サザエさん-お節介なマスオさん(1)

 

余計なおせっかいは止めましょう!

 

朝日文庫版27巻〔35頁〕・昭和38年

『電車の中です。出勤途中のマスオさんが、膝の上にカバンを乗せ、腕を組んで乗っています。マスオさんは、隣に座っている、八の字の髭ずらの、縦縞の派手な柄の背広を着ているオジサンが読んでいる雑誌が気になるらしく、その雑誌を首を傾け読んでいます』

『マスオさんは、オジサンが呼んでいる記事に興味を奪われたらしく、ますます首を傾けて読んでいます。オジサンは、明らかに迷惑らしく嫌そうな顔をしています』

『マスオさんは、突然怒った顔になり、オジサンが読んでいた雑誌を取り上げると、電車の開いた窓から、車外に投げ捨てました。雑誌を取られたオジサンはキョトーンとしています』

『マスオさんは、取りあげた雑誌を放り出すと、怖い顔をしてオジサンを睨みつけ「ないようがていぞくです」と毅然として叱りつけています』

 

マスオさんは、どうしたのでしょう。

マスオさんは、電車に読む雑誌も持たず乗ってきて、隣のオジサンが読んでいる雑誌を、嬉しそうにニヤニヤして盗み読みしていたのに、突然、

「ないようがていぞくです」

と言って取り上げ、窓の外に投げ捨てている。

なんと言うお節介なことをするんでしょう。

オジサンが読んでいた記事は、政治家の悪事を暴露する記事だったのでしょうか、あるいは、齢の差婚などとはしゃいでいた芸能人の夫が、妻にモラハラなどと奇妙な理由により離婚裁判にかけられている報道記事でしょうか。あるいは、三面記事なのか、あるいは落語家の小遊三さんが大好きな壇蜜さんのような悩ましいお姉さんのエッチな写真入り折り込み記事でも見ていたのでしょうか?

しかし、どんな記事であれ、オジサンは、マスオさんが興味を持つ記事を読んでいるわけではありません。

自分が興味を持ち大好きな記事や写真を見ているのです。

 

それを取り上げて捨ててしまう、マスオさん、随分失礼なお節介をしたものです。

 

オジサンは、マスオさんに「ないようがていぞくです」といわれて、大人しくしていますが。

電車の中で、好きな雑誌の何を読もうが貴方の自由です。

雑誌を取られたら

「なにをこの野郎!」

と、たん瘤ができるくらい力強く殴ったらどうでしょうか??

暴行罪? 逮捕されますかね?

サザエさんー判らない落ち(45)

 

サザエさん!何でも同じは、嫌ですか?

 

朝日文庫版27巻〔16頁〕・昭和38年

『花柄模様が、少し間をおいて、並んで配置されているデザインのワンピースを着たサザエさんが、レストランに現れました。食券売り場のカウンタへ行って、100円2枚を出して、食券を買っています。カウンタの奥の店員のお嬢さんが食券を渡しています』

『サザエさんは、食券を受け取って、テーブルに着きました。すると前の席に、全く同じ柄の、デザインも殆ど同じようなワンピースを着た、髪を巻きあげた若奥様が前の席に着きました。サザエさんとその若奥様は、同じ柄のワンピースを着た相手を見て、2人とも「ハツ」と驚いています』

『サザエさんは、お茶を飲んでスマしています。向かいの席に座った奥様も、スマした顔をして、取り出したハンカチで唇を抑えています。厨房の方から、「おまたせいたしました」と知らせる声が聞こえて来ました』

『サザエさんと若奥様へ、全く同じ釜飯が運ばれてきました。二人は、頼んだ食事も全く同じでした。2人は、互いの様子を窺いながら、手にしたシャモジで、湯気の立つ釜の中の釜飯をお椀の中に移しています。サザエさんの顔の表情は、眉毛も八の字に下がり、厭だわと言っているように見えます』

 

この落ちは、何が面白いのでしょう?

偶然、同じ柄のワンピースを着た女性に会い、偶然、同じテーブルに座リ、注文した食事も、偶然、同じだった、と言うことが、可笑しい、面白いというのでしょうか?

