児童生徒にとっての教師像。

 

 

教師には3つの顔が必要です。

 

教師であり、親であり友達でなければなりません。

学習を導く信頼感。

大人としての安心感。

同じ目線にいる親近感。勉強を教えてくれる先生。

困ったことがあったら相談に乗ってくれる「身近な大人」。

 

休み時間に遊んでくれる友達。

つまり休み時間は「友達」だから、親近感があるのです。

何処か安心があるから、毎日学校に来る。

認めてくれるから、授業でも頑張る…。

 

こういったクラスにある空気とは、

 信頼感

 親近感

 安心感

 充実感

 そして存在感。

 

だからクラスが旨い=醸造が成功するのです。

 

 

一体感を醸し出すクラスは、これらの基本が大事にされているのです。

それを創造していかなければなりません。

 

あなたが、この教職を選んだ理由は何でしょうか。

「子供が好き」

「先生に憧れていたから」

「教えてもらった先生が良かった~、私もなりたい」

「いつでも子供達と過ごしていたい」

「教師の仕事にやり甲斐を感じる」

「授業で子供の力を伸ばしたい」

…いろいろな思いでこの仕事を選んでくれて、嬉しく思います。

 

その気持ちがあれば、きっと素敵な教師になることでしょう。

 

ただ、はっきり言えることが一つだけあります。

それは私達教師が相手にするのは子供ではなく、一人一人違う個性を携えた人間なのです。

 

 

 

 

きっと学級担任に就くと思います。そのクラスは30数名の児童が在籍し、30数通りの接し方、指導の仕方があるのです。

それぞれが全て異なるのです。

今日と同じ向き合い方が、明日では通用しないかも知れません。

うまくいった事が、他の児童では合わないときがあるのです。

 

きっと毎日失敗があり、学びの連続であることを理解して欲しいと思います。

教師には10代~祖父母世代まで演じられる「役者顔」が必要です。

そういったラポールの上で教室経営が成り立っているからです。

それらが整った上で、初めて授業展開が出来るのです。

 

 

新学期がスタートした時は、

 「どんな先生なのかな」

 「わくわくする」

 「一年間、楽しいといいなあ」

 「早く先生となかよくなりたい、一緒にあそびたい」

児童は目を輝かせています。

 

それと共に、

 「どんな先生か、ちょっとためしてみよう」

 「きっと、てきとうな先生だろう」

 「去年と変わらない、話を聞いてくれない先生だ」

そんな思いを持った児童もいることでしょう。

そのため、最初の一週間で戸惑ったり、何と言えば良いのか、何と声をかければ良いのか、迷ったりすることもあると思います。

ちゃんと聞いてくれる筈なんだけど、聞いていない児童もいる、思っていた児童とはどこか違う、何か変だな、と思うかも知れません。

 

特に4月はそういった場面に度々遭遇することになります。

 

しかし、その程度のことで、

この仕事に対する気持ちが揺らいではなりません。

 

本来の教師の姿とは、信頼されながらも、

親近感があり、安心感があるのが前提です。

但し、そういった「信頼」「親近感」「安心感」は一日では成り立ちません。

 

数十日、数ヶ月を経て、初めて成立するのです。

その間は様々な試練がきっと待っていると思います。

 

優しい、甘いだけの先生は求められていません。

優しいけれど、しっかりしている、言うべき時はちゃんと話す、

ちゃんと叱ってくれる、ちゃんと教えてくれる、

そういった先生を求めています。

 

 

 

 

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今回の提案、

それは学級経営の基幹部分に関する検証になります。

 

児童生徒との関係性、クラスという一つの社会を踏まえ、

共同体として在り方の是非を問う機微な部分でもあります。

 

 

特に次代を担う若手の方が迷ったり、

躊躇したりせぬように、

長期的視点に立った方向性として捉えてください。

やや長文なので、最後まで読んで頂ければ幸いです。

 

 

○「子どもに子どもを注意させることは絶対にやってはいけない」

○「責める声が聞こえたら、担任が厳しい口調で注意する」

○「注意するのは先生の仕事である」

○「昭和的であり、いじめに繋がる」

 

ここ数ヶ月の間、これに類似したご意見を何度も見てきました。

 

これらのコメに関して、自身の経営は普遍的でした。

 

児童生徒(以下:子ども)相互で注意し合い、讃え合い、

誉め合い、高めていくのが学級本来の姿であり、

将来を見据えた指導の在り方だと考えます。

 

