【 連続時空小説 第2部 】 サマーディ、いまを生きる。 最終話 | まなブログ

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脈の変化でカラダの声を聴く『脈ナビ』による施術、セミナーをご案内しています。
大阪府堺市で鍼灸院を開業しています。
日々の気づきをつづります。

嫌うほどに。

 

 

 

じゃあ、えっちゃん、お願いします。

お疲れのところ、ありがとうございます。

 

札駅前のホテルまで。

えっちゃんと夜のドライブ。

 

 

えー、ホテルはと。

「創成川通り」か。

 

 

えっちゃん、創成川、わかります?

 

 

「もちろん、札幌市民ですから。」

 

 

さすがに札駅前なら、大丈夫だろ。

 

 

「いちおう、ナビも登録しておきますね。」

 

 

はい、これで安心。

 

 

まずは、えっちゃん。

サザンにサマーディ。

熱く語る。

 

 

「新しいアルバムの構成がサイコーでね。」

 

 

はあ。

ほお。

そうですか。

 

 

エコモードで拝聴。

 

 

「あっ、そうそう、報告しておかなきゃ。」

 

 

何なに?

 

 

「ほら、職場に許せない子がいるって。」

 

 

ああ、覚えてますよ。

前回の時空小説第2話で登場した彼女ですね?

 

 

「あの子、異動になるんです。」

 

 

あら、そうなんだ。

えっちゃんは、どうなの?

ホッとしてるの?

 

 

「それが何とも・・・。」

 

 

と言うと?

 

 

「私にだけ、露骨に態度が違うんですよね。」

「ほんとにぶっきらぼうで。」

「単語でしか返答しないんです。」

 

 

もともと、口数が少ないとか?

 

 

「いえ、他の人には、機嫌よく、楽しそうに話してるんです。」

「ホントに私だけなんです。」

 

 

あら、それは気にしちゃいますね。

 

 

「何度もマネージャーに相談したんだけど。」

 

 

マネージャーも、指導できないでしょうね。

その子だけ、一方的に。

 

 

「そうなの。難しいのは、わかってるの。」

 

 

で、悶々とされてたのね。

 

 

「もう私がやめちゃおうかって。」

 

 

そこまで?

 

 

「そしたら、彼女が異動だって。」

 

 

ほっとするかと、思いきや。

 

 

「なんか消化不良で。」

 

 

わかります。

 

 

「彼女がいなくなってもね。」

「相手が代わるだけで。」

「また同じコト、繰り返しそうで。」

 

 

さすがえっちゃん。

そこまで観じられてるとは。

 

 

「どうせなら、スッキリしてから。」

 

 

お見送りしたかったよね。

 

 

「そうなんです。」

 

 

じゃあ、いつもの質問。

 

露骨に態度を変える彼女に。

えっちゃん、ひと言、言ってやるとしたら?

 

 

「仕事なんだから、我慢しなさいよ。」

 

 

ほー、そうきましたか。

 

 

「好き嫌いは、誰だってあります。」

「けど、仕事なんだから。」

「こらえるところは、こらえないと。」

 

 

うんうん。

一理ありますね。

ってことは、えっちゃんも?

 

 

「いちおう、こらえるところは、こらえてますよ。」

 

 

ホントに?

 

 

「・・・そのつもりです。」

 

 

あら、ちょっとトーンダウン。

 

うーん、彼女もこらえてるんじゃないかな。

「彼女なり」にね。

 

最低限の単語で返答しているでしょ。

いちおう、仕事だから。

無視はしてないわけですよ。

 

彼女に言わせれば、

 

 

「口もききたくないけど、仕事だから。」

 

 

我慢してやってると。

 

 

「なるほど・・・そんな観方もできるのかあ~。」

 

 

えっちゃんが納得できればの話だけど。

 

 

「・・・あっ。」

 

 

何なに?

 

 

「私、若い頃ね。」

 

 

若い頃?

 

 

「敵が多かったんです。」

 

 

あら。

また、ハッキリと。

 

 

「当時は、『私には敵が多いな』ぐらいにしか。」

 

 

相手が勝手に敵対していると?