 

確かに、こんな偶然が重なることは、起こり得ない。

そんな偶然が起こったんです、面白いでしょう、と押しつられているようです。

サザエさんは、何でも同じは、嫌のようです。

 

この落ちは、何故か可笑しいとは思えません。

そう思わず、素直に面白い落ちと笑ことにします。

サザエさん-綺麗好きのお父さん(1)

 

綺麗好きなお父さん!散らかっていますが、今日は仕方ありません。

 

朝日文庫版27巻〔143頁〕・昭和38年

『サザエさんのお父さんが、ソフト帽を被り、コートを着て、カバンを下げ、会社から帰って来ました。部屋の襖を「ガラッ!!」開けると、目の前の畳の上に、紙屑が一杯散らかっています。お父さんの顔は、不快そうな表情に一変しました』

『部屋に入ると、部屋中に沢山の紙屑が散らかっています。お父さんは、とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、「だれだこんなに」と怒っています』

『お父さんは、散らかった紙屑を見て、〈かみくず・・〉と言いだしそうになった小言を飲み込んでしまいました。散らかった紙屑の先の方に、落とし蓋が引き上げられた、雛人形の桐の収納箱がありました』

『部屋の奥に作られ雛壇に、ワカメちゃんとサザエさんが、雛人形を飾っていました。ワカメちゃんが、桐箱から和紙に包まれた雛人形を取り出し、和紙を剥ぎ取っていたのです。お父さんは、それが判ると、忽ち、和やかな顔になりました。お父さんは、畳の上に、座り込んで、ワカメちゃんがサザエさんにボンボリを渡し飾っているところを、にこやかに見ています』

 

今日は、お雛祭でした。

我が家は、子、孫とも男達で、雛人形には縁がありませんでした。

家内が、真多呂人形の教師の資格を取る時、雛人形を作りました。

その人形を、雛祭の時に飾っていたのを思い出します。

今は、箱にしまったままです

 

雛人形については、忘れられない思い出があります。

小学生の頃のある日、嵐が来ました。

我が家は、埋め立て地にあり、その嵐で堤防が崩れ、海水が民家を襲ってきました。

我が家も、海水に浸かってしまいました。

その日は、お雛祭の時期でした。

妹がいたので、お雛様がありました。

父と母が、雛壇を組み、お雛様を高く飾りつけていました。

嵐が来て、潮が引き、家に帰ると、お雛様は無残に海水に浸かったあとです。

 

お雛様の中に、弓や刀があり、滅多に、触ったこともなかった男の子でしたから、それらが勇まし物に思えた、興味を持ち、刀を抜き差しして遊んだことが、妙に記憶に残っています。

 

雛人形は、全部揃っていましたから、かなりの数で、これをお雛祭の時期に、押し入れから取り出し、箱から出して、紙包みを解いて雛壇に飾り付けるのは大変だったでしょう。

 

確かに、雛人形を包んでいる和紙は、部屋中に散らかってしまっていたでしょう。

綺麗好きだったら、それだけ見れば

「なんだ!こんなに散らかして片付けなさい」

と叱りつけるかもしれません。

でも飾り付けられた雛壇は、サザエさんのお父さんを和ませるでしょう。

 

お父さん!ワカメちゃん達が飾ってくれた雛壇の前で、ゆっくりと白酒を楽しみましょう。

お雛様や、ワカメちゃん、サザエさん、そしてお母さん、ついでにカツオ君も一緒に。マスオさんとタラちゃんも、いたら入れてあげましょう。

サザエさん-素直な落ち(30)

 

どうすべきか、お悩みの様子です。

 

朝日文庫版27巻〔1頁〕・昭和38年

『髪結い上げた和服の美人が、バス停でバスを待っています。バスが来ました。美人は、持っていた扇子を顎に上げて、「のりかえるべきか」と思案し、バスに乗り込もうとしません』

『美人は、「みおくるか・・」と迷っていましたが、乗らなかったので、バスは出て行きました』

『美人の後ろにマスオさんがいました。マスオさんは、美人がバスに乗るべきか見送るべきかと迷っているのに気付き、「しつれいですがどちらにいらっしゃるんですか」と余計な口出しをしました。すると、美人は怒りだし、「うるさいわね!!」と凄い剣幕で怒鳴りました』