勿論「激怒」「憤慨」「叱責」「立腹」「咎める」ような、

度を過ぎた指摘は決して求めていません。

 

 

 

 

 

本質的に学級は「小さな社会」です。

社会において、人は互いに影響し合い、

注意し合い、認め合うことで規範を共有してきました。

 

それを子ども同士の間で一切禁じるというのは、

社会性の発達という観点から、

そして道徳授業の実践舞台という視点からも、

上記4つの提言には無理を感じるのです。

 

 

生活指導面でも、

正していこうとする行為、

自分が困ったことを相手に伝える、

場の雰囲気を良くしようと声をかける、

こうした経験こそが市民性・社会性に繋がります。

 

それらを「教師だけの仕事」にしてしまえば、

子どもは受け身の存在になり、自治能力が育たないと危惧するのです。

 

 

これら設計と最終責任は常に教師にあります。

低学年や荒れ気味学級では「注意は先生がやる」と提示し、

子どもたちの関係性をフラットに戻す時間が必要でしょう。

 

更にピア・ラーニングの観点で,

「注意(ネガティブ的指摘)」は教師が引き受け、

「称賛(ポジティブ的関わり)」は、

子どもたちに委ねるというバランスから始めるのも良いと思います。

 

 

「助け合う・認め合う」土壌が育っているかを見極めた頃から、

「○○さん、今の言い方ちょっときつかったよ」

「△△くん、すごくいいアイディアだったね!」のように、

注意や称賛を通して関係を深めていくのが鍵になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

いじめの約70%は同クラス内で発生しています。

勿論担任が率先して撲滅に努めなければなりませんが、

“傍観者・同調者”が増殖しているので、減少気配にありません。

 

その場を諫めようとする姿勢や視線、

健全化を訴える子ども達が存在するのであれば、

きっと深刻化せず、軽微で済むでしょう。

 

 

事実、数十年間いじめゼロであったのは、

まさに子ども達のお陰であると感謝しております。

 

子ども同士が対等な立場で、

その場を良くしようとして関わり合う学級が理想です。

 

教師が一方的に管理する学級よりも、

遙かに豊かな育ちの場になると考え、実践してきました。

 

 

「子どもに注意させるのは危険だ」という言説は、

裏を返せば「子どもを信じていない」というメッセージになりかねません。

 

 

大切なのは、「注意する権利を丸投げする」のではなく、

「善意に基づいた相互扶助のスキルを教える」という姿勢です。

教師が防波堤になりすぎると、

子どもたちは「先生のいない場所」での振る舞い方を学べなくなります。

長期的には、彼らが自らの足で立ち、

互いを支え合える「小さな民主主義の担い手」になるよう、

伴走していくことが本質的な指導であると考えるのです。

 

この提言は2019年10月段階で記述したものですが、

ほぼ予想通りに進んでいます。

 

この続編は、

タブレット時代②~大改革が始まる~に続きます。

 

 


①「スマート計画2020」
2020年と言えば東京オリンピック!の話ではない。
このスマート計画とは、
2016年に東京で立ち上げたプランの一つで、
2020年に都内高校生全員にタブレットを配付するという施策である。
そこから順次各道府県が採用する方向になるので、
あっという間に全国の小中学校にも広がる事になる。
各学校30台程度の配備から、児童一人一人に貸与される日は近いのだ。

2019年9月、中教審でICT環境整備の問題が提起された。
東北大学堀田龍也教授が「学校現場の情報化には致命的な遅延がある」
厳しい言葉で報告。学校現場での基盤整備を強く促した。
これらの提起が功を奏して、全国的に前倒しになっていて、
何処の学校でも一人に一台ずつ貸与する予定となった。
支給されたタブレットは、
学校使用は勿論、いずれ家庭に持ち帰って利用することになるだろう。
同時に連絡/配付物は全てメールやアプリに代わり、ペーパーレスになる。

タブレットだけでなく、個人所有のスマホを用いて、
保護者には児童生徒の登校、下校、帰宅状況がスマホに自動配信され、
教師は児童の出欠確認、教室退出・退校状況を画面上で管理することになる。
校舎内や校庭状況などもパス付きながら、ライブ視聴が可能になる。
(これらは私立で既に実施)。
また教科書や資料、ノート類もいずれタブ内に移行してアプリ化するし、
課題類もタブ内で完結する事になる。

