「これから必要な学校、新入社員教育ってなんだろう?」というのは、企業の研修に関わる人ならだれもが考えることだと思います。

 

個人的には、学校=「社会人」を育てるところで、必ずしも「会社人」を育てるところではないと思います。

一方で、「社会」と「会社」は切っても切り離せないので、非常に難しいところではあります。

 

そんな中、今週見たTV番組では、大正時代の教育改革を通して現在の教育を考えるというテーマで興味深い話がされていました。

 

「100年前の教育改革~大正新教育の挑戦と挫折~」

https://www.nhk-ondemand.jp/goods

 

■大正時代の教育改革

・真理を教えるのではなく、探求の仕方を教える

・画一指導でなく個人に合わせる(現実に合わせる)

・個人の持つ一芸を伸ばす

・ただし、実際にこれを軌道に乗せるやり方や社会の理解が必要

 

この内容はまさにこれからのVUCA、AI時代に必要な能力を育てる教育だと思いました。

明治、高度成長期のような、画一的で方向性が明確な時代と異なった、変化が大きい時代に生き残る人材の教育です。

 

特に、AI時代に生き残る仕事は次の3つといわれています。

■AI時代に生き残る仕事

・人間的な深い考察思考ができる仕事

・創造的なアイデアを作り出す仕事

・対人関係の仕事

 

そういった時代にこの教育はまさにぴったりだと思いました。

 

ただ、話は簡単ではなく、それに耐えられる学校の仕組み、さらに、上記のように育った人材を生かせる会社組織が必要になります。

(ただでさえ、現在の若者の学生⇒社会人適応のための新人研修で苦労している身としては、頭が痛いですが・・・)

 

 

逆に言うと、こういったことに適合できない会社は生き残っていけないのだろうなと思います。

今回は仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則の紹介をします。

 

 


【評価】(A~C)
 B

【概要】

イギリス人ビジネスコーチが書いた、タスク管理手法の本です。

・第一部 タイムマネジメントの基本的な考え方

 (1)明確なビジョンを持ち、しないことを明確にする

  (2)1つの事に集中する

 (3)少しずつ頻繁に行う

  (4)期限を付ける

  (5)クローズリストを使う

  (6)割込みを減らす

  (7)コミットメントと興味を分ける

・第二部 マニャーナの法則

 ・TODOリストでなくクローズリスト、Will DOリストの活用

 ・明日でよいことは明日やる

 ・最優先の仕事をファーストタスクにする

・第三部 さらに優れたシステムへ

 ・先送りを防ぐ工夫

 ・タイマーを使った集中をする仕組み

 ・プロジェクト型タスクの進め方の工夫

 ・仕事への抵抗感を減らす工夫


【感想】

私は過去に、GTD、ポモドーロテクニックの本を読み、実践してきました。

この2つと同じで有名なのがマニャーナの法則なので、夏休みを利用して読みました。

 

〇良かった点

脳の仕組みを前提にしたタス管理手法(他の手法の正当性が分かった)

・多くの手法がGTD、ポモドーロテクニックのと重なっており、この1冊でタスク管理の基本がわかる

・具体的な手法が多く、実践しやすい

〇気になった点

・手法自体はGTD、ポモドーロテクニック+アイゼンハワーマトリクスで網羅できる内容(有識者には発見は少ない)

・細かなテクニックが多く、全体的なタスク管理プロセスが分かりづらい

 

 

結局私の場合は、既に別の手法を実践していたので、気づきが少なかったわけですが、

逆に始めてタスク管理を学ぶ人には大きな知識が得られるのではと思いました。

 

 

なお、タスク管理の改善に興味のある方はこちらをご覧ください。

 

少人数式で、その人に合ったアドバイス、改善を考えるお手伝いをしており、好評です!

