■小さな起業を構成する経営要素 地域編
 

小さな起業を行う場合には少ない経営資源でも勝てる自分に有利な地域、狭い地域を見つけることが重要です。

(通信販売やインターネット通販専業の場合は除く)

 

具体的には下記のような地域でビジネスを行います。

1.地方の場合
海や山、川で分断されている狭い地域を主な営業範囲とします。たとえば離島や半島、港町、盆地、山すそ、川べりといった閉ざされた地域になります。

2.都市部の場合
山や川、道路や鉄道で分断された地域を区分けしてその中の1か所を主な営業範囲とします。

3.強い競争相手がいない地域
後日、ランチェスター弱者の戦略の法則を説明しますが、もしあなたと競争相手の商品(サービス)の質がそれほど変わらなければ、攻撃力は兵力数に比例します。つまり、営業マンの数や店舗数が多い方が勝つのです。

そのため小さな起業家は競合が力を入れていない地域、真剣に取り組んでいない地域に的を絞るのが原則になります。

広い地域で営業活動を行った方が売上が上がるように考える人が多いのですが、広い範囲に営業をすると車両費、交通費等の営業経費が増えてかえって利益性を下げます。

さらに問題なのは移動時間が多くなることです。


営業担当者が仕事に費やす時間は下記の3つになります。


(1)移動時間 

(2)社内業務時間

(3)お客様との面談・コミュニケーション時間

このうち利益を生むのは(3)だけです。広い範囲を移動して営業活動を行うと熱心で積極的に仕事を行っているように見えるのですが、実はその大半は移動時間になり生産性が上がらないのです。

移動時間、移動距離が長くなって貯まるのは疲労感だけです。人間は疲れると一生懸命に働いたと感じますが利益性の向上にはつながりません。

反対に特定の地域に集中して営業活動を行うと移動時間が短くなり、急な呼び出しへの対応、納品、アフターフォローも楽になります。

また、飲食店や小売店のようにこちらから営業活動を行うのでなく、客待ち型のビジネスの場合にも前述の1.2.3.が基本となります。
さらに次のような場所には店を構えないようにします。

a.橋のたもとや川の横、鉄道や高速道路わき
このような場所は商圏の端に位置する場所となり、お客からは見つけにくい、生きにくい場所になります。

b.学校や工場のわき
大きな建物のわりに一日の中での来店時間が限られたり、季節的な変動がある(学校の長期休み等)ので立地としてはよくありません。また最近はこのような土地にはコンビニが出店することもあり、特徴のない小売店や飲食店の場合、客を奪われる可能性があります。

c.カーブしている道路沿い
運転者から店舗が見えづらいうえに車で入りずらい、さらに車で出ずらくなります。特に女性客を想定している場合には車の出入りの難しさはデメリットです。

d.建物の2階や地下
1階にある店舗と比べて来店者が1/2~1/4程度になります。よほど特色のある商品を扱うお店でない限り集客力が落ちます。

もし、あなたが小売店や飲食店を経営しようと考えている場合には、普段からこういったことを意識して、立地場所を観察、研究、調査する必要があります。

経営資源の小さな起業家は勝ちやすい地域、強いライバルがいない地域、狭い地域に的を絞りましょう。
 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫

■小さな起業を構成する経営要素 商品編

小さな起業でビジネスを成功に導くには重点商品をはっきりと決めることが必要です。重点商品を決める時の10のポイントを挙げます。

1.あなたの性格と合っていること
自分の性格と合わない商品を扱うと真剣さがなくなり、ストレスの原因となります。好きこそものの上手なれ。あなたの性格と合う、あなたの生き方に適した商品やサービスを扱いましょう。

2.あなたの過去の経験と関連があること
隣の芝生が青く見えるのは人間の性。起業に際してこれまでに経験のない業界に手を出す人がいますが、あなたより先行して、その業界で人生を掛けて何十年にもわたって仕事をしている人が既に大勢います。あなたのこれまでの経験を活かせる商品やサービスを扱いましょう。

ただし、これまでにない商品やサービスをあなたが見つけ出した場合、お客様への説明や販売には苦労しますが、下記述べる強い競争相手がいないので努力がそれなりに報われることはあります。

