先日、「4A社会人受験生」さんから、下記の内容を含むご質問をいただきました。
 
「勉強というと教科書の内容をイメージ化して記憶に残すということが本来の姿だと思っているので、繰り返しイメージ化して8割9割記憶に残ってから問題を解いた方が良いのか、先生の勧める初めから繰り返し解くという方法がいいのでしょうか、でも先生の方法に違和感がなくはないです・・・。解けなくて教科書等に戻るのなら教科書のイメージ化を終えてからにした方が良いのではと思ってしまいます。」
 
ここら辺については、前から書きたいことがあったので、便乗して記事にさせていただこうかな~と思いました。
 
そう、「勉強」と言うと、
教科書の内容をイメージ化して記憶に残す
というイメージになっちゃいますよね。
なので、私は極力、試験対策のことを「勉強」とは言わないようにしています(上記の意味で使うときや、「勉強」と言った方が伝わりそうなとき等の例外的な場合にしか言っていないつもりです)。
 
試験対策は、まぎれもなく受験“戦争の準備”にほかなりません。
 
まあ、私も皆さんも本当の意味での“戦争”を経験していないからでしょう、この感覚を伝えるのは本当に難しい…ので、以下どぎつい言葉をあえて使います。
 
試験対策というのは、お行儀良く頭を使って賢くやる「お勉強」などでは全くない!
頭+身体どころか、これまでの人生の“全て”を尽くして、
地を這い回り
泥水をすすり
血と汗と涙を流して
傷を無数に増やしつつ、
敵(=他の受験生)の人生(の一部)を奪って
自分だけが生き残る…
それが試験対策、そして受験“戦争”だ!
…と私は思っています。
 
あなたも、国にボロ切れのごとく人生(の一部)を消費される一兵卒として、戦争に行くのです。
そんなところで、人生(の一部)を終わらせたくはないですよね?
じゃあ、戦争に行くまでにどうしますか?
下記1・2を選べるとしましょう。
1.戦場での戦い方の教科書を読み、講義を受けて、その内容をイメージ化する。
2.限りなく実際の戦場に近い環境で、生き残るための実戦訓練を受ける。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…私なら、最初から、戦争に行くまでの時間の最大限を、にぶち込みます。
あなたが(の後で)を選ぶなら、4S(≒4A)系の講義・教材は、あまりオススメできません…少なくとも私の主観的には、を全く意図せずに講義・教材を作ってきたからです。
従来型のインプット講義・教材を選んだ方が、には向いていると思います。
 

でも、ここまで書いてきてハタと思ったのですが、私の受験観の方こそ“歪んでいる”のかもなあ。
受験対策が異常に大好きなのも、それが一因かも…
 
というわけで、上記のような“歪んだ”受験観に至る受験歴を書いておいた方がいいかな、と思ったので、簡単に書いてみます。
 
1.中学受験
 親の期待に応えたい程度の軽い気持ちで開成を受け、算数で「全問正解だろこれ♪」と浮かれていたら、出口で配布されていた中学受験塾の解答速報では20%くらいしか正解できていないことが分かって目の前が本当に物理的に真っ暗になり、その後に母となぜか食べたピロシキの味が全くしなかったことを、今でもはっきりと覚えています。
 その後、面接試験で先生に「きっと大丈夫だよ」と笑顔で言われて笑顔で「はい!」と返したのに、合格発表で自分の受験番号がない(後に補欠合格できたことで、その真意が分かりましたが)。
 滑り止めの中学の試験当日には、(その直前あるいは途中から)かなりの高熱が出ましたが、不思議と頭の中は澄んでいて、最後まで受け切り(さすがに帰宅後には寝込みました)、特待生待遇を打診されるくらい会心の出来だったような。
 
…うん、主観的には、この中学受験経験がとてもデカい。
普段の「お勉強」でどんなに頑張っていようが、
・本番で実力を発揮できなければ合格できない
・採点者や他の受験生との関係でも合否が左右される
・本番のコンディション大事(だが、試験の出来は必ずしも無関係)
等が骨身にしみた。
この経験が核となって、
・受験=文字どおり戦争
・試験対策=戦争準備≠「お勉強
といった意識になっていったと思う。
 
2.大学受験
 まず、開成中学受験での算数の敗因を徹底的に分析しました。
…私は中学受験時代、どちらかというと麻布・武蔵等の“自由”な算数の問題が好きで(ほとんど解けるようになりませんでしたが)、中学受験塾でも麻布・武蔵対策のコースを受けていたんですよ。
 でも、かなり直前に無理だと悟ったんだったか、第一志望を開成に変えて、その過去問もあまり潰せずに受けたんです。
 それで、開成中入試合格に必要な能力(“ひらめき”よりも論理的な積み上げ、確実性とかスピードといった分析をしていたような記憶)を鍛えきれずにフワフワと受けてしまった。
…こんな感じで敗因を分析しました。
 
 となると、大学受験対策でやるべきことは自ずと定まります。
 受ける試験の過去問を潰す!
“その試験”に合格するための能力を伸ばす!
 
 そこで、センター試験・東大入試の過去問を解きまくりつつ、その過去問集(赤本・青本・緑本)を徹底的に比較分析しました。
 東大模試では合格可能性20%以下とかのE判定の連発でした(センター模試ではそこまで悪くなかったけどいまいちだったような)が、「過去問とズレてる模試の方がおかしい!予備校模試なんて本番のシミュレーション程度の価値しかない!」と確信してました。
 結果、センター試験は確か3問間違いと望外の好成績、東大では世界史地理を選択したけど戦略的にほぼ捨てて、英語・国語で逃げ切った主観です(数学は下手の横好きで、確か4問中1問完答1問半答だったか…)。
 
3.旧司法試験
 この受験記録は、このブログのテーマの1つ「勉強歴」の記事をご覧いただければ…その中で、H16の10月以降で気になる部分がもしありましたら、記事の月別表示(ex.2004年10月はこちら)から、探し出せると思います。
 そのうち、主観的な衝撃度ランキングは、
 
(1)H15勉強歴の6~8月
短答マークミス1点差落ち後に1か月くらい廃人状態。

論文本試験会場見学ツアー後、同じ論文本試験問題の答案を書いてみたら、全然時間内に終わらない!俺は今まで何をやってきたんだ!やっぱり予備校講義・答練全然使えねーじゃん!

大学受験時の経験に照らし、過去問中心主義にシフトし、マークミス1点差落ちしたH15短答本試験問題を徹底分析して、合格の目処がついた。
 
(2)H16勉強歴の10月
論文合格を確信して、NOAさん等の勉強会の仲間にエッラソーに受験指導。

不合格発表時の私「ふーん総合A落ちくらいだろ、来年は受かる」

成績表「総合G」=当時の最低ランクで愕然
 
かな…
 
最後まで私の思い出話にお付き合いくださり、ありがとうございました。