『そして、ハンカチを噛みしめ「ほっといて!株のことざんす!!」と目を逆立てています。美人に見えていましたが、ただのおばさんでした。マスオさんは余計なことを言って、恥ずかしそうに立ち去っています』

 

今日の株価は、日経225:18,826円でした。

遂に18,000円台に到達し、投資家の皆さんは、上の美人のように「どうしようか」と迷っているでしょうね。

小泉総理の時期に株価18、000円台に到達し、小泉相入りもおい張りしていたのを覚えています。

 

安倍ノミクスについても、いろいろと言われてきましたが、株価は高騰しました。

 

さて、投資家の皆さんは、どうされるのでしょう。

和服の美人と同じように、どうするか迷いますよね!もしばらく様子を見ようなどと言っているとドガーンと落ちてしまうかもしれませんよ。

どうするかは自己責任、自分で決めるべきこと、脇から余計なことを言えば、

「ほっといて!株のことざんす!!」

と叱られるでしょう。

 

しかし、誰か確実なことを教えて欲しいですねェ!美人の奥さん。

何時、売却すべきか、今、買い足すべきか?

サザエさんー判らない落ち(44)

 

アッ!ないはずの穴に落ちた。

 

朝日文庫版26巻〔94頁〕・昭和38年

『真夜中に、バス停に止まったバスからサザエさんが、少し怖そうな顔をして降りました』

『サザエさんは、おおきめのハンドバックを小脇に抱きしめ、キョロキョロと当たりを見廻し、恐る恐る歩いています』

『サザエさんは、「アッ」と大声で叫びながら、突然、地面の中に落ちました。マンホールの蓋が開いていたのです。その開いたマンホールにサザエさんが両手を上にあげて落ちて行きました』

『マンホールの直ぐ傍に、横縞模様のシャッを着た黒メガネの男が、ピストルを手に立っていました。目の前でマンホールの穴の中に消えてしまったサザエさんを見て、男は、「チェッつまんねえの」とぼやいています』

 

ほんの数日前だと思いますが、テレビのニュースを見ていたところ、驚くような画像が流れていました。

画面の中で、ある街路にバスが来て止まりました。

乗客が、バスを降りて、数歩、歩いたところで、突然、道路に穴があき、二人の人が落ちて見えなくなりました。

その後には、人が消えた穴が、ポッカリと開いていました。

韓国での出来事でした。

 

こんな事故に遭遇したら驚きですね。

施工工事のミスか、又は、工事後の補修管理に問題があったのでしょうか?

その原因まで詳細に見ませんでしたが、怖い事故だと思って視たのを思い出します。

 

ところで、上に出てきたサザエさんも、道路の穴に落ちています。

これは、道路に穴ができた事故ではありません。

マンホールの蓋が外されていたのです。

 

誰が、何のためフタを外したのかと、思ったら、暗闇の中を歩くサザエさんを狙った強盗がいました。

彼がフタを外したのでしょうか?しかし、何のために、外したのでしょう?

 

ピストルも持っているのですから、突然、サザエさんの前に現れ

「ヤイ!ヤイ!カネを出せ!」

と脅せば、恐らく、サザエさんは、大きなハンドバックから財布を取り出し、少なくとも幾らか渡していたでしょう。

 

だから、強盗は、マンホールの蓋を外して、狙うカモを落とす必要はないはずです。

 

強盗が、マンホールの蓋を外していたとは思えないのは、サザエさんが、マンホールから落ち、強盗が未遂に終わり

「チェッつまんねえの」

とぼやいていることです。

これでは、マンホールの蓋を外す意味がない。

 

逆に、強盗は、マンホールに消えたサザエさんを見かねて

「オイオイおねえちゃん、大丈夫か」

と、ピストルをズボンのポケットに突っ込み、穴の上から手を差し伸べて、サザエさんを引き上げることくらいはやらねばならなくなりました

サザエさんー判らない落ち(43)

 

赤ん坊の優勝は、取り消します。母親がミセスでなく、ミスでした。

 