そういった時代はすぐそこまで来ている…
それは誤った認識で、
既に始まっていると考えたい。
教師は“時代”に遅れないように、
日常的にアプリを使いこなすことだ。
もし難しさを感じるのであれば「習うより慣れろ」。
使いまくり、聞きまくるのだ。

 

 


②現代の常識
1980年代にパーソナルコンピュータが登場し、
各企業、そして個人でPCを備えるのが常識となった。
それからしばらくすると、今度はスマホが流通し始め、
あっという間にスマホ時代に突入した。
家庭からPCが消え、スマホのみ所有が珍しくなくなってきた。
しかもデジカメ、ビデオカメラ、カーナビ、あらゆる機器が消え、
殆どの事がスマホ一台で処理できるようになった。

電車に乗れば、10人中8名以上がスマホをいじっているし、
歩きながら、自転車に乗りながら触っている輩さえいる。
ある教員はPCよりもスマホの方が入力スピードが速かった。
小さな画面でミス無く打つタイピングは驚嘆でもあった。

2010年代、東京のある高校での作文授業風景。
原稿用紙に向かった生徒が書いたのは100文字。
僅か5行だけだった。
しかし鉛筆をやめてタブにした途端、
一気に400文字に増えた。

現在の中高は勿論、小学生も所有率が増えており、
既に校外学習や修学旅行で個人スマホが
活躍している時代である。

この世に生まれた時代から存在する中高生にとって、
既に「書く」行為は消えている。
WSや原稿用紙を渡せば面倒がられ、嫌がられる。
しかしタブであれば、嬉々となって取り組む。

そんな特別支援児童を何度も観てきたし、
通常学級でも同じ事が言える。
「次の時間はPCルームで勉強します」
その指示にいつも歓声が上がる。
小学生も同様なのだ。

タッチが当然の時代だ。

改めて述べたい。
既に始まったどころか、それがスタンダードなのだ。

 

 


③タブの学習形態
既存の教科書&黒板をベースにした授業形態から、
いずれはタブや電子黒板での授業がスタンダードになる。
但し一人一台のタブ時代がスタートする時代と、
それらを集約する電子黒板導入まではいささかタイムロスがある。

まずはタブ導入に合わせた授業実施が大事で、
それらをスタートしていれば、
集約機&電子黒板が入ってきても、
移行はスムーズである。
ビジュアル(動画/画像/グラフ)な授業展開と共に、
アンケート的な集約、個々の考え方の集約等、
日常的に実施していていた学習が
タブや電子黒板に移行する事になる。

また全体指導が主だった指導法が
個々の能力に合った自力学習に代わり、
教師は状況把握と個別指導を画面上で行うことになる。

勿論沢山の事がタブ実施でリアルタイム交流が盛んになるが、
従来通りの話し合いや意見交流は継続されるし、
集団生活だからこそ、タブの時代だからこそ、そこが生きてくる。
ただそういった中にもタブ(Meetを用いた会議)が入ってくるので、
補足資料、意見収集、掲示板等を補助的に使うことで、
より闊達な意見交流が双方伝達になると考えた方が良いだろう。
大変革を一つ挙げるならロケーション。校外/海外と繋げて交流する時代に入る。

ただ要はタブで何をするかではなくて、
今以上に「楽しく」「分かりやすく」「有効に」活用する手立てとして、
タブが使用されていくという事である。

 

 


④児童のタブ学習
タブレット導入で新しい学習方法が始まるが、
大手教育機関(ネット通信教育)を始め、
予備校では既に実施している。
敢えてその場所に出掛けることなく、
自宅に居ながらゼミを視聴したり、
問題に取り組んだり、
オンライン上で添削指導を実施したりしている。

今までと大きく異なるのが算数学習。
アプリを使用して問題を解き、間違いがあればアラームが鳴る。
誤答例を表示すると共に再度類似問題が提示され、
全問正解で終了になる。
いわばゲーム感覚で実施してクリアしていくのだ。
また一定レベルまでクリアすると、
好きな壁紙やご褒美アプリがダウンロード可能になり、
それと共に保護者には学習状況がメール配信される。

基本的にこれが学校で取り入れられる事になる。
このアプリのメリットは個人指導に特化しているところで、
レベルに合わせて一人一人が進め、
分からない箇所があればクリックして自分で解決する。
問題をクリアした児童には、さらなるステップの問題が用意されている。
担任は何処まで進めているのか、何処で躓いているのかをチェックする。
だから今までの机間指導タイプから、
画面上での見守り指導に近くなっていくのだろう。