今回は『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の紹介をします。

 

 


【評価】(A~C)
 B+

【概要】
この本は、チェックリストの有効性について書かれた本です。
医師である著者が、なぜチェックリストに着目し、どのように導入したかという経緯が書かれています。
また、導入したときの失敗とその改善についても触れられています。

【感想】
以前のブログにも書きましたが、仕事で使うチェックリストをどう作るべきかヒントが知りたくて、この本を買いました。

本の内容自体はノウハウ本ではなく、ストーリー仕立てで著者が経験したチェックリストの有効性やその導入方法が書かれています。
そのため、私は本を読みながら自分の仕事に当てはめて考え、メモをまとめる方法でこの本を読みました。
すぐに、チェックリストに関するノウハウが欲しい人には少し当てが外れた本かもしれません。

ただ、一度チェックリストについて深く考えてみたい人には良い本だと思います。
私もこの本を読んで、仕事で使うチェックリストについてよいアイデアが浮かびました。


**その他のビジネス書の感想は、こちらをご覧ください。

今回は『こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義』の紹介をします。

 

 

 


【評価】(A~C)
 B

【概要】
この本は、一般的に知られているお金に関する知識の間違いを説明し、正しいお金の知識について書かれた本です。
著者は投資会社の社長であり、実際にお金を運用する側の観点から、お金の正しい扱い方を知ることができます

【感想】
内容としては、よくあるお金に関する基本的な知識を学ぶ入門書と同じでした。
ただ、その中でも著者独自の考察もあり、その部分ではなかなか興味深かったです。

例えば、以下は勉強になりました。
・入りやすい保険ほどリスクが高い
・高くても希少性があるものは価値が下がらない
・長期資産形成でのリターンは5~7%が理想
・長期預金より国債(結局国債の金利に影響されるため)


初めてお金の運用について学ぶ人にはオススメな本だと思います。

 

逆に、ある程度お金の運用について学んだ人は、少し物足りないかも知れません。

週末帰省した時に、暇つぶしで『人生に失敗する18の錯覚』を読みました。

 

 


行動経済学の立場から、人間が陥り易い錯覚とその失敗が書かれていて、なかなか面白かったです。

せっかくなのでいくつか例を紹介したいと思います。

■人生に失敗する錯覚
1.興奮状態
誰もが経験があると思いますが、興奮していると正しい判断ができなくなります
思いがけず良い商品に出会ったり、お酒が入って気持ちが大きくなっていたり、嬉しい事があって気分が高揚していたりすると、普段取らないような行動を取ってしまって、あとで後悔しがちです。
一歩立ち止まって、自分の精神状態と、判断する事柄の重要度を考える必要があると思いました。

2.成功体験
企業経営でもよく言われますが、一度成功体験をしてしまうと、どうしても同じ事を繰り返してしまいがちです。
これが裏目に出ると、成功した方法のリスクを過小評価してしまい、大きな失敗を引き起こしてしまうこともあります。
成功した要因はなんなのか、同じ方法がいつまで通用するのかなど、成功したときも失敗したときと同じくらい分析が必要だと思いました。

3.損失回避
これは、オプションを失うのを回避しようとして、合理的でない判断ができなくなるというものです。
例えば、あと少しで○○という商品が無くなる(または割引がなくなる)と聞くと、普段興味が無いものが、突然興味を引くようになります。
これは人間が、選択肢をより多くもっていたいという本能があるからだそうです。
選択肢が減ることに気を取られている場合は、客観的な判断は出来ていないと判断したほうが良さそうです。

4.サンクコスト
サンクコストとは埋没費用のことです。
昔10万円だったものが、今は1万円の価値しかないとすると、9万円がサンクコストにあたります。
あるいは、今まで10万円投資してきたから、今さらやめられないといった場合の10万円もサンクコストです。
しかしこの埋没してしまった費用に重点をおいて、結果として全体でより大きな損失をしてしまうことが良くあります。
ちょうど、公共事業なんかでこういった問題が良く取り上げられます。
あくまで、今の価格、将来の損失で評価するということを頭に入れておく必要があります。


こういった錯覚は、ちょうどダマシ絵と同じで、わかっていても引っかかってしまう(そう見えてしまう)というのを本を読んで感じました。
こういった錯覚から抜け出すには、第三者の意見や、チェックリストなど、自分の錯覚に依存しない判断の仕組みが必要だなと思いました。