記事「予備試験R2(論文式)おつかれさま!」で「追って作成予定」としていた記事です。

 

R2予備試験が約3か月延期されたのに、R3司法試験は例年と変わらず来年5月12日~に予定されているため、記事「予備論文受験~合格発表の間にやること」をベースに、やや修正しようかと。

まず、再現答案の作成

は、絶対・最優先!

しつこいけど、本当に何よりも大事だから!

 

その上で、①「もし自分が合格しているなら、今の時期に何をすべきか?」を自分自身に問いかけて、ランキング(優先順位)を作ってください。

 

いきなりそれは難しい…ならば、あくまで“一般的には”ですが、下記のランキングがオススメです。

 

1.予備口述過去問≒口述再現をできる限り多く集め、くり返し解く。

(1)口述再現の集め方

 ア 「予備 口述 再現」(特定の年度を探すなら、その年度の数字も入れる)等の言葉でネット検索。

 イ 市販書籍だと、辰已法律研究所『法律実務基礎科目ハンドブック』(第5版)の巻末に、H23~R1の口述再現が、1人分ですが網羅的に載ってます。

 辰已法律研究所のいわゆる予備試験『ぶんせき本』のR1版を既に持っている人は、その巻末に、H23~R1の口述再現PDFデータ(上記『ハンドブック』と同内容かな~?)を無料でプレゼントする旨が書かれているので、これを利用する手も(ただし、応募期間~2020年10月31日とのこと)。

 ウ 他にも、例年は伊藤塾等から入手できるはず。

(2)くり返し解く方法

 問の文言を誰かに読んでもらって(PC等の文字読み上げ機能を使うのも一手)、それに対する回答を自分なりに口に出す形で!

 回答を頭の中で思い浮かべるのと実際に口に出すのとでは、だいぶ異なると感じる人が多いので。


2.民法・民訴法、刑法・刑訴法の司法論文過去問等をくり返し解く。←ランクUP!

(1)“論文受験時の実力に戻せば口述にも合格できる”と言われますし、実際たいていそうなので、論文対策と口述対策は兼ねられます。

(2)ただ、R2予備口述に合格したら、R3司法試験まであと約3か月しか残っていませんから、司法論文過去問をできる限り潰しておく必要があります(予備論文過去問も司法論文対策に役立ちはしますが、司法論文過去問と比べると、直接役立つ対策とはいえません)。

 

3.法律実務基礎科目(刑事事実認定は軽め)の予備論文過去問等を見る<読む<解く。

 一応、予備口述の科目名は“法律実務基礎科目(民事・刑事)”ですし、実際役立つことも多いので。


4.民法・民訴法、刑法・刑訴法の短答過去問をくり返し見る<読む<解く。

5.4S条解講義(民法・民訴法、刑法・刑訴法)をn倍速で聞く。

 細かい知識の確認用。民・刑についてはR3司法短答・論文対策、両訴はR3司法論文対策を兼ねる。


6.民訴・刑訴規則、弁護士職務基本規程・弁護士法の条文、民事保全法(全67条)等の条文素読。
7.要件事実系の教材(ex.新問研、大島本、類型別)読み。

 R2~3は、ここまでやる余裕がある受験生はほとんどいないような。

 

…とりあえず↑のランキングに沿って進めていく中で、適宜、ご自身にピッタリな優先順位へと修正してください。

(ex)1位の“予備口述過去問≒口述再現をできる限り多く集め、くり返し解く。”をやってみた結果、要件事実系の問題に自信がない…となったら、最下位の“要件事実系の教材(ex.新問研、大島本、類型別)読み。”をややランクアップするとか(4Sを使いこなせていたら、未知の要件事実だって条文から導けるはずですが、知識としても持っておいた方がメンタル対策になるというのは分かります)。

 

なお、R3司法論文の選択科目対策を早期(予備論文合格発表前)からやっておくことも考えられますが、さすがに“獲らぬ狸の皮算用”的なギャンブルになってしまうと私は思います。

R3司法論文の選択科目対策は、R3予備口述本試験(R3.1.30~31)の直後に、口述再現をザっとしてから始めるべきかと。

つまり、R3予備口述本試験(R3.1.30~31)~R3司法試験の間の優先順位は、

0.ザっと口述再現

1.選択科目対策(さすがに予備口述合格発表までは待たなくていいかと)

2.予備口述前(前記2)に解いてない公法系、商法の司法論文過去問等をくり返し解く(できれば答案まで書く)。

3.民法・民訴法、刑法・刑訴法の司法論文過去問等を、できる限り答案まで書く。

4.憲民刑の短答対策は、できる限り手を抜きたい!(R2予備短答憲民刑の点数等次第か)

 

 

次に、②「もし自分が不合格なら、今の時期に何をすべきか?」を自分自身に問いかけて、ランキング(優先順位)を作ってください。

例えば、

1.今年の予備論文直前期にやり切れなかったこと・やりたかったこと

2.予備論文過去問潰し ※どの科目を優先的に潰すか?も。

3.司法論文過去問潰し

とか?こちらのランキング(優先順位)は人それぞれ大きく異なると思う(ex.短答ギリギリ合格だった人は、短答再現→ギリギリ合格にとどまってしまった原因の分析もすべきかと…cf.記事「予備試験R2短答式試験 合格発表」)ので、あくまで例示ですが。

 

そうしたら、上記で重なる項目が(複数)あれば、それを(両者の順位番号を足し算した数の小さいものから)優先的にやります。

上記の例示では…

 

まず、

の2.民法・民訴法、刑法・刑訴法の司法論文過去問等をくり返し解く。

の3.司法論文過去問潰し

が、民法・民訴法、刑法・刑訴法の司法論文過去問をくり返し解く限度で、順位番号2+3=5で重なっています。

 

また、

の3.法律実務基礎科目(刑事事実認定は軽め)の予備論文過去問等を見る<読む<解く。

の2.予備論文過去問潰し

が、予備論文過去問(法律実務基礎科目)を見る<読む<解く限度で、順位番号3+2=5で重なっています。

 

そして、順位番号を足し算した数の小さいものからランキング(優先順位)を作る…と言ってもいずれも5で同

点ですが、

a.民法・民訴法、刑法・刑訴法の司法論文過去問をくり返し解くのが予備試験対策に役立つ効果

と、

b.予備論文過去問(法律実務基礎科目)を見る<読む<解くのが司法試験対策に役立つ効果

とを比べ、aの方が大きいと考えると、

(1)民法・民訴法、刑法・刑訴法の司法論文過去問をくり返し解く

(2)法律実務基礎科目(刑事事実認定は軽め)の予備論文過去問等を見る<読む<解く

となるかと。

こうしてできたランキング(優先順位)の上の方からやっていけば、合否いずれでも役立つ対策を最も効率的にできます。

 

…でも、“1.予備口述過去問≒口述再現をできる限り多く集め、くり返し解く。”のは最優先でやっといた方がいいかな~毎年、予想外に予備論文に合格していて、予備口述までの約2週間で地獄を見る受験生が絶えないので。

 

 

まあ気分的に、それ以外のことを優先したい受験生もいるでしょう…が、R2~3は、それをやる余裕が本当にあるのか、じっくり考えた方がいいかもしれません。