バルブクリアランス_ポイント_クラッチワイヤーの点検 | Memory and Experience ~Cinquecento syndrome~

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○○○ 71' FIAT500との生活○○○
MEXが綴る旧FIAT500との悲喜こもごもな日々

早いもので今年も5月。

ゴールデンウィーク中は夏日連発で、もう納涼編み編みシートを装着してくれようか?でも朝晩はまだ涼しいからもうちょっと先でいいかな?と迷っているMEXです。

 

そんな気温なので午前の早い時間で20℃ほどに。

それは主治医が昔から言っている

「バルブクリアランスの調整は20℃くらいの気温がちょうどいいんだよ。」

という、なんとなく”金属の膨張収縮を考えて、夏冬どちらにも対応できる”って理屈が有るような無いような、謎の20℃ルールの季節w。

そんな主治医の教えに従い、ロッカーアームを弄ったとかヘッドを外したとかで、季節に関わらずバルブクリアランスを調整せざるを得ない時以外は、概ね20℃前後を目安にバルブクリアランスの点検をしています。

 

*追記

20℃ルールに関するコメントをいただきました。

『機械設計の基準温度は摂氏20℃で、部品の測定も恒温室で20℃に保たれた部品と測定具で計測します。なので、主治医様のおっしゃるのもそんなことがバックグランドにあるのではないでしょうか。』

なるほど!そういうことか^^

黒井さん、いつもコメントありがとうございます。

 

 

 

ということで今回は

バルブクリアランス

ポイント

クラッチワイヤーの点検

でございます。

 

 

 

*バルブクリアランスの点検は少なくとも1年に1回はやるようにしています。

あまり放置するとタペットカバーのガスケットが劣化してオイル漏れしたり、ガスケットがカピカピになってヘッドに張り付いて取り辛くなることもあるし。

 

*ポイントは走行距離にもよりますが、概ね半年に1度くらいの頻度で点検しています。

ポイントギャップやポイント面の荒れ具合、ヒールの磨耗具合などが始動性や点火時期にも関わるので。

 

*クラッチワイヤーも概ね半年に1度くらいの頻度で点検しています。

普通はそこまでの頻度でやらずとも良さそうですが、以前付いていたクラッチはプレッシャープレートのバネが猛烈に強くて、まるで左足強化ギプスの如くな激重クラッチだったせいで、クラッチワイヤーが1年半ほどしか持たなかった経験から、柔らかめプレッシャープレートのバネでクラッチが割と軽くなった現在でも気になって仕方がないのよねw。

で、その激重左足強化クラッチの影響でクラッチペダル周りに受けた、過去のダメージの補修箇所も合わせて点検しています。

 

 

 

 

5月4日の朝、

クラッチワイヤー確認作業もあるため、

がっつり4輪ジャッキアップ後に

MEX地方の朝の気温チェック。

21℃ほどで風も穏やかなので作業日和。

ニヒヒ

 

 

 

タペットカバーを外したら、

奥側のここにオイルが漏れて溜まってた。

コルクタイプのガスケットが

ガチガチに硬化していたこともあり、

ちょうど替え時だったね。

グッ

 

 

 

バルブクリアランスの確認は、

先ずクランクプーリーを右に回して

圧縮上死点に合わせるのだけど、

その際にバルブの動きを観察して、

上死点直前で

”バルブが動いていない気筒側”の

クリアランスを点検するのがキモ。

 

 

 

この時は奥側の気筒のバルブが

上死点直前まで動いていたので、

手前側の気筒の

INとEXのクリアランスを点検。

 

 

 

確か500F/Lのノーマル500ccは

IN側EX側共に0.15mmだったと

記憶しているけど、

126エンジンエンジンでは

IN側0.2mmでEX側0.25mm。

 

今回は

IN/EX側共に若干緩めになっていたので

適正値に調整。

 

*ノーマル500ccのクリアランスは

マニュアルで確認してください。

 

*650ccボアアップエンジンも

IN側0.2mm、EX側0.25mm

かと思いますが、

ショップさんに確認してください。

 

 

 

手前側の気筒が終わったので、

クランクプーリーを

もう一度360°右回転させて

再び圧縮上死点に合わせたら、

今度は奥側のIN/EXの点検。

 

EX側はちょうど良かったけど、

IN側が詰まり気味だったので

適正値に調整。

 

因みにロッカーアームの調整ナットは

ここにしか出番がない11mmレンチ。

このためだけに11mmコンビレンチ

買ったのよね^^;;。

 

 

 

調整後に

再びクランクプーリーを回して、

手前側奥側それぞれのクリアランスに

変化がないか確認して終了。

 

 

 

タペットカバーのガスケットは、

昔買ったゴムっぽいやつが発掘されたので、

今回は数年ぶりにそれを使ってみた。

 

ただ、合わせてみると

キャブレター側やらバルブスプリングやらに

干渉する箇所があったので、

その部分をカットしつつ

セット。

うん、良さそうかな?

