canari♪な吹きガラス☆日記 -105ページ目
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あなたはどっち?

毎回、欠かさず読んでいただいている方はすでにご存知だと思いますが・・・・(そんな人いるのかな??)


2日間にわたり、デザインについてあれこれと書きました。

ダイジェストでさっくりまとめちゃうとこんな感じです。



まず、吹きガラスでの造型では作業工程やタイミングを管理、デザインする必要があるということです。

表面上のガラスの動きや形を追ってしまうと、毎回の作業が全く脈絡のない混乱と無秩序のオンパレードになってしまいます。これらと格闘することでかなり、ガラスに対する悪い作業イメージが固まってしまっている方が多いような気がします。



そこで、「必勝パターンを設定、デザインしましょう」というキャンペーンを当工房の教室では長年、実施してきました。


「デザインと向き合う」という壮大なテーマを掲げてしまったので、

前回の記事ではちょっぴり反省して、それじゃぁ「いいデザイン」って何なのさ?の疑問の声に答えるべく控えめにガンダムガンダムの話をしました。・・・ではなくてデザインに情念を込めましょうという話をしました。



さて、実はこの2つの話は、吹きガラス教室の生徒さんの典型的な2タイプ双方の課題として書いた記事だったのです。(おぉ!すごい伏線だ。)

すごく乱暴な分け方ですが、勝手にこの2タイプを「分析じっくりタイプ」と「感性突撃タイプ」と名づけて話を進めたいと思います。


ネーミングが悪いので、誤解を受けないようにフォローを入れておきますが、決してこのタイプが悪いと言う意味ではありません。下記に長所と欠点がありますので書いておきます。


まずは「分析じっくり」タイプです。


長所

ガラス素材特有の約束事を理解吸収することが容易にできるので短期間の技術習得が期待できます。

ベネチアンテクニックなど、すでに確立されている技法に惹かれる傾向があ

ります。


短所

何を作っていいのか判らなくなり、冷めてしまいやすいです。



次に、「感性突撃タイプ」ですが、このタイプの方がガラス界には多いような気がします。

ガラスを眺めて、うっとりできれば合格です。


長所

 想像力溢れる独創的な作品になります。その人のキャラクターがダイレクトに作品に表れるので作家志望の人には欠かせない大切な要素です。


短所: 

吹きガラスでは特にこの情熱が裏目に出て空回りします。



例えていうと「感性突撃タイプ」の人はでっかいエンジンを積んでいるので高速道路ではぶっちぎりですが、街中ではついつい渋滞に巻き込まれたり細い路地で迷ってしまいがちです。


一方、「分析じっくり」の人は地図と時刻表を片手に乗り換えや交通手段の選択もばっちりです。

迷わず最短距離で目的地に到着できますが、そういった旅行が楽しいかは別問題です。



こんな感じですが、いかがでしょうか?気分を害された方がいないことを祈ります。


これはあくまで個人的な勝手な解釈ですが、できれば吹きガラスの分野ではどちらのタイプもほどほどにバランスが良いのが理想です。



近年、ガラス業界では原料価格高騰と景気が大きく後退したことが連動して攻撃的な経営を仕掛けていくのが難しいというのが現状です。


この閉塞感を打ち破る圧倒的な想像力と創造力でガラスブームと言わず、ムーブメントまで引き上げるのに「感性突撃タイプ」の豊かな発想力が必要です。



そして、脈絡のない混乱が理不尽に次々と襲いかかって来るかのような吹きガラスの作業中でも、

流動するガラスの底辺には作り手を裏切ることがない完璧な秩序が常に存在していることを理解し実践してゆけるCoolな「分析じっくり」タイプの能力が技術を確かなものにするのにやっぱり必要です。



canari♪な吹きガラス☆日記-tetra-poda

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いいデザインってなんですか?

