前回からの続き

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こんにちは、絶學無憂です。

筋紡錘チャレンジのやり方を紹介しておきながら、筋紡錘の説明をしてませんでした。ちなみにこのチャレンジと言う言葉は、挑戦という意味の他に、本当かどうか確かめるという意味があって、そちらの方の意味です

ただ、この理屈を知らなくても別にできます。人によっては、説明を聞いたほうが頭で納得できるのでやるやすいとお感じになるかもしれないかな、というくらいです。ただし、理屈を先に知ってしまうと、例によって「この通りに正しく動作しないといけない」という思考が働いて邪魔をするかもしれません。

付け足すことはあまりないので、繰り返しになりますが、下に古いブログの記事そのまま引用しますね。こっちのほうが詳しく書いてますが、かえって鬱陶しいかもしれません。

 

筋紡錘というのは実際に染色して顕微鏡で見れば、組織学的に確認できる構造ですが、アイデアとしては、これをハイジャックして、「筋肉はもう縮んだよ」「もう伸びたよ」と嘘の情報を脊髄に伝えることで、筋肉の縮みすぎ、伸び過ぎを防ぐための安全装置に働きかけて、筋肉のスイッチをオン・オフしているわけです。

 

最初は、こんな簡単なことで筋肉生理学の実験ができるのか、と思ってとても面白いと思いましたが、もちろん医学部ではこれは教えられていません。後に、触れなくてもイメージだけでできてしまう、というのが分かって、これはそんな単純なものじゃないぞと思いました。一体どうなっているんでしょうね。筋紡錘のテクニックと呼ばれていますけど、本当に筋紡錘が関係しているのかどうかもちょっと疑わしいです(もちろん誰も実験的に証明した人はいないはずです)。

 

もし自分のこの筋紡錘に電極を刺すことができれば、答えがわかりますが、筋腹をつまむのをイメージするだけで筋紡錘を支配する感覚神経のIa求心性繊維に興奮インパルスが生じるでしょうか?さすがにそれはないだろうと思います。

 

ほとんどの人は、キネシオロジーの専門家からこれは筋紡錘をこうやって刺激しているんだよ、と聞いたら納得してしまうかもしれませんが、それは鵜呑みというものです。さも本当らしい説明、というのと、実際に確かめられた事実というのとは区別しましょう。ふふふ、研究者っぽいことを書いてしまった。

 

 


筋紡錘


筋肉の腹の部分には感覚器官として筋紡錘が埋め込まれて筋肉の伸び具合を感知しており、ここからの感覚情報により筋肉が過剰に収縮あるいは伸展しないように安全装置として制御されています。この技術は、筋紡錘をいわば「チョンチョン」とつまんだり開いたりすることによって「ハッキング」し、嘘の筋肉伸展情報を伝えることで、筋肉のスイッチを切り替えるもの、と通常は理解されます。

 

 

 

分かりやすいので上腕二頭筋(腕の力こぶ)を例にとって説明しましょう。

 

  1. 左肘を屈曲した状態で、その手首の部分を右手の指二本で押しても、ほとんどの人は上腕二頭筋の力が強いので左肘はびくともしないでしょう。(もし、これで上腕二頭筋が指二本に屈して肘が伸びた場合、それは何らかの異常で上腕二頭筋の「スイッチ」がOFFになっていることを意味します。タッチ・フォー・ヘルスには含まれていませんが、応用キネシオロジーでは上腕二頭筋は経絡の胃経の対応筋とされており、胃経のエネルギーの流れに異常が生じているということを意味します。この場合、胃経のエネルギー調整が必要となります。)

  2. 次に、左の上腕二頭筋の腹のあたりを、右手の指で、上腕二頭筋を縮めるような方向にチョンチョンとつまみます。力は全く要りません。(それどころか実は、実際に筋肉に触れず、そのスレスレのところで同じ動きをしても同じ効果が出ますし、さらには(驚くべきことに)筋肉を指でつまんでいるのをイメージするだけでも同じ効果が出ます。)

  3. それから、再び、左肘を屈曲した状態で、その手首の部分を右手の指二本で押すと、正常の場合、上腕二頭筋が負けて、肘が伸びてしまいます。

  4. 次に、左の上腕二頭筋の腹のあたりを、右手の指で、今度は上腕二頭筋を伸ばすような方向にチョンチョンと広げます。力は全く要りません。(それどころか実は、実際に筋肉に触れず、そのスレスレのところで同じ動きをしても同じ効果が出ますし、さらには(驚くべきことに)筋肉を指で伸ばしているのをイメージするだけでも同じ効果が出ます。)

  5. もう一度、左肘を屈曲した状態で、その手首の部分を右手の指二本で押すと、正常の場合、上腕二頭筋が強いので、肘は屈曲したままです。

 
 

この時に、3で肘が伸びない、あるいは5で肘が伸びてしまう場合は、いずれもスイッチングが起こっていると判断します。

 

 

筋肉の腹の部分には筋紡錘が埋め込まれて筋肉の伸び具合を感知しており、ここからの感覚情報により筋肉が過剰に収縮あるいは伸展しないように安全装置として制御されています。

 

 

この技術はこの筋紡錘をいわば「チョンチョン」とつまんだり開いたりすることによってハッキングし、嘘の筋肉伸展情報を伝えることで、筋肉のスイッチを切り替えるもの、と通常は理解されます。

 

 

広げる = 偽の伸展情報を与える = 過剰伸展を抑えるためスイッチがON

 

つまむ = 偽の収縮情報を与える = 過剰収縮を抑えるためスイッチがOFF

 

通常は理解されます、と言うのは、本当にこれが筋紡錘への刺激に依存しているならば、筋に触れなくてもイメージだけで同じ効果が得られるというのは、神経生理学的には説明がつかないからです。作用の方向が筋紡錘のものと一致しますが、実際にはちょっと違うのではないかと個人的に疑っています。

 

次回へ続く

 

 

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