前回のブログ「私の俳句:2023年3月」に補足します。
昨年第1回の募集があった鈴木六林男賞に応募し、落選しました。その応募作品が『第1回鈴木六林男賞作品集』として発行されました(鈴木六林男賞委員会 2023年3月3日刊)。
応募は20句(掲載も)ですが、俳句として報告、説明レベルの未熟なものがあったり、ほかへ発表したものもあったり(論外です)、レベルの低い応募作で猛省しています。鈴木六林男先生、申し訳ありませんでした。ましかなと思う12句を載せます。
枯葎
飛ぶ鳥がくわえる魚は春野見る
紙魚避ける鈴木六林男の句集かな
水中花かざして意識下入りゆく
生ビール首まで飲むも癒されず
蛇の衣体に巻いて叫ぶなり
都会の底渋谷は水母集う海
かはほりは意識空間飛び回る
震災忌鳴けない虫は手を上げて
霧出れば地霊が歩く過疎の村
薄氷は鳥の形の記憶かな
我々の一人不明のままで冬
俳人は死ぬまで生きよ枇杷の花
『鈴木六林男句集』(鈴木六林男著 齋藤愼爾解説 芸林書房 2002年)から、私の好きな句です。
遺品あり岩波文庫『阿部一族』
射たれたりおれに見られておれの骨
母の死後わが死後も夏娼婦立つ
わが死後の乗換駅の潦(にわたずみ)
昨日死に今日鉄塔の尖(さき)に冴え
寒鯉や見られてしまい発狂す
敵らしきものが寝ており冬に入る
未黒野のイエスの裔としてどもる
蟋蟀に息ぬくことをおそわりし
河の汚れ肝臓に及ぶ夏は来ぬ
われわれとわかれしわれにいなびかり
写真は2020年4月14日の、自宅から徒歩約35分、菊名桜山公園(通称カーボン山)の八重桜です。コロナ禍でさくらまつりは中止でした。今年はもう満開を迎えているのでしょう。
ブログに書いています。
菊名のカーボン山の桜
https://ameblo.jp/7176ns/entry-12587125242.html?frm=theme
菊名のカーボン山の桜(続)