【Returns!団員の素顔に迫る その11 後編】
こちらの記事は、
【Returns!団員の素顔に迫る その11 中編】演奏スタッフチーフ&ドリルスタッフチーフ対談の続きです。
ドリルスタッフチーフの酒巻さん
演奏スタッフチーフの池田さん
■Returns!のメンバーにとっての楽しさとは?― ここまでは、お客様に対しての質という話でしたが、それとは逆に、Returns!のメンバーにとってのドリル・演奏の楽しさという意味ではいかがですか。
池田:Returns!発足最初のコマ発表の時に、酒巻さんが「Returns!にとっての楽しさとは何かを模索し続けていきたい」と発言したのを僕は本当によく覚えていて、その通りだなぁと。自分がいつも考えているのと同じだなぁと、とても共感したんです。
酒巻:それはもちろん覚えてるよ。当然、それは今も思い続けてるよね。
池田:お互いにそれをずっと考えてきたというのがReturns!の歴史みたいなものだと思うんですが、酒巻さんは答えが出たんですか。
酒巻:うーん、ちょっとずるい答えになるかもしれないけど、結局、ドラムメジャーにできることって量の設定しかないというか。曲数と長さと難易度。だから、メンバーの最大公約数的な楽しさを実現できる分量の設定を間違えないってことなのかな。その中で、メンバー自身が好きなように楽しむ。その環境づくりがドリルスタッフの肝かなって。今回はそれが丁度よくできたんじゃないかと思っている。でも、これってやってみないと分からないんだよ。難しい。だけど、そのことがドリルを楽しんでもらう上でこちらが提供できる最大のことなのかもしれない。その量が、適切なら練習の分量もちょうどよくなって、楽しくできるかもしれない。
池田:やっぱり、余裕を作るっていうことなんですかね。
酒巻:そうだね。演奏もそうなんじゃないのかな。
池田:そうですね。どのくらいの難易度、長さの曲が適切なのか。でも、あんまり簡単すぎるのもだめで、ある程度の挑戦というものがないと、それはそれで楽しくなくなってしまうんじゃないかと思います。ただ、ドリルは、全員がそれなりに動けないと成り立たないんですよね。演奏って、必ずしも全員がすべて吹けないと楽しめないかというと、そうでもないんです。全部は吹けないけど、周りがいい音を出していて、ああ、いいなぁって。そんな楽しみ方も許容できるんじゃないかと。そこは、演奏の方が少し楽しむハードルが低いかもしれないですね。もちろん、全員吹けないというのでは困るけど(笑)。全員がパーフェクトじゃなくても、曲を楽しむことはできるじゃないですか。
酒巻:指揮者の立場で、よくそこまで言うねぇ(笑)。
池田:いやあ、そうなんじゃないですかね。人によって、ちゃんと吹けないところもあるけど、それはそれとして楽しめる。次にもっと吹けたら、それはそれでもっと楽しめる。
酒巻:いいねぇ。吹けるところだけでも吹いて楽しむ。
池田:Returns!には、久々に吹く人、他部門の出身で初めて楽器を持つ人、現役時代と楽器を変える人とかがいる。そんな、いろんな状況の人が思い思いにそれなりのレベルで楽しむっていうのがいいんじゃないかと思います。でも、演奏会本番に向けては、最終的にそんな様々な状況の人たちを前提に、全体として曲を成立させていく。そのバランスを全体的に作っていくのが指揮者の役割なので、それはそれでいいんじゃないかと僕は思っています。1人1人はパーフェクトじゃないんだけど、トータルとしては十分聴けるものになるという感じ。
酒巻:社会人バンドの指揮って、そういうことなんだろうね。でも、現役の応援団だってそうだよね。
池田:そうですよ。現役当時だって、初心者もいるし、上手い人、下手な人、いろんな人がいる。各々はその人なりに気持ちよく吹ければよい。そもそもで言ったら、ない楽器だってある。今年なんかオーボエがなかったわけだし。そこは全部は埋められないけど、何かの楽器で曲を成立できるレベルに埋めて作っていくしかない。結局、そこにある素材を前提に、できる最大をトータルでどう作り出すかなんですよ。
