Little Friends -341ページ目

函館の危機④

(続き)北海道は、観光を産業の目玉と位置づけ、積極的な観光客誘致を行ってきた。

この10年くらいで、中国や韓国などからの観光客は確かに増えた。そのかわり、日本人観光客が減ったら意味はない。

この10年というのは、実は北海道経済がどんどん悪化してきた10年だ。

それを直視することなく、本気で住みやすい町を作ることもなく、なまじ観光資源があったがために、安易に観光客誘致に走った北海道。

でも、住んでいる人が生き生きと暮せない町に、いくら観光客を呼び込もうとしても、意味がないのではないか?

格差拡大による地方経済の崩壊だけでなく、産業育成と経済再生に真剣に取り組まなかったツケが、ここにきて顕在化していると思う。

官民とも、安易に観光に依存した結果が、観光客減少という形で現れているだけだ。

未来の見えない中で、道民は自信も希望も見失い、自分たちの住む北海道の元気のなさにも、見て見ぬふり。

財政再建団体に転落してしまった夕張は、まさに今の北海道の象徴だし、北海道自体が夕張化しかねないのが現状なのだ。

でも、今のままでは、北海道だけでなく、日本中が同じ道を辿りかねないと危惧するのは、僕だけだろうか?

函館の危機③

(続き)函館の場合、五稜郭、函館山、元町、ウォーターフロント、湯の川温泉など、有名な観光地は多いが、何度も行きたいような場所ではない。

にもかかわらず、僕のように何度も函館に行く人は、函館の町自体が好きだからだ。

目の前に広がる津軽海峡、異国情緒漂う優しい町並み、その町を包みこむようにそびえる函館山…。

だが、この10年くらいは、町歩きをしていてもつまらなくなった。観光客向けのチープな店ばかりで、地元の人が行くような店や魅力のあるスポットが減っている。

なにより、町そのものに活気がない。そりゃそうだ。特に地場産業もなく、景気は最悪、物価も決して安くない。

愛知にいる時、函館から来ている人と親しくなったが、その人の前職は、僕でも知っている食品会社の営業マン。

給与は上がらず、ボーナスはカット、とても家族を養えず、函館に家族を置いたまま、もう3年も契約社員として愛知で働いているそうだ。

函館は、住むにはいい町だと言われるが、若い世代すら、仕事がなくて函館を離れる人が多いとも聞く。

いくらいい町でも、食べていけなければ町はさびれてくる。これは、函館だけでなく道内各都市共通の問題点だ。(続く)

函館の危機②

(続き)日本の特徴は豊かな四季の変化であり、同じ場所でも季節によって全く違う趣がある。それが、日本の旅の醍醐味でもあるのだが、冬の長い北海道の場合は、圧倒的に観光客が夏に集中する。

実際には、北海道だって四季折々の魅力があるのだが、夏の北海道は涼しいと思うのか、とにかく夏に観光客が殺到する。

1年のほんの一時期だけ客が集中しても、どこだって対応しきれず味も接客も雑になるし、観光客向けのボッタクリ商売も横行する。

この結果、もう一度来たいとは思わない人が増えれば、徐々に観光客だって減るだろう。

函館に限らず、道内の有名観光地の場合、変に観光客向けの施設を作るのも問題だ。道外と違って、歴史のない北海道では、史跡や歴史的な建造物に頼れないから仕方ないのかもしれないが、地元の人が行かないようなハコ物を作り、どれも似たり寄ったり。北海道に来たという実感も涌かないだろう。

函館のウォーターフロントも、小樽運河界隈も、僕は開発される前の方が、独特の風情があって好きだった。

有名な観光名所だけでなく、至るところに増えたチープな土産物屋にもウンザリする。。夏の観光シーズンだけの、怪しげな店も多い。(続く)