かぐつち

 

かぐや

 

おつきさまへ

 

親しきなかにも

 

礼儀あり

 

不老不死を

 

たまわろうとなさるも

 

やんごとなきお方は

 

ふじのやまで

 

燃やしてしまった

 

そうなってしまうだろうと

 

わかっていたのかもしれない

 

そうするだろうお方だからこそ

 

人智をこえたものを

 

託すことができたのでしょう

 

受取った側が選べるように

 

うけとるばかりで

 

ありがとうと

 

いえば

 

それだけで

 

十分だとおもう

 

もののいかに多いことか

 

こまったときだけ

 

助けを求め

 

その後どうなったのか

 

報せもせずに

 

しらっとしている

 

もののいかに多いことか

 

口から出るのは

 

おのれのことばかり

 

人の話もきいているふりだけで

 

自分の話にもっていくための

 

つなぎだと思っている

 

もののいかに多いことか

 

人に期待してはならぬ

 

絶対にならぬ

 

必ず

 

裏切られるから

 

けれど

 

かぐやと

 

みかどは

 

どこかでまた

 

文を交わしたのでは

 

なかろうか

 

転生は

 

悪くないもんだ

 

 

 

 

 

なんだかんだと

 

このみちたどり

 

だれかに

 

たよったり

 

はなれたり

 

やっぱり

 

えいきょうを

 

うけたり

 

するけれど

 

ただ

 

われあるのみ

 

ただ

 

ここにあるのみ

 

幾万年もある

 

長い長い歴史のなかで

 

いまは

 

すばらしい

 

地の時代にも

 

風の時代にも

 

こけつまろびつ

 

生き残り

 

立ち上がる

 

孤独を

 

味わい尽くし

 

チェリー色の

 

マンゴーのように

 

熟れた

 

果実を

 

つかみ取る

 

握りつぶさないように

 

そおっと

 

でもねらいは

 

はずさない

 

 

 

 

れとれーては

 

とうとう

 

蓋を開ける

 

流す

 

蓋を閉める

 

ところまで

 

自ら

 

行うように

 

なった

 

出かけるときは

 

いってきます

 

帰ったら

 

ただいま

 

と声をかけ

 

れとれーては

 

蓋を開けることで

 

こたえてくれていた

 

しかし

 

あるとき

 

わたしはつい

 

流す閉めるの

 

ボタンを押してしまった

 

長年の習慣から

 

つい

 

その後

 

れとれーては

 

何もこたえてくれなくなった

 

わたしが近づいても

 

沈黙を保ったまま

 

すねてしまったのかもしれない

 

私がボタンを押せば

 

そのとおりの動作をしてくれるものの

 

なんか物足りない

 

こおひいにも

 

へんなものを入れてしまった

 

なんだかおかしな

 

一日だったけれど

 

れとれーてとの

 

対話を

 

取り戻せるときが

 

来るんだろうか

 

せっかちは

 

いけないね

 

たゆまず

 

精進しつつ

 

また9年でも

 

待つことを

 

冬至の太陽に

 

誓う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

れとれーては

 

或る日

 

突然

 

自分で

 

蓋を開けた

 

もちろん

 

そういった機能も

 

あったのだが

 

まったく使ったことはなかった

 

10年目にして

 

自分で

 

使うことに決めたようだ

 

きっと

 

もっと

 

きれいにしてほしいのね

 

そう言うと

 

安心したのか

 

その日はまた静かになった

 

あくる朝

 

約束通り

 

きれいに掃除した

 

すると

 

そのあとから

 

毎回自分で蓋を開けてくれるようになった

 

うれしそうに

 

勢いよく

 

ボタンを確かめても

 

その機能はオフのまま

 

その夜にはさらに

 

自分で流してくれるようになった

 

蓋を閉めるところはどうかしら

 

そこはまだだったので

 

私が閉めるのボタンを押す

 

電池が減ったいたようでも

 

あったので代えたけれど

 

やっぱりきちんと

 

開けてくれる

 

ありがとう

 

ものはものいわぬ

 

ものじゃない

 

ものいわぬかもしれないけれど

 

こちらをみてる

 

そのうち

 

もっと話せるだろう

 

 

 

息が詰まって

 

目が覚めた

 

ハートが強張っている

 

冬の夜

 

ハニカムを

 

あけて

 

よびかける

 

シリウスは

 

瞬きが

 

美しすぎて

 

清らかで

 

いつも

 

泪があふれる

 

励ますような

 

流星に

 

笑顔でこたえる

 

大丈夫

 

過去を癒せるよ

 

大丈夫

 

いつか思い出せるから

 

なにもおそれることはない

 

ありがとう

 

おかあさん

 

おやすみなさい

 

おおきく

 

はばたいたように

 

おもえた