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ペットボトルリサイクル、システム存続に危機感

環境新聞(071107)


ペットボトル国内リサイクルシステムが存続に向けての正念場を迎えている。


容器包装リサイクル協会が行った来年度自治体のペットボトル指定法人ルート

引き渡し量の予備調査の結果は、全自治体合計で16万8,000tとなった。


今年度の14万1,000tからは約15%増加の水準ではあるが、

改正容リ法に盛り込まれた「指定法人ルートへの円滑な引き渡し」

効果としては軽微で、

依然として再商品化事業者各社の経営は危機的な状況が続いている。


更にこのほど各地方自治体が環境省に提出した分別収集計画では、

来年度から5年間のペットボトルの指定法人引き渡し率はほぼ横ばいと

なっており、次年度以降の改善も期待できない状況だ。





容リ法に基づく平成20年度以降5年間の分別収集見込量(環境省)

○ 第5期分別収集計画を策定した市町村数は1,826市町村
(特別区を含む全市町村数1827の99.9%)に上り、
今後5年間において、ほとんど全ての市町村が、
いずれかの容器包装廃棄物の分別収集を行う見込み。

○平成9年度から分別収集・再商品化の対象となっている
ガラス製容器及びペットボトルについては、
ほとんど全ての市町村が、分別収集を実施する見込み。

ペットボトル
平成20年度:1,791市町村(98.0%) → 平成24年度:1,806市町村(98.9%)
分別収集見込量 303千トン → 分別収集見込量 340千トン
○平成12年度から開始されたプラスチック製容器包装
及び紙製容器包装の分別収集は、今後5年間でさらに拡大する見込み。

プラスチック製容器包装 

平成20年度:1,429市町村(78.2%) → 平成24年度:1,517市町村(83.0%)
分別収集見込量 804千トン → 分別収集見込量 1,004千トン

紙製容器包装
平成20年度:896市町村(49.0%) → 平成24年度:974市町村(53.3%)
分別収集見込量 146千トン → 分別収集見込量 171千トン

詳細 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8869

添付資料

市町村分別収集計画の策定状況について [PDF 122KB]

(別紙1)都道府県別分別収集見込量 [PDF 41KB]

(別紙2)都道府県別分別収集実施市町村数 [PDF 33KB]

分別なきごみ分別

朝日新聞 奈良支局(070428)


シャンプーの空き容器やスーパーのレジ袋など、リサイクルが求められる

「プラスチック容器包装」ごみ。奈良市では「その他プラスチックごみ」と

名付けて分別収集しているが、

これらの引き取りと再商品化をしている「日本容器包装リサイクル協会」

(東京都港区)が今月から同市のごみの受け入れを拒否した。


食品の汚れが落ちていないなどリサイクルに適さない、

と判定されてしまったためだ。

このままだと市は独自にごみをリサイクルしなければならず、

費用が数倍に膨れ上がってしまう。

パッカー車に乗って、同市のごみ分別の現状を見た。 (藤田さつき)


◎奈良市のプラごみ 容器にぬか漬け・ビール缶も


 奈良市の「その他プラスチックごみ」は毎週水曜日に収集される。

3月下旬の朝、

市環境清美センター(同市左京5丁目)を2トンパッカー車42台が出発した。

その中の1台、乾一太郎・環境清美部次長と中尾政一・収集課主幹の車に同乗

市内の約20カ所を回った。


 「その他プラスチックごみ」の対象は、

「プラ」マークが付いたポリ袋やプラスチック容器に限られる。

プラスチック製品でもマークがなければ

「不燃ごみ」や「大型ごみ」で出さなくてはいけない。

市は広報誌などで分別はもちろん、

リサイクルのため汚れを洗って出すよう呼びかけている。

ペットボトルや白い発泡スチロールの食品トレーは別途、

再生資源として回収される。

 

