Ψ(さい)のつづり -42ページ目
もしもわたしが
まな板だったら
毎日毎日
大活躍
でも包丁で
ザクザク
トントンされて
ごしごし洗われ
痛いかも
もしもわたしが
雪だったら
空からはらはら
ひらひら優雅に
舞いながら
なんてんの葉っぱに
そっと降りましょう
それとも
クリスマスローズの
お花がいいかしら
そして
そこで一晩休みます
でも
次の日
おひさまが昇るころ
とけて
葉っぱかお花から
こぼれ落ちるかも
もしもわたしが
パンダだったら
とってもめずらしくて
世界中の
人気者
でも
一挙手一投足を
写真に撮られ
きゃあきゃあ言われて
落ち着かない
生まれた時から
この模様なだけなのに
かわいいって
大変ね
やっぱり
わたしは
わたしがいい
自分で
自分のありかたを決められて
好きなだけ
自分に
向き合える
そして
騒がれることもない
世界が期待するわたしではなく
わたしが目指す
飾らないわたしで
宇宙とも
好きなだけ
向き合える
そんな
豊かな時間を
わたしは持っているから

火の馬が走る
火の粉が
きらきらと舞う
ジャンヌダルクのように
不可能を可能に
ひっくり返す
パッションをもって
その
馬を乗りこなす
それだけではなく
流鏑馬のように
そこから矢を
放つ
しっかりと
的を外さない
動体視力も
鍛える
為せよ
成せよ
風がいう

黒鍵と白鍵が
奏でる
音は
天への祈り
ありとあらゆる
生き物たちへの
なぐさめ
三次元の
からだがあればこそ
黒鍵や白鍵に
触ることができ
繊細な力加減で
できうる限り
美しく奏でようと
試みる
こころのままに
弾くことができたら
どんなにいいだろう
それができないもどかしさよりも
ピアノを触ることができるのが
どんなに素晴らしいことなのか
太陽が
教えてくれた
光が躍り
音が跳ね
さあさあ
もっと弾いてごらん
つたない演奏でも
ほら
もっともっと
弾いていいんだよ
楽器の音は
世界にいる
目に見えない
生きとし生けるものたちの
ごちそうであり
なぐさめ
祈りを捧げることは
失礼なことにはならない
たとえ
まだまだでも
人間自体が
まだまだ
なのだから
それでも
向上しようと
歩むことを
やめなければ
愛に包まれて
世界と向き合う
あなたに
なれるのだから

大晦日には
いつもなら
人々が寝静まる
夜中に
駆けていこう
お寺の
鐘をつくから
凍えるほどの寒さで
足の感覚も手の感覚もなくなるけれど
火がぱちぱちと煙をあげて
応援してくれる
きっと
来年はもっともっと
いい年になるし
してみせる
それでいて
大きな流れには身をゆだねる
それは
長いものに巻かれるのとは違う
敬意があるからこそできるアクション
除夜の鐘が
わたしの煩悩を
ひとつひとつ
浄化してくれる
わたしを大切にすることと
世界を大切にすることは
ふつうに
両立することだから
自分
一人だけで
頑張りすぎなくていい

いつか
のんびり
安穏と
生きられる日がくると
誰かが
言ったのだろうか
いいえ
誰も言っていない
わたしが
勝手に
そんな幻想を抱いていただけ
そんなときは
永遠に来ないし
そんなときが
本当に来たら
きっと
一日で
飽きてしまう
天から与えられた
使命を
果たしつつ
新しいことにも
アンテナを張る
そうやって
生き生きと
日々を過ごすことが
歓びであり
幸せなのだから
ぬるま湯につかって
ふにゃふにゃに
ふやけるだけでは
芯まで温まらない
それなら
熱いお湯と
冷や水を
交互に浴びて
しゃきっと
目を醒まそう


