治療に際し、舌診・脈診・腹診以外に気をつけていることをお伝えしています。


第1回は筋肉の弾力性、第2回は皮膚の状態、第3回は背甲診でした。


今回も背甲診についてお伝えします。

僧帽筋がパンパンにはっていて局所の刺鍼では改善しない場合があります。


この場合、横隔膜反射が原因の可能性が強いです。


横隔膜周囲の臓器の異常や横隔膜の過緊張によるものです。


横隔膜の過緊張は精神ストレスによって起こります。


腹証では、胸脇苦満が認められます。

この僧帽筋の緊張は胃兪・胃倉などの刺鍼によって改善します。

治療に際し、舌診・脈診・腹診以外に気をつけていることをお伝えしています。


第1回は筋肉の弾力性、第2回は皮膚の状態でした。


今回は背甲診についてお伝えします。


左背部の脊柱起立筋が緊張している場合、心臓又は胃の反射ととらえます。


心臓ではTh16の背部(特に左)に筋緊張が出現します。


胃ではTh512の背部(特に左)に筋緊張が出現します。


腹証の心下痞硬も心臓・胃どちらの異常でも出現します。


心臓と胃は反射領域が重なり合うため、診断に気をつける必要があります。

治療に際し、舌診・脈診・腹診以外に気をつけていることをお伝えしています。


前回は筋肉の弾力性でしたが、今回は皮膚です。


皮膚では主に4つのポイントを診ています。


1.皮膚の厚み


虚証では皮膚が薄い傾向にありますが、特に重症の虚証では顕著です。


2.皮膚のつや


体力が旺盛な人は皮膚のつやが良いですが、虚証ではつやがなく、乾燥していることも多いです。


3.皮疹の有無


皮疹がある場合、熱証・瘀血証の可能性があります。


4.皮膚のざらつきの有無


ざらつきが存在する部位と関連する内臓に異常がある場合があります(内臓体壁反射)。

治療に際し、主訴に関連する所見を取ったり、舌診・脈診・腹診などを行ないますが、

それ以外に気をつけていることをお伝えします。

まず、第1は筋肉の弾力性です。


筋肉の弾力性が低下している人は、腰痛・肩こり・変形性膝関節症などを起こし易く、局所治療のみでは改善しにくかったり、再発しやすい傾向があります。


筋肉の弾力性を見る部位としては、前腕部(手三里のあたり)・下腿後側(腓腹筋)が分かり易く適しています。


筋肉の弾力性がある人は、症状が改善しやすいです。


筋肉の弾力性が低下している人は、脾虚証とみなし、脾胃を補う治療を行なっています。


脾胃を補う治療を行なうことで、筋肉の弾力性が高まり、症状が改善しやすくなったり、再発しにくくなります。

本日は基礎から勉強するための良書をご紹介します。


最初の紹介は「ツボ単」です。


経穴について調べるには大変良い本です。


カラーの骨・筋肉の図に経穴が記載されており、とてもわかりやすいです。


経穴の穴名由来や同音経穴名クイズなども記載されており、ポイント高いです。


次は本間祥白先生の「誰にもわかる経絡治療講話」です。


経絡治療について、先生と学生の問答形式になっています。


内容が具体的であり、たとえ話を用いて分かり易く解説してあります。


最後の紹介は師匠の代田文彦先生著、「図説東洋医学」です。


東洋医学を1から勉強できます。


図が多くてわかり易いです。


更に勉強したい人のために、素問霊枢などの古典の参照部分についても詳しく書いてあります。




前回、著者の体験や気づきが書いてあったり、治療中の状況や患者さんの様子がイメージできるような本が良いと書きました。


もう一つ良書の条件は治療家としての意識が高まる本です。


今回は3冊良書を挙げます。


まず、イギリスの生理学者で、中国の文化特に東洋医学に造詣の深かった、ジョセフ・ニーダム氏の「中国のランセット」をお勧めします。


ニーダム氏は中国に長年住み、「中国の科学と文明」という本を書いています。


「中国のランセット」は鍼の起源・経絡・経穴についての考証が興味深いです。


次にお勧めは、アメリカの医学博士であるアンドルー・ワイル氏の「癒す心、治る力」です。


