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もっと!六大合演OBOGバンドReturns!

2016年4月に結成した、東京六大学応援団OB/OGによる吹奏楽団「六大合演OBOGバンドReturns!」のブログです。普段更新しているFBページではお伝えしきれない団員の素顔などに触れていただけるblogにしていきます!

【Returns!団員の素顔に迫る その11 前編】

Returns!第三回定期演奏会の余韻も冷めやらぬ8月8日、今期で退団するドリルスタッフチーフの酒巻孝治さん(東京大学 平成2年卒)、そして演奏スタッフチーフの池田正夫さん(慶應大学 平成4年卒)に今回の演奏会を振り返っていただきました。
最近、なぜか酸っぱいものが飲みたくなるという酒巻さんはメガレモンサワーを片手に、糖質制限中の池田さんはハイボールを片手に対談がスタート。話は演奏会に留まらず、二人の出会いから二人の共通点、演奏とドリルの違い、Returns!にとっての楽しさ、Returns!が二人の人生にどう影響を与えたのか、など多岐に渡りました。
それでは、酒巻・池田ワールドへどうぞ!

(取材・文 K04池田由起子)


Returns!3期 演奏スタッフチーフの池田さん(左)とドリルスタッフチーフの酒巻さん(右)


■三回目の演奏会を終えた今の心境

― まずは演奏会が終わった今の心境を聞かせて下さい。

池田:演奏会を迎えるたびに、Returns!は本当に多くの方々に支えていただきながら成り立っていると改めて感じますね。バンドメンバーが一生懸命練習に励んでいることはもちろん、練習場確保、機材準備・運搬、広報、会計、演奏会企画...上げていったらきりがないぐらいのことを皆で手分けして担ってます。仕事や家庭などで忙しい中、多くの大変な作業をみんな黙々と自分から進んでやってますしね。当日の裏方も、バンドメンバーではない多くの方々にご協力をいただいていて。やっぱり学生時代に培った応援団の精神なのかなぁと思いますね。ありがたいです。

酒巻:本当にありがたいですね。当⽇の裏⽅助っ⼈も含めてたくさんの⼈たちの⼒が合わさってあの演奏会が開かれて、メンバーもお客様もそれぞれに何かを得たのではないかと思いますね。僕⾃⾝もとても得るものが多かった気がしてます。誰とは⾔わないけど打上げの司会とかそれぞれの得意分野をきちんと受け持ってパワーを発揮して、すごいチームワーク。もしかすると演奏やドリルそのものよりも、そういう意味でのチームワークがまずすごいよね。

― 今の率直なお気持ちはいかがですか。

酒巻:意外と難しいね。ホッとしていますということなんだろうなぁ。

池田:ホッとしている感じですか。出来はどうでしたか。

酒巻:すごく良かったんじゃないでしょうかね。

池田:良かったですよね。僕も今までの演奏会で一番満足感がありますね。

酒巻:どう良かったかというのはなかなか難しくて。対談のオファーが来た時から、きっと聞かれるだろうなと思って考えていたけど、上手く言えないね。はっきり言ってドリルというのは出来がよく分からないんだよね。

一同爆笑

酒巻:本番は前で見てないし(笑)。

池田:確かに。

酒巻:お客さんの拍手が良かったというような反応が分かるくらいで。敢えて言えば、曲が止まったか止まらなかったかしか分からない。

池田:ラインが揃っているかどうかなんて本番見られないですしね。

― 演奏会後に改めて過去のドリルステージの映像を観たんですが、曲数が多く、曲やコマの難易度も高かったので、覚えて動くので精一杯な印象がありました。打ち上げの時に今回の映像を観ましたが、曲数を減らして難易度を下げたことで全体的にきれいに決まり、まとまっていた感じがあったように思います。

酒巻:まあ、それが狙いだったんですけどね。

池田:個人的にも、僕もメンツとしてドリルをちゃんと仕上げた感があって、ある種余裕を持って本番に臨めたんですが、ドラムメジャーとしてもそれは感じるものなんですか。

酒巻:それは感じますね。ただ、ドラムメジャーは常にドリルが途中で止まるという不安に苛まれているんですよ。僕はそれが一番怖い。

― 実際に起こったことはありますか。

酒巻:練習ではあるでしょう。夢に見ると言ったら嘘になるけど、それに近い状態で、「止まったらどうしよう」といつも思っている。

池田:それは今回の演奏会でもありましたか。

酒巻:ありますよ。やっぱり本番のホールでは何が起こるか分からないから。そういう意味では、止まりづらい曲を今回は選びました。「クラウン・インペリアル」とか「どうにもとまらない」とか、まさにどうにも止まらない曲を選んだんですよ(笑)。

池田:去年は、メンツをやっていて、本番止まってもおかしくないと思う曲がありましたけど、今年は止まる心配は全然なかったです。でも、ドラムメジャーはそれでも心配なんですね。

酒巻:例えば、中間部だって、歩いていないパーカッションと一拍ズレれば止まると思う。ドリルの止まらなさは意外と脆弱なんですよ。前で指揮を振ってないし。

池田:そうか、指揮がないから立て直らないんだ。演奏とドリルでそういう違いがあるんですね。僕は指揮をやっていて、本番に途中で止まる心配なんてほとんどしたことがないですから。

酒巻:だって、自分(指揮者)が止めなきゃいいわけだから。

池田:それがドリルの大きなポイントなんですね。

酒巻:だから、僕は「THROW DOWN」(Returns!第一回定演)や「アルヴァマー序曲」(第16回東京六大学応援団連盟合同演奏会)とか、割と分かりやすくて止まらなそうな曲しかやらない、というかやれないんだよね。



第一回演奏会オープナー「THROW DOWN」


池田:その恐怖心って、ドラムメジャーが全般的に持っているのか、酒巻さんが特に敏感なのか。どちらだと思いますか。

酒巻:うーん、ドラムメジャーはみんなそうなんじゃないかな。ドラムメジャーで飲んだり、話したりするときに「あの曲、止まるよ」という話はよく出るから。

池田:今の話だと、酒巻さんは、それを回避するための選曲を現役の時からしていたということなんですが、そういった時に、止まりそうな曲を選ぶドラムメジャーというのはどういう心境なんですか。

酒巻:それはその人に聞いてよ(笑)。

池田:チャレンジなんですかね。

酒巻:その話は非常に面白くて、そのくらいがいいというドラムメジャーもいるんだよね。「ギリギリで仕上がるくらいがいいよな」って。

池田:酒巻さんはそこにはあまり同意できないわけですね。面白いなぁ(笑)。

酒巻:目をつぶってでも止まらない曲じゃないとやりたくないんだもん。止まるのが怖いという意味ではなくて、お客さんも止まらない方が喜んでくれると思うからだけど。

池田:そういう好みの違いというのがあるんですね。

酒巻:ある代のドラムメジャーたちはどちらかというとそういうギリギリを狙う志向が強かったかな。

池田:スリル志向(笑)?

酒巻:「やる方も観る方も、それくらいじゃないと面白くないだろう?」っていう感じ。全く間違ってないですよ。ただ、僕はそういうタイプではないというだけ。それに、「ドリルの面白みというのは量、つまり長さもあるだろう」と。いくら美味しくても、ざる蕎麦一杯というわけにはいかない。やっぱり前菜があって、スープ・サラダがあって、メインがあってというように、ちゃんと量もないと、という考え。


■今回の演奏会は、僕らの世代の合演のフォーマットがいい意味で崩壊した

池田:1回目と2回目のReturns!の演奏会のドリルは、良くも悪くも量が多いのが大事という考え方に縛られたドリルだったような気がします。今回は、そこから脱却した部分があると思っていて、僕はそれが良かったんじゃないかと思っているんです。

酒巻:試行錯誤だよ、まさに。だって、最初はみんながどれくらいできるか分からなかったから。その中で第一回をやってみて。そうしたら変に出来ちゃったから、第二回で少し深追いして、メンツの感覚からすると溢れたかもしれない部分があって。それをガーッと絞って第三回に至っている。
3回の演奏会を経て、量という点において蛇行しながらここに落ち着いた感じだと思う。

池田:ドラムメジャーの中田君(慶應大学 平成23年卒)がクローザーで「勇気100%」をやったというところからも思ったんですけど、僕らの世代の合演(東京六大学応援団連盟合同演奏会)のフォーマットがいい意味で崩壊したことが今年の大きなポイントだと思うんです。



子どもたちにも人気の「勇気100%」をクローザーに採用


酒巻:なるほど、そうかもしれない。

池田:昭和の終わりぐらいの世代の方が観たら、物足りないと思うのかもしれないし、これは六大ドリルではないと言うのかもしれないけど、それは一つの価値観であって、そうじゃない価値観もいっぱいあるわけで、そこに囚われなくなったというのはありますよね。昭和末期から平成初期の合演が合演であると思い込んでいたReturns!からの脱却という意味があったんじゃないでしょうか。
演奏ステージも、結果的にそうなりましたね。3つ大曲が並んでいるのが僕らの時代の合演の第三部という考え方があった中で、今回は1つだけ超大曲で。一人が超大曲をドンと入れるなんて、僕らの時代の合演だったらあり得ないんですよ。指揮者同士がケンカになっちゃうし(笑)。
意図したわけではないんですけど、色々模索した結果、Returns!の新しい姿が三回目にして生まれたんだと思います。みんな心の中で、「何か違うよな。これでいいのか?」という何となくの違和感を持ちながら1回目2回目と来ているんですよ。そういう違和感が、今回、結果的に形を変えるということに自然と結び付いていったんじゃないかと感じます。