酒巻:なるほど。
池田:「全員が完璧に吹いたら最高によいものができるから、みんな完璧に吹け」なんてことを要求するつもりはありません。みんな完璧なんてありえないし、そこを追及してもあんまり幸せじゃない。その上で、みんなで作るから面白い。例えば、「トロンボーンがうるさすぎるからメンバー半分出るな」なんてありえないじゃないですか。基本全員参加ですよ。だから楽しい。だから、入りたい人はみんな入れるし、演奏会に出られる。それが、Returns!の良さだと僕は思っています。まあ、スタッフは大変ですけどね(笑)。
― Returns!の楽しさをスタッフが定義するのではなくて、メンバーそれぞれが好きな楽しさを求めることができる環境をスタッフの皆さんが作っているということですね。
酒巻:ところで、僕は演奏の良し悪しの細かいところまで分からないから、ぜひ聞きたいんだけど、今回の「ロスト・ムーン」の出来は実際どうだったのかな?感動した、素晴らしい演奏だったってメンバーや観客の評判はとても良いけど。それなりに分かる人にとっては、今一つだったりするのかな。
池田:コンクールに出たとしたら、金賞が取れるというレベルではないですね。でも、そういうことではないんですよね。専門家から見た演奏レベルがどうこうということより、そこにいるメンバーが感動した、満足した、またやりたい。お客さんが迫力があった、想いが伝わった、感動、素晴らしい演奏だった、また行きたいと感じてくれている。それでいいじゃないですか。それがReturns!の楽しさだと思うんです。それをわざわざコンクールに出て、専門家の目から評価されて、自分たちのだめさをわざわざ知る。それ、何が楽しいんですか。それでも、コンクールで他団体と技量を競いたいんだったら、そういうバンドに所属したらいい。Returns!って、そういうバンドじゃないと思うんですよね。
酒巻:なるほど。確かに、うちの女房も今回は「すごく音が大きかった。びっくりした」って言ってた(笑)。
池田:やっぱり、今のReturns!ってパワーバンドだから、管がガンガン鳴って、太鼓がバンバン鳴って、アンケートを見ると「迫力」という言葉がとても多く書かれている(笑)。専門家から見たら「音の暴力団体」と言われるかもしれませんね(笑)。でも、それが今のバンドの強みであれば、そこを活かす。選曲もそれに合わせる。多少雑でも、想いが込もった迫力ある音やパワーで押し切る。それが観客を魅了する。そして、奏者も感動し、満足する。みんなHappyじゃないですか。それでいいと思う。そんな音を作るのがReturns!のスタッフの役割ですよね。僕は、コンクールの審査員受けするような音を緻密に作る必要なんかないと思ってます。コンクールレベルの演奏じゃない?だから、何って感じ。Returns!のメンバーとReturns!の演奏会に来て下さるお客様の満足だけしか考えていません。特にメンバーの楽しさ、満足度が優先です。それなしで、お客様にReturns!の楽しさなんか伝わらない。だから、客受けするだけの選曲は基本的にしません。
酒巻:そうだよな。確かに、そういう意味ではドリルも止まらない曲を安心して、思い切ってやる方がいいよな。
池田:そう。思い切ってやって、やり切って満足っていうのがいいですよね。
■演奏とドリルがReturns!の両輪になった
池田:演奏練習って、指揮者が頑張らないと奏者たちが自発的にワイワイ盛り上がるってことはまずないんです。現役時代にも、「いいなあドリルは、勝手に盛り上がって」と思ってました(笑)。
酒巻:でも、Returns!って、演奏練習もメンバーが結構盛り上がってない?
