断崖絶壁の

 

上を渡る

 

縦横斜めが

 

交錯していて

 

感覚がおかしくなりそうだ

 

普通に

 

迷い込んだら

 

遭難しそうで

 

それでいて

 

家もあり

 

街も遠くない

 

不思議な場所だ

 

わたしたちは

 

この

 

崖で

 

守られている

 

何百年間も

 

大切に

 

管理されてきた森が

 

わたしたちを守っている

 

鳥たちも

 

守られている

 

 

 

強風の

 

ただ中に

 

立つ

 

ただひとりで

 

この風が

 

いろんなノイズも

 

自分が放つ雑念も

 

飛ばして

 

くれる

 

野蒜の皮を

 

剥いていくように

 

一枚

 

一枚

 

自分の

 

不要な

 

皮を脱いで

 

わたしの中に

 

降りていく

 

わたしはどこにいる

 

わたしはどこへ行く

 

何をして

 

何を糧にするのか

 

わたしと

 

わたしだけの

 

約束

 

わたしはちゃんと

 

果たせているのかな

 

わたしは

 

この道で

 

いいのかな

 

誰かに

 

合っているよ

 

と言ってもらわないと

 

心配なのは

 

甘ったれて

 

いるってこと

 

わたしのことを

 

だれかに

 

委ねることはできない

 

ことなんて

 

知っているくせに

 

 

 

わたしは

 

もっと

 

みえる

 

メガネがほしい

 

近いものから

 

遠くのものまで

 

世界の果てまでも

 

見渡せる

 

そんな

 

メガネを

 

つくりにいこう

 

そして

 

メガネ越しに

 

たくさんのものを

 

みたい

 

知りたい

 

学びたい

 

そして

 

新たな何かを

 

うみだしたい

 

 

 

 

 

 

いまの

 

当たり前は

 

いつだって

 

当たり前じゃない

 

聖徳太子のころは

 

みんなロン毛

 

それをうまく

 

素敵に束ねている

 

武士はお化粧をしていたし

 

やっぱり

 

ロン毛だった

 

かつての

 

ロン毛は

 

きっとずっと

 

はるかに

 

手入れが

 

大変

 

だって

 

ドライヤーがない

 

たった

 

それだけで

 

冬の

 

お風呂上がりは

 

修羅場になる

 

ほぼ

 

外と同じ室温の家は

 

いまもあるけれど

 

そのころは

 

お風呂自体が

 

普通にきっと外

 

身も

 

髪も

 

凍る

 

そんな中

 

ロン毛を維持していたのは

 

美容院がそこら辺になかった

 

だけが理由じゃないだろう

 

過去の

 

時代時代の

 

ロン毛には

 

きっと

 

生きていくための

 

運を切らさないような

 

何か

 

深い

 

理由が

 

あったのだろう

 

髪が伸びるっていうこと自体が

 

生きているっていうことで

 

それを

 

切ってしまったら

 

命を削ってしまうような

 

氣がしたのかもしれない

 

それ以外にも

 

何かあるのかも

 

 

森の中に

 

おいしそうな

 

香りが漂ってきて

 

それは

 

突然

 

あらわれた

 

軽く

 

70年くらい

 

そこに

 

あったような

 

昭和な

 

おうちは

 

まるで

 

お菓子の家のように

 

森をさまよう者を

 

誘う

 

その家の前には

 

昭和の値段の

 

看板がたつ

 

もしかしたら

 

このおうちが

 

うまれたころの

 

ケーキセットのお値段かしら

 

きっと

 

冗談か

 

そうでなければ

 

まじょが

 

住んでいるのかも

 

しれない

 

だって

 

このあたりの

 

ケーキセットの

 

お値段は

 

軽く5倍はするもの

 

おそるおそるのぞいてみると

 

まじょではないみたい

 

わたしたちを

 

食べようとはしていない

 

むしろ

 

おいしいお茶と

 

甘さが控えめで

 

おいしいお菓子を

 

甘さ以上に

 

控えめな

 

お値段で

 

ごちそうしてくださる

 

ありがとう

 

そんな不思議な

 

不思議な

 

タイムトリップ

 

お稲荷さんの

 

きつねに

 

つままれたような

 

氣もちに

 

なりながら

 

過去から

 

帰ってきましたとさ