夜汽車の明日は…「北斗星」の旅路・後記④
(続き)もうひとつ、夜行列車を改善できない理由がある。
夜行列車は、長距離を走るものが多いため、複数のJRの線路をまたがって運転している。この売上はどのように配分されるのか?
実は、その列車が走る各社の距離に応じて配分されている。
たとえば、東京発熊本行のブルートレイン「はやぶさ」の場合、走行距離約1300㎞のうち、JR東日本が受け取れるのは、東京から熱海までの約100㎞程度の分だけ。
同じく、JR九州は約190㎞しかもらえない。「はやぶさ」の場合、九州は車両も担当しているから、維持費もかかる。
博多行「あさかぜ」、「さくら」、「みずほ」、「出雲」、廃止された東京発のブルートレインは、いずれも始発終着駅のある東日本と九州が車両を担当していた。
実入りが少ないうえ、車両も担当しなければならないのでは、さっさと廃止した方が得策だ。
もうおわかりだろう。JRになってから、通勤電車や昼間の特急が飛躍的に改善されたのに、夜行列車だけが旧態依然なままなのは、JR各社の利害の違いのため、手のつけようのないまま放置されてきたからだ。
これこそ、国鉄分割民営化の「影」の部分にほかならない。(続く)
夜行列車は、長距離を走るものが多いため、複数のJRの線路をまたがって運転している。この売上はどのように配分されるのか?
実は、その列車が走る各社の距離に応じて配分されている。
たとえば、東京発熊本行のブルートレイン「はやぶさ」の場合、走行距離約1300㎞のうち、JR東日本が受け取れるのは、東京から熱海までの約100㎞程度の分だけ。
同じく、JR九州は約190㎞しかもらえない。「はやぶさ」の場合、九州は車両も担当しているから、維持費もかかる。
博多行「あさかぜ」、「さくら」、「みずほ」、「出雲」、廃止された東京発のブルートレインは、いずれも始発終着駅のある東日本と九州が車両を担当していた。
実入りが少ないうえ、車両も担当しなければならないのでは、さっさと廃止した方が得策だ。
もうおわかりだろう。JRになってから、通勤電車や昼間の特急が飛躍的に改善されたのに、夜行列車だけが旧態依然なままなのは、JR各社の利害の違いのため、手のつけようのないまま放置されてきたからだ。
これこそ、国鉄分割民営化の「影」の部分にほかならない。(続く)
夜汽車の明日は…「北斗星」の旅路・後記③
(続き)また長くなるが…(笑)。
道内夜行が「はまなす」のようなサービスをしたとしても、それだけでは生き残ることは困難だったと思う。
「はまなす」と同じ区間には、寝台特急「北斗星」「カシオペア」も走るし、夜間多くの貨物列車も走っている。
貨物列車の収入は列車を運行するJR貨物のものだが、線路を貸しているJR旅客会社にも線路使用料が入る。
だが、道内夜行の走っていた区間には貨物は走らない。釧路方面には走っているが、本数は少ない。
そういう路線に夜行を走らせるには、ある程度の利用客がないと「原価割れ」してしまう。
夜行列車は「コスト」がかかるのだ。
乗務員も深夜勤務になるし、たった1本の列車のために、駅員や列車指令も起きていなければならない。
車両も、昼間の特急なら1両に60人乗れるが、カーテン1枚だけのB寝台車は30人程度、個室寝台車は20人程度だ。あの割高な寝台料金でも割が合わない。
JR発足当初は、夜行バスに対抗するために、あるいは「北斗星」の成功を受けて夜行列車の改善に力を入れていたが、最近のJRが夜行列車をいっさい改善せず、ただやみくもに廃止し続けているのは、儲らないからだ。(続く)
道内夜行が「はまなす」のようなサービスをしたとしても、それだけでは生き残ることは困難だったと思う。
「はまなす」と同じ区間には、寝台特急「北斗星」「カシオペア」も走るし、夜間多くの貨物列車も走っている。
貨物列車の収入は列車を運行するJR貨物のものだが、線路を貸しているJR旅客会社にも線路使用料が入る。
だが、道内夜行の走っていた区間には貨物は走らない。釧路方面には走っているが、本数は少ない。
そういう路線に夜行を走らせるには、ある程度の利用客がないと「原価割れ」してしまう。
夜行列車は「コスト」がかかるのだ。
乗務員も深夜勤務になるし、たった1本の列車のために、駅員や列車指令も起きていなければならない。
車両も、昼間の特急なら1両に60人乗れるが、カーテン1枚だけのB寝台車は30人程度、個室寝台車は20人程度だ。あの割高な寝台料金でも割が合わない。
JR発足当初は、夜行バスに対抗するために、あるいは「北斗星」の成功を受けて夜行列車の改善に力を入れていたが、最近のJRが夜行列車をいっさい改善せず、ただやみくもに廃止し続けているのは、儲らないからだ。(続く)
夜汽車の明日は…「北斗星」の旅路・後記②
(続き)快速「ムーンライトながら」や高速バスは、安価なぶん横にはなれない座席夜行だし、「カシオペア」「トワイライト」のA個室は、移動手段というよりも、乗ることそのものが目的の特殊な夜行列車だ。
このどちらかに特化できない夜行列車が、今JRの線路から次々と姿を消している。
でも、我々が一番望んでいるのは、安価で快適に移動できる夜行だ。
道内夜行の場合、昼間の特急と共用の座席かB寝台だけ。「北斗星」のB個室と同じ値段で、あのカーテン1枚の二段ベッドでは客足も遠のく。
しかも、どさくさ紛れに特急に格上げしたが、急行時代と所要時間は変わらず、単なる値上げでしかない。
利用客が減ったのではなく、自ら減らすようなことをしていたのだ。
札幌と青森を結ぶ「はまなす」という急行がある。こちらは、グリーン車のイスを転用した「ドリームカー」や、ザコ寝ではあるが、枕と毛布も貸してくれる「カーペットカー」などがあり、安い急行料金に指定席料金をプラスするだけで乗れるから人気も高い。列車自体も毎日運転され、廃止の予定もない。
もちろん、新幹線連絡という側面もあるから、単純に道内夜行と比較は できないが。(続く)
このどちらかに特化できない夜行列車が、今JRの線路から次々と姿を消している。
でも、我々が一番望んでいるのは、安価で快適に移動できる夜行だ。
道内夜行の場合、昼間の特急と共用の座席かB寝台だけ。「北斗星」のB個室と同じ値段で、あのカーテン1枚の二段ベッドでは客足も遠のく。
しかも、どさくさ紛れに特急に格上げしたが、急行時代と所要時間は変わらず、単なる値上げでしかない。
利用客が減ったのではなく、自ら減らすようなことをしていたのだ。
札幌と青森を結ぶ「はまなす」という急行がある。こちらは、グリーン車のイスを転用した「ドリームカー」や、ザコ寝ではあるが、枕と毛布も貸してくれる「カーペットカー」などがあり、安い急行料金に指定席料金をプラスするだけで乗れるから人気も高い。列車自体も毎日運転され、廃止の予定もない。
もちろん、新幹線連絡という側面もあるから、単純に道内夜行と比較は できないが。(続く)