■映画のようにダレ場を作る

酒巻:今回、演奏会のドリルの選曲をするときに、「僕は今回で終わりにします」と言ったら、工藤(明治大学 平成3年卒 団長兼ドラムメジャー)に「辞めるのであれば、ぜひメインをやって下さい」と言われて。
でも、僕は合演でもメインはやってないし、自分が4年の時の東大の定期演奏会でも、メインらしいメインってやってないんだよ。組曲みたいな長い曲はあまりピンと来なくて。アルヴァマーみたいにぶっ放して終わるみたいなことしか思い付かないんだよね。だから、「メインといっても、オープナーみたいなメインをやるから」と。別にメインだからといってガッチリした大曲をやらなくてもいいじゃないかという話をして。
それで、メインをクラウンにした時に、オープナーみたいなメインになっちゃうから、そこにちょっと「ダレ場」がないと。映画でもダレ場があって、例えば、アクション映画の中にラブシーンがあるでしょう。それをダレ場と言うんだけれど、ダレ場も必要なんですよ。ずっとアクションばかりではだめなんです。ブルース・ウィリスだって、ケガして弱っているところがあった方が面白くなるから。それに当たるのが、工藤が描いたスロー・コーの「ヨークシャー・バラード」。まあ、ダレ場という言葉は良くないかもしれないけれど、一つのステージの中で、やっぱりスローがないとね。

― 緩急を付けるということなんでしょうか。

酒巻:ダレ場がないと、ところてんを作る時みたいにスポーンと出て終わっちゃうから。スローが入ることで収まりが良くなると思う。



スロー・コー「ヨークシャー・バラード」でしっとりと魅せる


酒巻ドラムメジャーによるメイン「クラウン・インペリアル」


池田:今回、メインがクラウンだったのも一つ面白いと思っていて、やっぱり過去の演奏会は昭和末期から平成初期のドリルがベースだから、メインとは長くてクラシックであるみたいな文化が支配していたと思うんです。それを見事に壊しているわけ。

酒巻:池田君は前にも言っていたよね。メインだからといって別にステーキである必要はなくて、前菜みたいでもいいじゃないかって。


■泣けないクローザーだから素晴らしい

池田:それで、メインの既存の概念が壊れてからのクローザーの「勇気100%」。後半部分で、いわゆる僕らの世代のドリルらしくなさが出てましたよね。

酒巻:「勇気100%」は良かったよね。

池田:お客さんにめちゃめちゃ受けてましたから。

酒巻:あれは、今回の演奏会で語り草になるような名選曲だったかもしれないね。

― 実際に中田君が「勇気100%」をやりたいと言った時に酒巻さんはどう思われましたか?

酒巻:ああ、いいんじゃないって。ポップなのがいいよねって言ってたね。

池田:今年のドリルスタッフは、それが出てきた時に「いいよね」となるのが素晴らしいんですよ。去年までだったら「それはどうかな」となっていた気がします。だから、そこから抜け出したというのはすごいですよね。

― 考え方が柔軟だったんですね。

酒巻:そうだね。あとは中田君の若さもあるよね。彼はあの曲をタイムリーに知っている世代だろうから、我々とはあの曲に対する距離感が違うんだろうけど。でも、我々もあの曲を知っているよね。

― アニメの主題歌だったので、子どもと一緒にテレビで観てました。

酒巻:僕も観てた。すごくいい曲だよ。意外とグッとくるよね。

池田:グッと来ます?!グッとは来ないな(笑)。

酒巻:来るよ、来る!

池田:僕は、今年のクローザーは泣けないクローザーだったのが素晴らしいと思ったんですよ。やっぱり僕らの時代には、クローザーは泣けるものみたいなところがあるじゃないですか。

酒巻:なんか演歌っぽい血がね。唸り節だったよね。

池田:それが、泣けないで明るく終わるクローザーというのは初めてで。でも実際にやってみると、結構いいですよね。

― ドラムメジャーの登場の仕方も新鮮でしたよね。

池田:あのメジャーとガードのハイタッチね。

― あれはどなたが考えたんですか。

酒巻:あれは、クローザーを担当した中田君が、ガードの花道を作ってドラムメジャーがそこを通るというコマを描いたんだよね。登場する時に何をするかは各ドラムメジャーが考えて。僕はメンズガードの尚さん(法政大学 昭和62年卒)と握手をしようかと思っていたんだけど、前の二人がガードとハイタッチをしたから、僕はもう何もせずに手を広げて「お客様~」という感じで登場して敬礼をしたんです。キャッツ方式ね(笑)。

池田:なんか最後に主役登場みたいな感じで良かったですよね。あれは面白かった(笑)。


■ドラムメジャーがどう振る舞うかもコマ

酒巻:ドリルのゲネプロの夜にトロンボーン飲み会をやったんだけど、ある後輩が「酒巻さんは、自分が目立つコマしか描きませんよね」って言うから、よく言うなと思って(笑)。

池田:マジですか?!よく言うなぁ(笑)。

酒巻:「酒巻さんって昔からそうですよね」って。

池田:アルヴァマーの「ワン・ツー!」の印象が強いから(笑)。

酒巻:「まあ実際そうなんだけど、それも含めてコマなんだ」と。「ドラムメジャーがどう振る舞うかもコマだから、お客様が拍手しやすいように、出てきて敬礼しているのであって、僕が目立つためにやっているわけじゃないんだよ。実際、お客様へのお礼もあるしね」と言ったけど、アイツには全然伝わらなかった(笑)。

― 酒巻さんの敬礼を期待している人たちが沢山いるので、あれは出さないとだめですよね。



ガードチーフの中島さんとの敬礼

酒巻さんのこの敬礼もコマの一つ


池田:そうなんですよ。だから、酒巻さんが目立ちたいんじゃなくて、酒巻さんが目立つことが演出上必要だという考え方なんですよ。あそこで酒巻さん以外の人が目立っても誰も喜ばないし、お客さんは湧かないでしょうという話です(笑)。ステージってそういうもんですよね?

酒巻:それは確かにそうで、指揮者なんてもっとそうでしょ?指揮者ってカッコいいよねぇ。

池田:うん、カッコいいですよ(笑)。でも、指揮者がカッコよくなかったら、ステージとしてだめじゃないですか。指揮者がカッコ悪く振っていたら、その時点で演奏が下手に見えるというか。だから、堂々としてないといけないというのはありますよね。

酒巻:後ろから見られていて、バンドが上手そうに見える指揮の振る舞いって意識しているの?

池田:してますよ、当然。だから、音が多少貧弱でも、手を広げてバーンってダイナミックに振ったら、お客さんはバーンって鳴っているように思うじゃないですか。ところが、後で録音を聴いたら、そこまでバーンじゃなかったりする。ライブだからお客さんも騙されちゃう部分もあるんです。だから、視覚的にも「こういう音を出しているんです」と、ある意味演出しているところもあります。あと、お客さんに対する見栄えということだけではなくて、吹く側も、バーンって振った方がバーンって吹きやすいですから。そこで貧相に振っていたら音が出しづらいというのはありますよね。


■奏者の自信が「ロスト・ムーン」のあの演奏に繋がり、ドリルの出来にも影響したのかもしれない

酒巻:今回、「ロスト・ムーン」は良かったよね。

池田:ようやく演奏の話になりましたね(笑)。プレーヤーとしての感触はどうでしたか。

酒巻:気持ち良く吹けたし、グッと来たね。トロンボーンの和音も分かりやすくて、ハマっていく感じで綺麗に鳴らせたし。細かいパッセージは吹けたり吹けなかったりというのは実はあるんだけども。池田君も気持ちよさそうに振っていたしね。Facebookにも投稿していたけど、最後の音を鳴らしたら曲が終わっちゃうというあの無音の間も良かった。

池田:プレイヤー側にいた酒巻さんにぜひ聴きたいんですけど、本番だけ何だか雰囲気が違いませんでしたか。

酒巻:違ったね。それは感じた。

池田:僕は本番、本当に感覚が違ったんですよ。「この人たちどうしたの?音、いつもよりスゴくない?何でこんなにピッタリ揃うの?」みたいな感じでした。



演奏ステージのメイン「ロスト・ムーン」はすごい一体感でした!


酒巻:それは奏者側の自信みたいなものだったのかもしれないし、それがドリルの出来にも影響しているかもしれないね。次のドリルも自信を持ってやれるという精神的な安寧というか。そういうものが、全体のステージをいいものにしたのかもしれない。

池田:ある意味、この第三回というのはやっぱりバンド全体が自信を持ってステージに立てたということですかね?

酒巻:そういう自信が演奏の音に影響するのかもしれない。
ところで、池田君の選ぶ曲は全てストーリー性があるじゃない?「バロン」に「タイタニック」に「アポロ13」。全部映画になっているよね。そういえば、一昨日、「アポロ13」をDVDで観たんだけど、「ロスト・ムーン」の方がいいね。映画はむしろ退屈だった(笑)。

池田:それは自分が吹いたからじゃないですか(笑)?

