皆さんこんばんは


福岡県で理学療法士をしてますkenkenです*



本日は、入院生活のはじめや退院後生活のはじめなど、これから何かしらの新しい生活がスタートするときに大事な視点について考えていきたいと思います。


特に、私は病院勤務で患者さん、家族さんと接することが主であるため、入院生活と絡めて大事にしている考えも共有させてくださいにっこりイエローハーツ



入院患者さんや地域にお住まいの方にとって、「生活すること」という意味を改めて考えると、、生きる、自立、自律など色々なワードが出てくると思います。



生活という言葉の意味を調べてみると、


『生物として生存する面と、人間的・社会的に暮らしていく面の両面で定義するものが多い』とされています。


《キーワード》

・生存する面

・人間的、社会的な面



いずれも大事な要素だと思いますが、生存する面でいうと、マズローの欲求階層説では1番土台部分にあたる生理的欲求が該当します(下図)。



※マズローの欲求階層説

アメリカの心理学者であるマズローが1960年代に提唱したもので、「人間は、自己実現に向かって絶えず成長を続ける」という人格理論を前提とされています。


生理的欲求


食事や睡眠、排泄といった人間が生命を維持するために必要な行動に対する本能的な欲求です。


つまり、何が言いたいかというと、「生活」の生存する面については、本能的にヒトが求めるため比較的その生理的な欲求が脅かされる場合には、一生懸命守る、自然に獲得しようと努力することが想像できます。



ADLの自立度や難易度に関する研究報告


・ADL構造をBarthel index(日常生活動作能力の評価)を用いて分析すると、自立度の高い順は、①食事、②排便管理、③排尿管理、④整容、⑤移乗、⑥トイレ動作、⑦更衣、⑧歩行、⑨階段、⑩入浴である(正門ら,1989)


・脳卒中患者170名のFIM (日常生活動作能力の評価)にて、運動項目で自立度の高い項目は排便管理、排尿管理、食事、逆に低い項目は階段、清拭、浴槽移乗であった(辻ら,1996)



上記のように、食事や排尿・排便管理に関しては自立度が高くなりやすいが、整容や更衣、入浴動作は獲得が後半になってくる、もしくは自立しにくいことを示しています。




ここからが今回の話したい内容の中心になってきます。


自立度が低くなりやすい整容や更衣動作はどうにか対策できないのか?



、、ということを考えたときに、


皆さんだったらどんなときに、身なりを整えて、服を着替えようと思いますか?にっこり


お友達とご飯や若い方でいえばデート、社会人でいえば商談の予定など、決まった予定に対して、気持ちや行動を準備して行っているのではないでしょうか物申すキラキラ



、、しかし、残酷にも病気や怪我は、いつどこでだれがなるかは誰も分かりません。


そして急に、入院生活は突然始まります。

はじめは、病院側の伝えられる通りに、自分の身体や現状理解、今後のことに加えて病院のルールも把握しながら入院生活がスタートします病院

開始当初はよいですが、1日の流れや1週間の流れが分かってきたら、できるだけお任せや受け身の状態でなく、主体的な関わりをもつことをオススメしますグー炎



ここがPOINT電球

「現在地(時間、日付など見当識)」を知り、「先の予定(スケジュール、カレンダー)」を見据えて心構えや行動につなげていくことが非常に重要だと考えます。




特に、高齢の方に多いのですが、


入院時に、時計やカレンダーがない、今までケータイを使用してない、日記をつけてないなど今の現在地(見当識)を適切に認識できないと、認知機能の低下や何のために頑張らないといけないなどの目的意識が極端に薄れていきますもやもや



「目標のないリハビリに成果が出にくい」ように、どれだけクリアに「現在と近い未来」が分かっているかが入院生活を前向きに過ごすポイントだと思います。


自分なりの結論


自分だけの時間ではなく、社会とのつながり(病院内や家族との接点)がどのくらい認識できているかによって、整容や更衣動作の目的意識や動機づけができるのではないかと考えています。


実際に、家族の面会予定、リハビリ時間やその内容について自分で話すことが出来る・把握している方は、身体が良くなるペースがそうでない方よりも早い印象を受けます上矢印上矢印



ねりま健育会病院院長の酒匂正春先生が執筆された「患者の心がけ 早く治る人は何が違う?」の中で印象的なところがありました。


「いくら良い先生のもとで治療を受けることができても、患者さんに良くなりたいという気持ちがあるかどうかで結果は変わります。」

担当の医師を信じることができない」「医師に任せる気持ちになれない」という場合にも治療はうまくいきません。

▶︎(要約すると)
患者さん本人が「病気を治したい」と本気で思い、かつ医師を信頼しているということが決めてになると述べています。



 以上、本日は生活をデザインする意味とは?(ADL自立度との関係)のテーマでお話をさせていただきました。


生理的な欲求である食事、排尿・排泄ケアに比べて、優先度が劣りやすい整容や更衣動作に対して、目的意識や動機づけをするためのポイントについてまとめていきましたびっくりマーク


モノで言うと、時計やカレンダー、スマホやケータイが使えるならなんでもよいので、まずは見当識が保たれるように環境を整えていくことが第1優先です物申す



その上で、リハビリ時間やスケジュール、どんな内容をしたのかなど、具体的に現在地から近い未来の予定をしっかり把握して目的意識をもつことに努めていってはどうでしょうかルンルン


その延長で、予定時間に合わせた準備など整容や更衣動作がより意味をもつようになってくると考えます拍手


皆さんの日常生活に少しでもお役にたてたら光栄です電球気づき


最後までご覧になっていただきありがとうございます^ ^


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