朝日文庫版26巻〔74頁〕・昭和38年

『赤ちゃんコンテストの会場です。薄くなった髪の毛を綺麗に7/3に分けた太ったダブルのスーツを着た紳士が、うぶ着の赤ん坊を持ち上げています。嬉しそうな笑顔で、持ち上げた赤ん坊を見つめ、「このお子さんが一等です!」と高らかに宣言しています』

『赤ん坊のお母さんが、優勝した赤ん坊を抱っこして、沢山のカメラマンに写真撮影をしてもらっています。お母さんの横には、机の上に優勝カップが置いてあります。お母さんは、誇らしそうな顔をして、赤ん坊を抱っこしています。カメラマンの後ろの方で沢山の拍手している人達がいます。その中にサザエさんも来ていました』

『優勝カップを渡した紳士は、後ろに手を組み、「あかんぼうはミスのミセスのとさわぎがなくていいよ」と言いながら、ホッと一安心の態で会場を立ち去ろうとしました』

『すると、係の女性が、紳士を追っかけてきました。紳士を止めると「せんせい おかあさんが今年のミス・フルーツカラーですけどどうしましょう!」と言いました。立ち止まり、振りむいた紳士は、それを聞いて愕然としています』

 

この落ちを見て、暫くの間、可笑しさが判りませんでした。

紳士を追っかけて来タカ狩りの女性が、言った

「お母さんが、今年のミス・フルーツカラーですけど」

を何だろうと思いました。

ミス・フルーツカラーとは?

・・・・

と、しばらく頭を捻って、

「アア、これが、おかしんだ」

と思い当たりました。

そうなんです。このコンテストで、赤ん坊のお母さんが、ミスの筈はないですね!

お母さんは、ミセスでなければならないのです。

お母さんが、ミスならば、このコンテストには参加できず、例え、赤ん坊が優勝しても、当然、取り消しにすべきでしょう。

 

ミス・フルーツカラーと言う言葉に、落ちのネタがあるのかなと思い、余計なことをしました。

この種の特産フルーツの美人コンテストだと思いました。

フルーツにこだわり、例えば、ミスリンゴ、ミス梨、ミスぶどうなどの各種フルーツのミスコンテストを調べましたが、違っていました。

ミス・フルーツカラーという言葉で重要なのは、“フルーツカラー”にあるのではなく、ただ単に“ミス”にあるようです。

ミスになった美人が、お母さんで有れば、赤ん坊コンテストに参加できないのです。お母さんは、「ミス」である筈がありませんから。

参加できない母親が、赤ん坊を連れて赤ん坊コンテストには参加できないのです。

 

結局、優勝した赤ん坊の母親が、ミス・フルーツカラーであれば、優勝取り消しです。

紳士は、「ただいまの、コンテストの優勝は取り消しまーす」と宣言しなければなりません。

 

一頃、大学でミスコンテストは流行り、ミス・フルーツカラー○○大学が選ばれていたのではないでしょうか?

そんな中に、赤ん坊のいるミセスが紛れ込んでいたかも知れません。

女子大学生のお母さんです。

サザエさんの面白い落ち(128)

 

白酒の飲ませすぎは駄目です。お姉さんを励ましてあげましょう。

 

朝日文庫版26巻〔30頁〕・昭和38年

『サザエさんのお母さんが、大きな寿司桶にちらし寿司の材料を入れ、シャモジでかき混ぜています。そこへ、サザエさんが、お盆に白酒を入れた徳利とお猪口を乗せてやってきました。サザエさんは、お母さんに「しろざけおかわり」と頼んでいます。お母さんは、ちらし寿司を作るのを止め、「はいはい」と立ち上がりました。寿司桶の中では混ぜられたおいしそうなちらし寿司が湯気を立てて、おいしそうな匂いをさせています』

『その後しばらくすると、今度は、カツオ君が、お盆に白酒を入れる徳利とお猪口を乗せてやってきました。カッオ君は、お母さんに「もう一本おかわり」と頼みました。お母さんは、カツオ君にも、白酒が入っている徳利を渡しています』

『またまた、その後しばらくすると、ワカメちゃんが、お盆に白酒を入れる徳利とお猪口を乗せてやってきました。お母さんは、ワカメちゃんを見ると、「そんなにいいの?」と聞いています』