酒巻:かもしれない。好きな曲になったのかも。映画が公開された当時、「アポロ13」は観たし、DVDを持っていたからずっと観ようかなとは思っていたんだけど、本番まで何か観れなかったんだよね。池田君の世界があるし、観たらだめかなと思って。

池田:ああ、そんな風に考えられていたんですね。

酒巻:ステージが終わって観てみたら、曲の方が良かったよ。何かモチーフが似ているんだよね。トランペットの旋律とか映画音楽っぽいじゃないですか。演奏会の録音を聴くと、ペットの上達を感じるよね。

池田:そう、本番のペットが今回はすさまじく良かった。

酒巻:ペットのメンバーの充実が、今回の池田君の演奏に寄与しているだろう?

池田:メンバーの充実というよりメンバーの成長ですね。今回、主軸が何人か減っているから戦力的には前回よりも落ちているんですよ。それであの音を出すというのは、確実に今いるメンバーの成長でしょう。そうとしか考えられない。

― 音が輝いていましたよね。



音が輝いていたトランペットパート!


池田:そう、輝いていた。演奏会後に何人かのメンバーに「当日の録音を聴いたけれど、これ、本当に私たちの演奏ですか?」と聞かれました(笑)。自分たちはこんなに上手かったっけと思うくらいの衝撃的な演奏でしたね。

酒巻:特にペットの鳴りが、水風船のようなパリッとした張りのある音だったよね。

池田:あとはホルンがとても厚くなった。第一回の「ほらふき男爵の冒険」の時は、何でホルンがここで出てこないんだというのが多かったんですけど、今回はホルンの音の厚みがすごかった。自分のパートなので手前味噌ですけど(笑)。

酒巻:なるほど。



ホルンも鳴っていました!


池田:パーカッションもすごく成長したと思ってて、今年はスーパースターの坂野さん(明治大学昭和62年卒)がいないんですよ。坂野さん無しであそこまでやったのは本当によく頑張ったと思います。


過去2回の演奏会に出演された坂野さん(右)は、今回、ゲネプロ・演奏会当日にパーカスのサポートをしてくださいました!

個人練やレッスン受講で成長したパーカスパート


酒巻:演奏会直前、楽屋で各パートリーダーが一言ずつ話した時に、パーカッションの岩崎さん(明治大学 平成3年卒)が言ってたよね。譜面に載っている全部の音を鳴らすことができて嬉しいって。譜面の音を一つひとつ大切にしてやっているんだなと思って、ちょっとグッと来ちゃったよ。



【Returns!団員の素顔に迫る その11 中編】へ続く



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【Returns!団員の素顔に迫る その10 後編】


こちらの記事は【Returns!団員の素顔に迫る その10 前編】若手チューバ奏者たちのインタビューの続きです。



上の写真からの下の写真。ナイスコンビ!


■昨今のドリルの違い

― ではそろそろドリルの話に。さっき小森さんにガードの時代性みたいな話を聞いていたんですが、ドリル自体もやっぱり我々の頃と中田くんの頃だと違うでしょう?

中田:昔は結構パキパキ動いていたように感じますが、今の方が動きがなめらかですね。体の使い方が違いますね。歩き方が違います。あとは隊形の作り方、コマの書き方も違いますね。

― 一言で言うのは難しいかもしれないけれど、今と昔のコマはどんなところが違うんですか?

小森:言葉で言えないですが、何か違いますよね。

中田:難しいですね。どっちがいい悪いもないですし。

― もちろん。ただ、それぞれの年代のトレンドがあると思うので、そこを知りたいなと。

中田:私のコマの方が、上のお二方に比べて結構コマの指定が細かいかなと思いました。ここのラインはこう歩いてくださいとか。お二方のコマは曲線やラインを重視しているのに対し、私はどちらかと言えば動きを見せるコマになっていると思います。その分指定が細かくて覚えにくいかと思いますが。

― それは現役の頃から細かく指定していた?

中田:はい。

― 他のメジャーも?

中田:そうですね。20歳くらいの年齢差があるので、20年の間に変化していったんだと思います。一つ言えるのは、カレッジはぬるくなりました(笑)。皆さん、キレがあってパキパキしていたと思うんですけれども、我々世代は筋力が足りないのか気合が足りないのか。昔の映像が残っているので、こんなカレッジをやりたいというのはあったんですが、あそこまではいかなかったです。

― 今回のReturns!のカレッジはコー・スタイルを混ぜていますが、それはなぜ?

中田:コマ発表から本番までの練習時間が短いので、皆さんの負担を軽減しようと思いまして。

― どうもごっつぁんです(笑)。では、本題のメジャー話に移ります。なぜメジャーになったの?

中田:2期までドラムメジャーをされていた山口さん(慶應大学 昭和63年卒)から「次のメジャーをやってみないか」というお声がかかったので、やってみようかと思いました。本当はスーザを吹きたいんですけれども。

― 1曲でも減っちゃうのは?

中田:ちょっと辛いです。


寝る時もスーザはお腹の上に。決して離しません!


― それくらいスーザが好きなのね。まあ今スーザが1本だから、音楽的にも中田くんが抜けるのは痛いよね。それでも、メジャーをやろうと思ったのは?

中田:現役の頃にやりたかった曲が結構あったんですけれども、やれずに残ったままのものがあってくすぶっていたので。

― お、いいじゃないですか。それを今回やったの?


■ズーラシアンブラスの編曲を聴いて、この曲はエンディングだと閃いた

中田:今回はまだです。ただ、クローザーに使った曲(曲目は演奏会当日のお楽しみです!)はやりたかった曲の一つなので出せました。まだやりたかった曲が何十曲かあるので、それが燃え尽きたら辞めます(笑)。

― 何十曲もあったら、当分かかるね(笑)。クローザー曲はなぜやりたいと思ったの?

中田:ズーラシアンブラスという金管ブラスの編曲を聴いたときにすごくきれいだと思って、これはエンディングだなと閃きました。

― 選曲が斬新な感じがしたのよね。我々の世代からすると、クローザーってこんな感じというイメージがあるから、クローザーっぽくなくて面白いと思いました。お二人の世代だと、クローザー曲は何でもありという感じ?

小森:自校の定演で私が1年生の時にやりました。

中田:えー、まじで!私がドラムメジャーだったときのクローザーはフランク・シナトラのマイウェイです。

― おお、いいね。しぶい(笑)。

ここで村山さん(東京大学 昭和63年卒)登場。

村山:いやあ、クローザーを覚えていないことにさっき気づいて。バスの中で一生懸命見てきたけど。

中田:(その日の午前中にお気に入りの映画の2回目の鑑賞をしてきた村山さんに向かって)映画を観ている場合ではないのでは(笑)。ただ、コマはそんなに難しくないと思いますけど。

村山:コマの前に曲を覚えていないことに気づいたんだよね。

中田:えっ!?いい曲ですよ。歌詞もいいですし。

村山:曲は知っているけど、ホルンパートを覚えているかは別問題で(笑)。

中田:たしかにホルンパートは覚えづらいですよね。

― でも、中田くんは飄々と「やってください」みたいな感じで言うよね(笑)。

村山:そうなんだよ!すごい高度なことを軽い調子で要求するんだよね。さすがだよね(笑)。

中田:もうちょっと控えます(笑)。

村山:いやいや。やっぱりそういう人がドラムメジャーになるんだよね。

― さすが元ドラムメジャー、ナイスフォローです。しかも、中田くんはにこにこしながら言うので、すごく役得というか。

中田:後輩なので厳しい言い方はできないですが、その分、にこにこしながら言うことを言っています(笑)。




■ドラムメジャーとして練習を進めていく上で意識していること

― 練習を進めていく上で、ドラムメジャーとして意識していることはありますか?

中田:分かりやすく簡潔に説明して、いっぱい歩いてもらうことです。

一同爆笑

― いっぱい歩いた方がいいのは練習になるから?

中田:はい。反復練習ですので、ひたすら歩いたほうがいいだろうと。

小森:習うより慣れろ。



中田:そうそう。だから、私がしゃべっているのを聞いているよりは、いっぱい歩いたほうが上手くなるだろうなと思っています。

― たしかに、中田くんの練習はテンポがすごくいいなと思っていました。やっぱり意識しているのね。


■クローザー曲の見どころ

じゃあ、思い入れのあるクローザーの見どころはどこですか?

中田:チア・ガード・メンツの順番でそれぞれに見どころがありますので、チアはダンス、ガードは32拍のホルトでの操作、メンツはメイン曲の「クラウン・インペリアル」の回転隊形を元にアレンジしたので、そこがぴったり決まればいいなと思います。

― あの回転隊形はドラムメジャーの酒巻さん(東京大学 平成2年卒)のメイン曲を意識して作ったのね。

中田:はい。そこは、世代ごとの差を見せたいと思っています。酒巻さんの頃のラインとブロックを見せる回転隊形と私たちの頃の大きな動きを見せる回転隊形、両方を見せます。本当は他に書きたい指定が色々あるんですけれども、今後に取っておきます。

村山:やりたい曲とやらせたいことが沢山あるんだね。


■六大カレッジの見どころ

― カレッジの見どころは?

