【Returns!団員の素顔に迫る その11 前編】 | もっと!六大合演OBOGバンドReturns!

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2016年4月に結成した、東京六大学応援団OB/OGによる吹奏楽団「六大合演OBOGバンドReturns!」のブログです。普段更新しているFBページではお伝えしきれない団員の素顔などに触れていただけるblogにしていきます!

【Returns!団員の素顔に迫る その11 前編】

Returns!第三回定期演奏会の余韻も冷めやらぬ8月8日、今期で退団するドリルスタッフチーフの酒巻孝治さん(東京大学 平成2年卒)、そして演奏スタッフチーフの池田正夫さん(慶應大学 平成4年卒)に今回の演奏会を振り返っていただきました。
最近、なぜか酸っぱいものが飲みたくなるという酒巻さんはメガレモンサワーを片手に、糖質制限中の池田さんはハイボールを片手に対談がスタート。話は演奏会に留まらず、二人の出会いから二人の共通点、演奏とドリルの違い、Returns!にとっての楽しさ、Returns!が二人の人生にどう影響を与えたのか、など多岐に渡りました。
それでは、酒巻・池田ワールドへどうぞ!

(取材・文 K04池田由起子)


Returns!3期 演奏スタッフチーフの池田さん(左)とドリルスタッフチーフの酒巻さん(右)


■三回目の演奏会を終えた今の心境

― まずは演奏会が終わった今の心境を聞かせて下さい。

池田:演奏会を迎えるたびに、Returns!は本当に多くの方々に支えていただきながら成り立っていると改めて感じますね。バンドメンバーが一生懸命練習に励んでいることはもちろん、練習場確保、機材準備・運搬、広報、会計、演奏会企画...上げていったらきりがないぐらいのことを皆で手分けして担ってます。仕事や家庭などで忙しい中、多くの大変な作業をみんな黙々と自分から進んでやってますしね。当日の裏方も、バンドメンバーではない多くの方々にご協力をいただいていて。やっぱり学生時代に培った応援団の精神なのかなぁと思いますね。ありがたいです。

酒巻:本当にありがたいですね。当⽇の裏⽅助っ⼈も含めてたくさんの⼈たちの⼒が合わさってあの演奏会が開かれて、メンバーもお客様もそれぞれに何かを得たのではないかと思いますね。僕⾃⾝もとても得るものが多かった気がしてます。誰とは⾔わないけど打上げの司会とかそれぞれの得意分野をきちんと受け持ってパワーを発揮して、すごいチームワーク。もしかすると演奏やドリルそのものよりも、そういう意味でのチームワークがまずすごいよね。

― 今の率直なお気持ちはいかがですか。

酒巻:意外と難しいね。ホッとしていますということなんだろうなぁ。

池田:ホッとしている感じですか。出来はどうでしたか。

酒巻:すごく良かったんじゃないでしょうかね。

池田:良かったですよね。僕も今までの演奏会で一番満足感がありますね。

酒巻:どう良かったかというのはなかなか難しくて。対談のオファーが来た時から、きっと聞かれるだろうなと思って考えていたけど、上手く言えないね。はっきり言ってドリルというのは出来がよく分からないんだよね。

一同爆笑

酒巻:本番は前で見てないし(笑)。

池田:確かに。

酒巻:お客さんの拍手が良かったというような反応が分かるくらいで。敢えて言えば、曲が止まったか止まらなかったかしか分からない。

池田:ラインが揃っているかどうかなんて本番見られないですしね。

― 演奏会後に改めて過去のドリルステージの映像を観たんですが、曲数が多く、曲やコマの難易度も高かったので、覚えて動くので精一杯な印象がありました。打ち上げの時に今回の映像を観ましたが、曲数を減らして難易度を下げたことで全体的にきれいに決まり、まとまっていた感じがあったように思います。

酒巻:まあ、それが狙いだったんですけどね。

池田:個人的にも、僕もメンツとしてドリルをちゃんと仕上げた感があって、ある種余裕を持って本番に臨めたんですが、ドラムメジャーとしてもそれは感じるものなんですか。

酒巻:それは感じますね。ただ、ドラムメジャーは常にドリルが途中で止まるという不安に苛まれているんですよ。僕はそれが一番怖い。

― 実際に起こったことはありますか。

酒巻:練習ではあるでしょう。夢に見ると言ったら嘘になるけど、それに近い状態で、「止まったらどうしよう」といつも思っている。

池田:それは今回の演奏会でもありましたか。

酒巻:ありますよ。やっぱり本番のホールでは何が起こるか分からないから。そういう意味では、止まりづらい曲を今回は選びました。「クラウン・インペリアル」とか「どうにもとまらない」とか、まさにどうにも止まらない曲を選んだんですよ(笑)。