池田:そう、確かに今期は演奏練習でもメンバーが色々と発言したり、盛り上がっていて、本当に雰囲気が良かったと思いますね。そういう意味では、今期は演奏もドリルも両方、同じように楽しい雰囲気だったなと思います。
酒巻:そう、本当にいいバランスだったね。
池田:そういう意味では、3回目にして、ようやく演奏とドリルがReturns!の両輪って、胸を張って言えるようになったというのが今期の最大の成果ですね。現役のころは、正直あまり両輪感がなくて、ともすれば対立は言いすぎだけど、お互い別物みたいな感じがしていた気もしますね。今のReturns!は完全に演奏とドリルが両輪ですね。Returns!で指揮者をやって、現役の時と考え方がかなり変わったと僕自身思います。本当に両方やるのが楽しい。でも、そう思えたのは酒巻さんと一緒に演奏とドリルの両輪を作って来れたからだと思うし、それは演奏の「NOVENA」に酒巻さんが感動してくださったことからすべてが始まっているんですよ。
酒巻:あはは。ありがとう。
池田:だから、僕にとってはあの「NOVENA」がReturns!の原点だし、あの日があったから、僕は演奏とドリルを分けずに、みんなが演奏とドリルの両方をやるバンドがいいと提案したんです。演奏隊・ドリル隊に分かれて片方だけやるんだったら、結局、現役の時とやっていることが変わらない。そんなバンドは楽しくないと思ったんです。もちろん、それぞれの事情がある中で、片方だけ参加という選択もありだと思います。どちらかだけに出ても楽しい。両方出たらなお楽しい。こんな感じがいいんじゃないですかね。
■Returns!は二人の人生を変えたのか酒巻:工藤が「もう一度ドリルをやりたい!」と言い出して。それがなかったら、本当に何もなかったからね。Returns!三回の演奏会だってなかったわけだし。それを思うと、すごい巡り合わせだと思うし、自分自身を知るきっかけになったよね。Returns!に入ったことで自分とは何かということについて考えた。
池田:Returns!は酒巻さんの人生を変えたと思いますか。
酒巻:YESだろうね。Returns!がある自分となかった自分を考えた時に、全然違うよね。
― 何が違いますか。
酒巻:自分を知った。ドリルについて考えて、語って、練習を⾒てという時に、⾃分は何が好きだったか、何が得意だったのかを強烈に思い出しつつ、逆にさっきジャッキー・チェンで例えたけれども、⾃分には何が出来ないか、⾃分とはどの程度の⼈間かをこれまた強烈に思い知らされたという感じ。会社や家庭でもそういう経験は積んだ気がするけれども、それとは全然違う⽣の感触で思い知ったという感じかなぁ。それを感じた時に、本当に仕事観が覆された感じがあって、だからと言って、この先、人生をガラッと変えるという話ではないんだけど。30年ぶりにそんなことを強烈に思って、これは大きいですよ。池田君の指揮力もそうですよ。
― 池田さんはどうですか。
池田:今までの人生を振り返った時に、学生時代には指揮者を、社会人になってからはITプロジェクトのマネジメントや企業研修の講師をやってきて、そしてまた今、指揮者をやっていて。自分の中では、明確に人生設計をしてきたわけでもないけど、結果として何だか一本の線で繋がっているような気がします。
― 一本の線というのは?
池田:「人をまとめて、ゴールに向かう」ということ。いつもそんなことをやっている、ああ、自分って結局そういう人なんだなぁと思いました。仕事だからとか趣味だからとかではなく、全てひっくるめて自分の人生なんだなぁという感じ。そんなことを改めて考えるきっかけをReturns!が与えてくれたと思っています。そういう意味では、酒巻さんと一緒ですね。
― 二人とも、Returns!の活動がきっかけで自分自身を改めて思い出したという感じでしょうか。まさに「AWAKE」ですね。
■「AWAKE」と「NOVENA」はReturns!の大切な原点
池田:「AWAKE」、来たね(笑)!