中田:コー・スタイルを多くしましたので、その分、コー・スタイルとカレッジ・スタイルの差を見ていただきたいというのと、なるべく分かりやすくてカレッジの足並みがそろう曲にしましたので、足並みがそろっているところを見ていただきたいですね。難しいコマも描こうと思えば書けるんですけれども、難しいコマを描いて見た目がよく分からなくなるのは良くないので、シンプルでかつ揃って見えるというのは今回のカレッジの見せ所かなと思います。本当は80年代のダンスミュージックとかでカレッジをやりたかったので、またいつか。

― 80年代のダンスミュージックというとどんな曲?

中田:ジンギスカンとか。拍がしっかりしていますので。

― えーっ。ちょっとイメージができないなぁ。

中田:「めざせモスクワ」とか。テンポが132くらいで4分音符がはっきりしている曲ですね。

村山:まさかあのステップをメンツにやらせるとか(笑)?

中田:やらせたいです(笑)。

― ダンス好きの村山さんならノリノリでやりそう(笑)。

小森:そういう選曲の仕方も世代で違うと思うんですよね。今はドリルステージで色々なジャンルの曲をやるので。

中田:あまり真面目に吹奏楽曲をやっているイメージはないですね。ガードチーフのむつみ先輩(立教大学 平成6年卒)もおっしゃっていましたが、フィールドでマーチングする曲とは違ってステージでの見せ方があると思うので、そういう曲を使って演劇などの見せ方を取り入れたいと思っています。隊形や操作を見せつつも、他の要素もあったらいいなと。

― 柔軟な考え方ですね。色々な見せ方ができたらいいなと思いますね。我々世代の「ドリルとはこういうもの」という枠・固定概念が中田くんのおかげで壊されて、どんどん面白いものを生み出していけそうな気がします。今後のReturns!のドリルがますます楽しみです。


■演奏会に向けての意気込み

ー では、最後に演奏会に向けての意気込みをどうぞ。

小森:ドリルステージでは、現役の頃と変わらない笑顔で、でも現役の頃よりも大人っぽいガードをお見せできたらと思います。演奏、そして演奏会全体としては、皆さんに楽しんでいただけるように、でも楽しいだけでやっていると思われないような演奏会にしたいです。演奏会のどこかのタイミングで、現役以来ぶりにスーザを吹きます。中田先輩との高低差のあるスーザをお楽しみに!


大学4年の定演。この笑顔が再び見られます!


中田:大学時代の繋がりはいいものですし大切だと思うので、ぜひOBOGの皆さんでお誘いあわせの上、毎年演奏会に来ていただけたら嬉しいです。ドリルの歩き方のキレは、上の世代の方々に負けないように頑張ります。「あのスーザフォン全然揺れてないな」と言わせるくらいの出来をお見せします!

― あとはドリルステージでソロがあるから、そこも注目していただきたいよね。


昨年のドリルソロ。今年はどこでソロを吹くのか注目してください!


中田:はい、2年連続です。現役の頃はソロをやったことがないのでラッキーです。あとは、大先輩方を前にドラムメジャーとして指揮を振るのは緊張します。

― えー、緊張する?!しないでしょ(笑)。

小森:だって、アイス買って来られるんですから(笑)。



中田:大変失礼しました!

― どうもありがとうございました。


追記:その日の練習後、中田さんは、約束通り後輩の小森さんを連れて近所のジェラート屋さんに立ち寄り、ジェラートをご馳走していました。

小森:中田先輩、ごちそうさまでした!!


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六大合演OBOGバンドReturns!第3回定期演奏会
2019年8月3日(土) 15:00開場/15:30開演
江戸川区総合文化センター 大ホール
入場無料 未就学児歓迎
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【Returns!団員の素顔に迫る その10 前編】

第三回演奏会前ラストを飾るのは、若手チューバ奏者の二人です。
2期に入団、今期よりドラムメジャーを務めている中田さん(慶應大学 平成23年卒)と今期入団した小森さん(法政大学 平成26年卒)に入団のきっかけから、昨今のドリルの違い、演奏会に向けての意気込みを語っていただきました。
午後からの練習の前にインタビューをしたので、お弁当を食べるReturns!メンバーが入れ替わり立ち代わりインタビューに飛び入り参加。普段のReturns!の和気あいあいとした雰囲気を感じていただけると思います。それではどうぞ!


チューバの若手 中田さんと小森さん


■Returns!に入団したワケ

― 中田くんはちょっと遅れてくるから、先にインタビューを始めましょう。まずは入団のきっかけを聞かせてください。

小森:昨年の秋、法政大学OBのM先輩に、六大学野球を観戦した後に飲みに連れて行っていただいて、そのときに何気なく「またカラーガードをやりたいんです」と言ったら、「Returns!があるよ」と言われました。その場でM先輩が、同期でReturns!に参加されている大久保先輩(法政大学 昭和62年卒)に電話をかけてくださったんです。

― 善は急げって感じ(笑)?

小森:「じゃあちょっと見においでよ」と大久保先輩に言われて、この時期はまだドリル練習が始まっていなかったので、11月頃に演奏練習を見学しました。楽器をやるつもりはなかったんですが、演奏を聴いたらやっぱりやりたいなと思って。でも、ユーフォは人数が多かったので、チューバを吹きたいと大久保先輩にお話ししました。

― いつからユーフォを?

小森:中学生からです。

― チューバをやることに躊躇はなかった?

小森:特になかったです。チューバを吹きたいとお話ししたら、先輩方が借りる楽器を探してくださったのですが、楽器が見つからなかったので、ガードだけで良いかなって思っていたら、楽器が見つかってやらせていただけることになりました。

― 自分よりも20歳くらい上の人たちの中に一人で入るのに不安はなかった?

小森:(小声で)若干ありました。

― それでも入ろうと思ったのは?

小森:楽器を借りられることが決まっちゃったからです(笑)。

― おお。借りちゃった者勝ちですね。よかった、よかった!

小森:せっかく皆さん、動いてくださったので(笑)。

― 実際にReturns!に入ってみてどうでしたか?

小森:もともと、応援団OBの先輩はM先輩のほか2、3人の先輩くらいしかお付き合いがなかったんです。Returns!はOBの団体という部分で若干敬遠している部分はありましたが、入ってみたら居心地よくて、楽しくやらせていただいています。同じパートに歳が近い中田先輩がいたのも大きいです。

― 3歳違いだから中田くんのことを知っていた?

小森:合演でドラムメジャーをやっていた方だなという認識はありました。


メジャーコスチューム姿がカッコいいですね!


― 先日の演奏練習の休憩時間を見ていても、Returns!に溶け込んでいるなぁと思いました。休憩の度に色々な人たちと楽しそうにおしゃべりしていましたね。

小森:皆さんがすごく話しかけてくださるので、それも大きいかなと思います。


休憩時間の一コマ。Returns!にすっかり馴染んでますね。


■カラーガードは、自分たちの現役の頃との違いを楽しんでいる

― ガードを久しぶりにやってみていかがですか?

小森:最初の頃は筋肉痛がひどくて(笑)。自分たちの現役の時と違う部分もあって、それは面白いなと思います。私が現役の時は、歩きながらの操作が少なくて、止まってダンスするようなものが多かったです。それに、ガードはずっとコマに乗っているわけではなかったですし。

― そこに関しての戸惑いは?

小森:あまりなかったです。むしろその違いを楽しんでいる感じです。

― ガードをやっていて、どんな時が楽しい?

小森:基礎練をやって、操作を付けてもらって、それを実際にコマでやってみて、というように、点になっていたことが繰り返すうちに少しずつ形になっていく過程はすごく楽しいです。バラバラだったものが1つになっていく感じとか。


「はーい!」と元気よく返事をする小森さん

笑顔で真剣に練習に取り組むガードの皆さん

― チューバは初めて?

小森:チューバは初めてですが、現役の時、野球応援でスーザが足りないときはスーザを吹いていました。スーザの同期が授業でいないことがあったので。

(ここで片手にジェラートを持って中田くんが現れる)



池田(正): なんでアイス買って遅刻してきているんだよ(笑)。なんだ、この余裕は?

中田:すいません!

― 中田くん、面白過ぎる(笑)。ちょっと写真撮らせて。

小森:なんで私の分のアイスを買ってきてくれないんですか(笑)!

中田:じゃあ、練習後に。

池田(正):ここ、一応応援団のOBバンドなんだけど、大丈夫(笑)?

一同爆笑

― では話を戻して。小森さん、久しぶりの楽器演奏はどう?

小森:最初は音が出なくて必死だったんですけれども、まあ今でも必死ですけれども、楽器を吹くのはやっぱり楽しいです。


楽しそうなチューバパート3人衆


■どうしてもスーザフォンが吹きたかった

― では、中田くんに質問です。まずは入団のきっかけを。何で入ってきたのか未だに謎なので。

中田:私も分からないです。

― なわけないでしょ(笑)。自分からReturns!に連絡してきたよね。あれはどうやって調べたの?

中田:「スーザフォン募集」でグーグル検索したら出てきました。

一同:「えー、そうなんだ!」「そんな募集してた?」とどよめく。

ここで長崎さん(明治大学 平成7年卒)登場。

長崎:あ、アイス食べてる!

池田(正):中田くん、アイス買って遅刻してきたんだよ。やっぱり大物だよね(笑)。

― それが許されるキャラだよね(笑)。

中田:このあと腕立てすればよろしいですか?