ハーバード大学医学部を出たアンドルー・ワイル氏が現代医学の無力さに気付き、真の医学を求めるストーリーです。


自然治癒力を促す方法や阻害する要因、東洋医学についても言及されています。


最後の紹介は医学博士の間中喜雄先生です。


医師でありながら鍼灸に造詣が深く、独自の理論を展開しました。


異種金属を使って治療をしたり、イオンパンピング治療を考案したりと非常に発想力が豊かな先生でした。


「医家のための鍼術入門講座」がお勧めです。

前回良書の条件を挙げましたが、良書の条件に当てはまる本は多くあると思います。


その中で、特に臨床鍼灸師にとって有益な本は、治療技術・効果がアップしたり、治療家としての意識が高まる本だと思います。


著者の体験や気づきが書いてあったり、治療中の状況や患者さんの様子がイメージできるような本は読んでいてとても参考になります。


たとえば深谷伊三郎先生の「お灸で病気を治した話」、


代田文誌先生の「鍼灸真髄」・「灸療雑話」・「鍼灸臨床ノート」、


西田皓一先生の「東洋医学見聞録」などがおすすめです。

良書を読むメリットは


 今まで分からなかったことが分かるようになる


 考えが整理される


 新しい物の見方が出来るようになる


といったところでしょうか。

逆に悪書を読むと


 今まで多少わかっていたと思っていたことが分からなくなる


 考えがまとまらなくなる


 自信がなくなる


という状態になります。


何も読まなかった方が良かったという事です。

私が良書かどうか見分けるために行なっていることは


 目次のチェック-分かり易く、自分の探しているものか


 良いエネルギーに満ちているか


 索引があるかどうか


 引用文献のレベル


 著者の経歴をチェック


などです。

速読を習うと書店でサッと読めるのでお勧めです。

前回は料理のメニューと治療メニューの類似性、料理の時間配分と治療の時間配分の類似性についてお伝えしました。


今回は料理道具と治療道具の配置における類似性についてお伝えします。


料理ではキッチンで調理する場所のまわりに鍋・調理道具・皿・調味料をうまく配置することが重要です。


そうすることでアクセスタイムが短縮され効率よく調理できます。


治療でも、ワゴンの中に普段使う鍼・艾その他の道具をうまく配置し、素早く取り出せるようにしておくとスムーズに治療できます。


私は治療用ワゴン以外にカルテを書くためのワゴンも用意し、その場で出来るだけカルテに情報を記載するようにしています。


また、カルテを書くためのワゴンの下には治療用ワゴンに収納しきれない治療道具も入れています。


治療中に道具を捜したり、取りに行ったりすると、治療における集中力・発想力が低下します。


また、治療時間が延長したりします。


ですから、治療前に準備を怠らないようにしています。


「準備八割」ですね。

このメールマガジンを読んでいらっしゃる先生・学生の方は料理の経験があるでしょうか?


私はかなり料理をするのが好きです。


(他の家事はあまり好きではありませんが…)


料理では主菜と副菜があります。


主菜ではタンパク質中心(肉・魚など)にして、副菜は野菜中心にするなどです。


副菜の皿数は13皿というところでしょうか。


治療でもメインの治療を本治法(体質改善)とし、サブの治療を標治法(対症療法)として行っております。


副菜の皿数がその人の胃袋の大きさ(消化吸収力)により異なるように、治療における標治法(対症療法)が出来る数も個体差があります。


私は同時に3人の患者さんを時間をずらして治療しています。


これは3つの料理を同時に作っていくのと似ています。


Aの鍋で煮物をしながら、Bの鍋では炒め物をして、Cの皿にサラダを盛り付ける。


今日の治療のメインは何か?サブは何にしようか?と料理の献立を作る時のように考え、

料理を作る要領で時間配分を考えながら治療していくと、楽しくなって来ます。


ですから、治療にタイマーは必需品となっています。