― 「AWAKE」は、Returns!設立前のプレイベント「とり六(とりあえず六大合演)」の初回のドリル曲ですよね。(2015年9月13日)
卒業以来久しぶりのドリル。皆のドリル魂がAWAKEしました!
酒巻:「AWAKE」誕⽣秘話っていうのも結構あってね。詳しくは担当ドラムメジャーの⼩沼に聞いてみて下さい。「AWAKE」、良かったよね。あれをやったのは4年前か。
池田:僕は「AWAKE」をやってないんです。午前中の基礎錬だけ参加して、その足で出張に行ったんで。
池田さん、コマ発表前の合奏練には出ていました
酒巻:あの「AWAKE」をやった喜びは泣く感じだったよね。
池田:それは分かりますよ。僕は出張先でAWAKEの動画を観て、本当に悔しかったですから。何で自分はここに居ないで、足上げだけしてたんだって。あれを見た時に、やっぱりドリルもやりたいと正直思いましたね。
酒巻:オープン・スタンスで誰々の横に着いた時とか、ガードとの距離感でトロンボーンのスライドが当たりそうとか。30年ぶりのあの感じは忘れたらいけないよね。
この歳で再びコマ発表を体験するとは。皆、真剣です!
池田:あのとり六の「NOVENA」と「AWAKE」は、Returns!にとって本当に大切な原点なんですよね。
酒巻:一つの原点だよね。「NOVENA」も楽しかったなぁ。あの喜びというのは、あのイベントがなかったら全部ないわけだから。
― あの時の映像を観ると、音は鳴っていないし、レベル的には全然じゃないですか。 だけど、熱量がすごかったですよね。
酒巻:「とり演(とりあえず六大合演演奏の日)」の時も5,60人いたよな。みんな楽器を担いで集合して。翌日の「とりドリ(とりあえず六大合演ドリルの日)」の時も、どうやって貼るんだっけと言いながらみんなでポイントを貼って。
池田:酒巻さんが練習の最初と最後に集合をかけて。酒巻さんはプレイベントの時はバンドリーダー的役割でしたね。
酒巻:小沼や工藤にコマを描いてもらって、僕はどちらかというと裏方をやっていたよね。
「AWAKE」を担当されたドラムメジャーの小沼さん
■Returns!は単なるOBバンドではなく、Returns!というバンドになった
池田:懐かしいなぁ。あの原点が、今こうして新しいバンドの形を作ったというのはちょっと感慨深いですね。
酒巻:感慨深いですよ。次は令和の時代のReturns!をどうしていくのかということをいい意味で模索していって、またたぶん何かで少し間違えるんだろうけど、それはそれでね。
池田:だから、今回の第三回演奏会というのは、ある意味Returns!の第一段階の終着点だという意味付けもあるんだけど、令和最初のスタートとして新しい形を作った回でもあると思っているんです。
酒巻:いいこと言うね、意外と(笑)。
池田:いや、本当にそう思うんですよ。すごくこの第三回には意味がある。礎を作るゴールとして酒巻さんのラストでもあり、新しい形を作るスタートでもあるという記念すべき回になった感があるんです。これは記事に書いておいてね(笑)。
酒巻:僕もそう思う。若い子たちも加入して、そのキャラがReturns!に受け入れられたとか。Returns!の演奏を支えてくれた小田さん(明治大学 昭和59年卒)の指揮といい、若手ドラムメジャーの中田君が登場してキャラが売れたとか。そういうのが次の未来に向けてのスタートになっているよね。
でも、次回ネタを繰り出すのはなかなか大変だぞ。今回、酒巻的なことは全部やったから。
池田:そう、第四回は結構大変。僕は坂野さんから「OBバンドは3年で理想的な形では続けられなくなるところがほとんどだから、正念場の年だよ」と言われていたから、自分にとって3回目は勝負どころだったんです。