小森:いや、拳たて、拳たて(笑)。

― このあとのドリル練習をゆっくり進めてくれればいいから(笑)。

一同爆笑

池田(正):だって、にこにこしながら、カレッジですぐに楽器持たせるから。

岸川:何気にスパルタだよね(笑)。

― あれは意図してやっているの?

中田:私は現役の頃からああいう感じでした。

― にこにこしながらスパルタってこと(笑)?

中田:私はしゃべるとボロが出ますので、とりあえず一言だけしゃべって、あとは練習すればいいかなと。


キレッキレのカレッジ指導


― じゃあ話を戻すと、Returns!がスーザの募集をしているのをキャッチして、行ってみようと思ったってこと?

中田:はい。大学卒業して、エキストラなどでチューバを吹く機会は結構あったんですが、スーザを吹く機会がなくて。

岸川:スーザがいいということは、マーチングをやっている団体ってことだよね?

中田:まあそうですね。

― マーチングをやりたかったの?

中田:スーザが吹きたかったんです。

― チューバじゃなくてスーザなのはなぜ?

中田:かっこいいからですね。

岸川:たしかに、あのシルバーのスーザはかっこいいよね。

長崎:マイシルバー。総重量は?

中田:15キロくらい。

― そんなに重いの?!そのシルバースーザはいつ買ったの?

中田:大学2年の時に。

― それを買ったのは、やっぱり音へのこだわり?

中田:いい音します!

― 「プラスチック製のスーザなんか吹けねぇよ」って感じ(笑)?

中田:はい、すいません(笑)。あ、でも、スーザフォンって、体に巻き付いている時の安心感もあるんです。幸せな感じ。


本当に幸せそうですね!


小森:あー、分からなくはない(笑)。

― Returns!に入団を決めた理由は?

中田:同じパートの佐々木先輩(法政大学 平成元年卒)が豪快な方でいいなぁと思いました。実は、マーチングの団体も含めていくつかチェックしていたんですが、見学の一発目がReturns!だったんです。

― おっ、Returns!は運がいいですね。今や中田くんはドリルスタッフまでやってくれているし。

中田:ただ、皆さんコネクションで入って来られているのに、私は飛び込みで入ってきているので、いいのかなという感じはしましたけれども。

― いやいや、大歓迎です。我々は、若い人たちがどうやったら入ってくれるかなと考えていたところだったのに、勝手に飛び込んで来たから「これはラッキー!」ってなりました(笑)。

池田(正):最初、中田くんから見学したいというメールがReturns!に来て、メンバーにシェアされた時に、「えっ、慶應の中田くんってだれ?」となって、誰も中田くんのことを知らなかったよね。

岸川:しかも、スーザもチューバも持っているって。


■メンバーとの年齢差はあまり気にならない。楽器を持ってしまえばみんな一緒。

― 自分より年齢がかなり上の人が多いというのは気にならなかった?

中田:ああ。ちょっとは気になりましたけれども、そうは言っても楽器を持ってしまえばみんな一緒ですし、そんなに変わらないなあと思います。たしかに、飲み会とかで話題が世代によって違うなあというのはありますが、それくらいですね。

岸川:バリ&チューバパートの飲み会では結構話に付いてきてるじゃん。

池田(正):気を遣ってるんだよ(笑)。

中田:ありがとうございます(笑)。逆に年が離れていた方が優しくしてくださるといいますか。そういうのはありますね。

― 話題が世代によって違うと言っていたけど、どういう話題の時に世代差を感じる?

中田:音楽だったり、一般的な社会的な話題だったり。あとは現役時代の話を聞くと、昔は相当上下関係が厳しかったんだなと思います。そのころに比べると大分柔らかくなっています。

池田(正):だからアイスを買って来られるんだ。

中田:はい。いやいや、そんなことはないです(笑)。

一同爆笑

小森:しばらくこのネタでいじられますね(笑)。

― 第二回演奏会に出てみていかがでしたか。

中田:面白かったです。一般的な市民バンドと比べてやることは多いです。音楽性の部分は六大学の応援団の頃と同じで、そのあたりの意識統一はされているのですごくやりやすいというのはあります。もちろん皆さん技術も磨かれていますけれども、技術一辺倒でないというところも他団体にはなかなかないので、いいですね。
演奏会自体は、他団体のエキストラとして参加してきましたが、大学時代に同じ経験をしたメンバーで演奏や活動をするのは違うなあと思いました。他団体だとコンクールを目指すというのがあったりしますが、明確な目標というよりも、大学時代に青春を費やした演奏・ドリルをもう一度体現したいという想いでやっていますよね。そこが面白かったです。




第二回定期演奏会


【Returns!団員の素顔に迫る その10 後編】へ続く

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六大合演OBOGバンドReturns!第3回定期演奏会
2019年8月3日(土) 15:00開場/15:30開演
江戸川区総合文化センター 大ホール
入場無料 未就学児歓迎
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【Returns!団員の素顔に迫る その9】

Returns!の音楽活動には演奏とドリルの二つがありますが、どちらか片方の参加も可能です。
今回は、演奏のみに参加している奈緒さん(慶應大学 平成4年度卒 フルート)とドリルのみに参加している真琴さん(明治大学 平成13年度卒 カラーガード)にお話を伺いました。奈緒さんとインタビュアーが大学同期ということもあり、ざっくばらんな女子トークになっています(笑)。それではどうぞ!

インタビュー用に撮影しましたが3枚とも可愛くて捨てがたくコラージュに。


■Returns!に入団したワケ

― まずはお二人がReturns!に入ったきっかけから聞かせてください。先に入団した奈緒から。

(奈緒)うーん、なんでだろうね?謎(笑)。

― (笑)。ていうか、奈緒はすでにいくつもオーケストラを掛け持ちしていて、本格的に音楽活動をしていたから、同期の私としてはちょっとReturns!には誘えなかったのよね。Returns!に入る前はいくつ掛け持ちしていた?

(奈緒)4つ。

― そんなに!?

(真琴)だって、セミプロですものね!

(奈緒)いやいや。同期から個人的に連絡をもらって、Returns!結成前のプレイベントには何回か参加していたけれど、SNSをやっていなかったからReturns!が結成されたのを全く知らなくて。年賀状で第一回演奏会が5月6日にあるということを知ったんだけど、その日がちょうど所属するオケの定演と重なってたのよね。
それで、第一回演奏会直後に慶應同期の飲み会に参加して、Returns!の演奏会のパンフレットを見せてもらって。フルートはプレイベントに参加していた人が沢山いたから、きっと人数は足りているだろうと思っていたの。ところがパンフレットを見たら、3人しかいなくてびっくり。じゃあ、参加しようかなと思ったのが最初。


プレイベントでの奈緒さん。社会人になって買った金のフルート!

― オケとの掛け持ちは大丈夫でしたか。

(奈緒)それが一番心配だったから、演奏だけにしたというのはある。ドリルは、練習にいないと絶対に泳ぐ(注:動きの隊形が書いてあるコマ表通りに動けないこと)でしょう?私は今、楽器が吹きたいので、ドリルの練習と他団体の演奏練習が重なった場合は、楽器を吹く方を選んじゃうから。(ちなみに奈緒さんは現役時代は旗の操作をするカラーガードでした)
あとは、他団体の練習は割と夜が多くて、Returns!の演奏練習は午前中だから何とかなっています。

(真琴)良かった、フルートが3人のときで!

― ホントね(笑)。真琴ちゃんがReturns!に入ったきっかけは?

(真琴)私は大学を卒業してからもずっとカラーガードがやりたかったんですけれども、仕事が楽しくて仕事のことしか頭になくて。とにかくいっぱいいっぱいだったので、仕事が終わると疲労困憊してしまっていました。だから、やりたいけどできないなぁと思っていました。

一昨年の6月に、Returns!の演奏会でステージマネージャーをされたO先輩と、小池先輩(明治大学 平成11年度 パーカッション)などの吹奏楽部の先輩やリーダーの先輩後輩と飲む機会があって。その飲み会で、「一緒にReturns!を見学してみない?」と小池先輩に誘っていただきました。「なに、その美味しそうなの。行きます、行きます!」って二つ返事で参加しました。実は学生時代に、応援団吹奏楽部にすごい勢いで勧誘してくださったのも小池先輩で。面白いご縁ですよね。

― 学生時代に、小池くんやOくんとは一緒に活動していたの?

(真琴)はい。小池先輩は2つ上の先輩で、O先輩は1つ上の先輩です。学生時代、演奏時はオーボエでしたが、応援時はパーカッションだったので、お二人にはもうずっとお世話になっていました。

― Returns!のイベントでは、一緒にガードをやったよね。

(真琴)はい!それで、やってみたら「もう幸せ~。これしかない!」と思って。ただ、生活やお仕事と両立できるかなぁという不安や、「私にできる楽器がないから、演奏はどうしよう」という迷いがあったんですけれども、相談した結果、ドリルだけ参加するという形で9月に入団しました。


■Returns!は応援団というベースがあるから居心地がいい

― お二人とも実際に入団してみてどうでしたか。奈緒は他団体との両立面とか。

(奈緒)両立もへったくれもないよね、土日ひたすら遊んでいるだけだから(笑)。まぁ、その中で、演奏会が近いものを優先しているところはあるんだけれども、なるべく居た方がいい練習は、うまく練習を渡り歩いて出席するようにしています。

― Returns!は他団体とは毛色が違うと思いますが、Returns!の何がよくて参加しているの?