いずれは算数という領域を超えて、
主要教科は勿論、技能教科でも取り入れられていくのは間違いない。
ただどの教科でどんな変化があるのか、というより、
それぞれの教科でタブを用いた実践をしていくと考えれば良い。
理科や社会、図工、家庭科、体育等では動画が活用されるし、
国語、音楽、外国語では音声が加わり、録音&再生が想定される。
そういった膨大な動画や音声資料と共に、
アンケートや意見集約も考えられる。
また国語や社会はタブ上でのグループ会議が盛んになる。
これは今までの班毎の話し合いをオンラインで実施するものである。
少人数なので、活発な話し合いが期待できる。

 

 


⑤児童のスタイル
ノートに板書を写す、計算をノートに書く、
漢字練習帳に漢字を書く…。

これらが消えていくのは間近である。
「書く」から、
「タッチ」の時代への転換が
始まっているからだ。

そういった大まかな授業スタイルを紹介したので、
後半は児童レベルの発表や発信方法の留意点を考えていきたい。

その一つとしてプレゼン資料の準備がある。

今までの模造紙や画用紙を用いたはアナログ形式から、
デジタルに取って代わる。
マジックでの直書きと比較すると修正が非常に簡単であるし、
絵や写真は勿論、動画や音声も簡単に取り込める。
ただただネット検索すれば良いし、
全て画面上で解決するので良いことずくめである…

ところが、そこがデメリットでもあるのだ。
まず情報量が膨大になるので、その選択が大変である。
資料のダウンロードだけでなく、
どこでどんな画像を使うか、どの動画を取り込み、BGMはどれを扱うか…
それらの選択肢があまりに多いので、
百花繚乱で漠然としたプレゼンになる恐れがある。
また矛盾するようであるが、基本的に検索ワードが同様なので、
結果的にどの児童も類似した平面的プレゼンになるという恐れもある。


そのデメリットを改善するには、
情報量が多いからこそ、検索でヒットした資料以外を使う術を学ばせたい。
模造紙時代は貼る画像は決して多くなく、
文章中心のプレゼンだった。
紙の世界には児童が考えた意見が豊富に込められていた。

その考え方をもとにして、
画像や動画を単にネット上から取り込むだけではなく、
児童自身でオリジナル資料を創るのが大事になってくるだろう。
画面上でイラストを描くのも良し、動画を作成するのも良い。
自分で撮影した写真を活用すれば、ネット画像より訴求力が大きい。
書くからタッチに変わったからこそ、
オリジナル資料作りは欠かせないのだ。

アプリのアニメーション効果や、
類似の効果音み活用し、
何処かで見た画像や動画を
動かすだけではすぐに飽きられてしまう。
見た目が豪華でビジュアルに優れていても、
中身が無ければ、
それだけの話であるのは、
昔も未来も何ら変わらない。

明確なのは、一層「質」が問われる時代になっていくと言うことだ。

もう一点留意点を書こう。

修学旅行ではデジカメやスマホ持参なので、写真を沢山撮影する。
旅行後に発表を控えているのならば、すぐに活用できる。
これらの生資料は十分に惹きつける魅力を持っているが、
見学地紹介や説明の際、注意する点がある。
それは検索をかけ、紹介文章自体をコピペして使用してしまう事である。

栄螺堂(A)
栄螺堂は、江戸時代後期の東北~関東地方に見られた特異な建築様式の
仏堂である。堂内は螺旋構造の回廊となっており、順路に沿って、
三十三観音や百観音などが配置され堂内を進むだけで巡礼が叶うような
構造となっている。


例えば会津の栄螺堂の概略をコピペして、
読み原稿に使うのでは、聞き手は全く意味が分からない。
発表側も意味を把握せずに、
そのまま読んでいるに過ぎない。
これでは学習に足跡は見られないい。

