手紙 -8ページ目

ダークサイド

先程のラッシー&リンキーによるやり取りは、放送作家となったアキラが企てたものだった。プロデューサーには、あまりにも可哀相じゃないか?と言われたが、それでリンキーは知名度を少し手にしたし、もうどうしようもなくなったところで遂に人に頼る情けなさというのは、端から見たら笑いに変わるものかもしれないと思ったので強行した。後悔はしていない。リンキーはどんなフリが来ても笑いに結び付けなければならない筈だし、アキラはその為に手を貸してやったのだから。しかし最近の若者の電車や駅での寝方は目を見張るものがある。撮影したいくらいだ。寝ゲロしてるもの、ポジショニングの秀逸なもの。俺より下がいたかと安心する瞬間である。アキラはそんな風に思っていた。

残念な登場

ラ「ラッシーです。」
リ「リンキーです。」
ラ&リ「ラリってます。」
ラ「決まったね。」
リ「決まらなくてもいいけどね。」
ラ「それにしても君は首回りが少し太ってきたね。」
リ「そうなんだよ、昔のワイシャツなんか着れなくなって困ってるよ。いや、着れるんだけど、第一ボタンがとめられないの。」
ラ「新しいの買えばいい。」
リ「そんなお金はない。実は家賃から電気ガス水道携帯NHK年金税金まとめて半年滞納している。どうしたらいい?なあ、どうしたらいい?この状況でどうやって新しいワイシャツを買ったらいいんだ?教えてくれないか?」
ラ「おいマジかよ。」
リ「マジだ。」
ラ「親御さんに助けてもらえば」
リ「そんなみっともないこと出来るかよ。出会い系サイトで借金抱えてこうなったんだぞ。」
ラ「うーむ、こんなことになるとは。実は今日は、もっと明るい話をするつもりだったので、その後のサプライズの為に、親御さんを御呼びしておりました!こちらです!どうぞ!」
リ「え?え?」

この後、リンキーは、うわ~んおがちゃ~んと泣き付いて助けてもらった。

吸いたい!

レナとノミヤは結婚した。つい最近。どうしてそんなことになったかなんて、追い追い書くことにさせて欲しいのだが、ある日、レナは電車に乗っていてナイトスチーマーナノケアなんてものの宣伝を見かけた。そしてやたらと欲しくなった。結婚とともに、ゆくゆくは出来るであろう子供の為に禁煙したのだが、タバコが恋しくて仕方がない。蒸気で補えるのではないか?と考えたのだ。よって、ナイトスチーマーが欲しくなったのだ。それの蒸気をストローなどでもってかき集めて吸うことによって、タバコの代わりになるのではと思いついたのだ。しかし、そんなものが欲しいとはノミヤに言い出せない。経済的に楽ではないのに結婚した直後なのだから。苦しい思いをさせてしまうのは目に見えている。しかし、電車に乗っているうちに、ある日新宿駅を大規模に工事するというので、夥しい数の作業員さんでごった返している光景を見かけ、なんかが嫌になった。作業員さんだとか大勢でやる仕事を差別するわけじゃないけど、私はこういう生き方じゃない生き方がしたいと思ってしまった。よって、ノミヤのバンド活動を本腰入れて応援しようと思った。小さいライブハウスでも、チケットを売りまくれば食えるではないか。ナノケアも買えるではないか。とにかく、ナノケアが欲しかった。