犬が走る
久しぶりに地下鉄にのった。
ブラジル人かな? 男性のタトゥーが、でかい太陽をバックにした大鳥居でびっくり。こんなに愛されている日本。
電車にのったら、座席2人分にビロードの布がかかっていた。
ブラジル人カップルさん、空席たくさんあるのに、わざわざこのシートのとなりに陣取る。
日本人ならこれが、濡れたり汚されたりしたシートを被っているものだとわかるから、近くは避けると思うんだけど、外国人の目にはレッドカーペットみたいに、VIP用リザーブシートに映ったりしたのかな?と、ちょっと妄想して面白かった。
乗り換え電車。可動式の2人がけの座席が中央に向けて回転してあった。
こんなのはじめてみたぞ。時間帯で進行方向に向いたりするのかな?
横浜駅!
ニュウマンというビルに用があったのだが、案内板のどこにもない!
喫煙所マークはあるので、とりあえずタバコを吸いましょうと地上に出た。
おもっきし、目の前に出てきた。
ニュウマンとはなんぞや? 横浜だから中国語? 乳…マン? と思っていたが、こういうことだったのか。
確かにこの英語風の造語を片仮名にしたら、ニューマンではないよなとは思ったが、ニュウーマンくらいにならんものか?
てか、そもそもこのネーミングはセンスを疑う。外人がつけたのかな?
いずれにしても無事、目的地を確認。まだ時間があったので、タバコを吸いに出た。
高島屋にトイレを借りにいった。高島屋のトイレは涼しかった。
横浜百景鳥獣戯画。
やっぱり横浜といえば、憧れのごーうぃずむーん! まだあるのかな?
Moon eyes。30年以上前に、白のステアリングホイールと、タイヤリボンを買いにきたことがある。思ってたより店はずっと小さくて、気落ちした想い出。
横浜の波止場から~♪って童謡が、子どもの頃は、怖かった。
横浜にだけは近づかなくてすむような人生を送りたいと思ったものだった。
さて、大切なご用事からの帰りです。品川行きのホームから電車にのったのに、なぜかそいつ、成田空港に行くというアナウンス。いやいや、そんなところにつれていかれたら超困るのだが! と、電車を飛び降りた。
ほっとした。
なんか歩いてみたくなって、その謎の駅からそとに出た。
未知のアーケードを歩く。
なんか、路地にボロ看板のスナックがいっぱいあった。
やってるラーメン屋は5軒見つけたが、どれも興味をひく佇まいで迷う。こういうときは、一番やすい店にする。これは旅人の基本であり、鉄則だ。
釜辛揚げラーメンだったかな?
優しい味。なぜかぐっとくる。
ひと恋しいような?このレアな気持ちをもう少し味わいたくなって、裏路地を歩いてみる。
ちょうど目の前。女性がその中の一軒のドアをあけて、店のママに「ひとりですが飲めますか」と訊いている場面に遭遇。
僕は早足で店の前まで行き、扉の向こうの世界をドアの隙間から覗き見る。
薄暗い店内。音楽は聞こえない。客はじいさん二人。
時には悪い人間に騙されたり、時には悪いこともしたりしながら、したたかに必死で生きてきて、ようやく自分のお店を持ったときには婆さんで、流行りもしない店を厚化粧して女を演じて、酔っぱらいから日銭を稼ぐ…。
みたいな妄想を、その一瞬楽しんで、もうそれで満足した。
ここには俺はもう、一刻たりともいるべきではない。
へたにこんな見知らぬ場所で酔っぱらってしまったら、野宿かタクシーだ。追剥に会うかもしれない。
へたにこんな見知らぬ場所で酔っぱらってしまったら、野宿かタクシーだ。追剥に会うかもしれない。
とりあえず、交番の影でタバコを一本吸い、駅に戻った。
シラフでもオレ、読み間違えるGoogle Mapの電車ナビ。
現在地から目的地入力。
この電車でいいのか? ナビ上、途中で電車の路線の色や名前が変わっているが、乗り換えホームや時間の表示がない。
半信半疑のまま、ガラガラの車両で乗降ドアに近い席に座る。ドアの上の案内モニターを慎重にチェックしながら。気を許すことはできない。
青物横丁を過ぎ、品川駅に到着した。しかし、案内表示はまだ先まで行くことになっている。
このまま乗っていていいのか。また金沢文庫とか、訳のわからんところに着いたりしないよな?
幾多の罠を退け、俺の身体は三田駅を迎えた。思いは届く。ここからは知っている。帰れる。
そしてどうにか、自分の目的駅に着いた。大冒険から帰還した自分のかおをスマホで自撮りして、友達に送りつける俺。
ここからは、車にひかれたりしない限り大丈夫だ。
旅をおえた自分は、我ながら少し誇らしい。そんな姿を誰かに見て欲しい。子供のような気持ち。
きょうこママに会いにどんどんに行こうかなと一瞬思ったが、さすがに駅から自宅に背を向け、反対方向に歩くのは浅ましすぎる。変な美学。
コンビニでトリスハイボール500ml を買って、吉高由里子のドラマでも観るかな。
駅とうちのちょうど真ん中くらいに、そういえばスナックwizって店がある、ということを思い出した。
よし、そこで一杯飲んで帰ろうか、・・・と思ったものの、店の看板の照明が消えていた。
あら残念、と通りすぎようとしたとき、オープンの木札が立て掛けられていることに気がついた。
店にはいる。
あらいらっしゃーい。
ママの低い声に迎えられる。
カウンターには見知った男性客がひとり。
どーもこんばんわー、とニコニコ顔で声をかけられる。
俺はたしか、この店に入るのは2度目のはずだが、どういうわけか常連扱いになっている。
この辺りが高層マンション開発される前からのご近所仲間ってことで、話が弾んだのは覚えてる。
赤い照明の店内。
僕はブラディメアリできますかとママに訊いた。
なにそれ?どんなカクテル?
ウォッカのトマトジュース割です
トマトジュースならあるわよ。何対何?
3:7くらいすかね
ほかに何か入れる?
ウスターソースとかあれば
ウスターソースはないわ
「ウィキペディアによると、イギリスのメアリー女王がプロテスタント教徒を処刑しまくったことにちなんで作られたカクテルだって。黒胡椒や塩でもいいみたいだよ」と男性客。調べてくれたんだ。やさしい。
俺はそういうのはなんとなくしか知らなかった。
俺がブラッディーマリーを知ったのは、中高生ザルの頃にヘビロテしてた、ムーンライダーズの曲。
なめらかに透き通った不定形の氷と、赤い液体の入った丸いグラスがきた。
テレビではパリオリンピックのスケボーが青く光を発していた。
僕のブラディメアリは、ママが初めて作ったとは思えないほどよくできていた。
おいしいです
うちのトマトジュースは無添加のいいものよ
なるほど
ママがおつまみの皿を用意していた。
あ、チャームいりません。お代は取っていいので。
あら、そう?
そういえば、看板消えてますよ
漏電してブレーカーが落ちたのよ
焦げたコンセントをつまんで見せるママ。
カランカラン
ドアが開いて、杖をついた老婆が女性にエスコートされて入ってきた。
常連男性客は老婆を抱きかかえるように、丁重に椅子に座らせて、そのへんにあった段ボール箱を足台として設置した。
ママはありがとうと、老婆に代わってお礼を言った。
女性は一旦いなくなったが、しばらくのちにあらためて、お店に入ってきた。
俺の隣の席に座った。
ことばはしっかりしているが、はしばしで母国語がこの国の言葉ではないことがわかる。
濁点の発音がないから、コリアの出身かもしれない。
しかし、気にするようなことではない。みんなと一緒にオリンピックを眺め、大切にブラディメアリを口に運んだ。
常連客の男性の目の前には、持ち込みかなと思われる2Lサイズのペットボトルの水が置いてあった。
おれも水が飲みたくなった。
氷をひとさし指でグラスのフチから、僕は口に転がした。
やっぱり、おもったとおり、なめらかな表面。
味覚には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つがあるという。
この氷は、そのどれとも違うおいしさを持っている。
すごい氷だ。
俺はこんな人に、その日、会ったような気がする。
若者男女4人が、お店に入ってきた。
ちょうど空いている席は4つだったので、なにも問題はなかったんだけど、僕はグラスをあけ、氷をまたひとつ口に含んで、ママにメモを書くジェスチャーをした。
ママは伝票をわたしてくれた。
1600円だった。けっこうすんのね。
おつりをもらい、他のお客さんに会釈して、店を出た。
セブンイレブンでトリスハイボールを買い、自宅に帰ってきた。
トリスハイボール500ml。
いつものやつ。
俺はいままでの人生でたった一度だけ、これをひとに買ってもらったことがある。
この先、これを買うたびに思い出すんだろうか。
そのあとの記憶が、あいまい。
いま、机の上をみたら、プルトップを開けていないこいつがあった。
ぬるくなっているが。
あたりまえだよって? なまいきだな。
あたりまえだよって? なまいきだな。
そんなのわかってるよ。
同じ店で今月8杯の担々麺
マイブームって言葉を、なんか最近聞かなくなった。

