サザエさん-お節介なマスオさん(1)

 

余計なおせっかいは止めましょう!

 

朝日文庫版27巻〔35頁〕・昭和38年

『電車の中です。出勤途中のマスオさんが、膝の上にカバンを乗せ、腕を組んで乗っています。マスオさんは、隣に座っている、八の字の髭ずらの、縦縞の派手な柄の背広を着ているオジサンが読んでいる雑誌が気になるらしく、その雑誌を首を傾け読んでいます』

『マスオさんは、オジサンが呼んでいる記事に興味を奪われたらしく、ますます首を傾けて読んでいます。オジサンは、明らかに迷惑らしく嫌そうな顔をしています』

『マスオさんは、突然怒った顔になり、オジサンが読んでいた雑誌を取り上げると、電車の開いた窓から、車外に投げ捨てました。雑誌を取られたオジサンはキョトーンとしています』

『マスオさんは、取りあげた雑誌を放り出すと、怖い顔をしてオジサンを睨みつけ「ないようがていぞくです」と毅然として叱りつけています』

 

マスオさんは、どうしたのでしょう。

マスオさんは、電車に読む雑誌も持たず乗ってきて、隣のオジサンが読んでいる雑誌を、嬉しそうにニヤニヤして盗み読みしていたのに、突然、

「ないようがていぞくです」

と言って取り上げ、窓の外に投げ捨てている。

なんと言うお節介なことをするんでしょう。

オジサンが読んでいた記事は、政治家の悪事を暴露する記事だったのでしょうか、あるいは、齢の差婚などとはしゃいでいた芸能人の夫が、妻にモラハラなどと奇妙な理由により離婚裁判にかけられている報道記事でしょうか。あるいは、三面記事なのか、あるいは落語家の小遊三さんが大好きな壇蜜さんのような悩ましいお姉さんのエッチな写真入り折り込み記事でも見ていたのでしょうか?

しかし、どんな記事であれ、オジサンは、マスオさんが興味を持つ記事を読んでいるわけではありません。

自分が興味を持ち大好きな記事や写真を見ているのです。

 

それを取り上げて捨ててしまう、マスオさん、随分失礼なお節介をしたものです。

 

オジサンは、マスオさんに「ないようがていぞくです」といわれて、大人しくしていますが。

電車の中で、好きな雑誌の何を読もうが貴方の自由です。

雑誌を取られたら

「なにをこの野郎!」

と、たん瘤ができるくらい力強く殴ったらどうでしょうか??

暴行罪? 逮捕されますかね?