境界例の女 20
颯爽と出て行ったように見えたR子ですが
実はただ単に
体内に残る「それ」をMへ見せるため
急いでMの元へ向かっただけでした
もはや刀どころではありません
R子は核爆弾を落としました
僕は知らぬ間に
爆弾を作る手伝いをしていたのです
そして核弾頭には僕の・・・
僕の名前が隣の部屋から聞こえてくるのを
じっと息を潜めて待ちました
もう、覚悟は決まっていました
二人は激しい喧嘩をしているものの
R子は僕の名前を出すつもりはないらしく
まるで僕が聞き耳をたてているのを
見透かしているかのように
大きな声で何度も
「Mの知らない人だって!」
「放っておいたMが悪いんだ!」
と繰り返していました
もう、帰ろう・・・
入ってきた窓から出る前に
玄関のカギを締めようと
ドアに近づいたところ
ドアポストの内側にビニール紐で
この部屋のカギがぶら下がっていました
おそらく、複数の不動産仲介業者による
部屋案内のためでしょう
R子はこれを使って中に入っていたのです
僕は窓から出るのをやめて
玄関の外から
ドアポストに手を突っ込み
ビニール紐の先にあるカギを手繰りよせ
しっかりとドアにカギをかけて
再びポストにカギを戻しました
アパートの廊下にまで漏れ聞こえる
二人の喧嘩の声に背中を押され
早足にアパートを後にしました
この夜の常軌を逸した
R子の行動を目の当たりにした僕は
ここぞとばかりに
自分の負い目を都合良く
恐怖の向こうに放り投げて
この日を境にR子とMから少しずつ
距離を置くようになりました
境界例の女 19
みなさん、お元気ですか?
先生は風邪をひいてしまいましたよ
いつもことだけど、食欲はなくならないので
さきほどテキサスバーガーを2個、ナゲット・ポテトなど
さらっと食べましたが、足りないくらいです
みなさんも風邪と食べ過ぎには気をつけてくださいね!
前回のあらすじ:
空き部屋に潜んでいたR子との異常なセックス
R子は終わるとすぐに、颯爽とドアから出て行き
そのままMの部屋に入っていきました
僕は一人暗い部屋に取り残されて・・・
二人の声が微かに聞こえる
部屋を隔てる壁に背をつけ
カーテンのない部屋の窓から
ぼんやりと月を眺めていました
月は僕の過ちを責めるように
心臓までつき刺さるような
無数の針のような光を放っていました
3人の不毛な関係は
続ければ続けるほど
まるで刀を研ぐように
鋭さを増すばかりでした
R子が言った
『あまりMと仲良くしないで』
この言葉の真意を推しはかるまでもなく
誰かが大ケガをする前に
僕が身を引こうと決心しました
しかし、もうすでに
その刃は鎧の上からでも
簡単に骨まで達するほど
鋭利になっていたのです
しばらく静かだった隣の部屋から
甘い吐息が聞こえたような気がしました
やれやれ、と部屋を出ようとした
まさにその時
Mの怒声が聞こえてきました
「R子!これ誰の精.液?フザケンナ!」
僕のです
先生は風邪をひいてしまいましたよ
いつもことだけど、食欲はなくならないので
さきほどテキサスバーガーを2個、ナゲット・ポテトなど
さらっと食べましたが、足りないくらいです
みなさんも風邪と食べ過ぎには気をつけてくださいね!
前回のあらすじ:
空き部屋に潜んでいたR子との異常なセックス
R子は終わるとすぐに、颯爽とドアから出て行き
そのままMの部屋に入っていきました
僕は一人暗い部屋に取り残されて・・・
二人の声が微かに聞こえる
部屋を隔てる壁に背をつけ
カーテンのない部屋の窓から
ぼんやりと月を眺めていました
月は僕の過ちを責めるように
心臓までつき刺さるような
無数の針のような光を放っていました
3人の不毛な関係は
続ければ続けるほど
まるで刀を研ぐように
鋭さを増すばかりでした
R子が言った
『あまりMと仲良くしないで』
この言葉の真意を推しはかるまでもなく
誰かが大ケガをする前に
僕が身を引こうと決心しました
しかし、もうすでに
その刃は鎧の上からでも
簡単に骨まで達するほど
鋭利になっていたのです
しばらく静かだった隣の部屋から
甘い吐息が聞こえたような気がしました
やれやれ、と部屋を出ようとした
まさにその時
Mの怒声が聞こえてきました
「R子!これ誰の精.液?フザケンナ!」
僕のです
境界例の女 18
みなさん、お元気ですか?
いよいよ学校が始まりました
久しぶりに頭を使って知恵熱が出そうです
それにしても、新しい事を知るというのは楽しいものですね
自分が納得できるまで、やります
前回のあらすじ:
投げ込まれたDVDはR子が出演しているものではなかった
帰り際に覗いた隣の空き部屋で見たものは
壁にベッタリと耳をつけて
Mの部屋の様子を盗み聞きしているR子の姿でした
いよいよ学校が始まりました
久しぶりに頭を使って知恵熱が出そうです
それにしても、新しい事を知るというのは楽しいものですね
自分が納得できるまで、やります
前回のあらすじ:
投げ込まれたDVDはR子が出演しているものではなかった
帰り際に覗いた隣の空き部屋で見たものは
壁にベッタリと耳をつけて
Mの部屋の様子を盗み聞きしているR子の姿でした
壁に耳をつけてMの部屋の様子を伺うR子
この時ほど生きている人間に
恐怖を感じたことはありません
月明かりに照らされたR子の顔は
能面のように無表情でした
僕は恐怖のあまり2、3歩下がりました
ジャリッ ・・・
耳が痛くなるような静寂の中で
砂利を踏む音は
いともたやすくR子の耳まで届いてしまいました
R子はとくに驚いた様子もなく
ゆっくりとした動作で青白い顔を向け
こっちへおいでと
まるで魔界へいざなうように
ヒラヒラと手招きしました
僕が戸惑っているとみたR子は
おもむろに立ち上がり音もなく窓を開け
白くて細い腕を差し出しました
氷のような冷たい床に座り
僕が口を開こうとした刹那
R子は言葉をさえぎるように
唸るような低い声で
『あまりMと仲良くしないでほしいんだけど』
と、僕に詰め寄ってきました
「え?・・・・なに言って・・・」
『シッ』
隣の部屋でMがシャワーから出てきたようでした
やがてドライヤーの音が聞こえてきたと思うと
R子はいきなり僕を押し倒して
キスをしてきました
R子の手は
流れ落ちる淫らな液体のように
スルスルと下へ伸び
器用に片手でベルトをはずし
僕のジーンズのジッパーをおろして
中に入ってきました
音を立てられない状況で
僕は身動きがとれず
R子のなすがまま
そう
いつだって僕はR子のなすがままでした
やがてR子はもったいぶるように
ゆっくりと僕の上に腰を沈め
『ふふふ、壁叩いてみようか?』
と悪魔のような顔をしました
服を着たまの異常なセックス
R子は前回成し得なかったことを
まんまとやり遂げ
満足気な顔で僕から降りると
抜け殻のように横たわる僕を置いて
颯爽と玄関のドアから出て行きました
深海のように
暗くて息苦しい部屋
隣の部屋から聞こえる
二人の会話
僕は
悔しさのあまり
臍を噛む