週末帰省した時に、暇つぶしで『人生に失敗する18の錯覚』を読みました。
行動経済学の立場から、人間が陥り易い錯覚とその失敗が書かれていて、なかなか面白かったです。
せっかくなのでいくつか例を紹介したいと思います。
■人生に失敗する錯覚
1.興奮状態
誰もが経験があると思いますが、興奮していると正しい判断ができなくなります。
思いがけず良い商品に出会ったり、お酒が入って気持ちが大きくなっていたり、嬉しい事があって気分が高揚していたりすると、普段取らないような行動を取ってしまって、あとで後悔しがちです。
一歩立ち止まって、自分の精神状態と、判断する事柄の重要度を考える必要があると思いました。
2.成功体験
企業経営でもよく言われますが、一度成功体験をしてしまうと、どうしても同じ事を繰り返してしまいがちです。
これが裏目に出ると、成功した方法のリスクを過小評価してしまい、大きな失敗を引き起こしてしまうこともあります。
成功した要因はなんなのか、同じ方法がいつまで通用するのかなど、成功したときも失敗したときと同じくらい分析が必要だと思いました。
3.損失回避
これは、オプションを失うのを回避しようとして、合理的でない判断ができなくなるというものです。
例えば、あと少しで○○という商品が無くなる(または割引がなくなる)と聞くと、普段興味が無いものが、突然興味を引くようになります。
これは人間が、選択肢をより多くもっていたいという本能があるからだそうです。
選択肢が減ることに気を取られている場合は、客観的な判断は出来ていないと判断したほうが良さそうです。
4.サンクコスト
サンクコストとは埋没費用のことです。
昔10万円だったものが、今は1万円の価値しかないとすると、9万円がサンクコストにあたります。
あるいは、今まで10万円投資してきたから、今さらやめられないといった場合の10万円もサンクコストです。
しかしこの埋没してしまった費用に重点をおいて、結果として全体でより大きな損失をしてしまうことが良くあります。
ちょうど、公共事業なんかでこういった問題が良く取り上げられます。
あくまで、今の価格、将来の損失で評価するということを頭に入れておく必要があります。
こういった錯覚は、ちょうどダマシ絵と同じで、わかっていても引っかかってしまう(そう見えてしまう)というのを本を読んで感じました。
こういった錯覚から抜け出すには、第三者の意見や、チェックリストなど、自分の錯覚に依存しない判断の仕組みが必要だなと思いました。