 

 

 

写真が見辛いけど、

タペットカバーを被せる時に

ガスケットがタペットカバーの縁まで

ちゃんと掛かっているか確認中の図。

 

以前、

ガスケットが奥まったまま付けてしまい、

オイルを噴いたことがあるので

見えない奥側もスマホで撮影して確認。

 

ただ、

ナットを締め付けても

矢印のようにタペットカバーが

少し浮いてる感じがする…。

でもこのゴムっぽいやつは硬いので

これ以上押さえつけることができない。

かといって無理をして締め付けると

タペットカバーのナット部分が歪むため、

深追いは禁物。

(経験有り、主治医に怒られたww)

なので

馴染むまで少し走って

オイルが滲んでないか確認しつつ、

増し締めするとしよう。

 

 

 

続けてポイントの点検。

 

*デスビごと外してしまった方が

作業しやすいため、

MEXはいつも外してしまうのです。

 

*これは126のデスビなので、

500F/L以前の物とは

本体の作りが異なりますが、

ポイント周りは同じです。

 

 

 

外したポイント。

コンタクト面が少し荒れているので

オイルストーンで研磨して脱脂。

受け側研磨時に少し斜めってしまったけど、

このくらいならまぁ大丈夫でしょう^^;;。

 

*コンタクト面にオイル類が付着すると

通電しなくなるので要注意。

 

*新品のポイントも

コンタクト面に油の皮膜があるので、

予め少し研磨するのが吉。

 

 

 

デスビのシャフトのカムや

ポイントのヒール部分に

変な磨耗や傷がないか目視点検中。

 

*最近のポイントは

このヒールがすぐに削れてしまうという

残念な物もあるらしいです><。

 

 

 

良さそうなので

ヒールにグリースを少し盛る。

って、ちょっと盛りすぎたw。

 

*ヒールとカム面の摩擦減らしのため、

デスビのカムの回転方向を意識して

ヒールにグリースを盛っていますが、

あまり盛りすぎたり逆側に盛ると

グリースが飛び散って

コンタクト面に付着するかもなので、

リスク回避のためには

デスビのカム側に薄く塗布するだけでも

良いのかも。

 

 

 

ポイントをデスビに組み込み、

ヒールがカム山の上にあることを

確認したら、

シックネスゲージを当てて

ポイントギャップの調整開始。

 

ポイントを少し動かせる程度に

マイナスネジを締め付けてから、

矢印の溝にマイナスドライバーなどを

差し込んでこじることで、

開き具合を微調整できる。

 

*ドライバーで軽く叩いて調整しても

良いのだけど、

一気に動いたりして結構面倒臭いのよねw。

 

 

 

ポイントを閉じる側に調整したい時は

ここの溝に

マイナスドライバーを差し込んで

閉じる側にこじればOK。

 

 

 

開く側に調整したい時は

こちらの穴を利用して同様に。

 

これを繰り返して調整が済んだら、

マイナスネジを締め付けて

ギャップの再確認。

 

そしてデスビを取り付けて

この時点で

手動で点火時期を合わせて

デスビを軽く締め付けておく。

 

*点火時期の合わせ方と

デスビの取り付け向き。

 

 

 

プラグコードを戻してから

試しにエンジンをかけてみると

始動性は良かったので、

後でタイミングライトで微調整することに。

 

 

 

続けてクラッチワイヤーの点検作業。

 

*先達の知恵に倣い、

クラッチワイヤーのダブルナットの

作業をしやすいように、

10mm側を長ナットに交換してあります。

こうすることで17mmナットの方に

メガネレンチを使えるから楽なのよね^^。

 

 

 

先のダブルナットを外し、

ミッションのワイヤー固定箇所と

ペダル側も外し、

ワイヤーを引き抜いたら

古いグリースを拭き取って点検中。

 

MEX号ではミッションへの固定部から

ボディに入るまでの間にある、

ワイヤーのアウター内での破断や

ほつれが過去にあったので、

その部分を重点的に触診と目視で確認。

大丈夫そうで一安心^^。

 

 

 

ペダル側の以前の補修箇所も点検。

 

左側の矢印は

ペダルと軸を固定している高強度ボルト。

ここは本来はボルトではなく

ロールピンなんだけど、

ロールピンは破断すると抜くのが大変なので

ボルトにしてあるMEX号。

 

*500Rはここが溶接になっています。

 

で、

このボルトもクラッチ激重時代に

破断しまくった経験から、

ワイヤー点検時に合わせて

点検しているというワケ。

 

右側の矢印は

以前にクラッチワイヤーを引っ掛けるピンが

根元からポッキリ折れてしまい、

現在は高強度ボルトで補修してあるため、

こちらも外して点検。

 

ニキトウ針金クラッチ事件ww。

 

 

 

そんなM5の高強度ボルトの点検中。

曲がりなどもなく健全で一安心。

以前破断しまくったのは

やっぱり激重クラッチのせいだね^^;;。

もう頻繁に確認せずとも、

クラッチに違和感が出てからでも良いかな?

 

そんなこんなで

特に問題はなさそうなので

クラッチワイヤーにグリースを塗って

元どおりに復旧。

 

クラッチアームとの接点になる

17mmナットの半球状の部分には

忘れずにグリースを塗布。

ついでに

リターンスプリング引っ掛け箇所にも

ごく少量のグリースを塗布。

 

 

 

矢印がクラッチワイヤー。

 

通すルートを間違えると

クラッチの感触がおかしくなったり

ワイヤーが切れやすくなったりするので、

気を付けて作業。

 

最後にエンジンを始動して

回転が落ち着いたら、

タイミングライトで点火時期の確認。

問題ないので

ジャッキから降ろして試走し、

クラッチの感触も確認したら

実質3時間半ほどの作業は

これにて終了。

 

*ブログ用と記録用に写真撮ってると

時間が掛かる^^;;。

 

 

 

店仕舞いです^^。

 

エンジンオイルは前回の交換から

1100kmしか走ってないし、

粘度もまだ大丈夫そうなので

あと500kmほど走ってから

再確認しようかな?

その際に懸案のオイルパンガスケットを

作ってみようかなぁ。

でも面倒臭そうだなぁw。

 

 

 

 

バルブクリアランス

ポイント

クラッチワイヤーの点検_ END