『雛壇が飾ってあるお座敷に、お膳を囲んでサザエさん、カツオ君、ワカメちゃんがいます。そこに酔っぱらったお嬢さんがいました。彼女は、顔を赤くして、グデングデンに酔っています。徳利の中の白酒をお猪口に注いで、「いいのあたし!シケンなんかどうだって!」と白酒をやけ酒のように飲み、クダを巻いています。サザエさんは、彼女の酔った勢いに「そうそう!」と煽っています。カツオ君とワカメちゃんは、酔ったお嬢さんを、黙って見つめています』

 

間もなく、3月、お雛様です。

お雛様が近づくと雛壇を飾り、白酒や雛あられをお供えます。

カツオくんやワカメちゃんは、雛段に供えてある雛あられを盗んで食べていたことや、盗んだ雛あられを握ったままで、お客さんがものを尋ねても、コブシを開くことができず、指で示してくれませんでした。

これまで、そんなこともあった雛祭です。

 

白酒も、呑みすぎると深酔いしてしまいます。

このお嬢さんどうしたのでしょう。サザエお姉さんの知りあいなのでしょうか?

「試験なんてどうでもいいの」と、やけになっています。

サザエお姉さんの「試験に失敗した後輩」のようですね。

そんな後輩に、

「そんなに飲んだらダメヨダメダメ!」

とは言わないんでしょうか?

逆に、姉弟妹みんなで白酒を飲ませ、やけ酒に拍車をかけています。

 

ワカメちゃん!酔っぱらったお姉さんを見て御覧、赤い顔して、髪まで乱しているよ!

こんなに、酔いすぎて、お化けに近くなっているから、これ以上、白酒を飲ますのは止めようよ!

カツオ君、ワカメちゃん、雛まつりは君達のお楽しみの祭りだ。

お姉ちゃんが白酒を沢山飲んで愚痴る日ではありません。

これ以上、白酒を勧めるのではなく

「もうこれ以上飲むのは止めて!しっかり勉強して!試験に合格するよう頑張って!」

と励ましてあげましょう。

サザエさんの素直な落ち(29)

 

確定申告は、恒例の楽しみにしましょう!

 

朝日文庫版26巻〔29頁〕・昭和38年

『カバンを下げた実直そうな、短髪のオジサンが、深刻そうな顔をして薬屋の方に歩いて行きます』

『そのオジサンは、薬屋のカウンターに前に立っています。髪の毛も残り少なくなった、太った薬屋のご主人が、薬の陳列棚から精神安定剤の箱を取り出しました。短髪のオジサンは、カウンターの前に立ったまま、そんなお店のご主人を見ています』

『アッ、薬屋のご主人は、箱を開け、取り出した薬瓶の蓋を捻じって取ると、中の錠剤を手の平に移し、口の中にポイと投げ込みました。短髪のオジサンは、薬屋のオジサンを、未だジーッと見ています』

『薬屋のご主人が、薬を呑み込むのを待っていたかのように、短髪のオジサンは、手にしていたカバンをカウンターの上に置くと、中から税の申告の書類を取り出して、薬屋のオジサンの方に突き出しました。薬屋のオジサンは、その申告書深刻な顔をしています』

 

所得税の確定申告の期限が迫って参りました。

特に、個人事業主の方々は、税の申告は大変なのでしょうね!

私たちサラリーマンは、税の申告も必要ではなく、楽でした。

定年退職後、個人で申告することになり、税務署に初めて出かけ時、申告の方法が、なかなか理解できず、大変の思いをしたことがあります。

 

この薬屋のご主人も、カバンを下げて店にやって来た短髪のオジサンを見ると、直ぐ、偉く迷惑なが現われた、これは大変だと思ったのでしょう。

その短髪のオジサンを見た瞬間、精神に異常が生じるのでしょうか?

ご主人は、棚の陳列された売り物の商品を、思わず取り出し飲んでしまいました。

これで精神は、安定し、短髪のオジサンに冷静に対応できるのでしょう。

 

早く、確定申告を済まして、来年は、おおいに儲かりましょう。

次の年の確定申告を、楽しみに待つことにしようではありませんか!