前回の記事ではガラス素材の物理的特性という観点から「デザイン」について、アプローチしてみました。今回はその続きということで、もう少し大きな枠でデザインを語ってみたいと思います。

実はこの記事のネタも1年以上前のものなのですが、経済状況が大きく変わった現在でも通用するものだと感じます。
そして、むしろ今だからこそ、ものづくりに関わる多くの人に読んでいただきたいと思っています。

「 いいデザインってなんですか? 」なんて大きく振りかぶってみましたが、

あくまで、わたし個人の勝手な主観から、一例を紹介させていただくと・・・・


canari♪な吹きガラス☆日記-TYPE-CHARE   コレです。かえる11


この携帯電話のアイデアを説明した大道 伸さん(当時33)に孫 正義 社長は
「オレにはまったくわからんが、君は今までで一番うれしそうだな。」
と言って、商品化を認めたそうな。
販売価格: 102,720円(税込)  
この価格にして5千台の先行予約は開始3日間で埋まったそうです。
2007年の年末の話です。

ガンダムに興味のない方にとっては、10万円という額をこの意味不明な物体につぎ込む感覚に悩んでしまうかもしれません。
しかし、一定数存在するマニアの深遠なる魂に訴えかけるには十分なオーラが照射されているのでしょう。

ポイントは作り手の作品に対する溢れんばかりの情熱があるのか、ないのか、
それのみだと思います。

きっと、社内の真面目な営業販売部の猛烈な反対に遭ったに違いありません。
それでも、揺るがないニュータイプの確信が彼を突き動かしたのです。・・・たぶん。ザクとは違う男

と、いうことで、いいデザインであるために
「 デザイナー自身が自らのデザインに感動しているか?」を重要な要素の一つとして挙げてみたいと思います。

売れ筋ラインとか、価格帯とか、ターゲットとか、マーケティングとか、モードとか、ラグジュアリーとか、
いろいろありますね。
でも、自分に興味がない領域のデザイン、やってて楽しいでしょうか?
化石燃料一杯使って、CO2排出して作った作品がイマイチの気分で作ったものだなんて、
地球に申し訳ありません。

現在、市場に流通している膨大な商品の中で一体何パーセントの商品がアンティークとして、数十年後に価値あるものとして取引されるでしょうか?

大量生産→大量販売→大量消費→大量廃棄という流れはもはや、環境問題という側面からも許されない状況になりつつあります。

「低価格もデザインの一部です!」と謳う、某量販店でのことです。

「おっ、いいねぇ~、あってもいいかな?」と手に取って眺めた次の瞬間に

   「なくても・・・・いいかも?」と思っている自分がいたりします。

デザインも洒落てて、流行のスタイルで、値段もお手頃です。文句の付けようのないマーケティングの結晶といえる、お手本のような商品です。

でも、これが恋愛に当てはめて想像してみると、どうでしょうか?
交際相手に不満が特に見当たらないという理由で結婚を申し込む、自分を想像できるでしょうか?商品と人間は違う?・・のでしょうか?

世界中、同じサービス、同じクオリィー、同じ規格の高品質を目指す、巨大企業だけが生き残る世界はそれほど愉快なビジョンではありません。


経済が深刻な状況にある現在、
感情的な側面でのものづくりを全面的に肯定してしまうことに若干の躊躇はありますが、

今回の経済危機は「あまりにも一部の人々の合理性や利便性を優先しすぎてしまったのが原因なのではないのか?」ということと、
そして、その一方で「多くの人の精神的な豊かさが損なわれている」という空気を実感しているわたしとしては、

世界的規模での社会のあり方が方向転換の時期に来ているのではないかと感じています。

世の中には主観しか存在しないという説もあります。

今の自分にできるのは微力ながらも、精一杯のカッコよさを自分なりに体現することだと思うこの頃です。


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デザインと向き合う

当工房の吹きガラス教室に通う生徒さん達のガラス歴を調べてみるとベテランさんから初心者の方まで幅があります。
それでも、最近では共通のテーマに沿って授業を展開しております。
ほとんどの生徒さんに技術習得の度合いに関係なく見受けられる共通項があるからです。


それは・・・・・・
デザインにどう向き合うか?」ということです。
何をどう表現し、どう伝えるかというところまで行ってしまうと、とんでもなく風呂敷が大きくなってしまうので、
「設計」というニュアンスに近い意味合いで捉えてください。

まず、何を作るにしてもやっぱり完成図がぼんやりとでも見えていないと始まらないですよね。
いくら、言葉で壮大なイメージを語ったところで、形が見えなければ最初の一歩が踏み出せません。

ガラス制作の場合は特にガラスの素材としての特性に流されがちです。
出来上がったガラスにデザイン的な意図が明確に宿っているということは稀で、むしろ、漂流し、固まってしまった結果のものになりがちです。

こちらをご覧ください。
           

 重力     ←→     形状
              (長さ、パーツ数、中心軸)
 ↑↓            ↑↓

 遠心力    ←→     肉厚
              (片肉、薄さ、など)