池田:去年は、メンツをやっていて、本番止まってもおかしくないと思う曲がありましたけど、今年は止まる心配は全然なかったです。でも、ドラムメジャーはそれでも心配なんですね。

酒巻:例えば、中間部だって、歩いていないパーカッションと一拍ズレれば止まると思う。ドリルの止まらなさは意外と脆弱なんですよ。前で指揮を振ってないし。

池田:そうか、指揮がないから立て直らないんだ。演奏とドリルでそういう違いがあるんですね。僕は指揮をやっていて、本番に途中で止まる心配なんてほとんどしたことがないですから。

酒巻:だって、自分(指揮者)が止めなきゃいいわけだから。

池田:それがドリルの大きなポイントなんですね。

酒巻:だから、僕は「THROW DOWN」(Returns!第一回定演)や「アルヴァマー序曲」(第16回東京六大学応援団連盟合同演奏会)とか、割と分かりやすくて止まらなそうな曲しかやらない、というかやれないんだよね。



第一回演奏会オープナー「THROW DOWN」


池田:その恐怖心って、ドラムメジャーが全般的に持っているのか、酒巻さんが特に敏感なのか。どちらだと思いますか。

酒巻:うーん、ドラムメジャーはみんなそうなんじゃないかな。ドラムメジャーで飲んだり、話したりするときに「あの曲、止まるよ」という話はよく出るから。

池田:今の話だと、酒巻さんは、それを回避するための選曲を現役の時からしていたということなんですが、そういった時に、止まりそうな曲を選ぶドラムメジャーというのはどういう心境なんですか。

酒巻:それはその人に聞いてよ(笑)。

池田:チャレンジなんですかね。

酒巻:その話は非常に面白くて、そのくらいがいいというドラムメジャーもいるんだよね。「ギリギリで仕上がるくらいがいいよな」って。

池田:酒巻さんはそこにはあまり同意できないわけですね。面白いなぁ(笑)。

酒巻:目をつぶってでも止まらない曲じゃないとやりたくないんだもん。止まるのが怖いという意味ではなくて、お客さんも止まらない方が喜んでくれると思うからだけど。

池田:そういう好みの違いというのがあるんですね。

酒巻:ある代のドラムメジャーたちはどちらかというとそういうギリギリを狙う志向が強かったかな。

池田:スリル志向(笑)?

酒巻:「やる方も観る方も、それくらいじゃないと面白くないだろう?」っていう感じ。全く間違ってないですよ。ただ、僕はそういうタイプではないというだけ。それに、「ドリルの面白みというのは量、つまり長さもあるだろう」と。いくら美味しくても、ざる蕎麦一杯というわけにはいかない。やっぱり前菜があって、スープ・サラダがあって、メインがあってというように、ちゃんと量もないと、という考え。


■今回の演奏会は、僕らの世代の合演のフォーマットがいい意味で崩壊した

池田:1回目と2回目のReturns!の演奏会のドリルは、良くも悪くも量が多いのが大事という考え方に縛られたドリルだったような気がします。今回は、そこから脱却した部分があると思っていて、僕はそれが良かったんじゃないかと思っているんです。

酒巻:試行錯誤だよ、まさに。だって、最初はみんながどれくらいできるか分からなかったから。その中で第一回をやってみて。そうしたら変に出来ちゃったから、第二回で少し深追いして、メンツの感覚からすると溢れたかもしれない部分があって。それをガーッと絞って第三回に至っている。
3回の演奏会を経て、量という点において蛇行しながらここに落ち着いた感じだと思う。

池田:ドラムメジャーの中田君(慶應大学 平成23年卒)がクローザーで「勇気100%」をやったというところからも思ったんですけど、僕らの世代の合演(東京六大学応援団連盟合同演奏会)のフォーマットがいい意味で崩壊したことが今年の大きなポイントだと思うんです。



