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■小さな起業で利益を生み出すための原則
あなたは毎日摂取する栄養で生きています。その栄養が補給され続けないとあなたは死んでしまいますネ。
個人は栄養の補給で生きています。
では、法人はどうでしょうか?法人は何を摂取して存続するのでしょうか?
法人の栄養・・・それは粗利益です。
では、その粗利益はどこから生まれるか?それはお客様のお金と商品を交換した時に生まれます。
ではそのお金と商品交換をするのは誰か?
多くの場合、それは営業担当者ですが、小さな起業の場合にはあなたになります。
あなたが粗利益を作り出すわけですが、経営では交通費や事務所代をはじめとする様々な経費がかかります。
訪問型営業の場合に、仮に粗利益が100万円だとすると、経費と利益の関係はおおよそ次のような内訳になります。
粗利益 100万円
営業経費 -70万円
内部経費 -23万円
経常利益 7万円
(さらにこの7万円から税金の支払いが発生します。)
この内訳をみて分かる通り、実は「営業経費」=「粗利益を作り出す本人に関わる経費」が粗利益の7割を占めています。
つまり、「粗利益を生み出す張本人が一番コストがかかる」ということです。
小さな起業の場合、粗利益を稼がねばならない人、営業を担当すべき人はあなたであることが多いと思いますが、そのあなた自身が使う経費が一番負担になるということです。
具体的にはあなたの給与、移動交通費、償却費、保険料等です。
そのため、あなたの日々の時間の使い方や経費の使い方が粗利益を左右します。
そして、粗利益を作るべきあなたが日々、行う仕事時間はおおよそ次の3つに分類されます。
(1)移動時間
(2)社内業務時間
(3)お客様と面談したりコミュニケーションをする時間
この中で法人の栄養となる粗利益を生む可能性がある時間は「お客様と面談したりコミュニケーションをする時間」だけです。
だから、通信販売を行う人以外は、経営要因の一つである営業地域を明確に定めずにビジネスを始めると、あちらこちらの地域を周りお客様を集めようとしたり、声がかかるとどこでも出かけていきますが、それは結果として移動時間を増やすことになるので粗利益を生むための時間がどんどん少なくなるという結果を招き、その状態のままでは結局、法人の栄養素なる粗利益の補給力が弱くなり、最悪の場合には倒産してしまいます。
もし、あなたが日々費やす時間の中で移動時間が長くなれば、物理的にお客様と会う時間が減ります。
すると構造的に粗利益が生まれにくくなります。
あなたが社内で企画、制作、製作、製造に要する時間がかかるビジネスを行うほど、物理的にお客様と会う時間が減ります。
すると構造的に粗利益が生まれにくくなります。
小さな起業では移動時間や社内業務時間が少なく、お客様とのコミュニケーション時間が長くなるビジネスを検討しましょう。
■小さな起業では何に力をいれるべきか?
小さな起業家には無駄なことをする時間もお金も無いのが普通です。
そのため経営要因の特にどこに力を注ぐべきかが分かれば、思考や行動の優先順位、注力対象が分かります。
ランチェスター経営戦略の第一人者である竹田陽一先生によると経営を構成する要因のウェイト付けは次のようになっています。
(1)営業関連(地域、客層、営業、顧客維持) 53%
(2)商品、サービス 27%
(3)組織 13%
(4)資金 7%
このウェイト付けを見ると組織や資金のことをあれこれ思案するよりも、営業と商品にに力を入れた方が良いことが分かります。
つまり、営業活動が下手で商品に競争力がなければどんなに優秀なスタッフを集めても、資金を集めても無駄である、ということです。
反対にスタッフが並レベルであって、資金が少なくても、営業と商品が良ければ経営は上手く行くということ。
さらに営業と商品の比率を比べると営業関連に特に力を入れるべきであることが分かります。
俗にいう「商品3分に、売り7分」というのは正しいのです。
しかし、起業相談を受けると大半の人が扱おうとしている商品がどれほど良いのかについては多くを語る人が多いのですが、
「どの地域であなたはシェアナンバーワンになるのですか?」
「客層はどんな人を対象にしていますか?」
「毎月毎月、どうやって見込み客を集めるのですか?」
「リピートしてもらう仕組みはどう考えていますか?」
と質問をしてもちゃんと答えることが出来る人はほとんどいません。
小さな起業を考える人の多くは「商品やサービス」ありき、なのです。
しかし、経営を構成する要因の中で半分以上の重みをもつのは営業関連(地域、客層、営業、顧客維持)です。
多くの人が「商品やサービス」の質が良ければ売れる、と考えていますが、「良い商品と一生懸命幻想に陥るべからず」でも述べたように、今の日本でまっとうに商売をしている人の中で「粗悪な商品」を販売している会社やお店は存在しません。
良い商品を扱っているだけでビジネスが軌道に乗るのなら、世界一のクオリティを誇る日本の家電製品を扱っている町中の電気屋はつぶれないはずなのです。
世界一美味しいお米を扱っている米屋はつぶれないはずなのです。
世界一性能の良い自動車を販売しているディーラーはつぶれないはずなのです。
世界でも有数のクオリティを誇る伝統工芸品を扱うお店もつぶれないはずなのです。
世界でもトップクラスの技を持っている町工場はつぶれないはずなのです。
小さな起業を考えるあなたは持っている能力、知識、経験、人脈、情報、金、時間といった経営資源の半分以上は「営業関連(地域、客層、営業、顧客維持)」に注ぐことが大切です。
そして残りの3割を「商品、サービス」に注ぎます。
組織や資金に頭と知恵と身体を使うことは、当面の間は不要です。
自分はまず、どこの地域で戦うのか?どの客層を狙うのか?どのような営業の仕組みをつくるのか?どのようなリピートの仕組みを作るのか?を真剣に考えましょう。
