テスター無しでの点火時期の合わせ方(同時点火の場合) | Memory and Experience ~Cinquecento syndrome~

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○○○ 71' FIAT500との生活○○○
MEXが綴る旧FIAT500との悲喜こもごもな日々

三寒四温といいますがここのところは寒い日が続き、今日は冷たい雨の関東平野です。

 

 

さて、以前より時々

「デスビ回しちゃってエンジンかからなくなっちゃったー!ヘルプミー!」

「なにー!」

滝汗あせる

とか

「うっかりデスビ外したら向きがわからなくなっちゃったー!ヘルプミー!」

「なんですとー!」

ゲローハッ

などのやりとりをすることがありますw。

 

私は幸い購入当初に主治医に

「ポイントの磨き方と点火時期調整だけは覚えておくといいよ。」

と何度もレクチャーを受けており、テスターやタイミングライトがなくても合わせる方法を知っていたので、お会いしたことがある人にはSNSなどで画像を送りつつ、復旧方法をお伝えすることも。

 

とは言え、思い返せば私も500購入当時は仕組みなど全然わかっていないため、理屈がわからないものを簡単に覚えられるはずもなく、

「あれ?ここからどうやるんだっけ?」

と、わからなくなり、主治医に

「途中でわかんなくなっちゃったー!ヘルプミー!」

「なにー!」

ムキーむかっ

などとやったものですw。

 

それでも幾度も作業を重ね、時には心配で主治医に確認をとったりしつつ徐々に意味がわかるようにもなり、2〜3年後には一人できるようになったのも懐かしい思い出です。

 

そして最初の十数年はその方法だけで点火時期を合わせていましたが、タイミングライトを買ってからはエンジンを始動してからの微調整や、ちゃんと進角するかなどの確認もしています。

 

 

 

ということで、点火時期がずれてエンジンがかからなくなってしまった場合に、テスターやタイミングライトがなくても走行可能にできる程度の点火時期(点火タイミング)を合わせる方法を、改めて覚え書きとして残しておこうという今回は

 

テスター無しでの

点火時期の合わせ方

(同時点火の場合)

 

でございます。

 

 

*過去に幾人かの方にお送りした図や写真をまとめたものです。

*詳しい人向けではありません。

*MEX号は最初から同時点火なので、それ以外の点火方法でのやり方はわかりません。

 

以下が前提です。

*方法は間違っていないと思うけど、言葉足らずがあるかもしれません。

*真似して不動になってしまっても私は責任を負いません。

*自力でポイントギャップの調整ができること。

*プーリーやクランクケースの合いマークはエンジン形式によって数種類あるけど考え方は同じです。

*エキパイ、デスビが熱い時は火傷に注意です。安全に配慮しましょう。

*わからない場合はプロに聞いてください。

 

 

 

1)ポイントギャップを適正にする。

 

 

1)-1

写真は0.45mmで

試しているところだけど、

基本はマニュアルどおり

0.5mmで合わせる。

 

 

 

1)-2

クランクプーリーを回して

デスビの軸のカットの向きを

配線固定用のボルトの向きに合わせておくと

わかりやすい。

 

*デスビ脱着時もこの向きにしておくと、

装着時にデスビの向きを把握しやすい。

 

*この向きの時にプーリーの合いマークは

点火タイミングから

圧縮上死点付近にあるはず。

 

 

 

1)-3

1)-2の向きにしておくことで

ちょうどポイントが

開き始めるかどうかの位置になるため、

点火タイミングを合わせる際に

デスビの振り幅が少なくて済む。

 

*写真はちょうどポイントが

開き始めた時の、

カム山とポイントヒール、

そしてポイントの位置関係。

ポイントが開いている間は通電しない。

 

 

 

2)デスビの固定ナットをフリーにして、左右に回転できるようにする。

 

 

 

3)プーリーの合いマークを圧縮上死点から13mm(10°)手前に合わせる。

 

 

 

3)-1

圧縮上死点の位置。

 

*R,126は

プーリーの合いマーク延長線上に

だいたい写真のような刻み有り。

 

*F,L以前はプーリーに刻みがないので、

プーリーを真正面から見ながら

合いマーク延長上にホワイトマーカーなどで

マーキングする。

 

*点火時期合いマーク、

点火位置合いマーク、

点火タイミング合いマーク…

統一しないで書いちゃったけど

意味は一緒です。

 

 

 

3)-2

圧縮上死点手前13mm

(プーリーの回転で10°)が

点火タイミング。

 

 

 

3)-3

F,Lタイプ以前の

13mmの位置のマーキング例。

 

 

 

3)-4

13mmの位置のマーキング実例。

 

*養生テープに極力正確に印をつける。

 

*38°と書かれている方は

高回転時の数値なので無視してください。

 

 

 

3)-5

13mmの位置のマーキング実例。

 

*このクランクケースは

ケース側に目盛りがいっぱいあるタイプ。

 

 

 

 

4)プラグからプラグコードを2本とも外す。

 

*余分にプラグを持っている場合はそれを使うので、エンジンに付いているプラグは外さなくて良い。

 

 

 

5)使えるプラグをプラグコードに挿して、先端がボディアースに触れるようにする。

 

 

 

5)-1

目視しやすい場所でアース(接地)する。

 

 

 

6)イグニッションキーをオンにする。

 

 

 

7)デスビを左右にゆっくり回転させて、プラグに火花が飛ぶ(パチッと音がする)ところでデスビを固定する。

 

 

 

7)-1

この時、

プラグと同じタイミングで

デスビのポイントからも火花が飛ぶ。

 

*直射日光があたる場所だと

火花が見えないかも。

 

*同時点火の場合は

どちらのプラグコードにプラグ挿しても

火花が飛ぶ。

 

*ノーマル点火の場合は

プラグコードのどちらかにしか

火花が飛ばないと思うので注意。

 

*ノーマル点火の場合は

デスビキャップを付ける必要があるので

ポイントを見ることはできない。

 

*フルトラなどはわかりません。

 

*点火の火花が飛ぶタイミングで

痺れることもあるので注意。

雷

 

*長時間イグニッションオンのままに

しないこと。

(イグニッションコイルが

電気を溜めすぎて熱くなり、

壊れる可能性がある。)

 

 

 

8)イグニッションを切り、全て復旧する。

 

これで点火時期は大きく狂ってはいないはずですが、多少のズレはあろうかと思います。

それでも500は走ってしまうので、なるべく早めにプロに見てもらうか、タイミングライトを購入して確認することをおススメします。

 

 

 

9)タイミングライトを持っている場合。

 

 

 

9)-1

タイミングライトで確認中の動画。

 

*エンジンを回転させた状態で適正か確認。

 

*回転を上げると

点火タイミングが13mmの合いマークから

さらに広がる(進角が進む)ことも

確認する。

 

 

 

これでエンジンが始動しない場合は他に問題があるので、技量のある人は他をチェック、できない人はプロに相談しましょう。

 

 

 

テスター無しでの

点火時期の合わせ方

(同時点火の場合)

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