 

 

「そうそう、相手のせいだと。」

 

 

けど、いま振り返れば?

 

 

「私も露骨に顔に出てたんじゃないかって。」

 

 

出てたでしょうね。

 

なんせ

 

 

「ダダ漏れのえっちゃん」

 

 

ですから。

 

いまでも、漏れてるんだから。

若い頃なら、なおさら。

 

 

「火」気旺盛なえっちゃん。

「ぱあーっ」と、あきらかに。

何でも白日の下にさらす。

 

正誤もハッキリ。

好き嫌いもハッキリ。

勝ち負けもハッキリ。

 

 

「火」気旺盛なアラブ諸国。

 

「目には目を、歯には歯を」

 

やられたら、やりかえす。

どちらかが、灰になるまで。

徹底的に。

 

「火」気過剰は、苛烈に。

簡単には許せない。

いまもイスラエルとパレスチナで。

 

 

「ああ、あの子も同じなんですね。」

「若い頃の私と。」

 

 

相手に自分を観る。

 

そう観じられるのなら。

それがえっちゃんにとっての真実。

 

 

・・・先取りしてたのかもね。

 

 

「えっ?」

 

 

えっちゃんが、いま、気づくという前提で。

先に彼女の異動が決まったのかも。

時間軸の順番とは、逆に。

 

 

「なんか不思議。」

 

 

ピピッと、そう観じちゃいました。

そんなことも、あるかもね。

 

 

ってことで、えっちゃん。

彼女が異動するまで。

「昔の自分」と向き合ってみては?

 

 

「はあ・・・やってみます。」

 

 

ムリに変えなくていいですよ。

「なる」にゆだねてください。

 

自ずと変わりますよ。

気づいちゃったから。

 

また、後日レポくださいね。

 

 

「はい、わかりました。」

 

 

・・・って、えっちゃん。

そろそろ札駅じゃない?

 

 

「あっ、あー。」

 

 

ほら、ナビ見て。

 

・・・って、えっちゃん。

 

 

なぜ、スマホ見てるの?

 

 

「だって、ナビ見にくいんだもの。」

 

 

もしかして、グーグルマップ?

 

 

「そう、グーグルマップ。」

 

 

危ないから。

チラチラ見ながらって。

 

っていうか、間に合わないでしょ。

 

 

・・・ほら、ここ。

 

 

あー、通り過ぎた。

 

 

「ごめんなさい。ぐるっと回りますね。」

 

 

ああ、大丈夫。

ゆっくりと。

 

っていうか、えっちゃん。

ナビ見なくても大丈夫なのでは?

創成川、知ってるって。

 

 

「創成川って、名前は知ってるんですが。」

 

 

ですが?

 

 

「場所となると、自信が。」

 

 

それ、いま、言う?

 

えっちゃん、言ってたよね。

札幌生まれの札幌育ちだからって。

 

 

「実は、わが家。」

 

 

わが家?

 

 

「道一本はさんで、江別市なんです。」

 

 

ギリギリ札幌市だと?

厚別の残雪、自慢してる場合じゃないよね。

 

 

・・・って、このセブンイレブン。

見るの、3回目。

 

円広志もびっくりの「回って回って回って回る」。

 

 

「ホテル、どこ行ったのかしら。」

 

 

ホテルは、どこも行きません。

 

 

・・・あっ、信号待ち。

 

えっちゃん、ここで。

あとは、歩きますから。

 

 

「えーん、ホントにごめんなさい。」

 

 

大丈夫、大丈夫。

近くまで来てるはずですから。

 

じゃあ、帰り、気をつけてね。

えっちゃん、ありがと~。

 

 

最後まで、楽しませてくれるね。

さすがえっちゃん。

 

 

まあ、とにかく。

後から、ぽろぽろ出てきそうだけど。

 

連続時空小説第2部。

「サマーディ、いまを生きる。」

 

第7話にて、ひとまず閉幕。

お付き合い、ありがとうございます。

 

 

いつの日か、第3部。

乞う、ご期待。

 

 

 

今日は、これまで。

また、明日。

 

 

 

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