子どもたちにも人気の「勇気100%」をクローザーに採用


酒巻:なるほど、そうかもしれない。

池田:昭和の終わりぐらいの世代の方が観たら、物足りないと思うのかもしれないし、これは六大ドリルではないと言うのかもしれないけど、それは一つの価値観であって、そうじゃない価値観もいっぱいあるわけで、そこに囚われなくなったというのはありますよね。昭和末期から平成初期の合演が合演であると思い込んでいたReturns!からの脱却という意味があったんじゃないでしょうか。
演奏ステージも、結果的にそうなりましたね。3つ大曲が並んでいるのが僕らの時代の合演の第三部という考え方があった中で、今回は1つだけ超大曲で。一人が超大曲をドンと入れるなんて、僕らの時代の合演だったらあり得ないんですよ。指揮者同士がケンカになっちゃうし(笑)。
意図したわけではないんですけど、色々模索した結果、Returns!の新しい姿が三回目にして生まれたんだと思います。みんな心の中で、「何か違うよな。これでいいのか?」という何となくの違和感を持ちながら1回目2回目と来ているんですよ。そういう違和感が、今回、結果的に形を変えるということに自然と結び付いていったんじゃないかと感じます。


■映画のようにダレ場を作る

酒巻:今回、演奏会のドリルの選曲をするときに、「僕は今回で終わりにします」と言ったら、工藤(明治大学 平成3年卒 団長兼ドラムメジャー)に「辞めるのであれば、ぜひメインをやって下さい」と言われて。
でも、僕は合演でもメインはやってないし、自分が4年の時の東大の定期演奏会でも、メインらしいメインってやってないんだよ。組曲みたいな長い曲はあまりピンと来なくて。アルヴァマーみたいにぶっ放して終わるみたいなことしか思い付かないんだよね。だから、「メインといっても、オープナーみたいなメインをやるから」と。別にメインだからといってガッチリした大曲をやらなくてもいいじゃないかという話をして。
それで、メインをクラウンにした時に、オープナーみたいなメインになっちゃうから、そこにちょっと「ダレ場」がないと。映画でもダレ場があって、例えば、アクション映画の中にラブシーンがあるでしょう。それをダレ場と言うんだけれど、ダレ場も必要なんですよ。ずっとアクションばかりではだめなんです。ブルース・ウィリスだって、ケガして弱っているところがあった方が面白くなるから。それに当たるのが、工藤が描いたスロー・コーの「ヨークシャー・バラード」。まあ、ダレ場という言葉は良くないかもしれないけれど、一つのステージの中で、やっぱりスローがないとね。

― 緩急を付けるということなんでしょうか。

酒巻:ダレ場がないと、ところてんを作る時みたいにスポーンと出て終わっちゃうから。スローが入ることで収まりが良くなると思う。



スロー・コー「ヨークシャー・バラード」でしっとりと魅せる


酒巻ドラムメジャーによるメイン「クラウン・インペリアル」


池田:今回、メインがクラウンだったのも一つ面白いと思っていて、やっぱり過去の演奏会は昭和末期から平成初期のドリルがベースだから、メインとは長くてクラシックであるみたいな文化が支配していたと思うんです。それを見事に壊しているわけ。

酒巻:池田君は前にも言っていたよね。メインだからといって別にステーキである必要はなくて、前菜みたいでもいいじゃないかって。


■泣けないクローザーだから素晴らしい

池田:それで、メインの既存の概念が壊れてからのクローザーの「勇気100%」。後半部分で、いわゆる僕らの世代のドリルらしくなさが出てましたよね。

酒巻:「勇気100%」は良かったよね。

池田:お客さんにめちゃめちゃ受けてましたから。

酒巻:あれは、今回の演奏会で語り草になるような名選曲だったかもしれないね。

― 実際に中田君が「勇気100%」をやりたいと言った時に酒巻さんはどう思われましたか?

酒巻:ああ、いいんじゃないって。ポップなのがいいよねって言ってたね。

池田:今年のドリルスタッフは、それが出てきた時に「いいよね」となるのが素晴らしいんですよ。去年までだったら「それはどうかな」となっていた気がします。だから、そこから抜け出したというのはすごいですよね。

― 考え方が柔軟だったんですね。

酒巻:そうだね。あとは中田君の若さもあるよね。彼はあの曲をタイムリーに知っている世代だろうから、我々とはあの曲に対する距離感が違うんだろうけど。でも、我々もあの曲を知っているよね。

― アニメの主題歌だったので、子どもと一緒にテレビで観てました。

酒巻:僕も観てた。すごくいい曲だよ。意外とグッとくるよね。

池田:グッと来ます?!グッとは来ないな(笑)。

酒巻:来るよ、来る!

