【予告編 東京テアトル公式チャンネル 2021/12/23公開:1分34秒】
【作品紹介:『映画.com』より引用。】
「バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画をつくったら」「くれなずめ」など意欲的な作品を手がけ続けている松居大悟監督のオリジナル脚本を、池松壮亮と伊藤沙莉の主演で映画化。
ロックバンド「クリープハイプ」の尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げる、ジム・ジャームッシュ監督の代表作のひとつ「ナイト・オン・ザ・プラネット」(1992) に着想を得て書き上げた新曲「Night on the Planet」に触発された松居監督が執筆した、初めてのオリジナルのラブストーリー。
怪我でダンサーの道を諦めた照生 (池松壮亮) とタクシードライバーの葉 (伊藤沙莉) を軸に、様々な登場人物たちとの会話を通じて都会の夜に無数に輝く人生の機微を、繊細かつユーモラスに描く。2021年・第34回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、観客賞を受賞。
【あらすじ:『映画公式サイト』より引用。】
2021年7月26日、この日34回目の誕生日を迎えた佐伯照生(池松壮亮)は、朝起きていつものようにサボテンに水をあげ、ラジオから流れる音楽に合わせて体を動かす。ステージ照明の仕事をしている彼は、誕生日の今日もダンサーに照明を当てている。
一方、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)は、ミュージシャンの男を乗せてコロナ禍の東京の夜の街を走っていた。目的地へ向かう途中でトイレに行きたいという男を降ろし、自身もタクシーを降りると、どこからか聴こえてくる足音に吸い込まれるように歩いて行く葉。すると彼女の視線の先にはステージで踊る照生の姿があった。
時は遡り、2020年7月26日。照生は部屋でリモート会議をし、葉は飛沫シートを付けたタクシーをマスク姿で運転している。照生は誕生日の夜に誰もいない部屋で静かに眠りにつく。
また一年遡り、誕生日を迎えた照生は、昼間は散髪屋で伸びた髪を切り、夜はライブハウスでの仕事を終えたあとに行きつけのバーで常連のフミオ(成田凌)とダンス仲間の泉美(河合優実)と飲んでいた。
同じ頃、居酒屋で合コンをしていた葉は、煙草を吸いに店の外に出たところで見知らぬ男から声をかけられ、話の流れでLINEを交換することに。葉のアイコンを見た男が「あれ、猫飼ってるんですか?」と尋ねると、葉は「いや…今は飼ってないけど」と返し、続けて「向こうが引き取ったから」と切ない表情でポツリと呟く。彼女がLINEのアイコンにしていた猫は、いまも照生が飼っているモンジャだった…。
時は更に1年、また1年と遡り、照生と葉の恋の始まりや、出会いの瞬間が丁寧に描かれていく。不器用な2人の二度と戻らない愛しい日々を“ちょっと思い出しただけ”…。
【結末までのネタバレありのあらすじ:『hmhm (ふむふむ)』をご参照下さい。】
【感想】
上記の作品紹介にある『怪我でダンサーの道を諦めた照生 (池松壮亮) とタクシードライバーの葉 (伊藤沙莉) を軸に、様々な登場人物たちとの会話を通じて、都会の夜に無数に輝く人生の機微を、繊細かつユーモラスに描く。』という文章が、この作品のことを一番的確に表している様に思える。
また、2021年の7月26日から、1年毎に時間を遡って行くという構成も面白く風変わりでいながら、時間軸が行ったり来たりしないので、判り易い。こんな風に、昔をちょっと昔を思い出すことは、誰もが経験あるだろう。それも、たいがい甘ほろ苦い思い出だ。
伊藤沙莉については、この少し前に観た「ボクたちはみんな大人になれなかった」(2021) のインド製品雑貨屋むげん堂に勤める女性の役もさもリアリティがあったが、今回のタクシードライバー役も意外に適役である。
また、脇を固める河合優実も、「サマーフィルムにのって」(2021)、「由宇子の天秤」(2021)、「愛なのに」(2022) とは全く違う若きダンサー役 (カッコ宜し😍) で魅せていて、益々注目度アップだ。
No.11992 Day 4860