3.強い競争相手がいないこと
※※ページで説明するように経営資源の少ない弱者企業は強い競争相手と戦うと負けるのは目に見えています。強いライバル企業と競争せざるを得ないような商品、サービスは手掛けるべきではありません。

反対に競争相手は多いけれどこも真剣にビジネスを行っておらず、勉強もせず、顧客対応のレベルも低いような商品、サービスは勝ち目があります。

4.用途を明確にした商品やサービス
専用商品、特殊用途の商品、あるいは市場規模が小さな商品は小規模起業向きです。その理由は見込み客の特定が容易になるからです。

5.すでに強い商品
すでにお客様からの引き合いがあり、自社に強い商品がある場合には。その商品により力を入れます。弱い商品や競合に負けている商品は切り捨てます。

6.シンデレラ商品
すでに商売を行っている場合には特に広告もしていないし、営業もしていないのに、お客様から引き合いがある、人気がある、売れるといった商品やサービスがあるかもしれません。このような商品をピーター・ドラッガーはシンデレラ商品と呼んでいますが、こういった商品も小起業向きです。

7.大量生産がしにくい商品
大量生産品を扱うのは強者の戦略になります。小さな起業家は手作り品や少量生産品を扱うのが原則となります。

8.保存が難しい商品
生鮮品や取り扱いが面倒な商品は人の力による作業が必要になりますが、大手企業はこういった商品の取り扱いには参入したがりません。
そのため経営資源の小さな起業家にも勝機があります。

9.世の中に必要であるが他の人があまり扱わない商品
ツライ、キツイ、泥臭い、長時間労働だけれども世の中には必要とされているものがあります。そういった商品やサービスにはいわゆる高学歴の人が手を出したがりません。そのような商品やサービスはこれから小規模に起業しようとする人にとっては勝ちやすい商品と言えます。

10.あなたの資金力で対応できる商品
どんなにほれ込んだ商品やサービスであっても製造に大きな費用が必要になる、提供に大掛かりなシステムや工程が必要になるものは避けます。あなたが対応できる資金量を超える商品やサービスに手を出してはいけません。

小さな起業で取り扱う商品やサービスを決める際には10項目のそれぞれを確認しましょう。
 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫

■経営の8大要因

私が起業した頃の最大の悩みは下記のことでした。


「何とかしなければならないが、何を、どうすればいいのか分からない」

そのため、日々、目の前にあることを処理することで時間は過ぎて行きました。


あなたに質問します。
「経営って何からできているのですか?」
「商売って何と何で構成されているのですか?」

おそらくあなたの周りにいる起業家、経営者でも明確に答えることできる人はほとんどいないはずです。

もし、パソコンに不具合が生じた場合、パソコンの構造を理解している人ならCPU、マザーボード、メモリ、電源ユニット、ハードディスク、SSD、ビデオカード、OS、アプリケーション・・・を調べて修理します。パソコンを構成するパーツが分かっていれば、どこを修理すればよいのかが分かります。

自動車も同じです。不具合があれば車を構成しているパーツをチェックすることになります。

経営も同じです。

 

売り上げが上がらない、利益がでないといった不具合が生じた時に修理をするためには経営や商売というのはどういうパーツで構成されているのかが分からないと修理のしようがないわけです。

そして、起業家や経営者も経営を構成するパーツが分かっていない人が多いので
「不具合を何とかしなければならないが、何を、どうすればいいのか分からない」
という事態に陥る人が実際にかなり存在するのです。

経営を構成する要因、これを明快に解き明かしたのが日本のランチェスター経営戦略の第一人者である竹田陽一先生です。

 

竹田先生は経営や商売というつかみどころのない存在は以下の8つのパーツで構成されているということを究明したのです。

1.商品
2.地域
3.業界と客層
4.営業
5.顧客維持
6.組織
7.資金
8.時間


個人事業、中小企業、大企業、そして業界に関わらずすべからく経営に関わる人は、経営はこれらの8つの要因から構成されているのだ、ということを覚えてください。

もし、不具合が生じたらこれらのどこに原因があるのかを突き止めて、改善、修理を行うことになります。

この8大要因のうち特に重要な5項目について後日投稿して説明しますのでお見逃しなく。
 

 

累計講演回数1000回超!ビジネス心理学講師・酒井とし夫