※注意※
この小説は・・・・・・
ブログ漫画
を元にした二次創作小説です!
原作にないお話は、基本的にフィクションです☆
※心情や情景等、原作漫画や現実とは異なる
描写を大幅に加筆しました☆
著作権は原作者と本作著者に帰属。
転載したい時はご一報下さいませね☆
以上の事をOKな方は、拙い文で恐縮ですが、読んでいって頂けると嬉しいです。
※漫画家でブログ友達のゆうゆうへ
小説の作成&掲載、漫画のカット使用を快諾、イラストの寄稿まで!
本っっ当にありがとう!!(≧▽≦)
以下、小説本編始まり始まり~☆
********
原作ブログ漫画
原作漫画著者&イラスト
小説著者
:【七瀬 夏葵(ななせ なつき)】
※目次&あらすじ
小説版
【芸人と結婚します!】36
第十話
「相方」
~Part.3~
ひとしきり共感し合った後、カッキーはあらためてタカタに問い掛けた。
「……ところでさ、タカタさんが本当にやりたい笑いって、どんなの?」
どうにもならないと気付いた後だからこそ、彼がこの先どうするつもりなのか気になった。
出来る事なら応援したい。そんな思いだったのだが……。
「やりたい笑い……。ん~と……」
カッキーの問いに、タカタは少しの間沈黙し、考え込んだ末に口を開いた。
「……僕、何よりも喋ることが大好きなんです。自分が面白いと思うことを人に喋りまくりたい!!!!可能であれば、それで皆をハッピーにしたい!!!!」
きっぱりと、迷いなく続ける。
「何も束縛されず、世界中飛び回って、面白いことを見付けて喋りまくりたい!!!!僕が望む最高のビジネスパートナーは、そんな僕の人生をずっとネタにしてくれる語りべなんです!!!!」
そう言いきったタカタに、カッキーはげんなりしながら口を開いた。
「……タカタさん、そんなの、タカタさんのこと相当好きな人じゃないと無理ですよ……」
普通に考えて、対価もなしにそこまでやってくれる人間はそうそういないだろう。
「まったく……。なんちゅ~要求ですか……」
「ハハ……。そんな都合イイ人いないですよね……」
肩を落として涙ぐんだ直後、タカタはふいに思い出したようにもじもじと恥ずかしそうに顔を赤らめ、ボソリと口を開いた。
「でも僕、今まで3人位にそうやって頼んでみたことがあるんです……」
「僕の人生の語りべになれって!!??そんで!?」
そんな突拍子もない事を考えるだけでもスゴイが、実際に頼んだ事があるとは!!
驚きを隠せないカッキーの前で、タカタはアッサリと即答した。
「断られました」
「そりゃそーですよ!!!!」
思いっきり納得いくというか、むしろ当然すぎる結果だろう。
そんな頼みごとを引き受けてくれる人がホイホイ見付かるなら、世の中もっと楽で平和に違いない。
「それはそうと、僕、最近色んな女の子に恋したでしょ?」
唐突な話題変えに少々面食らいながら、カッキーはフンフンとタカタの話に耳を傾けた。
「慣れない事して、デートに誘って、計画立てて、メシ食って、映画観て……。でも、全然自分らしくなかった」
「型通りの恋愛だったよね(撃沈したし)」
思わずツッこんだカッキーに、タカタが涙ぐみながら反論してきた。
「僕の尊敬する放送作家さんが言ってたよ!『自分の本質とズレたことしちゃダメ』って!!自分らしくしなきゃ本当にダメなんだ!!!!」
「自分らしく……」
たしかに、そうかもしれない。
感心するカッキーに、タカタは興奮気味に熱弁した。
「僕ね!相方のこと、本当にスゴイ奴だとおもってんの!!!!これだ!!!ってもの掴んだら絶対売れる奴なの!!」
真剣な目に、熱の入った声。
タカタは本当に相方の実力を評価し、尊敬しているのだろう事がうかがえた。
「真面目で、本当に才能がある!相手が僕じゃなきゃ、もっともっと早く成功したかも!!」
そこまで言って、タカタはふいに言葉を切り、それから静かに続けた。
自分は相方のスキルに依存していた。
本当は、一人でやることが怖かっただけかもしれない。
「……けど!そろそろ決断しなきゃダメなんだ!!!!」
―――― ズキン!!
胸が痛んだ。
『彼のスキルに僕の方が依存しちゃってて……』
『本当は一人でやることが怖かっただけかもしれない』
タカタの言葉が、棘のように心に突き刺さる。
脳裏をよぎるのは、未だ鮮やか過ぎるあの日々。
同じ時を刻んで来た、あの、成沢君との、記憶……。
―――― そう……だよね……。
分かっていたハズだった。
状況も性別も違うけど、タカタと自分は、たしかに同じ事を感じ、悩んでいて。
だからこそ、悩み抜いた末に辿り着いた結論はきっと、同じ……。
『どんなに長い付き合いでも、別れた方が良い事もある』
カッキーにとっての相方は、つい最近まで彼氏だったあの【成沢(なりさわ)君】だった。
タカタが相方に依存していたように、カッキーもまた、相方である成沢に依存していた。
長年の付き合いから、どうしても彼に甘えているところが大きかったのだ。
マンガのことだけではない。プライベートでもそうだった。
彼にだけは自分の全てを分かって欲しい。受け入れて欲しい。
けれど、現実には無理な事ではないかと、いつからか気付き始めていた。
〝2人″である以上、全てが〝同じ″にはなれない。
離れた方が良い事もあるのではないか、と……。
けれど、長年苦楽を共にしてきた成沢の手を離す事は、やっぱり……、辛かった。
それでも別れを選ぶ事が出来たのは、タカタの存在があったからこそ。
あったかくて、眩しいくらい輝いていて、いつも元気と勇気をくれる。
カッキーにとってタカタは、いつの間にかそんな大切な存在になっていた。
だからこそ、成沢への依存から脱却し、新しい一歩を踏み出す事が出来たのだ。
「どっちが悪いんじゃない!!相性が悪いだけなんだよ……!!今話したこと全部伝えて……、僕ら、コンビを解散する!!」
タカタの言葉に、カッキーの視界が歪んだ。
どれだけタカタが相方を思い、共に夢を叶えたかったか。
痛いくらい、分かったから……。
「本当に……、それで、いいの……!!??」
その問いかけに、タカタは顔を覆い、震える声で答えた。
「……カッキーが聞いてくれて、マジで良かった……!!すごい楽になったよ……」
そう言って、パッと顔をあげ、優しい目でカッキーを見つめた。
「僕は解散しちゃうけど……、カッキーはダメだからね!!!!」
ズキン!!
胸が、痛んだ。
「カッキーと彼なら、本当に良い作品が絶対描けるよ!!今まで頑張ってこれたんだから続けられるよ!!」
――――― タカタさん、ごめん、私……、わた、し……!!
ドンドン視界が滲んで、堪らず顔を覆った。
――――― もう、遅いんだよ……。だって、私は……、私が好きなのは……!
「泣かないで……。お互い、ホント頑張ろうよ!!!!」
ハンカチを差し出し、タカタは言い聞かせるように静かに呟いた。
「ホント、我々、頑張らんといかんですね……」
その声が優しくて、カッキーはなおさら顔を上げる事が出来なくなった。
窓の外は快晴。
静かな、秋の日の事だった……。
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小説版【芸人と結婚します!】36
第十話
「相方」
Part.4
(完)
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※目次&あらすじ
⇒小説版【芸人と結婚します!】目次
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