決定的問題は実態把握の欠如
安倍首相「平均的な共働き夫婦の奥さんの月収」画像は誤り 発言が改変、検索で大量ヒット安倍晋三首相が「日本の平均的な共働き夫婦の月収 ご主人の月給が50万円 奥さんのパート収入が月25万円 ご夫婦で月75万円の収入があるわけですが」と発言したとする情報が、Twitterの投稿が拡散した。しかし、これは誤りだ。April 10, 2020, 08:42 GMT Kensuke Seya瀬谷健介 BuzzFeed News Reporter, Japan新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が家計向けの経済対策を打ち出している。そんな中、安倍晋三首相が「日本の平均的な共働き夫婦の月収 ご主人の月給が50万円 奥さんのパート収入が月25万円 ご夫婦で月75万円の収入があるわけですが」と発言したとする画像を添えたTwitterの投稿が拡散した。たびたびネット上で拡散しているこの情報は誤りだ。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。 Twitterより ツイートは3月30日にされ、少なくとも5千以上リツイートされて拡散した。アカウントは4月10日現在、Twitter社により「凍結」状態となっている。投稿では「自己申告に基づき生活に困っている世帯などに1世帯あたり10万円を超える額を支給する方向・・・」「自分の言ったことくらい覚えとけ」との文言とともに、上掲の画像が添付されていた。大量に出回る画像と文言この同じ画像や同様の文言は、過去にもネット上でたびたび拡散している。2019年頃から画像が出回り始め、今回、政府が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「現金給付」をめぐる批判が集まった際、再び画像が使われた形となった。現在、Twitterに残るものでは、7万以上リツイートされている投稿もある。画像をGoogleで検索すると、大量にヒットすることも確認できる。2016年の発言を改変?先述の通り、安倍首相が「日本の平均的な共働き夫婦の月収 ご主人の月給が50万円 奥さんのパート収入が月25万円 ご夫婦で月75万円の収入があるわけですが」と発言したとするのは「誤り」だ。安倍首相は、そのような発言をしていない。2016年1月8日の衆議院予算委員会で、安倍首相が語った発言が改変されているとみられる。国会会議録によると、安倍首相は、無所属の山井和則衆院議員から「実質賃金が下がっている」との指摘を受け、“例え話“として次のような答弁をした。「ご指摘の実質賃金の減少についてでありますが、景気が回復し雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えていくと、1人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけでありまして、私と妻、妻は働いていなかったけれども、景気はそろそろ本格的によくなっていくから働こうかと思ったら、働き始めたら、我が家の収入は例えば私が50万円で妻が25万円であったとしたら75万円に増えるわけでございますが、2人が働くことによって、2で割りますから、平均は、全体は下がっていくということになるわけでございます」「だから、これはおかしいのであって、50万円と25万円があれば足していく。75万円であれば安倍家の収入を正確に把握するわけでありますが、2人で働いているからといって、これを2で割って安倍家の1人平均は幾らだという考え方自体は、正確に経済の実態を表していることにはならないということを、まず説明しておかなければいけないと思います」つまり、月収を夫が50万円、妻のパート収入が月25万円というのは「安倍家の例え話」であり、日本の平均的な共働き夫婦を指していないことがわかる。ただし、「パートで働く妻の月収が25万円」とも受け取れるこの発言については、当時も安倍首相の「金銭感覚」を問う批判が上がった。1月12日の衆議院予算委員会には、立憲民主党の西村智奈美議員が「25万円ももらえるパートがどこにあるのか、あったら教えてほしい」と追及。安倍首相は以下のように答え、そのような意図はないと否定している。「私、パートとは言っていません。言っていません。ちゃんと見ていただきたいと思います」「私と妻との関係においては、私が50万で、妻がパートで25万とは申し上げていませんよ」実質賃金の減少についての説明において、そもそも「私が50万円で妻が25万円であったとしたら」との金額が、例え話としてふさわしいかの評価は割れている。一方で、平均的な共働き夫婦の月収への言及ではないことは、明確。Yahooニュースより当時、TVによる国会報道によりこの発言で事実である。その時、国民生活の実態把握の欠如を実感したことを覚えている。今回のコロナウイルスに対しても、市中感染数の実態把握をしないで対応している現状と同じなのだ。情報の誤りを指摘することより、国家のリーダーの資質として国の「実態把握」「現状把握」と対策企画能力は必須であることを進言すべきではないか。安倍行政が「公文書改ざん」「調査改ざん」等の政治悪に無頓着なのは「実態」ではなく「主観優先」であること、そして、たびたび「現実的」を根拠に論破攻撃するのとは真逆の「実態軽視」こそ批判、指摘すべきことなのではないだろうか。