遠ざかっておりました。
今回はたまたま、桜の木の原木をいただいたので
こてを作ってみることにしました。
桜の木はとても硬いので
ガラスの熱で焼けても形が変わりにくく、長く使えます。
憧れの桜をついに道具に加えることができるので
ワクワクします。
長さが足りないので、金属のパイプで適当な長さに
補正しました。
先端の木の部分を使って
コップやお鉢の内側や外側から当てて
器の形を整えるのに使います。
明日早速、使ってみたいと思います。
ぶった切るだけのお仕事です
吹きガラス以外にも
まれにガラス製品の加工依頼を受けたりします。
非常に高度な技術を必要としながらも
価格的に報われないケースが現実には多いのですが、
その時々で魔が差すといいますか・・・・
勢いで受けてしまうこともあります。
今回は小さなボトルを半分にカットするお仕事です。
ダイヤモンドディスクを当てて少しずつ削って切断するのですが、
あまりにサイズが小さく、肉厚が薄いので
ピキッと亀裂が望まない方向に走ってしまったり
ちょっとした圧の加減で欠けたりしてしまいます。
当初はもうちょっと、何とかなると予想していたのですが、
実際にやってみると厳しい展開になってしまいました。
そこで、もっと目の細かいレジン・ディスクに変えて
チャレンジです。
振動はかなり減って、なめらかなタッチになるのはいいのですが、
角度がぶれると、薄いブレードなので、ディスクが割れるなんてこともあります。
加工賃がふっ飛ぶか、見事成功するか
考えただけで、手元が震えます・・・・
心なしか、視界が霞んで見えるのは
気のせいでしょうか???
そろそろ、
老眼鏡・・・・買わないといけないかもです。