ドナルド・キーン生誕100年、正岡子規没後120年の今年読みたい「決定的評伝」
西洋文明との出会いという衝撃により伝統文化が危機に瀕した明治日本。そんななか雑誌ホトトギスを舞台に、「写生」という新たな手法を創出、俳句と短歌に革命をもたらした子規。国民的文芸の域にまで高らしめ、俳句は今や世界で愛される存在となった。幼時の火事体験からベースボールへの熱狂、漱石との交友、蕪村の再発見、そして晩年の過酷な闘病生活までを綿密に追った日本人必読の決定的評伝。
世界で愛されるHAIKUの「イノベーター」子規
今や百万人以上の日本人が、専門家が指導するグループに入って日常的に俳句を作っている。また、それぞれのグループは会員の俳句から成る雑誌を発行している。新聞は毎週、権威ある俳人によって評価された素人たちの俳句に紙面を割いている。俳句への大いなる関心は、日本人だけに限られているわけではない。日本以外の国々で、何千という人々が自分の言語において可能な限りの規則を守りながら、その言語で俳句を作っている。(本文より)
【感想】
昨年の8月下旬に松山に旅行して、見学した「子規記念博物館」(⬇)。
昨年8月28日の記事
それまで、高校の日本史教科書の僅かな記述と、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」(⬇)でしか🦌知らなかった正岡子規の人生に触れ、彼のことをもっと知りたいとの欲求から、同博物館の売店に有った本書を購入。帰京後すぐに読んだ。
坂本龍馬同様、僅か三十数年の生涯。しか🦌も病床に伏せていた期間が長いので、龍馬程日本中🇯🇵を駆け回った訳ではないが、その文芸活動を通じての存在感は半端ない。ドナルド·キーンの英語の原文もさぞかし名文たのだと推察する。
題名:「正岡子規」
著者:ドナルド·キーン
訳者:角地幸男
出版元:新潮社単行本発行日:2012年8月31日
文庫本発行日:2022年5月30日
読了日:2023年9月6日