(奈緒)うーん、何でだろう。まずは人が足りないというのがあったから、演奏のお手伝いならできますよという気持ち。もう一つは、オケを長くやってきたから、オケだけでなくて吹奏楽もやってもいいかなという思いはずっとあったの。Returns!の話があったときに、どうせやるなら全然知らない団体でやるよりは気心知れた団体でやりたいなと思って入団しました。

― 久しぶりに吹奏楽をやってみていかがですか。

(奈緒)オケとはまた違うジャンルの音楽だから、それはそれで楽しいです。それに、それぞれの団体のカラーがあって、Returns!の場合は吹奏楽でありながら、やっぱり応援団なんだよね(笑)。

(真琴)すっごく分かります(笑)。

(奈緒)ベースがみんな同じところにあるから楽なのよね。

(真琴)居心地いいですよね。

(奈緒)色々な人が色々な思いであちこちから集まってきた集団ではなくて、とりあえずベースが同じところにあるから、何かをしようと思った時に「あの人何を考えているんだろう?」じゃなくて「あの人きっとこう考えているよね」と分かる居心地よさかな。
音楽でいうと、合奏って気持ちが1つになった時にすごくいい音がするのだけれど、「ここ熱くなるところ!」っていう瞬間がみんな同じだったりする。

Returns!内では少数精鋭で最強と噂されるフルートパートのドン。(笑)

― 真琴ちゃんは入団してみていかがですか。

(真琴)ひたすら楽しいです。練習も楽しいし、家で予習復習しているのも楽しいですけれども、やっぱり皆さんと一緒に活動しているのが楽しいです。もちろんドリルも楽しいんですけれども、この団体だからというのが絶対にあります。大好きな先輩がいて、こんなに可愛がってもらえる場ってないと思うんです。生涯でこんなに可愛がってもらったことはないなと思うくらい無条件に可愛がってもらっています。私を見かけたら「まこと~」って手を広げて近づいてきて、ハグしてくださったり(笑)。

と、ここで長崎さん(明治大学 平成7年度卒 トロンボーン)が通りかかり、真琴ちゃんを抱きしめる。


インタビュー中の写真ではありませんがお姫様だっこやらハグの写真が一番多いのは間違いなく真琴ちゃん。(オ〇サンが多いから体重的に無理説とオ〇サンが多いから腰が悪くて無理説とセクハラになる説と諸説あり)

― こんな感じね(笑)。二人は学生時代は重なっているの?

(真琴)いえ、重なってはいません。私が6つくらい下です。奈緒先輩もおっしゃっていましたけれども、深いところが一緒というか。

(奈緒)そうそう、根っこが一緒なんだよね。


■応援部、応援団を4年間続けられたワケ

(真琴)本当に心地よくて、困っている時には当たり前のように必ず誰かが手を差し伸べてくれます。お互いをとても尊重しているし、絶対的な信頼があります。学生時代の4年間は本当に苦しくて辛くて、毎日のように辞めようと思っていたんですけれども、辞めないでよかったと今になってやっと思います。あまり大きな声では言えませんが、あの4年間は私にはトラウマで、神宮球場の前はいまだに通れないんです。でも、Returns!に入ってからは、「あの頃はこうだったよね」と楽しく話せるようになりました。

― 毎日辞めようと思っていたのに4年間続続いた理由は?

(真琴)人間関係ですね。自校も六大も、同期後輩先輩が私にとってはとても大切で宝物のような存在で、辞めようと思う度にみんなの顔が浮かんできて、結局続けていました。

(奈緒)なんだかんだ言って、あの4年間は濃いんだよね。

― 奈緒が応援部に入ってきたのも謎だったのよね。他にも吹奏楽だけできるサークルやオーケストラがある中で、楽器が上手い奈緒が何故わざわざ応援部に入ったのかって。

(奈緒)オケに入ろうとしていたんだけれど、行ってみたら慶應のオケがお金持ちっぽい集団だったから「どうもすみませ~ん」って言って引き下がって(笑)。さて、どうしようかなと思っていた時に、教室のドアを開けたら1つ上の理工学部のUさんが立っていて、そのままズルズルと応援部に引っ張って行かれました。「ここは一体なに?」と思いながらも、入部してそのまま4年間いたという感じ(笑)。

― なんで4年間続けられたんだろう?

(奈緒)応援部の活動って、何か問題があった時はもちろん、普段から、自然に同じ方向を向ける気持ち良さがある。そういうところは音楽も応援部の活動も似ているかなと思う。ドリルはもっと顕著。皆がバラバラに好き勝手やってたら何の形にもならないし、かといって命令に従っているだけでは何の感動も産み出せない。そのバランスの良さが4年間続けられた理由かも。

― なるほど。オケに行ってみたら、雰囲気が違うなと思ったの?

(奈緒)「4年生までは舞台に上げません」と言われたの。フルートは2年生以上で14人もいて。それに、「現役で大学に入ったら、予備校代で銀のフルートを買ってあげるよ」と親に言われて買ってもらって、「わーい!」と思って銀のフルート片手にオケに行ったら、みんな金のフルートを持っていてビックリ(笑)。それで、4年生まで舞台に上がれないのはつまらないなと思って。吹奏楽は、応援部を含めて2団体あって、大吹連に加盟している団体がいいかなと思って応援部を選んだのが何かの間違いだったのかも(笑)。


■演奏・ドリルの片方だけの参加OKという選択肢があるのは有難い

― まぁ、そのおかげで今ここ(Returns!)にいるから結果オーライということで(笑)。
ちなみに、Returns!の活動は演奏とドリルがあって、お二人はその一方だけに参加しているわけですが、物足りないなどと感じることはありますか。

(奈緒)そうね、打ち上げに行った時などは、共有できない部分があるから、やっぱり両方に参加したいなという気持ちにはなる。だけど、今の生活の中で両方できるかというとそれはできないわけで。全部やるか全部やらないかという選択肢しかなかったら参加できないという中で、片方だけの参加OKという選択肢があったから自分はできたというのはある。それぞれの事情があるから、その選択肢は有難いです。

そうはいっても、お忙しい中こんな素敵なコサージュを作って下さる奈緒さんはドリルにも大貢献していますよー!


そして演奏会での奈緒さん。指揮者でもパートリーダーでもなくても、音楽的にみんなから信頼されています。

(真琴)私はまだ生活がいっぱいいっぱいなところがあるので、練習日数や練習時間が今よりも増えると厳しいかなと思います。あとは、私は楽器が吹けなくて、入団するのが遅れたのも「楽器は何だったらできるだろう?」と職場の人にフルートを借りて吹いてみたり、パーカッションをやってみたりと彷徨っていたからなんです。それで、やっぱり楽器はできないという結論になって。楽器をやるんだったら、練習をしていい音でやりたいけれど、普段そこまで練習する時間が取れないと思ったので、ドリルだけやらせていただくことになりました。


第2回定期演奏会のカラーガードはメンズガード2名を加えての華やかなガードフィーチャーがありました。最初は色気のなかった真琴ちゃんもだんだんお色気が。

― しかも、参加の仕方をフレキシブルに変えられるのがいいですよね。今期は両方参加したけれど、来期は演奏だけにします、とか。

(真琴)2期の後半は演奏にも一部参加させていただいて。すごく楽しかったんですが、パーカッションだったので、皆さんが今まで創り上げてきたものをここで壊すかもしれないという不安がありました。
子ども用のタンバリンで演奏練習をしていたら、小池先輩が本番用のモンキータンバリンを用意してくださいました。自主練習をしていてリズムが分からない部分があって先輩たちに相談すると、私が撮った演奏動画をチェックしてくださったり、見本演奏の動画を送ってくださったりして丁寧にご指導してくださって。
ああ、Returns!はやっぱり温かいなってしみじみ感じました。


同じパートに同期や近い世代の先輩後輩がいるのも心強いし、現役時代知らなくてもすぐ仲良くなれますよね!

― 一部だけでも演奏に参加できたのは良かったですか。

(真琴)はい、すごく楽しかったです!


でしょうね、というこの笑顔!


■Returns!の演奏会は「終わってほしくない!」と思うほど幸せだった

― うんうん、本当に楽しそうに演奏していたよね。では、Returns!の演奏会に出てみての感想も聞かせてください。

(真琴)卒業以来初めてのステージだったので、ゾクゾクするくらい楽しくて。学生時代はちょっと苦しかったりもしましたが、三十路にして手放しで青春をみんなで謳歌している感じでした(笑)。もちろん緊張もしましたが、これが本番だったよなぁと思い出しました。一緒に練習してきた皆さんと同じステージに立って、目が合ったりするじゃないですか。そうすると、それだけでもう泣きそうになって。

― 学生時代と今と何が違うと思いますか。

(真琴)Returns!だと純粋に演奏やドリルといった音楽を楽しめるんですけれども、学生時代はそれ以外の部分が諸々あるので。器材番とか、下級生を前にして失敗できない緊張感とか、色々なしがらみでアワアワしたりとか(笑)。そういうものに押しつぶされそうになっていたのですが、ここでは皆さんと一緒に一つのものを作って、ひたすら幸せな時を過ごせていて。しかも、思いの熱量がみな同じくらいなので、なんて幸せなんだろうと噛みしめていました。

(一同)いいねぇ~!