サザエさんー判らない落ち(42)

 

このオジサンの商売は何でしょう?

 

朝日文庫版26巻〔66頁〕・昭和38年

『夜空の下に1軒の屋台がポッーンと出ています。電信柱には【夫人週間】とお書いた看板が立てかけれれています。屋台の暖簾の奥で、3人の人達が呑んでいます。1人が「ホー女性に対してなかなかしんらつだね」と尋ねると、他の一人が「しょうばいがらめがこえてんだ」と自慢そうに言っています』

『屋台の中の話をしている3人は、マスオさんノリスケさんの二人と、鼻が大きく、その穴が真正面に開いた、チョビヒゲを生やした、ジャンバーを着た、太ったオジサンでした。このオジサンにノリスケさんが「さっするに きみけしょうひんやさん?」と尋ねると、オジサンは「ノー」とハッキリ答えました』

『続けて、ノリスケさんが「婦人クツやさん!」、マスオさんが「ごふく商」と聞くと、オジサンは、手を横に振って「ノーノー」と、酒を呑みながら嬉しそうに答えています』

『○○○○』

 

このオジサンの商売は何でしょう。

屋台で飲んでいる3人の会話を聞いても、このオジサンが何を商売にしているが判りません。

オジサンは、太っています。

度々、屋台にも来ているようです。

人並みの暮らしは出来ているようです。

顔を見みると、顔面は、フックラとし、食うものには不自由しているようではありません。、

鼻の穴が大きく開いているのも、空気の汚れも気にせず、気楽に呼吸し暮らしているのでしょう。

そんなオジサンの商売が、何かが、二人には判らないのです。

 

こんなオジサンが、呑みながら、どうも御婦人に関わることを喋っています。

それも細かいことまで言っている。

それも

「しょうばいがらめがこえてくんだ(目が肥えてるんだ)」

と聞き捨てならぬことを言うものだから、二人は、ご婦人が関わる商売を並べたてましたが、オジサンは、全てノーノーの一点張りです。

 

さて、オジサンの商売は何でしょう。

オジサンは、『○○○○』で自分がやっていることは明かしました。

『オジサンは、トラックを運転しています、取り付けたスピーカから、何か音楽が流れています。するとあちこちの住宅のからバケツを持った、7名ものご婦人達が駆けつけました。バケツには、家庭ゴミが入っているようです。オジサンが運転しているトラックは、家庭ゴミ回収車でした、その回りにゴミを捨てに来るご婦人たちが沢山集まって来たのです』

 

以上から、判るようにオジサンの商売は、家庭ゴミ回収業でした。

多分、オジサンは、毎日、家庭ゴミをバケツに入れて、車の荷台に捨てに来る婦人達を観察して楽しんでいたんのでしょう。

確かに、集まってくるご婦人を毎日観察していると楽しいでしょうね。

例えば、「ア!あの人は、今日は、素っぴんだ。昨日、お化粧していた人と全く違う。」

「あれ!あの奥さん、慌てて飛び出してきたんだなー、年にあわない派手なパジャマを着てる。」

 

しかし、最近のゴミ捨ては。旦那さんの仕事になっているので、婦人週間に、俺は目が肥えているなぞと自慢はできませんよ。

そして、ゴミは、トラックの荷台には捨てません。

何処でも、専用のゴミ回収車が走り、ゴミを回収している筈です。

オジサンのように、楽しみはありません。目を肥やすことも出来ません。

 

サザエさんの面白い落ち(127)

 

バスに乗ろうと懸命に走っている人を見て、乗るか!乗らないか!と賭けるのは止めましょう。

 

朝日文庫版26巻〔63頁〕・昭和38年

『傘を持った、鼻の長い、細身の会社員風のオジサンが、鼻の頭を赤くし、大汗をかいて、血相を変えて走っていきます。マスオさんとサザエさんが、歩いています。2人は会社員風のオジサンを見て、マスオさんが、「のれない!」と言うと、サザエさんが「のる!」と言っています』