それで今回こういう結果が出て、本番後に坂野さんから「いやあ、素晴らしかった。Returns!は単に合演を再現するOBバンドではなくなった。OBバンドとしてのスピリッツを持ちながら、今のバンドに合った形を表現するReturns!というバンドになった」と言われたんです。
酒巻:へえ、そんなことを言われたんだ。
Returns!第一回演奏会にて。坂野さん(左)と迫さん(右)
池田:もう一つ坂野さんに言われたのが「ロスト・ムーンに乗りたかった」と。やったなと思いました(笑)。坂野さんが乗りたくなるステージが作れたということが嬉しかったですね。それが今回の僕の誇りです。やっぱり三回目をずっと意識して作ってきたから。だから、本当は僕も引退してもいいくらい(笑)。
酒巻:しないでしょ(笑)。
池田:気持ち的には、ですけどね。これで二人とも引退したらさすがにヤバいでしょ(笑)。
■ドラムメジャーをアイドルに例える?!酒巻:なんかね、ドラムメジャーはフレッシュでなければいけないという感じがあるんだよ。だけど、指揮は昔からいるおじさんの方がむしろいいのかもしれない。いい意味で指揮とドラムメジャーは違うと思ってる。
池田:えーっ、そういう感覚なんですか。僕はそういう感覚あんまりないですね。
酒巻:「池田さんって、いつからReturns!で指揮振っているんだろう?」みたいになるまでやれよという感じ。逆に、ドラムメジャーは前田敦子や大島優子みたいにセンターを変えていって、フレッシュじゃないと。ファンは飽きちゃうから(笑)。
一同爆笑
池田:じゃあ、ドラムメジャーには一過性にファンが付く感じですか。そんなこと考えたこともなかったな(笑)。ドラムメジャーの方がアイドル性があるってことですか?
酒巻:いい意味で飽きられる(笑)。
― たしかにファンは付いてますよね。あのメジャーコスチュームもアイドル性を作っている要素かもしれません。5年後くらいにまた出て来てくれるとファンは盛り上がりますね(笑)。酒巻さんも記念の回に、ぜひ!
現役時代のメジャーコスチューム姿。決まってますね!
池田:前田敦子、復活!!みたいな。一日だけゲストで来る(笑)。
酒巻:紅白(歌合戦)でピンクレディが歌うみたいな。全く同じコマを描いたりして(笑)。
池田:でも、僕も世代交代をしていこうとは思ってますよ。まだまだ頑張りますけど、段々主軸を少しずつ他の人に移していきたいということも考えるんですよね。
酒巻:それはその方がいいかもしれないね。
池田:僕も、同じスタッフがやり続けるのもあまりよくないかなとも思うんですが、一方で、またこのスタッフの下で演奏なり、ドリルをやりたいと思うメンバーもいるわけで、そのバランスってすごく難しいと思うんですよ。そこはどう思われますか。
酒巻:現役時代だったら、4年間で自動的にいなくなっていくから、そんなこと考えたことがないよね。
池田:確かにやろうと思っても、ずっとやり続けられるわけじゃないですから。
酒巻:指揮よりドラムメジャーの方がもっとそういう感じがあるような気がするな。
池田:それはなぜですか。
酒巻:新陳代謝していかないと、バンドもスタッフも持たないんじゃないかなと。ドラムメジャーの賞味期限っていう言葉も正しいんじゃないかと。
池田:僕はもう3回連続演奏のメインを振っているので、それをやり続けるのは何か違うなって思うんですよ。
酒巻:次回また、池田メイン、酒巻メインていうのはちょっと違うよな。そういう意味では、中田君という若い次のドラムメジャーが出てきてくれたのは嬉しいね。
池田:彼が出てこなかったら、辞めづらかったかもしれませんね。
酒巻:そうね、辞められなったかもね(笑)。別に僕が何したわけでもないんだけど(笑)。中田君、伸び代あるじゃん。みんなから愛されてるし。嫁も嫁で大物だし(笑)。
池田:そう、大物夫婦(笑)。
大物夫婦の瞳ちゃんと中田君。爽やかですね!
