「平成」
最初はみなさん、変だなぁと思わなかっただろうか。
しかし1年たたないうちに、見事に定着し、今では、平成以外ではあり得なかったかのようにすら思えるから不思議だ。
非常に平明で、だれにも読めて書けるやさしい字。だれが考えたか、公式記録がいっさいないというが、よっぽどセンスがいい学者なのに違いない。…と感心してたら、例によって口ごたえしてきたのが、やっぱりB君だった。
「そりゃ先生、元号法で習慣を法制度化して、上で決めつけた元号を、半分強制的に使わせてるんですから、定着しない方がおかしいですよ。…っていうか、法律で定着させただけで、いい元号も悪い元号もないですよ。」
「そうかね。君は『平成』でよかったと思わんかね。平成東都大学法科大学院のOBのくせに!」
「先生はいつもそうやって話をそらすんだからなぁ。そういうときだけは天才的ですね。」
「じゃ、ついでにさらに話題を転じてみせるが、私は、個人的には次の元号は『久志』(きゅうし)という元号がいいと思ってます。」
「なんですかそれ。自分の名前の字をかえただけじゃないですか。典拠はあるんですか。」
「そんなのないね。僕に古典の素養なんかあるわけなかろう。君もよく知ってるようにね 。」
「そうでしたね。先生には教養のひとかけらもありませんでしたね。…でも、じゃぁ、どこからそんな元号案を考え出しましたか。」
「聞きたいかい?」(つづく)
最初はみなさん、変だなぁと思わなかっただろうか。
しかし1年たたないうちに、見事に定着し、今では、平成以外ではあり得なかったかのようにすら思えるから不思議だ。
非常に平明で、だれにも読めて書けるやさしい字。だれが考えたか、公式記録がいっさいないというが、よっぽどセンスがいい学者なのに違いない。…と感心してたら、例によって口ごたえしてきたのが、やっぱりB君だった。
「そりゃ先生、元号法で習慣を法制度化して、上で決めつけた元号を、半分強制的に使わせてるんですから、定着しない方がおかしいですよ。…っていうか、法律で定着させただけで、いい元号も悪い元号もないですよ。」
「そうかね。君は『平成』でよかったと思わんかね。平成東都大学法科大学院のOBのくせに!」
「先生はいつもそうやって話をそらすんだからなぁ。そういうときだけは天才的ですね。」
「じゃ、ついでにさらに話題を転じてみせるが、私は、個人的には次の元号は『久志』(きゅうし)という元号がいいと思ってます。」
「なんですかそれ。自分の名前の字をかえただけじゃないですか。典拠はあるんですか。」
「そんなのないね。僕に古典の素養なんかあるわけなかろう。君もよく知ってるようにね 。」
「そうでしたね。先生には教養のひとかけらもありませんでしたね。…でも、じゃぁ、どこからそんな元号案を考え出しましたか。」
「聞きたいかい?」(つづく)