『バス停があり、バスが走ってきました。バスが停まると、車掌さんが、ドアーを開きました。間に合ったオジサンが乗り込んでいます。サザエさんは、「ほらのった百円!わるいわね」と、マスオさんがシブシブと財布から取り出した百円札を受け取っています』

『バスは、発車しました。ところがオジサンは、停留所に傘を杖がわりにして立っています、マスオさんとサザエさんは、間に合って、バスに乗って行ってしまったと思った会社員のオジサンを見て驚き、怪訝な顔をしています』

『走り去るバスを見ると、行先表示器に【回送】と出ていました。会社員のオジサンは停留所に疲れた様子で立っています。マスオさんは、「だからじんせいっておもしろいよな」とサザエさんから、さっき渡した百円札を取り返しています。サザエさんは、ベソをかいて財布から取り出した百円札2枚を渡しています』

 

体力のなさそうな会社員風のオジサンは、遠くから走ってくるバスに乗ってやろうと、懸命に走っています。

マスオさんは、サザエさんに言いました。

「おい、あの細いおじさん、バスと追いかけっこしているよ!あのバスに乗ろうと走っているんだ。間に合うかな。俺は、絶対に間に合わないと思うよ。」

すると

サザエさんは、

「だいじょうぶよ、バスは、そんなにスピードだしていないようだから、私は、絶対間に合うと思うわ」と反対する。

すると賭けごとが大好きなマスオさんが、

「賭けをしよう。俺は間に合わず、乗れない。君は間に合って乗るにかける。負けた方が、買った方に百円だぞ」

と言うと

「いいわよ!」

と直ぐに成立する賭けごとが好きな二人でした。

 

オジサンは、懸命に走り、バスも走っています。

バスは、止まり、オジサンは「乗りました」、いや乗ったと思ったのです。

サザエさんは、「勝った。百円頂戴」と賭けに勝ったと、マスオさんから百円貰いました。

 

ところが、オジサンは、バスに乗っていなかったのです。

走っていくバスをよく見ると「行先表示器」に「回送」と出ています。

回送車には、客は乗せません。頼んでも駄目です。

オジサンは、バスに乗れませんでした。

オジサンが、バスに乗れないとした、マスオさんの勝ちです。

マスオさんは、サザエさんに渡した百円を取りかえし、そしてサザエさんから百円もらいました。

サザエさんは、財布に入っていた2枚の百円札を取り出しマスオさんに渡しました。

マスオさんは、駆けで二百円得した気持ちでした。

こんな、バスに乗るか乗らないかと言う賭けごとに、人生を重ねるのはオーバ過ぎないかマスオさんと思います。

 

私は、デパートの1階にある大きなバス発着場で始発のバスを待ちます。

終着のバスが来ます。そのバスを始発と思い振り向くと、行先表示器に「回送」と表示し、たバスが走りまわっています。

そんなバス停で次の始発バスが来るまで待っています。

 

そんな「回送」と表示したバスが、行先を変えて表示し、走ってくるまで、イライラとして待つのです。その時間の長いこと、来たと思って振りむいたバスの行先表示器に表示された「回送」と言う字が何とはなく誇らしげに走っているのが、嫌になります。

 

「回送」と表示したバスで、こんなこともありました。

バスの始発駅です。

停留所には、沢山の人が列をなして待っています。始発時間を過ぎても、バスがきません。並んでいる人達が騒ぎ始めました。

時刻表を見て、時間が過ぎているが、まだ、来ない。おかしい!

並んでいた一人の人が

「あそこに止まっているバスが、そうじゃないか」

と言いだし、

「運転手が眠っているよ」

とバスの方に走って行きました。

その人は、運転席の外から窓をたたき、何事か言って戻ってきました。

その人は、戻ってくると、並んでいた人達に

「運ちゃん昼寝していましたよ」

と言いました。

そのバスの行先表示器には、【回送】と表示されていました。

間もなく、行先表示器の行先を正く表示して、沢山の人が待っている停留所に走ってきました。

回送車の運転手さんは、待ち時間に、つい寝込んでしまい、バスの中の昼寝で、眠気もすっかり飛んでしまったのか、いつものように軽快に運転し、何事もない、春の陽気な日の出来事でした。