Ψ(さい)のつづり -39ページ目
信じられないくらい
美しい空
絵に描いたような
雲がうかび
風もいまは
穏やか
だがじきに
今日も強風に
なるだろう
ここに
渡って
寒さをしのいでいる
白鳥も
この
冷たい強風には
首をすくめ
顔を
背中の羽に隠し
じっとしているより他ない
沼は凍らない気温
それなのに
しんしんと雪の降るときよりも
寒さが凍みる
この
寂寥感は
なんだろう
旅につぐ旅が
生まれついた
約束なら
もう少し
慣れても
いいはずなのに
ほら
寒さが
精一杯暴れまわっているのは
春はすぐそこだから
春にまた
渡れるよう
鍛えてくれている

エアーポケットに
すとんと
落っこちるように
氣分が突然下がることもある
そういうときは
自分に少し
あまあまになってもいい
甘い甘い
カステラを食べたり
金平糖を食べたり
昼寝すると余計に落ち込んだり
マッサージや美容院に行くと
話すことで消耗したりもするので
それはやめて
いい香りをたいたり
お花を買ってきたり
してみよう
また
やる氣が
出てきたらいいけれど
すぐに出てこなくても
急かさないで
しばらく
様子をみてみよう
じんわり
じんわり
自分の中の
エネルギーが
たまってくるまで
氣長に

ストックの香りが好き
ちょっとふにゃっとした
お花からは
想像もできない
凛とした
澄んだ
香りがする
たくさん吸い込もうとしても
一応いいわよ
と香りを
わけてくれるけれど
ときどき嗅いだ方が
そのたびに
新鮮な
感動を味わえる
あまり
日持ちもしない
ほんの束の間の
香り
香水やアロマオイルにしたら
絶対に違う香りに
なってしまうはずだから
生のお花だけの特権

お馬さんが
走るよ
走る
その背中に乗っていると
お尻が痛い
お馬さんだって
お尻をごつんごつん
ぶつけられたら
背中が痛いから
走るのや~めた
ってなる
だから
お馬さんを
走らせるのも
意外と
コツがいる
お馬さんによっては
できるだけ
楽をしようとしたり
下手な奴なんか
乗せてやらん
とプライドが許さず
どえらい
つれない態度をとるから
こちらも
傷つく
でもね
だれだって
なにかしらの
仕事をして
にんじん代を
稼ぐのよ
馬車が主な移動手段だった時代の
お馬さんよりは
ずいぶん
楽なんだから
一緒に
走りましょ
今年は
あなたが
主役

咲けよ咲け
酒よ裂け
生きとし
生けるものが
わきまえるよう
心得るよう
生糸をつむぐ
糸車が
摘んだ若芽の
色を得て
機織りが
太陽の光を
織り込むとき
世界を
ひっくり返す
まほうの絨毯の
できあがり
さあ
伸るか反るか
そるかのるか


