■小さな起業を構成する経営要素 顧客維持

経営をスタートしたばかりの小さな起業家はお客様の数が少ないので、そのお客様を失わないようにするための工夫と努力にも熱心に取り組む必要があります。

 

その基本は忘れられないことです。

人間は20分経つと42%のことを忘れます。1日後には67%を忘れます。1か月後には80%近くを忘れます。

 

そのためどんなにあなたの商品やサービスが気に入ってもお客様を数か月放っておくと、あなたは忘れられます。


すると2度目、3度目のリピートの注文を頂ける確率が下がります。

ビジネスでは市場シェアも大事ですが、小さな起業家にとっては脳内シェアも大切です。

 

つまりお客様の頭の中でどれだけあなたのことを覚えておいてもらえるか、ということ。

何かあった時、お客様がある商品やサービスのことを気に留めた時に、一番にあなたのことを思い出してもらえるかどうかがリピート依頼の肝になります。

 

売上の5割~6割をリピート依頼で締めるようになると小さな起業の経営も安定軌道に入ってきます。

そのためあなたやあなたの商品、会社のことを覚えておいてもらえるような仕組みが必要です。具体的には下記のような行動です。

・定期訪問
・定期電話
・マメな礼状
・年賀状や暑中見舞い
・誕生日や記念日のお祝い
・ニュースレターや情報誌の定期発送
・メール送信
・SNSでのメッセージやコメントのやり取り


私自身も年間に2000枚ほど礼状を書き、10年以上定期的にニュースレターを発行して、日々SNSでのやり取りをまめに続けています。
 

営業活動の中で最も難易度の低いのがリピート購入です。

 

しかし、お客様があなたのことを忘れるとリピートは発生しません。覚えておいてもらえる仕組みを作りましょう。
 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫

■小さな起業を構成する経営要素 営業 

営業と一口に言っても大きく分けると次の4つに分類されます。


(1)見込み客発掘    9
(2)契約締結        3
(3)リピート購入        1
(4)紹介獲得        3


営業というと(2)契約締結をイメージする人が多くなります。しかし、実際にはその前に(1)見込み客発掘というステップが必要です。この(1)が無い場合には誰彼と見境いなく営業活動を行うことになり、無駄な活動が多くなります。

また、上記の(1)~(4)の右の数値は技術としての難易度を表しています。


営業活動のうちリピート購入して頂くためのスキル、技術レベルを1とすると、契約締結技術、紹介獲得技術は3倍難しくなります。


そして最も難易度の高いものが見込み客発掘になります。

そのため、人手の少ない小さな起業家はどのように見込み客を特定するのか、発掘するのかについて真剣に考えなくてはなりません。

一般的には営業マンは見込み客に対して「熱心に売り込みをする」ことが良いとされます。

 

しかし、このような営業方法は、営業マンのセールス能力が高く、精神的にタフで、押しの強い人が揃っている会社やお店でのみ成功する手法です。

また、商品や会社自体の知名度が高い方が有利になります。

 

何故なら、世の中の消費者は「聞いたこともない商品やサービス」を「無名の会社」から「すぐに買う」ほど、お人好しではないからです。

そのため、営業能力が並で、商品やサービス、会社自体が無名の小さな起業家ではなかなか成功しません。

 

小さな起業家はこのように1回で相手に商品やサービスを売り込むのではなく、「2ステップ販売」と呼ばれる販売方法を構築することが大切になります。

具体的に説明しましょう。あなたも化粧品メーカーとして有名な再春館製薬所の広告をご覧になったことがあると思います。

 

再春館製薬所は広告ではセールスをしません。「買ってください」というセールスの前に「ご希望の方はお試しセットをお届けします」という段階を経ています。

なぜ、セールスの前に、わざわざ無料サンプルを届けるという段階を経るのでしょうか?

 

それは「ご希望の方はお試しセットをお届けします」という広告に反応して、お試しセットを希望する人というのは、少なからず肌の状態に問題があり、少なからずその商品にも興味がある人である可能性がとても高くなるからです。

つまり、再春館製薬所にとってこのような人たちは自社の商品に関心の高い人たち=見込み客、になるわけです。

 

つまり、この広告活動は上述の「(1)見込み客発掘」という段階である、ということです。

確率的に肌の状態に問題があり、商品にも興味がある人が応募してくるので、(2)の契約締結がスムーズになるのです。

このように「媒体では見込み客を集めることを目的」にして、その後、「契約を締結する」という販売方法を「2ステップ販売」と言います。

 

この方法が経営資源の少ない、知名度が低い小さな起業家にとって定石の営業方法になります。
 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫

■小さな起業を構成する経営要素 業界と客層

客層とは誰をお客様にするのか、ということ。

 

小さな起業の基本は客層を絞ることです。また対象は法人の場合と個人の場合があります。

 

それぞれについて注意点を説明します。

1.法人を対象とする場合
小さな起業の場合、商品に特別な魅力や付加価値があり、あなたの営業能力が高い場合以外には市場規模が小さい、売上規模が小さい会社を選ぶのが基本です。

市場規模が大きく、売上規模が大きな会社と取引をすると自社の売上も多くなると思う人が多いのですが、このような法人にはすでに商品力が高く、技術力があり、営業能力の高い大きな会社が何社も取引を行っています。

そのため後発でしかも小さな規模の起業家は競争に巻き込まれてしまい、値下げ要求も厳しいので利益も少なくなります。

市場規模が小さく、売上規模が小さいがために大手企業や強い競争相手が本腰を入れていない業界や企業があります。そこに注力するのが基本になります。


2.個人を対象とする場合
一番やってはいけないのは老若男女すべてを対象にすることです。男性と女性では趣味嗜好や購買の基準も異なるので小さな起業の場合にはどちらかに集中すべきです。

もし、あなたが一人で起業するのであればお客様の対象性別は同性。対象とする年齢の上はあなたの年齢プラス15歳、下はマイナス5歳の幅とするのが基本です。


その中で自分が競合に勝てる客層を相手にすることになります。

また、個人客を対象とする場合には、明確な顧客像をイメージするために下記のようなペルソナシートを作成することをお勧めします。

 


 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