 収集1カ所目は奈良市西部のマンション。

カラスよけのブルーシートを外してごみ袋を手に取ると、思ったより軽い。

「今日はプラごみやから。生ごみは重いで」と乾次長。

ところがずしりと重い袋が。透明の袋ごしに見ると、

中にガラス瓶や古いおもちゃのブロックが詰め込んであった。

中尾主幹は困り顔で「これだもんなあ」。


 近鉄奈良線・菖蒲池駅の線路沿い。

収集場所が狭いエリアに集中しているここでは、400メートルほど続く上り坂を

パッカー車の後ろについて駆けながら、収集場所から収集場所へと移動する。

収集場所へ着くたびに車と一緒に止まって、ごみ袋を放り込む。


 何度も運転台から乗り降りするよりは楽、ということらしい。

パッカー車の後部につかまり立ちして移動する「ステップ乗車」は、

06年1月に作業の安全性の問題から禁止、ステップが全車から撤去された。

「体力的な負担が大きくなった」と乾次長。

そのため今も、後部にしがみついて移動する収集係員がいるという。


 コース終盤になると、パッカー車の荷室もいっぱいに。

とうとうごみ袋がギュギュッときしむような音を発するや

パーンと中身がはじけ出て、

路上にあめの袋や食品の残りかすがついたラップが散乱した。

乾次長と中尾主幹が一つずつ拾い上げる。

「生ごみと比べたら全然ええで。古い天ぷら油が飛び出てくるからな」


 予想以上に分別されていないごみ袋が多く、げんなりしてくる。

ぬか床と漬けものが入ったままの容器、

ビールの缶、中身の残ったペットボトル――。

一方で中年の女性から「大変ね。ご苦労様」と声をかけてもらった時は

うれしかった。


 しかし自分を振り返るとどうだろう。正直言ってこれまで、

何が「その他プラスチックごみ」にあたるか確認するのが面倒で、

まとめて「燃やすごみ」で捨てていたことも多かった。

賞味期限の切れた食べ物が入ったまま、

容器をすすがずに捨てた記憶もある。

「分別は大変だし、リサイクルより焼却処分する方が費用もかからない。

でも大量のプラスチックを燃やすとダイオキシンの発生につながる。

自分たちの住環境を守ろうと思ったら、分別収集を続けんとな」。

乾次長の言葉に反省した。


◎毎週135トン手選別限界


 収集された「その他プラごみ」は、奈良市奈良阪町にある

市エコロジー事業協同組合の作業所へ。

毎週水曜日に運び込まれるごみは約17万袋、計135トン。

次の週までに手作業で分別される。

 

記者が訪れた水曜日は、作業員5人が分別にあたっていた。

ショベルカーで作業所の敷地内にうずたかく積み上げられたごみはまず、

機械で袋を破って中身を出し、ベルトコンベヤーの上に載せる。

作業は手選別で、「その他プラごみ」以外の異物を取り出す。

中身の残ったエンジンオイルの容器、壊れたプリンターなどが

より分けられていた。

その後、磁石を使って鉄くず類が取り除かれる。


 しかし、これだけやっても限界がある。同組合の現場責任者、

上田利一さんは「色のついた容器に中身が入っていると目が届かない。

中身の残った納豆パックの汚れもその度に落としていられない。

きちんと分別するには、住民の協力が不可欠なんです」。


◎異物10%越え「拒否」奈良市負担、数倍に

 

 日本容器包装リサイクル協会は96年、前年の容リ法の公布に基づき、

プラスチック容器包装やガラス瓶、ペットボトルなどのリサイクルを

進めるために設立された財団法人。


自治体が収集した廃棄物を引き取り、

指定の工場で建材などに再商品化する。

 プラスチック容器包装ごみの場合、容器包装を用いた商品を製造したり、

販売したりする業者が「再商品化委託料」を協会に払うことが

同法で義務づけられている。

これでリサイクル費用の大半がまかなわれるため、

協会と契約している自治体は費用の約5%を負担するだけで済む。

 

 07年度は全国988市町村、県内でも大和高田市や橿原市など

9市町村が協会と引き取り契約を結んでいる。
 

 奈良市は00年度から協会と契約。

毎年約3千万円でリサイクルを委託してきたが、

06年度に2度にわたってごみの品質調査で落第点をとり、

今年度の引き取りを拒否されてしまった。


引き取り基準の「プラスチック容器包装以外の異物が10%以内、

汚れなどが付着していないこと」を満たしていなかったためだ。

これまで引き取りを拒否された自治体は全国で9市町村しかない。

 奈良市は07年度のリサイクル費用がこれまでの数倍に増えると

見込んでいる。

担当者は「税金を大切に使うためにも、

住民の協力をお願いしたい」と話している。