(真琴)嬉しくて嬉しくて、ほぼ半泣き状態で、舞台に立ちながら「終わってほしくない!」と思っていました。でも、「泣いたら操作が飛ぶから泣いたらいかん!」と思ってグッとこらえて(笑)。それに、沢山の裏方の方々に本番を支えていただいていて、無条件でサポートしてくださっている方々と一緒にステージを創り上げることができるのは、感謝してもしつくせないし、本当に幸せでした。

(奈緒)いいなぁ、新鮮で!

― (笑)。でも、奈緒のように緊張せずに平常心で舞台に乗れるというのは、パフォーマンスも上がるしいいよね。

(真琴)すごく羨ましいです。ドキドキしちゃって旗を高く投げられないですもん(笑)。落としたらどうしようってなります。

― あー、わかる(笑)。2回目の演奏会ではどんなふうに感じるのか楽しみですね。お二人とも今日はありがとうございました!



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六大合演OBOGバンドReturns!

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【Returns!団員の素顔に迫る その8】

2016年に結成されたReturns!も、おかげさまで3期目に突入しました。
そこで、新しくバンドリーダーに就任した村山さん(東京大学 昭和63年度卒 ホルン)と団長兼ドラムメジャーの工藤さん(明治大学 平成3年度卒 サックス)に今期の意気込みと展望を語っていただきました。


やる気に満ち溢れている(?)バンドリーダーと団長


― まずは、バンドリーダーに就任された今のお気持ちをお聞かせ下さい。

(村山)私自身も楽しく活動させてもらっていますし、みんなで楽しくバンド活動をしたいという思いを持ちながらやっています。今回、3期はバンドリーダーをやらないかと声をかけていただきましたが、1期と2期はたいした仕事もしていないのに練習と本番をすごく楽しませてもらっていて、ちょっと心苦しいと思っていたんです。3期は、もう少し皆さんの役に立つことをしないといけないかなと思っていたので、やらせていただこうと思いました。

― 実際に運営に入られてみて感じたことはありますか?

(村山)ホント、運営は大変ですよね。これだけの人数がいるバンドで、やることも色々あるし、演奏会に向けて準備することや考えること、演奏会の次のことも考えないといけないし。理事の皆さんがこれだけのことを色々考え、気を遣いながらやってくださっていたんだなぁと初めて知りました。


練習の冒頭には毎回面白い小話を用意する芸人のような村山さん


パートリーダー会議を企画、パートリーダーの役割をよりクローズアップする

― 先日、練習後にパートリーダー飲み会をされたと聞いたんですが。

(村山)飲み会じゃなくてパートリーダー会議ね。まぁ、飲み会ですけど(笑)。

― なぜパートリーダー会議をしようと思われたんですか?

(村山)1期と2期は、コアな人たちが中心になってバンドを立ち上げ、それに賛同して集まってきた人たちをリードする形で活動してきました。それはそれで、このバンドを作ってきた大事な駆動力だったと思いますが、一般のバンドはそれだけではなくて、パートという単位があって、そのパートの中でうまくやっていたり、パート間で話をうまくしていたりという構造があるじゃないですか。そういうところがうちのバンドはちょっと弱いかなと。3期からこの先うまく自立的にやっていくために、色々考えて工夫したいという中で、今期はパートリーダーの役割をもう少し意識してみたらどうかと思ったんです。2期までは、全体の中ではパートリーダーは楽譜配布くらいの仕事しかしていなくて、パートによってはパートリーダーを中心にパート練習をしていたところもありますが、そうでないところもあって。パートリーダーというポジションがやや中途半端だと思ったので、もう少しそこをクローズアップすることが今期まず一番初めにやろうとしたことですね。

― パートリーダー会議をされてみて、いかがでしたか?

(村山)色々話してみて、みんなやっぱり音楽や吹奏楽が大好きなんだなということを改めて感じました。まあ、そうでなければ社会人になってまでバンドやることはないでしょうが。「今日の演奏練習で初めて取り組んだ『ロストムーン』の3楽章のリズムが分からない」という話になり、その場でみんなで譜面を見ながら、歌ってリズムを確認したりもしたくらいですよ(笑)。


ホルンの萌え萌え(?)パート練習


バンドリーダーに求める役割

― 楽しそうでいいですね(笑)。団長の工藤さんは、新バンドリーダーにどのようなことを期待されていますか?

(工藤)バンドリーダーは、スタッフに意見ができる代表という位置づけなので、指揮者やドラムメジャー、ガードチーフといったスタッフ陣や運営陣に「それは違うんじゃないか」とか「こういうことをやっていきたいんだけど」といったところをガシガシ言っていただけると嬉しいなと思います。そしてメンバーを鼓舞して、文字通りバンドをリードして欲しいです。


(村山)どこのバンドもいい演奏をしたいという目的があるじゃないですか。だけど一方で、一人ひとりが参加することを楽しみたいという気持ちがあって、これは最後には一致するんですけれども、運営の中で一致しないことが往々にしてありますよね。音楽を求めるスタッフ側と、むしろこのバンドの中で自己実現をしたいとか楽しくやりたいと思っている人たちをどううまく結び付けていくことができるか。それを、工藤さんの言うスタッフ側ではなくバンドメンバー側のことを考えて運営に携わっていくという役割だと聞かされています(笑)。

(工藤)仰せの通りでございます(笑)。


Returns! 3期目は正念場、音楽の充実を図っていきたい

― Returns!の活動も3期目に入りましたが、団長は今期の位置づけをどのように考えていますか?

(工藤)2年やってきて、ある意味、総決算の時かなと思っています。事務局やスタッフの代替わりという課題もありますし。OBOGの皆さんが音楽を再びやりたくなった時に、いつでも参加できる受け皿としてこのReturns!を継続させていきたいという気持ちが強くあって、そのために試行錯誤しながらバンドを整備してきました。OBバンドは、だいたい3年目で崩壊するところが多いらしく、4年目に突入できるようにするためには何をすればいいのかと考えたときに、やはり音楽バンドなので音楽の充実を図っていきたいと思っています。


Returns!について楽しそうに語り合う二人


― 音楽の充実というのは、具体的にどういうことですか?

(工藤)結成当初は、久しぶりに仲間と集った楽しさや懐かしさで盛り上がっていた部分がありましたが、バンドとして継続していくためにはそれだけでは難しい。音楽そのものを探求して楽しんでいく要素が必要だと考えています。そのために、例えばドリルでは、曲やコマの難易度を見直すことで、一つ一つの曲の完成度を上げていこうとしています。
マンネリとも闘わないといけない。一方で、バンドは絶対に楽しくなくてはいけない。でも、60名規模になったバンドの根底は、音楽です。演奏で曲を奏でて得る感動、ドリルの疾走感や高揚。これがなければ、極論ですがやってる意味なんてない。そう思う反面、村山さんがおっしゃっていた、個々の楽しみ方とのバランスも難しい。そういう意味で、バンドを音楽面で牽引する、演奏とドリルのスタッフには本当に感謝しています。スタッフとしての喜びもあるけど、時間も苦労もかかる。孤独でもある。そういうことを担ってくれた過去2回のスタッフ。そして3回目を引っ張っている現在の盤石なスタッフ陣。本当にありがたいです。

― そういう意味では、バンドリーダーの役割も大きいのでしょうか?

(工藤)はい(笑)!

― 村山さんは、先日、演奏会に向けて人が足りないパートと人数を取りまとめてくださっていましたが、ぜひOBOGの皆さんに入団していただけるようにReturns!のアピールポイントをお願いします。

(村山)前回のインタビューの時にも話していて、そのときと気持ちが全く変わっていないんですが、本当に楽しく音楽ができるバンドであるし、ブランク明けの人でも無理なく入っていけるような、間口を広げたバンドであると思っています。やってみたいけれど、もう20年も楽器をやっていなくて、知らない人ばかりの一般のバンドの中ではやりにくいなと思っている人であっても、すっと溶け込んでいけるような、我が家に帰ってきたようなバンドであると思うし、これからもそうあり続けたいと思っています。そこが、これから新しいメンバーに入ってきてもらう基本だと思います。という話と、さきほどから言っている音楽的に上を目指していくんだというところでの厳しい練習とどう折り合いをつけていくのかというところがポイントだと思います。じゃあどうするのかといった時に簡単な答えはないので、この1年は団長、スタッフ、パートリーダーの皆さんとよく話し合いながら実現していきたいと思います。


頼まれた曲のアレンジを持参したら、「お前、いいからコマに入れよ」と言われて

― ちなみに、村山さんがReturns!に入られたきっかけは?

(村山)成り行きですね。

(一同爆笑)

― Returns!が結成された時は、たしかタイにいらっしゃいましたよね?

(村山)そうです。もともと、いずれはどこかのバンドでやりたいと思っていたんです。それで、楽器を買って一人で練習をしていた時に、縁があって六大同期の迫さん(早稲田大学 昭和63年度卒 Returns!1期ドラムメジャー)にReturns!に誘われました。

(工藤)Returns!第一回演奏会のために校歌のアレンジを村山さんにお願いしたんです。

(村山)「ドリルステージの六大メドレーの繋ぎの部分を書いてほしい」と言われまして。実は、20数年前の合演で私が六大メドレーの繋ぎを書いたんです。迫がそれを覚えていて、同じようなものを書いてくれと頼まれました。

― それはReturns!に入る前ですか?

