皆さんこんばんは


福岡県で理学療法士をしてますkenkenです*



前回記事で、排泄トラブルの便秘症に関する話題を中心にまとめさせていただきました。

※まだご覧になられてない方は以下記事を参照ください


一部抜粋すると、


便通に関する実態調査で、シニア世代(60〜80代、600名)の約半分の方において、排便がうまくできていない結果を示しています。

また、その便秘に対して安易に下剤を多用すると、その場での便秘は解消しても下剤による効果に慣れたり、効きすぎることで便失禁などを引き起こす可能性も十分に考えられます。


トイレ動作は、その人の尊厳を守るうえでも非常に重要な生活動作です。


その動作自体ができないことも問題になりやすいですが、「尿失禁」に比べて「便失禁」というのは自分やその周囲(家族や介護者など)にも大きな介護負担をかけてしまうため傷付きやすく、尊厳を著しく低下させる要因となります。


そこで今回は、「便失禁・下痢に関する内容」に着目しながら情報を整理し、まとめていきたいと思います。



  ​便失禁とは

国際失禁会議によると、「自らの意思に反して社会的、衛生的に問題となる状況で、液状または固形の便が漏れる症状」と定義されています。


症状の期間としては、「3ヶ月以上続く再発性で制御不能の便漏れ」とされています。


※日本のガイドラインでは、「無意識または自分の意思に反して肛門から便が漏れる症状」と定義され、肛門からガスが漏れるガス失禁とは区別している(両者を含めて「肛門失禁」という)。



  ​便失禁の種類と原因

「便失禁(便もれ)」には、漏出性便失禁、切迫性便失禁、腹圧性便失禁の大きく3つの種類があります。※文献によっては混合性の表記もあります


漏出性便失禁

内肛門括約筋が緩いため、本人がコントロールできず知らないうちにもれてしまう便失禁

便意を伴わず、気づかないうちに便を漏らす症状

 内肛門括約筋は平滑筋で、自律神経支配のため、普段は意識しなくてもある程度便が溜まっても肛門に溜めておくことができる

《原因》主に神経の損傷など


切迫性便失禁

外肛門括約筋が緩いために我慢できずにもれてしまう便失禁

便意は感じるが、トイレまで我慢できずに便 を漏らす症状

外肛門括約筋は横紋筋であり、意識的に肛門を締めて便を我慢する仕組みをもつ

《原因》骨盤底筋の脆弱化や過敏性腸症候群など


腹圧性便失禁

重い物や咳・くしゃみをした時に便がもれる便失禁。

図. 直腸肛門部の解剖




そのほか

加齢によるもの、肛門周囲の括約筋や神経の損傷、直腸肛門疾患、直腸癌手術後、内科的疾患など様々あります



  ​便失禁の評価、検査

《評価》

・現病歴の聴取

 排便記録や習慣の確認、便失禁の程度、

 ブリストル便性状スケール評価

便失禁の重症度

Wexner score(クリーブランドクリニック便失禁スコア、CCFIS)

便失禁の程度を、固形便や液状便の失禁、ガス失禁、パッドの装用頻度、日常生活の変化の5項目について0から4のスコアをつけるもの。0点が便失禁なし、20点が最重症になる。



《検査》

便失禁の検査法は、大きく生理的検査形態的検査に分けられます。


※検査の概要については以下URL情報をご参照ください



  ​便失禁に対する治療とリハビリテーション

便失禁に対する治療には、保存的療法外科的治療の2つに分かれます。


便失禁診療のアルゴリズム


食事・生活指導
・便を軟化させるカフェイン、柑橘類、香辛料の多い食品やアルコールの摂取を控える必要があります。
食物繊維は便性状を改善し便失禁にも有効です。

排便習慣指導
・脊髄神経障害や高齢者では、直腸感覚低下のため直腸に便があっても便意がなく、糞便貯留による溢流性便失禁を生じることがあります。
・たとえば時間誘導(1日2回、朝夕食事前など)で、便意がなくてもトイレに行く習慣から開始する習慣作りも有効です。



骨盤底筋トレーニング





便失禁に対する外科的治療フローチャート




 以上、本日は「排泄トラブルの便失禁・下痢」に着目して情報を整理してまとめてみました。


中々、普段は考えることの少ないテーマでしたが、調べてみると分かっていないことが多く沢山の学びがありましたニコニコハッ


皆さんの日常生活に少しでもお役にたてたら光栄です電球気づき


最後までご覧になっていただきありがとうございます^ ^


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