池田:僕は、今年のクローザーは泣けないクローザーだったのが素晴らしいと思ったんですよ。やっぱり僕らの時代には、クローザーは泣けるものみたいなところがあるじゃないですか。

酒巻:なんか演歌っぽい血がね。唸り節だったよね。

池田:それが、泣けないで明るく終わるクローザーというのは初めてで。でも実際にやってみると、結構いいですよね。

― ドラムメジャーの登場の仕方も新鮮でしたよね。

池田:あのメジャーとガードのハイタッチね。

― あれはどなたが考えたんですか。

酒巻:あれは、クローザーを担当した中田君が、ガードの花道を作ってドラムメジャーがそこを通るというコマを描いたんだよね。登場する時に何をするかは各ドラムメジャーが考えて。僕はメンズガードの尚さん(法政大学 昭和62年卒)と握手をしようかと思っていたんだけど、前の二人がガードとハイタッチをしたから、僕はもう何もせずに手を広げて「お客様~」という感じで登場して敬礼をしたんです。キャッツ方式ね(笑)。

池田:なんか最後に主役登場みたいな感じで良かったですよね。あれは面白かった(笑)。


■ドラムメジャーがどう振る舞うかもコマ

酒巻:ドリルのゲネプロの夜にトロンボーン飲み会をやったんだけど、ある後輩が「酒巻さんは、自分が目立つコマしか描きませんよね」って言うから、よく言うなと思って(笑)。

池田:マジですか?!よく言うなぁ(笑)。

酒巻:「酒巻さんって昔からそうですよね」って。

池田:アルヴァマーの「ワン・ツー!」の印象が強いから(笑)。

酒巻:「まあ実際そうなんだけど、それも含めてコマなんだ」と。「ドラムメジャーがどう振る舞うかもコマだから、お客様が拍手しやすいように、出てきて敬礼しているのであって、僕が目立つためにやっているわけじゃないんだよ。実際、お客様へのお礼もあるしね」と言ったけど、アイツには全然伝わらなかった(笑)。

― 酒巻さんの敬礼を期待している人たちが沢山いるので、あれは出さないとだめですよね。



ガードチーフの中島さんとの敬礼

酒巻さんのこの敬礼もコマの一つ


池田:そうなんですよ。だから、酒巻さんが目立ちたいんじゃなくて、酒巻さんが目立つことが演出上必要だという考え方なんですよ。あそこで酒巻さん以外の人が目立っても誰も喜ばないし、お客さんは湧かないでしょうという話です(笑)。ステージってそういうもんですよね?

酒巻:それは確かにそうで、指揮者なんてもっとそうでしょ?指揮者ってカッコいいよねぇ。

池田:うん、カッコいいですよ(笑)。でも、指揮者がカッコよくなかったら、ステージとしてだめじゃないですか。指揮者がカッコ悪く振っていたら、その時点で演奏が下手に見えるというか。だから、堂々としてないといけないというのはありますよね。

酒巻:後ろから見られていて、バンドが上手そうに見える指揮の振る舞いって意識しているの?

池田:してますよ、当然。だから、音が多少貧弱でも、手を広げてバーンってダイナミックに振ったら、お客さんはバーンって鳴っているように思うじゃないですか。ところが、後で録音を聴いたら、そこまでバーンじゃなかったりする。ライブだからお客さんも騙されちゃう部分もあるんです。だから、視覚的にも「こういう音を出しているんです」と、ある意味演出しているところもあります。あと、お客さんに対する見栄えということだけではなくて、吹く側も、バーンって振った方がバーンって吹きやすいですから。そこで貧相に振っていたら音が出しづらいというのはありますよね。


