この提言は2019年10月段階で記述したものですが、
ほぼ予想通りに進んでいます。
この続編は、
タブレット時代②~大改革が始まる~に続きます。
①「スマート計画2020」
2020年と言えば東京オリンピック!の話ではない。
このスマート計画とは、
2016年に東京で立ち上げたプランの一つで、
2020年に都内高校生全員にタブレットを配付するという施策である。
そこから順次各道府県が採用する方向になるので、
あっという間に全国の小中学校にも広がる事になる。
各学校30台程度の配備から、児童一人一人に貸与される日は近いのだ。
2019年9月、中教審でICT環境整備の問題が提起された。
東北大学堀田龍也教授が「学校現場の情報化には致命的な遅延がある」
厳しい言葉で報告。学校現場での基盤整備を強く促した。
これらの提起が功を奏して、全国的に前倒しになっていて、
何処の学校でも一人に一台ずつ貸与する予定となった。
支給されたタブレットは、
学校使用は勿論、いずれ家庭に持ち帰って利用することになるだろう。
同時に連絡/配付物は全てメールやアプリに代わり、ペーパーレスになる。
タブレットだけでなく、個人所有のスマホを用いて、
保護者には児童生徒の登校、下校、帰宅状況がスマホに自動配信され、
教師は児童の出欠確認、教室退出・退校状況を画面上で管理することになる。
校舎内や校庭状況などもパス付きながら、ライブ視聴が可能になる。
(これらは私立で既に実施)。
また教科書や資料、ノート類もいずれタブ内に移行してアプリ化するし、
課題類もタブ内で完結する事になる。
そういった時代はすぐそこまで来ている…
それは誤った認識で、
既に始まっていると考えたい。
教師は“時代”に遅れないように、
日常的にアプリを使いこなすことだ。
もし難しさを感じるのであれば「習うより慣れろ」。
使いまくり、聞きまくるのだ。
②現代の常識
1980年代にパーソナルコンピュータが登場し、
各企業、そして個人でPCを備えるのが常識となった。
それからしばらくすると、今度はスマホが流通し始め、
あっという間にスマホ時代に突入した。
家庭からPCが消え、スマホのみ所有が珍しくなくなってきた。
しかもデジカメ、ビデオカメラ、カーナビ、あらゆる機器が消え、
殆どの事がスマホ一台で処理できるようになった。
電車に乗れば、10人中8名以上がスマホをいじっているし、
歩きながら、自転車に乗りながら触っている輩さえいる。
ある教員はPCよりもスマホの方が入力スピードが速かった。
小さな画面でミス無く打つタイピングは驚嘆でもあった。
2010年代、東京のある高校での作文授業風景。
原稿用紙に向かった生徒が書いたのは100文字。
僅か5行だけだった。
しかし鉛筆をやめてタブにした途端、
一気に400文字に増えた。
現在の中高は勿論、小学生も所有率が増えており、
既に校外学習や修学旅行で個人スマホが
活躍している時代である。
この世に生まれた時代から存在する中高生にとって、
既に「書く」行為は消えている。
WSや原稿用紙を渡せば面倒がられ、嫌がられる。
しかしタブであれば、嬉々となって取り組む。
そんな特別支援児童を何度も観てきたし、
通常学級でも同じ事が言える。
「次の時間はPCルームで勉強します」
その指示にいつも歓声が上がる。
小学生も同様なのだ。
タッチが当然の時代だ。
改めて述べたい。
既に始まったどころか、それがスタンダードなのだ。
③タブの学習形態
既存の教科書&黒板をベースにした授業形態から、
いずれはタブや電子黒板での授業がスタンダードになる。
但し一人一台のタブ時代がスタートする時代と、
それらを集約する電子黒板導入まではいささかタイムロスがある。
まずはタブ導入に合わせた授業実施が大事で、
それらをスタートしていれば、
集約機&電子黒板が入ってきても、
移行はスムーズである。
ビジュアル(動画/画像/グラフ)な授業展開と共に、
アンケート的な集約、個々の考え方の集約等、
日常的に実施していていた学習が
タブや電子黒板に移行する事になる。
また全体指導が主だった指導法が
個々の能力に合った自力学習に代わり、
教師は状況把握と個別指導を画面上で行うことになる。
勿論沢山の事がタブ実施でリアルタイム交流が盛んになるが、
従来通りの話し合いや意見交流は継続されるし、
集団生活だからこそ、タブの時代だからこそ、そこが生きてくる。
ただそういった中にもタブ(Meetを用いた会議)が入ってくるので、
補足資料、意見収集、掲示板等を補助的に使うことで、
より闊達な意見交流が双方伝達になると考えた方が良いだろう。
大変革を一つ挙げるならロケーション。校外/海外と繋げて交流する時代に入る。
ただ要はタブで何をするかではなくて、
今以上に「楽しく」「分かりやすく」「有効に」活用する手立てとして、
タブが使用されていくという事である。
④児童のタブ学習
タブレット導入で新しい学習方法が始まるが、
大手教育機関(ネット通信教育)を始め、
予備校では既に実施している。
敢えてその場所に出掛けることなく、
自宅に居ながらゼミを視聴したり、
問題に取り組んだり、
オンライン上で添削指導を実施したりしている。
今までと大きく異なるのが算数学習。
アプリを使用して問題を解き、間違いがあればアラームが鳴る。
誤答例を表示すると共に再度類似問題が提示され、
全問正解で終了になる。
いわばゲーム感覚で実施してクリアしていくのだ。
また一定レベルまでクリアすると、