話を戻すが、児童は“学習する”のが本題である。
AとBを読み比べていただきたい。


読み手も聞き手も内容を理解するには、
平易文に変換して説明することが絶対必要である。
 

さざえ堂(B)
さざえどうは、江戸時代の後半、東北地方から関東地方に見られた、
とても変わったたてもので、中に仏像を置いている。

中はぐるぐる回るような廊下になっていて、

順路にそって歩くと、

三十三観音や百観音などの

仏像が見られるようになっている。

またここ1カ所だけで、

いくつものお寺めぐりをしたのと同じようなごりやくがある。
 

このように文章を書き直してプレゼンするのが
当然なことなのだ。

※校外学習、野外教室、修学旅行…
学校お手製のパンフやしおりを沢山見てきたが、
その中にはネット紹介ページを無断で貼り合わせ、
難解な文章をそのまま掲載しているのが結構あった。

ここでは修学旅行を例にしたが、
実際は各教科や総合で、
まとめ新聞や発表資料を多く作成する。
そのときにはここで紹介した点に留意して進めていきたい。


※「タブレット時代②」では“大改革が始まる”。
その状況を考えていきたい。

 

 

教師にとって1年間で一番忙しい時期がやってくる。
それは年度末・年度始めである。
 

「諸表簿」「通知表」「要録」「学級編制」
「次年度引き継ぎ」「次年度の学年/学級経営」…
いろいろあるが、要領よく、効率的に処理する方策がある。

ここではそういった効率的に行っていく術を考えていきたい。


準備する期間として…
まずこれらの仕事を始める時期を考えると、
ズバリ2月。
しかも初旬頃から始め、3月を迎える頃には終了したい。
そういう固い決意をもって進めるのが大事である。
なぜなら3月には数々の雑務があるからだ。
だから遅くても2月にスタートすれば、
3月や4月は何ら怖くなくて済む。


①通知表と要録
2月中に準備しておきたいのが、
通知表の所見(学期所見、総合所見、道徳所見など)である。
評価はテスト類ですぐに出せるが、所見だけは書かなければならない。
そのために、
1.学期所見の材料をまず揃える。
2.総合/道徳/英語所見…15種類程度のパターン化した所見を準備。
3.委員会/クラブ/係名の記入

これらの準備が出来ていれば、通知表は難しくない。
だからこそ2月スタートなのである。

3学期の通知表が整ったら、それを基に要録を始めたい。
なお要録の場合は情報公開が開始したため、
様式1と様式2に分かれた。

この様式2にコピペするのは基本的に2.3学期の評価と所見。
通知表データを簡単に要録に移行できる方法があるので、
詳細は職員に聞いてみると良い。
自治体によって「常体で」と記しているようであるが、
要録は校内や学校間のみで利用される帳簿なので、
「敬体」のままのコピペでOKである。

 

敬体記載は業務効率化に繋がるので、文科省でも推奨している。
現在は何処の学校でも敬体表記が広がっている。
※「進級/卒業おめでとう」この類いの所見のみ要録から外す。

学校によって要録入力期間が設けられているので、
その期間内に作業する必要がある。
ただ通知表が完成しているのであれば、
せいぜい3日もあれば十分終了するボリュームである。

 

 



要 録 の 話
情報公開前の要録はB4版の裏表一枚で、
 改訂後はA4タイプの分割方式に変更された。
様式1に校長名/担任名が入る関係で、様式2のみが公開対象である。
公開請求を前提に記述するため、
表面的な事しか書けなくなっている。

関西方面は同和問題の関係で、記述欄は「特記事項無し」のスタンプのみ。
実質は何も書いていないに等しい。
将来的に要録を開示したり、利用したりする機会は殆ど無いので、
要録は形骸化された公簿の一つだろう。

 

 

 

 

②学級編制
一昔前は隔年実施(2.4年のみ)が通常だったが、
児童関係の相性や諸処の事情で、
現在はどの学年でも毎年実施するようになった。

ただこの編制も要領よく行えば1.2hで十分。
編制時の留意点として「学力面」を始め、
「リーダー性」「友人関係」「生徒指導の問題」「保護者関係」
「ピアノ」「走力」…いろいろ考慮していくポイントがある。
これらを全てを鑑みて振り分けるのは不可能に近いので、
基本は「学力」と「リーダシップ」の2点に着目すれば大体OKだろう。