酒巻:そういえば、嫁の瞳ちゃん(慶應大学 平成23年卒)が演奏会の打ち上げで懺悔していたけど、楽器を間違えちゃったんだっけ?
池田:「ロスト・ムーン」でマリンバを叩くはずが間違えてシロフォンを叩いて、一オクターブ高くなっちゃったんです(笑)。僕も指揮をしながら何か違和感は感じたんですよ。でも、普通に叩き続けていたし、リズムは壊れていないから楽器が違うとは気が付かなくて。あれをそのまま成立させたのは大物なんです。彼女は一音叩いた瞬間に楽器を間違えたことに気付いちゃったんです。そこで動揺して止まっちゃってもおかしくないから、そのまま叩き切るというのは彼女のすごいところだと思う。気持ちが弱い人だったらできないです。
酒巻:また面白い伝説が生まれたなぁ(笑)。
指揮を見つめる真剣な眼差しが素敵です
■Returns!のメンバーに一言
― 最後に、今期で退団される酒巻さんからReturns!のメンバーに一言お願いします。
酒巻:ないよ(笑)。
池田:絶対に「ないよ」って言うと思ったんですけど、一応載せないといけないから何か言って下さいよ。
酒巻:あまり冗談で言うのはあれだし。
池田:そうですね。ここは真面目に言ってください(笑)。
酒巻:芸能人の人たちは、映画の宣伝とかで「一言お願いします」とお願いされて、よくサラッと言えるよね。
― でも、前田敦子は言わないといけないですから(笑)。
池田:前田敦子は卒業する前に残ったメンバーに言っていかないと(笑)。
酒巻:どこが前田敦子なの(笑)?全然違うじゃない(笑)。
池田:自分で言ったんでしょ(笑)。
酒巻:全然違うよ。前田敦夫だよ(笑)。
一同爆笑
酒巻:そうだなぁ。それぞれが、一番いいと思うReturns!の関わり方を見出して、いい感じで楽しくやって下さいってことかな。僕もそうだけど、途中で抜けるも良し、また入るも良し。あとは、池田君も言っていたけど、Returns!にとって何が楽しいステージであるかということを悩み続けて下さいということかもしれない。
池田:そうですね、答えは分からないですから。悩み続けることに意味があるんでしょうね。
酒巻:今回、少ししっくりきた可能性はあるけど。
池田:次回、同じようなことをして、しっくり来るとは限らないですよね。
酒巻:いや、そうはならないと思う。前例踏襲で行くと、やる方も面白くなくなっちゃうよね。
池田:だから、フォーマットを作っちゃだめなんですよ。毎年、毎年、考えていかないと。
酒巻:ドリルスタッフチーフの中田君が、過去3回の演奏会でやったことから積極的に逸脱していくことをメンバーも許し、面白がってやれたらいいんじゃないのかな。演奏も同じだよね。
池田:そう思います。だから、やっぱりスタッフも新陳代謝を計っていかないとだめだと思うんです。そういう意味では、演奏もドリルも次回の演奏会のメインはチャレンジになると思います。第4回はそこが目玉です。
酒巻:おお、それは楽しみですね!
― 今日はありがとうございました。それにしても、この対談、何回シリーズの記事になるんでしょうね(笑)?
池田:いつものインタビューは30分で2回シリーズだけど、今日は2時間半だから10回かな(笑)。
酒巻:タイタニックくらいあるね(笑)。でも結構、本質的な話ができたよね。いやぁ、楽しかったな。
― 普段聞けない話がたくさん伺えて楽しかったです。長時間ありがとうございました。
トロンボーンパートの皆さんと
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六大合演OBOGバンドReturns!
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