2018.8 NO.100 インパクト VS コンパクト(1)
本ブログ100号を記念する今回のテーマは、お決まりの首相批判ではなく、競馬の話。
2018年の世界の主要ダービーが終了した。日本ダービー(2,400m)はワグネリアンが勝ち、仏ダービー(2,100m)は内国産馬を父とするスタディオブマン(SM)が制した。
同じ内国産馬を父とし、より期待も大きかったサクソンウォリアー(SW)は、現地で圧倒的一番人気に推されながらも英、愛両ダービー(2,400m)に勝てず、歴史的名馬の仲間入りは果たせなかった。しかし、これだけでも画期的なことだが、2歳G1を含め無敗で英2000ニギー(3歳限定の1,609m。種牡馬選定の為のレースとの位置付け。去勢された「せん馬」は出走不可)を圧勝しており、スピード重視の欧州における種牡馬への道はすでに約束されている。そのSWは年内で引退予定。距離の壁があるようなので秋以降2,000m以下でどれだけ箔をつけることができるかということになる。
日欧で活躍するこの3頭の競走馬は皆言わずと知れた日本競馬界の至宝ディープインパクト(DI)の産駒。私は、DIが登場するまでは、どちらかというと競走馬より馬を操る騎手のファンだった。本ブログ2013年12月号NO.30(「ケイバ と カイバ」)に書いたように、ダニノムーティエ、テンポイントなど好きな馬がいたが、馬は年5~6回ほどしか走らない。競馬は毎週土曜、日曜に開催される。それで毎開催日多くの有力馬に騎乗するリーディングジョッキーのファンなり、競馬場には行かずTVの競馬番組を観て応援していた。
大学生時神戸のスポーツ新聞のバイト先で競馬を覚えた頃連続関西リーディングジョッキーの座にあった高橋成忠騎手のファンになった。が、ファンになった後すぐに元祖天才福永洋一騎手(今年ダービー騎手となった祐一騎手の実父)が現れた。直に飛びつくのではなく最初の1~2年は高橋騎手のトップの座を脅かす好敵手(1970年トップの座を奪う)と見ていた。3年経た頃ようやく福永騎手のファンとなった。今天才騎手として活躍する、ターフの魔術師故武邦彦騎手の二世武豊騎手の時も直には。かなり後になってからファンになった(武騎手が若い頃騎手では背が高い方で長い背中が馬の背と並行にピンと張っており、馬番を知らなくても馬群の中からすぐに見つけることができた)。
馬には、雑念が働かないのか一目惚れのごとくすぐ好きになる。DIの新馬戦が評判となり、伝説となった2戦目の2005若駒ステークスの衝撃の走りを見てイッペンにファンとなった。皆が三冠馬になることを予想したが、実際無敗で三冠馬(皐月賞、ダービー、菊花賞)となる。無敗の三冠馬はもう一頭シンボリルドルフがいる。というか、日本競馬史上2頭しかいない。シンボリドルフの騎手は岡部幸雄騎手(2943勝、歴代2位で引退)。DIは武豊騎手(7/8時点で3,980勝、歴代1位)。無敗のまま三冠達成するには、馬が強いこともさることながら(東西の)トップ騎手も不可欠と言うことか。
DIは競走馬としては3年しか(もう少し飛ぶ姿を見たかったが)走らず2006年末に引退した。種牡馬になり2010年から産駒が走り出した。毎開催日何頭か産駒が走るので、毎回楽しみにし応援している。毎年6月のダービーが終われば新馬戦が始まるので翌年のダービー(3歳限定2,400m)や桜花賞(3歳牝馬限定1,600m)を勝てる、どんなDIの新星が現れるかそれが楽しみとなる。今やDI産駒一筋と言え、とくに応援する騎手は今はいない。
DIの産駒が走り出した初年(2010年)、巨人、大鵬、卵焼きと呼ばれた巨人全盛時代にアンチ巨人ファンも多かったように、早くもアンチDIにより2chで「なぜディープインパクトは種牡馬失敗したのか?」のスレが立てられていた。
米国から来て大種牡馬となる父サンデーサイレンス(SS)を鳶扱いしてはいけないが、鳶が鷹を生んだというより、馬からチーター(DIに跨った唯一の武豊騎手がそう形容する)が生まれた、DIは突然変異だと私は思っている。DIは430㎏台のコンパクトと言えば聞こえが良いが痩せぽっちの牝馬のような小さな牡馬だったが、後述する世界的な大種牡馬ノーザンダンサーも小柄だったので、私は種牡馬としての成功を信じて疑わなかった。
翌年2011年にマルセリーナ(桜花賞)、リアルインパクト(安田記念)、ジョワドヴィーヴル(阪神ジュベナイルフィリーズ)がG1を勝利したときはさすがに胸を撫でおろした。その翌年2012年からは連続してリーディングサイヤー(種牡馬)となり不動の地位を築いている(今もなおアンチは健在。DIの輝いていること自体が気に入らないので、ディスっても根拠が希薄。DIファンが寄ってたかってデーターを駆使し理路整然とアンチを黙らせる)。
ただ、DIに匹敵する、あるいは超える産駒は未だ誕生していない。チーターのような小さい馬が活躍すると思っていたが、大活躍する産駒は大型馬が多い。牡馬ではダービー馬のキズナやマカヒキ、菊花賞馬サトノダイヤモンドは皆500㎏台。牝馬3冠の女傑ジェンティルドンナは470㎏台で父DIより40㎏近く重い。今年のダービーを制したワグネリアンは450㎏台で父に似ていると言われるが、種牡馬としてのDIの特長は、DI自身の長所 (現役当時3,000m以上の長距離で世界NO.1のレーティングを得ていた。スピードはもとよりステイヤ―の血が仔に引き継がれてよいハズだが) が色濃く出るというより、肌馬(繁殖牝馬)の良い所を引き出す、というのが、今のところの大方の見方ではないか。
だとすれば、欧州の肌馬ならば欧州競馬にも対応できる産駒が生まれても不思議ではない。今年のSWの活躍はそれを証明したことになる。元々DIの母はウインドインハーヘア。欧州の馬でエリザベス女王所有の名牝ハイクレア(英1000ギニー、仏オークスを制する)の孫にあたる(エリザベス女王もDIに関心が高い)。欧州で通用する素地があると言える。