ファイブアカデミーの心理学入門 -3ページ目

一次予防・二次予防・三次予防

皆さん、こんにちは。一年でいちばん寒いといわれる2月の到来です。
しかし暦の上では春を迎え、先日は冷たい風の中にも、暖かさを感じました。
インフルエンザも流行しているようですので、手洗いうがいで予防しましょうね。

ファイブアカデミーの心理学入門

さて、今回は予防についてお話ししたいと思います。
インフルエンザの予防と同じように、メンタルヘルスにおいても
予防はとても大事な考えです。

皆さんは「一次予防・二次予防・三次予防」という言葉を
聞いたことがあるでしょうか。治療医学とは別に予防医学という考え方があり、
予防を3段階に分けてとらえています。簡単に言うと以下のようになります。

一次予防:未然に防ぐ・健康の保持増進
二次予防:早期発見・早期治療
三次予防:適切な治療・リハビリテーション

一般的な考え方では、いわゆる「予防」とは「一次予防」のことですよね。
予防の取り組みでは、やはり一次予防がいちばん大切になります。
メンタル不調に陥らないようにすることと、心の健康の保持増進です。

風邪を引かないよう温かくするとか、虫歯にならないように歯を磨くとか、
生活習慣病を予防するために、早寝早起きをこころがけるとか、
メンタルヘルスでも、そういったことと全く同じことですね。
セルフケアや環境の改善、情報収集などで予防に努めることが可能です。

続いて「二次予防」は、早期発見と早期治療の段階ですので、
すでに「治療」が始まっています。治療なのに予防ということで
なんとなく矛盾しているような気がしてしまいますよね。

しかしこの段階を軽視せず、発見と治療に取り組むことが大切なのは、
体の健康についても、何度も主張されたのを耳にしているのではないでしょうか。
メンタルケアでは、いつもと様子が少しちがうということに、
早めに気づくことが大切です。自分で気がつく場合には、疲れやすい、
だるい、眠れない、食欲がないなど、身体症状に現れる場合も多いので、
皆さんも不調を感じたら、心の声に耳を澄ませてみてくださいね。

そして「三次予防」の段階は、適切な治療とリハビリテーションです。
こうなるともはや予防ではない、という印象も持ってしまいますよね。
例えば風邪をひいたときなど、私もこの段階になってようやく病院に行きますが、
予防に行くという感覚はまったくありません。

全ての段階を予防ととらえる専門用語というのは、なんとも不思議な世界ですが、
「三次予防」も手遅れとは考えない前向きさということもできますね。

実際には、カウンセリングサービスの利用も「三次予防」での段階が
いちばん多いというのが現状かもしれません。しかし、これまでの連載の中でも
お伝えしてきているように、全ての段階でカウンセリングは利用できます。
セルフケアの一助のためにも、カウンセリングを利用して、
心の健康の一次予防に努めてみてくださいね。