いま、この店の担々麺にはまっております。

どんぶりが白いやつは、この店の四川風担々麺です。

やっぱ、オリジナルブレンド担々麺のほうがいい。

ぱいこー担々麺は、豚カツがのってます。

辛さを5にしてみたときのやつ。3の方がうまいです。

一度食べてみたかった、白ご飯。よかったです。

僕はいつも、辛さ3、痺れ2でオーダーしてます。でも、調理人さんによって、辛さが変わるのが困ります。
こうして写真並べるとよくわかる。色が全然違う。

休日出勤でした。日曜の新橋は駐禁取りに来ないので、ゆっくり食えました。
今月さいごです。
ほんと、おれは美味しいなと思ったら、そればっか食ってる。一途といってもいいかもしれない。
でも、ある日突然、食えなくなるんだよな。天下一品とか、前はあんなに好きだったのに、すきあらば天下一品だったのに、全くいかなくなった。
一蘭。高いからそんなにしょっちゅう行ってたわけではないはずなのに、これも突然食えなくなった。
徐々に飽きてくるとかじゃなくて、受け付けなくなる。唐突に。
こってりがキツくなったとかではないんだよな、たぶん。だって、二郎インスパイアとかは、今もいくし。いつもニンニクヤサイアブラだし。
家系とか、燕系とか、ぜんぜんいけるし。
なんなんですかね。
まあ、別に誰かに監視されてるわけでもないし、悪いことしてるわけでもないので、来月も通うつもりでおります。
とつぜん、食えなくなる、食いたくなくなる日が来る、そのときを楽しみにしつつ。
