 ↑↓            ↑↓

 表面張力   ←→     温度管理
              (ダルマでの焼き位置、焼き加減)           

ガラス制作が行われている最中に常に気を配っておきたい要素をサクッと表にしてみました。

目に見えない力として「重力」「遠心力」「表面張力」の3つの要素が作業中に常に働いています。
そして、この3つが互いに独立して働くわけではなく、ある一つが強まれば、他の2つの力は弱まるといったような微妙なブレンドとバランスで相互に関係しあっています。
ですから、この3つの力を自分がコントロールできる道具として自由自在に操れれば相当、心強い味方を得たことになります。

次に主な作業内容として、3つの要素を便宜的に「形状」「肉厚」「温度管理」と名づけて取り上げてみます。
これらも単独で機能しているわけではなく相互に密接に絡み合っています。

さて、ここでさらに作業を複雑なものにするさらなる要因が絡んできます。

前述の「重力」「遠心力」「表面張力」という見えない力と「形状」「肉厚」「温度管理」といった作業項目も全く無関係ではなく、むしろ切っても切れない関係にあるということです。

これら、3つの要素が複雑に因果の糸で繋がっていると考えると、無限のバリエーションが生み出されることが容易に想像できると思います。

いかがでしょうか?吹きガラス経験者ならば、ピンと来る筈です。

上手くいかない理由を追ってしまうと、とんでもない数の「なぜ?」に向き合わなければなりません。
失敗した原因はもちろんあるのですが、それをいちいち、摘み取っていってもラチがあきません。

そこで、必ず上手くいく必勝パターンを設定し、ひたすらそれのみで反復練習するというのが、これまでの教室の課題でありました。建築で言えば基礎工事に当たる部分です。

そして、これが定着すると次なる課題が「アイテムへの枝分かれ」になります。コップ制作で問題なくこなせた部分もアイテムが変われば怪しくなってきます。アイテムが変わっても揺るがないだけの理解と実践が要求されます。

これは、器を色、形、コンセプトをデザインするのみならず、
「作業工程そのものをデザインする。」ということも含まれます。


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canari♪な吹きガラス☆日記-swing



はじめまして

本日より楽アメーバブログ、デビューします。
ブログ更新の操作手順など不慣れなところがあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。


わたしは2002年に自宅を改装し、埼玉県鳩ヶ谷市にてガラス制作を始め、現在に至ります。
http://www.cablenet.ne.jp/~canari/  


そして、今年2009年から日々の様子を楽天ブログさんで綴り始めたのですが、ブログ初心者ということもあって、動画などの表示やもろもろの処理が上手くいっていません。


そんなわけで、情報のバックアップの意味でも、こちらに部分的に引越しすることを決意した次第です。

楽天ブログさんから移ることで多少、読者層が変わってしまうかもしれませんが、その辺りはコメントの内容から、読み取っていきたいと思っています。


とりあえず、これからしばらくの間は前ブログの記事を転載していくつもりです。


canari♪な吹きガラス☆日記-ポット交換1  canari♪な吹きガラス☆日記-ポット交換2


写真は年末に窯からガラスをかい出してポットを空にしている様子です。
工房内は湯気で前が全く見えない状態となります。
最後は火の神様にお酒、お塩などをお供えして、バーナーの火を落としました。

そして、新年明けてからは窯の前面の耐火壁を取り去り、古いポットを取り出した後に炉床をきれいに掃除してから新しいポットを収めます。



canari♪な吹きガラス☆日記-ポット交換3  canari♪な吹きガラス☆日記-ポット交換4  canari♪な吹きガラス☆日記-ポット交換5

さて、なぜにこのような面倒な作業を年末年始にかけてやっていたかと言いますと、ガラスを構成する成分と高温で融けたガラスを入れる容器ともいえる素焼きのポットはほぼ同じ成分で出来ておりまして、やっかいなことにガラスの原料を融かしてガラス化する際にポットも少なからず溶解してしまいます。


そのため、工房によっては期間にばらつきがありますが、ポットに穴が開いてしまう前に定期的に新しいものと交換する必要があるのです。


多くの方はガラス工芸をメルヘンな世界という感じで捉えておられるかもしれませんが、(実際にガラス専門の教育機関で学ぶ生徒の80%以上が女性です。)

現実には地味な作業が果てしなく続きます。

それでも、やっぱりガラスは素晴らしいのです!!という内容の記事をこれから書いていきたいと今のところは計画しておりますので、次回の記事をお待ちください。

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