例えば3クラスに分割するときに用意するのは名簿一枚のみ。
1.名簿にA、B、C(新クラスの1、2、3組候補)欄を設ける。
2.クラス児童を国語/算数の主要教科の学力中心に、
 男女別に能力順に並び替える。
  ex.クラスが30名とすると男女別に1~15番。
3.男子の上位児童から順番にA、B、Cに1名ずつ振り分けていく。
   女子児童は反対にC、B、Aの順に振り分けていく。
   これを繰り返すとA~Cに同程度レベル/同人数の児童が振り分けられる。
4.次にA、B、C、一つ一つを俯瞰するように確認する。
    ・リーダー候補が3クラスに鏤められているだろうか。
 ・トータルバランスが取れているだろうか。
 ・友人関係に支障が無いだろうか。
5.支障があるときのみ入れ替えを行う(児童数・男女割合に留意)。
6.基本的な3分割はこれで終了→編制カードも同様。
 

ここまで終えたところで、
最後に担任全員で3クラス分(約90名)の照合を行う。
単体ではOKでも、3クラスを集めた段階で支障が出るときがあるからだ。

この段階で少人数や専科担当がいれば、
そういった意見を取り入れるのも大事である。
必要があれば入れ替えを行い、最終判断して終了する。
なお編制時、A組は男性、B、C組は女性担任を推奨するときがある。
 

 

スムーズな学級編制をするには…
○学級編制カードに「保護者」「友人関係」という欄がある。
保護者欄は協力的/学年委員という記述が多かったが、
最近は「非協力的」「注意事項」が見られるようになっている。
また友人関係も様々な記述が記録されている。
・OさんとRさんの保護者同士で揉め合いが起きた。
・G君、H君、J君の間でトラブルがあった。
 こういった状況が複数あると編制作業は極めて難しくなる。

では編制に時間をかけずに済む方法はあるだろうか?

実はそれは非常に簡単。
健全なクラスを作っていれば、
この煩雑作業は一切消える。


友人関係が良好ならG~J君を離す必要がないし、
保護者同士の揉め事も発生しない。
勿論編制カードに留意事項を長々書く必要もない。

学力に優れてイニシアティブを取れる児童を、
単純に振り分けるだけで終了するのである。


だからこそ学級経営/クラスづくりは非常に大切なのである。
      

○なお懇談会などで保護者から学級編制の要望があったとき、
 「要望は承っておきますが、お約束は出来ません」
 決してYesと言い切らないこと。
○新年度の際、
 カードに「引き継ぎ事項」が多く記述されていた場合は、
 前年度の担任が、

 学級経営に躓いた可能性があるので、留意したい。
 

 

 

③年度末/年度始めの仕事一覧
夏季休業や冬季休業は有休を取りやすい。
しかし3月末~4月初旬の学年末/始休業は、
非常に慌ただしいので難しい。
数々の年度末処理、新年度の準備、
そして新学年の用意を始めなくてはならないからだ。

そのことを踏まえ、
旧年度のことは遅くても3月中に一切の終了が求められる。
新年度に入ってからはその事だけに集中できる態勢を整えておくのだ。

年度内の仕事一覧を紹介したい。
・教室内片付け
    次年度に向けて床や壁の清掃。ロッカー/靴箱のシール類を取り払う。
    ワックス掛けや掃除ロッカーの整備、学年棚の整理もこの時期。
    教師用机は次の方のために一段と綺麗に。
・物品返却
    定規類や指導書/教科書を元に戻す。
・児童机/椅子等の移動
 次年度学年の身長や児童数にあった机や椅子等を用意する。
     但しこれは一斉に行うので、最後に過不足のチェックを行う。
・中学校引き継ぎ
     6年担任は中学校で児童の引き継ぎを行う。
・書類準備
 新年度向けに各種公簿類の入れ替え作業(クラス毎/番号順)を行う。
    転出児童がいる場合、要録や保健関係の書類を準備する。
・事務引き継ぎ
 校務分掌の引き継ぎ書を基に今年度分を整理する。
・職員室内整備
    学年の配置換えに伴い、机や椅子の移動を行う。
・異動準備
      異動の場合は“貯めた物品”を整理するチャンス。
      必要なモノと今後使わないモノに分けたい。
      年度末中に次の学校に出向いて挨拶(日時が決まっている)。
・学校経営配布
 印刷や製本、配布(現在はPDF化)。
・新1年の教室経営
 壁面掲示、黒板装飾、名前シール貼り(教室/ロッカー/靴箱など)。
    この仕事は全職員で実施する。
・新年度教科書の確認、配付準備
    係の教員プラス学年1名程度でクラス分けを行う。

 

 