■奏者の自信が「ロスト・ムーン」のあの演奏に繋がり、ドリルの出来にも影響したのかもしれない

酒巻:今回、「ロスト・ムーン」は良かったよね。

池田:ようやく演奏の話になりましたね(笑)。プレーヤーとしての感触はどうでしたか。

酒巻:気持ち良く吹けたし、グッと来たね。トロンボーンの和音も分かりやすくて、ハマっていく感じで綺麗に鳴らせたし。細かいパッセージは吹けたり吹けなかったりというのは実はあるんだけども。池田君も気持ちよさそうに振っていたしね。Facebookにも投稿していたけど、最後の音を鳴らしたら曲が終わっちゃうというあの無音の間も良かった。

池田:プレイヤー側にいた酒巻さんにぜひ聴きたいんですけど、本番だけ何だか雰囲気が違いませんでしたか。

酒巻:違ったね。それは感じた。

池田:僕は本番、本当に感覚が違ったんですよ。「この人たちどうしたの?音、いつもよりスゴくない?何でこんなにピッタリ揃うの?」みたいな感じでした。



演奏ステージのメイン「ロスト・ムーン」はすごい一体感でした!


酒巻:それは奏者側の自信みたいなものだったのかもしれないし、それがドリルの出来にも影響しているかもしれないね。次のドリルも自信を持ってやれるという精神的な安寧というか。そういうものが、全体のステージをいいものにしたのかもしれない。

池田:ある意味、この第三回というのはやっぱりバンド全体が自信を持ってステージに立てたということですかね?

酒巻:そういう自信が演奏の音に影響するのかもしれない。
ところで、池田君の選ぶ曲は全てストーリー性があるじゃない?「バロン」に「タイタニック」に「アポロ13」。全部映画になっているよね。そういえば、一昨日、「アポロ13」をDVDで観たんだけど、「ロスト・ムーン」の方がいいね。映画はむしろ退屈だった(笑)。

池田:それは自分が吹いたからじゃないですか(笑)?

酒巻:かもしれない。好きな曲になったのかも。映画が公開された当時、「アポロ13」は観たし、DVDを持っていたからずっと観ようかなとは思っていたんだけど、本番まで何か観れなかったんだよね。池田君の世界があるし、観たらだめかなと思って。

池田:ああ、そんな風に考えられていたんですね。

酒巻:ステージが終わって観てみたら、曲の方が良かったよ。何かモチーフが似ているんだよね。トランペットの旋律とか映画音楽っぽいじゃないですか。演奏会の録音を聴くと、ペットの上達を感じるよね。

池田:そう、本番のペットが今回はすさまじく良かった。

酒巻:ペットのメンバーの充実が、今回の池田君の演奏に寄与しているだろう?

池田:メンバーの充実というよりメンバーの成長ですね。今回、主軸が何人か減っているから戦力的には前回よりも落ちているんですよ。それであの音を出すというのは、確実に今いるメンバーの成長でしょう。そうとしか考えられない。

― 音が輝いていましたよね。



音が輝いていたトランペットパート!


池田:そう、輝いていた。演奏会後に何人かのメンバーに「当日の録音を聴いたけれど、これ、本当に私たちの演奏ですか?」と聞かれました(笑)。自分たちはこんなに上手かったっけと思うくらいの衝撃的な演奏でしたね。

酒巻:特にペットの鳴りが、水風船のようなパリッとした張りのある音だったよね。

池田:あとはホルンがとても厚くなった。第一回の「ほらふき男爵の冒険」の時は、何でホルンがここで出てこないんだというのが多かったんですけど、今回はホルンの音の厚みがすごかった。自分のパートなので手前味噌ですけど(笑)。

酒巻:なるほど。



ホルンも鳴っていました!


池田:パーカッションもすごく成長したと思ってて、今年はスーパースターの坂野さん(明治大学昭和62年卒)がいないんですよ。坂野さん無しであそこまでやったのは本当によく頑張ったと思います。


過去2回の演奏会に出演された坂野さん(右)は、今回、ゲネプロ・演奏会当日にパーカスのサポートをしてくださいました!

個人練やレッスン受講で成長したパーカスパート


酒巻:演奏会直前、楽屋で各パートリーダーが一言ずつ話した時に、パーカッションの岩崎さん(明治大学 平成3年卒)が言ってたよね。譜面に載っている全部の音を鳴らすことができて嬉しいって。譜面の音を一つひとつ大切にしてやっているんだなと思って、ちょっとグッと来ちゃったよ。



【Returns!団員の素顔に迫る その11 中編】へ続く



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