2018. 7 臨時号 NO.99 しろ VS くろ
世紀の米朝首脳会談が終わった。ショーという見方が多かったが、北朝鮮は実をとり、米国はというよりトランプ大統領は名をとった。得るものがなく損をしたのは日本だろう。安倍首相が期待した拉致問題も不発に終わった。
元々拉致問題を他国に依頼するのは筋違い。大統領にとって友好ムードで会談を終えることが今回の目的。会談に水を差す、3人の人質を既に返してもらっている金正恩党委員長に人道問題に言及するのは大統領には埒外の話。たとえ大きな見返りを日本から貰えても。
トランプ大統領は「日本の経済支援は拉致問題の解決が前提」と、約束不履行にならぬ最低限のことしか言っていないらしい。北朝鮮にとって目新しい話でもなんでもない。聞いた金党委員長としても「・・・」となっても不思議ではない。
米国と立場が違うのに大統領に盲従して単に核・ミサイル問題で非難し続けてきたツケが回ってきた安倍首相が、保身のスタンドプレーの為に血税数10億ドル(数千億円)もドブに捨てたと言われても仕方がない。日米首脳会談後数10億ドルの買い付けが露見した時6/8付け日刊ゲンダイが首相を売国奴呼ばわりしたのも、あながち過言とは言えない。
これではまずいとばかりに、親ABEは金党委員長が解決済みと言わなかったから交渉の扉が開かれたと前向きに評価する。「8月には首相平壌入りか?」と6/14付け読売が報じ、産経は金党委員長が「安倍首相に会ってもよい。オープンだ」と言ったとフォローした。
しかし、打ち消すかのごとく、6/14付の北朝鮮「労働新聞」は拉致問題には触れずモリカケ問題を取り上げ、翌6/15北朝鮮は「日本人拉致問題は解決済み」と報じた。6/18首相は北朝鮮に大きな決断をと言ったが、決断しているのでは。安倍首相では交渉しないと。
さらなる問題は、大統領が北朝鮮に安全(or安全保障)を確約したこと。それは何を意味するのか。北朝鮮が尖閣諸島を占拠した時、米国は傍観するということか。上陸した北朝鮮兵士らは日本だけで排除はできる。しかし、北朝鮮に中・短距離ミサイルを連射されたら。中国は、米国がにらみを利かしているので、喉から手が出るほど欲しい尖閣に手が出せない。北朝鮮と経済援助の裏取引で、北朝鮮に尖閣を占拠させるとした場合、米国は北朝鮮に手が出せないのであれば、何のための日米同盟か。遠いイラク問題におけるブッシュ大統領・小泉首相の関係よりも、今回のトランプ大統領・安倍首相の方がより問題だ。
世界平和や核兵器禁止などを訴える有識者でつくる「世界平和アピール七人委員会」が世紀の会談を待たず6/6「日本人の道義は地に堕ちた」と安倍内閣に退陣を求める、異例の緊急アピールを行った。株価を見て首相はよくやっていると言う富裕層や利口ぶらず親しみやすいよい首相だと思う庶民層の各位、いい加減眼を覚まされたら、いかがか。
米国にとって、安倍首相は都合のいい女と同じ。言いなりになってくれる。性能等情報が筒抜けになった防衛機器等を高値で買ってくれる。無理やり集団的自衛権を通してくれる。後述する属国からの脱却に不可欠な憲法9条二項の削除・改変を後送りさせる。
米国にとって唯一誤算と言えるのは、安倍首相の露骨とも言える言動により、国民の一部に属国における偽りの繁栄という夢から眼を覚まさせたということ。
英国は阿片により中国人をつぶした。米国は阿片が通用しない(ヒロポンは少し蔓延したが)日本人に経済的繁栄をさせることにより牙を抜いた。チャーチルが第二次世界大戦の回顧録で書いた思惑どおりか、日本人は劣化した。それもトップ組織のトップから腐る。
内閣、不正・不祥事の大企業・公益法人、採点ミスしたトップ大学、タレントが不祥事を起こしたトップ芸能事務所。共通するのは、組織・組織人を守ることよりも保身が優先。責任をとらないこと。為政者・経営者の先祖ともいうべき武士にはありえないこと。
子供に進められる道徳教育は不要だ。今年の1月号NO.83(よんれんぱVS よんれんぱい)で、こう書いた。「日本人としてのDNAなのか若者にはよき日本精神(勤勉、正直、謙虚、潔さ、約束の厳守、惻隠の情)がまだ息づいているのではと思うと嬉しい気持ちになる。」
悪質タックルをした日大アメフト部員は見事なまでに責任をとった。武士を見てるようだ。問題は、まっとうな子供達が大人になるとそうでなくなるということだ。子供に道徳教育を施すのは、間違った大人、馬鹿な大人に黙って従えということになるだけだ。かの籠池氏は幼児に教育勅語を暗唱させたが、今必要なのは、大人達に武士道を教えることだ。
戯言と言いながら私は再三「平和大三元論」を唱えている。發牌(米国)と中牌(中国)だけでは(子)2翻2,000点に過ぎないが、白牌(日本)が加わると大三元(役満)になり16倍の32,000点となる。平和に向けた大きな力となる。そして白牌はNO.1ではなく、Only Oneを目指すべきだと。
Only OneとはBoxingに喩えて説明すると、現世界チャンピオンの米国と挑戦者中国とのタイトルマッチで、米国のセコンドにつくのではなく、審判としてリングに立つことだ。。その審判の信条は「公平」と「正義」。
リング上では審判は現チャンプに優遇とは言えないまでも敬意を払っているように見える。日本も米国とはその距離感でよい。米国の股肱之属国ではなく、(正義に基づき)米中の股座膏薬戦略をとるのだ。米国が日本に無理難題を言うなら、倭の国に戻るぞと警告するのだ。地政学的に見れば、北から中国が黒、北朝鮮が黒、韓国は白、一番南の日本は白だが、日本が黒に変われば、オセロゲームのごとく、韓国も黒になり、黒一色となろう。
審判が選手を殴ることはないが、選手が審判を殴ることはある。観客席から物が飛んでくることもある。その為には備えが必要だ。
日本が真の意味で独立し、審判になるには、国を守るための憲法第9条二項で禁止する戦力の保持と交戦権の賦与を認める改正が不可欠。長年自民党は改正を検討し自民党改正案を作案したが、あろうことか自民党総裁が9条二項を改正しない案を持ち出し、さらにモリ・カケ問題により国民の信を失い、改憲のチャンスを潰してしまった感がある。
9条二項の削除・改変に反対する国民は、第二次世界大戦のように、東南アジアのジャングルや満州の極寒地で、自身や家族が悲惨な目に遭う。徴兵制が復活すると思っている人が多いのではないか。戦争の形態は時と共に変わる。
私が居た銀行業界も変っていく。私が若い頃融資の可否を判断する審査役の補助をしていたが、もうそれはAIの役目。内勤の銀行員はほとんど要らなくなる。戦争も、近い将来サイバー攻撃、無人攻撃機、AI ロボット兵士(スター・ウォーズに出てくるバトルドロイド)が主流となってくる。若くて体力があれば誰でもという時代ではない。天才高校生ハッカーが重用される時代に変わる。高度な技術を持つ者でないと志願しても採用されない。
侵略はしない。防衛だけと言っても、サイバー戦では先制攻撃しないと意味がない。システムを先に壊されたら反撃できない。そのためにも9条二項の改変は焦眉の急だ。
今のままでよいと言う人は、温暖化しているから二度と地球に氷河期は来ないと言う人と同じだろう。