④新年度の仕事
○学年経営
年度当初で一番忙しいのが新学年に関わる仕事である。
 4月1日から始業式までの約一週間で、
 大凡のことを整えておかなければならないからだ。
 但しこれも効率的に実施すれば何ら難しいことではい。
      
学年内の校務分掌、テスト/用品/ノート選定及び購入は勿論、
学年の目標/学年開きなど詳細な打ち合わせを実施する。
そのため学年主任は詳細なレジメ(アジェンダ)準備が必須である。
それがあればロケットスタートが可能になる。
なお校外学習の予約が旧年度中に済んでいない場合があるので、
次の学年が発表された段階(3月末)ですぐに確認したい。
それらと並行に靴箱/学級机/ロッカー等の場所/数確認をする。


○児童引き継ぎ 
学年引き継ぎに延々1h以上かけているのを見かけるが、
殆ど無駄と言って良いだろう。
また伝達内容には次のような傾向がある。
・従順児童を誉め讃え、
 そうでないSや個性的Sに対して排他的である。
・要指導扱いされた児童が活躍する場面に遭遇する。
・前年度、学級経営に“苦労”した旧担任は話が長く、
 信憑性に欠ける傾向にある。

それらを踏まえると、
引き継ぎはせいぜい1クラス5~10分程度で十分である。

そういった伝聞はほどほどに、
4月はまっさらな目、自身の良識ある目で児童を捉え、
一人一人の豊かな感性を見出しながら、学級を創造したい。

○学級経営
学級経営を進めていく出発点は4月。
自分の目を信じて児童に接し、
そのメンバーを信頼していくことこそ肝要である。


「引き継ぎ」が無駄になりやすい点を、もう一つ紹介しよう。

引き継ぎの際、
「新年度の経営方針に関わる児童情報を得たい」、
そう思っているかも知れないが、きっとここがずれているのだろう。

新年度の経営を進める際、掌握しておきたいのはどちらだろうか。
 A.生徒指導上/問題児童等の把握
 B.リーダー候補の把握
通常はどちらも把握しつつ、Bを生かしていくだろう。
確かに35名という多くの児童を、
僅か一人の力でクラスに創造するのは大変な労力である。
だから担任と行動を共にするリーダー候補の6名、
つまり教師を加えた合計7名で、28名の健全性を磨いていく。
そこが規律ある学級を築いていく鍵になるだろう。

しかし3月までのBの情報はあまり役立たない。
その理由は非常にシンプルである。

候補のBは以前の集団の中で活躍していたのであって、
それが4月の混成チームでも同様になるとは限らない。
担任は新メンバーで「活きる児童」を発掘する必要がある。

アメリカのMLBやNBAを観れば理解できる。
旧チームでは鳴かず飛ばずだった選手が、
トレードで球団が変わった途端に活躍し、
主要メンバーに連なるのが世界の常識である。

その組織に合った資質を備えた選手が活躍する、
ここである。

4月のクラスは一言で言えば「バラバラ」である。
クラス編制され、考え方も行動も性格も全く異なる児童が、
たまたま一つのクラスに集結する。
リーダー候補、健全な考えを携える児童が存在するが、
トラブル児童、粗野な児童…
30名いれば30通りの考え方が飛び交っている。
 

そんなバラバラ状態なのが4月なのである。


旧クラスで培われた規則や約束、ルールが混在し、
判断材料さえ幾通りにも膨らんでいる。
そんな状態に陥っているのが4月なのである。

3月までの単体クラスのままであるなら、
旧担の声はある程度役立つかも知れないが、
4月時はそこが難しい。
・非常時に生き抜ける児童は一体誰なのか
・そこから抜け出せる児童は何処にいるのか
・明日を拓ける児童はどういった児童なのか

 

それを嗅ぎつけ、見抜くのが新担任の役割である。
GWまでの2.3週間で、
児童の実態/能力/特性等を把握し、6~8名程度ピックアップ。
イニシアティブある仕事に任命したり、
リーダー育成に努めたりする。
つまり自身で見極めたリーダー候補を育成しながら、
児童と教師が一緒になって健全な学級経営を目指したい。
本格的な安心安全学級を醸成するのは4月下旬頃だろう。

学級経営の創造は4月中に本格スタートする。

最初の数週間は全児童を把握し、
活躍できる素地を携えた児童は誰なのか、
注意を払ったり、声がけが必要な児童は誰なのか、
それを見極めて、どんな地図を描いていくのか熟考する期間である。