好きな壁紙やご褒美アプリがダウンロード可能になり、
それと共に保護者には学習状況がメール配信される。
基本的にこれが学校で取り入れられる事になる。
このアプリのメリットは個人指導に特化しているところで、
レベルに合わせて一人一人が進め、
分からない箇所があればクリックして自分で解決する。
問題をクリアした児童には、さらなるステップの問題が用意されている。
担任は何処まで進めているのか、何処で躓いているのかをチェックする。
だから今までの机間指導タイプから、
画面上での見守り指導に近くなっていくのだろう。
いずれは算数という領域を超えて、
主要教科は勿論、技能教科でも取り入れられていくのは間違いない。
ただどの教科でどんな変化があるのか、というより、
それぞれの教科でタブを用いた実践をしていくと考えれば良い。
理科や社会、図工、家庭科、体育等では動画が活用されるし、
国語、音楽、外国語では音声が加わり、録音&再生が想定される。
そういった膨大な動画や音声資料と共に、
アンケートや意見集約も考えられる。
また国語や社会はタブ上でのグループ会議が盛んになる。
これは今までの班毎の話し合いをオンラインで実施するものである。
少人数なので、活発な話し合いが期待できる。
⑤児童のスタイル
ノートに板書を写す、計算をノートに書く、
漢字練習帳に漢字を書く…。
これらが消えていくのは間近である。
「書く」から、
「タッチ」の時代への転換が
始まっているからだ。
そういった大まかな授業スタイルを紹介したので、
後半は児童レベルの発表や発信方法の留意点を考えていきたい。
その一つとしてプレゼン資料の準備がある。
今までの模造紙や画用紙を用いたはアナログ形式から、
デジタルに取って代わる。
マジックでの直書きと比較すると修正が非常に簡単であるし、
絵や写真は勿論、動画や音声も簡単に取り込める。
ただただネット検索すれば良いし、
全て画面上で解決するので良いことずくめである…
ところが、そこがデメリットでもあるのだ。
まず情報量が膨大になるので、その選択が大変である。
資料のダウンロードだけでなく、
どこでどんな画像を使うか、どの動画を取り込み、BGMはどれを扱うか…
それらの選択肢があまりに多いので、
百花繚乱で漠然としたプレゼンになる恐れがある。
また矛盾するようであるが、基本的に検索ワードが同様なので、
結果的にどの児童も類似した平面的プレゼンになるという恐れもある。
そのデメリットを改善するには、
情報量が多いからこそ、検索でヒットした資料以外を使う術を学ばせたい。
模造紙時代は貼る画像は決して多くなく、
文章中心のプレゼンだった。
紙の世界には児童が考えた意見が豊富に込められていた。
その考え方をもとにして、
画像や動画を単にネット上から取り込むだけではなく、
児童自身でオリジナル資料を創るのが大事になってくるだろう。
画面上でイラストを描くのも良し、動画を作成するのも良い。
自分で撮影した写真を活用すれば、ネット画像より訴求力が大きい。
書くからタッチに変わったからこそ、
オリジナル資料作りは欠かせないのだ。
アプリのアニメーション効果や、
類似の効果音み活用し、
何処かで見た画像や動画を
動かすだけではすぐに飽きられてしまう。
見た目が豪華でビジュアルに優れていても、
中身が無ければ、
それだけの話であるのは、
昔も未来も何ら変わらない。
明確なのは、一層「質」が問われる時代になっていくと言うことだ。
もう一点留意点を書こう。
修学旅行ではデジカメやスマホ持参なので、写真を沢山撮影する。
旅行後に発表を控えているのならば、すぐに活用できる。
これらの生資料は十分に惹きつける魅力を持っているが、
見学地紹介や説明の際、注意する点がある。
それは検索をかけ、紹介文章自体をコピペして使用してしまう事である。
栄螺堂(A)
栄螺堂は、江戸時代後期の東北~関東地方に見られた特異な建築様式の
仏堂である。堂内は螺旋構造の回廊となっており、順路に沿って、
三十三観音や百観音などが配置され堂内を進むだけで巡礼が叶うような
構造となっている。
例えば会津の栄螺堂の概略をコピペして、
読み原稿に使うのでは、聞き手は全く意味が分からない。
発表側も意味を把握せずに、
そのまま読んでいるに過ぎない。
これでは学習に足跡は見られないい。
話を戻すが、児童は“学習する”のが本題である。
AとBを読み比べていただきたい。
読み手も聞き手も内容を理解するには、
平易文に変換して説明することが絶対必要である。
さざえ堂(B)
さざえどうは、江戸時代の後半、東北地方から関東地方に見られた、
とても変わったたてもので、中に仏像を置いている。
中はぐるぐる回るような廊下になっていて、
順路にそって歩くと、
三十三観音や百観音などの
仏像が見られるようになっている。
またここ1カ所だけで、
いくつものお寺めぐりをしたのと同じようなごりやくがある。
このように文章を書き直してプレゼンするのが
当然なことなのだ。
※校外学習、野外教室、修学旅行…
学校お手製のパンフやしおりを沢山見てきたが、
その中にはネット紹介ページを無断で貼り合わせ、
難解な文章をそのまま掲載しているのが結構あった。
ここでは修学旅行を例にしたが、
実際は各教科や総合で、
まとめ新聞や発表資料を多く作成する。
そのときにはここで紹介した点に留意して進めていきたい。
※「タブレット時代②」では“大改革が始まる”。
その状況を考えていきたい。