(村山)そう、まだタイにいるとき。そのアレンジの締め切り時期に帰国したので、「できたよ」と持って行ったら、迫が「お前、いいからコマに入れよ」と(笑)。

(工藤)迫さんがすでにコマ表上に村山さんを入れてたんです。それで、「お前のコマ、ここね」って(笑)。

(村山)「あれ?『Hr 村山』って書いてある!?」とビックリ。でも、このバンドには全然抵抗なく入れる雰囲気があったんです。それで、ここだったら無理なくできるなぁと思ったので、そのまま入りました(笑)。


そして、ステージに乗りました(笑)。


― 大学を卒業されてからReturns!に入団するまでの間、楽器を演奏されていましたか?

(村山)社会人になって10年くらいは会社のバンドに入っていました。その後はすっかり途絶えていましたが、もう一度やりたいなと思っていたところにちょうどいいタイミングでReturns!が結成され、自分自身も帰国して参加できました。会社のバンドは音楽レベルが高いところで、個人練習の負担が大きかったので、時間的に厳しくなって辞めました。年齢的にも仕事が忙しくなり、演奏活動にあまり情熱を持てなくなったというのもありますね。それから20年経ちましたが、今はまた楽しいですよ(笑)!


Returns!の練習はいつも笑いが絶えません。


― 日頃、Returns!をすごく楽しんでいらっしゃるのが伝わってきます(笑)。具体的にどういうところに楽しさを感じていますか?

(村山)音楽の話とか、楽器のことや演奏技術の話なんかが、メンバー同士でがっつりできるのは楽しいですね。ここ以外ではできないことですし。メンバーは、当たり前ですが音楽が大好きな人ばかりなので、濃い話をさせてもらっています。音楽以外でも、趣味のことで盛り上がったり、遊びに行ったりしていますね。


Returns!は遊びの企画もいっぱい

― 今までにどんな遊びの企画がありましたか?

(村山)同じパートの雨坪さん(早稲田大学 平成2年度卒 ホルン)に秋葉原のメイドカフェに連れて行ってもらったり。メイドカフェにハマったメンバーが何人かいて、「六大学帰宅部」というのを作っています(笑)。あ、メイドカフェに行くことを「ご帰宅」と呼ぶんですよね。あとは、私がタイに住んでいたので、タイ料理好きのメンバーでタイ料理を食べに行きましたし、山歩きが好きな山・山コンビ(山森さん 立教大学 昭和63年度 トロンボーン)で山歩きイベントを企画して、小仏から景信山に登り、高尾山まで歩きました。まぁ、でも、他に参加者がいなくて企画者2人で歩いたんですけどね(笑)。


Returns!タイ料理愛好会


Returns!山歩き愛好会 村山さんと山森さん


演奏会本番までの持って行き方を全員が知っているというベクトルの一体感がすごかった


― 工藤さんは、Returns!結成当初は転勤で愛媛にいらしたので、第一回演奏会は、直前練習から参加してステージに立たれましたが、昨年異動で東京に戻られて、2期は練習にフル参加された上で演奏会に出られました。ぜひ、一団員として一年間参加してみての感想をお聞かせください。


工藤さんが以前にいた愛媛の特産 紅マドンナの差し入れに喜ぶ団員たち


(工藤)自分が東京に異動して参加できるなんてことは、まったく想定していませんでした。だからまず、とにかく楽しかったです。練習に行き、皆さんの顔を見るのが本当に嬉しくて。いずれまた離れることは覚悟しているのですが、とにかく幸せな一年間でした。同時に、皆さんが本当に頑張っていたんだということを改めて認識しました。
そして、あの本番前の強烈なエネルギー。すごかったですね。本番までの持っていき方を全員が知っているという。ベクトルの一体感、追い込まれた時の集中力。根底にあるスピリットがあらかじめ共有されているバンドの圧倒的な強みです。全員があの六大応援団を卒団したんですもんね(笑)。


第二回定期演奏会ドリルステージのリハーサル


前回演奏会のドリルステージでクローザー曲だった「Moorside March」をオープナー曲として再び使ったワケ

― ちょっと話がそれますが、工藤さんにドラムメジャーとしてお伺いしたいことがあります。前回の演奏会のドリルステージでクローザー曲だった「Moorside March」を今回オープナー曲として使われていますが、その意図をお聞かせ下さい。

(工藤)前回の演奏会のドリルは、ちょっと色々詰め込みすぎて、練習にものすごく時間がかかってしまいました。その結果、クローザーの「Moorside March」にかけた時間が練習全体の3%にも達していなかったんです。曲を覚えて吹いて動いて、はい、おしまいという感じになってしまい、やりたかったことが全くできませんでした。それは僕たちドリルスタッフとしての力量の問題だし、僕個人としての力量の無さでもあります。あの曲をやりたいと思ってやったものの、結果的には不完全燃焼で終わってしまい、吹いているメンバーも得られたものがあまりなかったのではないかと思ったんです。今回、オープナーをやらせてもらうことになった時に、それならもう一回同じ曲で魂の込もったものを創りたいと思ったのが大きな理由です。ですから、今日はコマ発表ですが、ブリブリ気合を入れてやりたいと思っています。


オープナーのコマ発表。みんな気合が入っています!


工藤といえば「Moorside March」と言ってもらいたいくらいの思いがある

― 過去2回、Returns!の演奏会でオープナーを担当されたドラムメジャーに対する思いはありますか?

(工藤)過去にオープナーを担当されたドラムメジャーの酒巻さん(東京大学 平成2年度卒 トロンボーン)と山口さん(慶應大学 昭和63年度卒 トロンボーン)は、ドリルスタッフとして絶対的な信頼感のある仲間ですけれど、「ドラムメジャーはお互いがライバル」という気持ちもあります。お二人のオープナーに負けないものを創りあげたいですね。
また、今の現役や、歴代のドラムメジャーにも負けないぞという思いも正直あります。50近くになり、こんな青臭いことを口にする日が来るとは思ってもいませんでしたが(笑)。当時の僕を知る皆さんにとって、工藤といえば六大合演のメインカレッジでやらせてもらった「Fire Storm」という曲が浮かぶと思うんですが、もうそんなものは遠い過去のこと。工藤といえば「Moorside March」と言ってもらいたいくらいの思いがあります。
合演は今年45回。合演のドラムメジャーは約270名。ガードチーフを入れると500名というところでしょうか。おそらく全員が、「もう一度合演というシチュエーションでコマを描く、操作をつけるなら」という妄想をしたことがあると思うんです。その妄想を叶えたのは、Returns!のドリルスタッフだけです。それを現在進行形で、しかもこの規模と本気度で出来ていることは、本当に幸せだと思います。よくやるよなー、とも思いますが(笑)。

― クローザーの曲をオープナーに使うというのは、試みとしても面白いなと思いました。また、2期のラストの曲を3期のトップに使うことで活動の繋がりも感じます。

(工藤)結果論かもしれないけれど、意識している部分はありますね。

(村山)面白いですよね。毎年、代替わりをする学生のバンドだとこういうことはできないので。


卒業以来、それぞれが歩んだ長い旅路を音楽で表現する

― たしかにそうですね。今のお話のように、Returns!では学生時代とは違うことをやろうというお考えはありますか?

(工藤)設立主旨と言っても良いと思うんですが、卒団して人生経験を経たうえで再結集しているメンバーが奏でる音楽です。練習時間が当時に比べて圧倒的に少なくても、深みで補えると本気で思っています。卒業以来、それぞれが歩んだ長い旅路を音楽で表現すること。それが学生時代と決定的に違う、Returns!の存在意義だと思っています。そして、楽しく熱く!皆さんの身体にガタが出ない程度に(笑)。


演奏会直前の練習 チアの皆さんと一緒に


― それでは、最後に、団長から読者の皆さんにメッセージをお願いします。

(工藤)3つあります。
1つ目は、一緒に活動していく仲間を増やしたいと思います。さっき村山さんがおっしゃっていたように、ハードルは下げて。誰でも入れるというところに我々のバンドの大きな意味があると思うので、まずはやってみようよと声をおかけしたい。そして、あの当時の思いをもう一度。ぜひ一緒にやりましょう。

2つ目は、演奏会を観に来ていただきたいということ。8月3日という真夏の大変な時期になりますが、60人もの大人が集まった一年間の集大成。ましてや応援団出身の僕たちが、その大事な繋がりと思いを大切に紡いでいるバンドです。思いが伝わる演奏会を創り上げます。ぜひ江戸川区総合文化センターまで足をお運びください。

3つ目は、感謝を伝えたいです。我々のバンドへのあたたかいお言葉やご支援、本当にありがたいと思います。いつも団員を練習に送り出してくれている団員のご家族の皆様。Facebookの六旗会、先輩理事、OBOG会の方々。演奏会の時にバックステージをお手伝いしてくれる方々。演奏会に参加してくれているチアの皆さん。
そして、団員の皆さん。器材を運び、譜面を調達して、練習場所を確保し、団員情報を整備して、バンドのPRを行い、演奏会の企画を立て、会計を担ってくれる。何よりも、暑い時も寒い時も元気に笑顔で集まり、共に音楽を創る今があること。それがすべてです。
一番お伝えしたいのは、この感謝の気持ちです。

― どうもありがとうございました。


第二回演奏会



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六大合演OBOGバンドReturns!

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