Ψ(さい)のつづり~しあわせを引き寄せる「し」~ -40ページ目
古民家といえば
聞こえはいい
昭和
平成
令和と
またがって
生き延びてきた家は
どこを
どう直すというよりも
すでに
生き字引のようで
若輩者の出る幕ではございませぬ
と降参せざるを得ない
寒さ
暑さが
直球で攻め
平衡感覚も
若干試されるような
氣分で
屋根の上で眠る猫に
ただいまをいえば
カラスもおかえりと
迎えてくれて
桜も咲く
これは
もしかして
とてつもない
豊かな時間の中に
いるのではないかと
じんわり
感動していると
そんなことも
わかっていなかったの
と
うぐいすが
笑い
かぐわしい
風が
そよぐ

砂浜の上は
もう
十分に
あたたかい
さらさらと
裸足を包み込み
ここちよい
そのまま
海へ
すらせら
ひたぴた
歩いていくと
波が迎えに来てくれ
足をひんやりと
包み込む
優しさのなかに
ぴりっとした
厳しさもあるけれど
凍えるような
冷たさではない
春の海が
寄せては
かえし
また寄せる
前よりずっと
きれいになった
海に
ただいまと
あいさつする
シーズンではない海は
落ち着いていて
懐に入ってきた
人たちを
明るく
励ます
もう
ちゃんと
春を呼び込んだから
しっかり
みんなに
エネルギーを補充したから
あとは
あなたたちの番よ
しっかりね

歩け歩け
歩みをとめるな
歩め歩め
前へ前へ
もうじき
星が新しい一年を迎え
太陽系の
天体が
一斉に
順行へ
前を向き
巡行するもよし
巡航するもよし
空を飛ぶもよし
何にせよ
やりたいことを
心躍らせ
始めるときは
星と自分と
自分と世界が
共同創造するとき

逞しく
強くあれ
強くあれ
風に吹き飛ばされぬよう
熱くあれ
篤くあれ
寒さに凍えぬよう
ハクモクレンのように
清く
氣高く
三寒四温を
力に換え
サクラとともに
世界を
あらためる

烏は
なぜか
人に
嫌われている
ゴミを荒らすからかな
ゴミは
厳重に
ネットやカゴで
おおわれることになる
声が大きいからかな
たしかに
ウグイスよりも
大音量
声もしわがれていて
良く響く
でも
よく聞いてみれば
烏の鳴き方は
千差万別
よくあるカーカーや
あほーあほーもあるけれど
きみは一番平和で控えめ
きみは
あわあわあわ
と鳴く
それは
ゆっくり
はっきりの
あわ
あわで
決して
泡食ったあわでもなければ
慌てているあわでもない
きみ以外のだれも
きみのようには
話さない
だから
烏の見分けがつかない
わたしにも
きみが来たことが
すぐにわかるんだ
きみは
はっきり
あわあわと
きちんと鳴いて
今日も
居場所を
教えてくれる
今日も
明日も
あさっても
いついつまでも
きみの世界は
平和で
あるように


