サザエさんー判らない落ち(41)

 サザエさんとワカメちゃんは、今日も争っています。

 朝日文庫版26巻〔32頁〕・昭和38年

『ワカメちゃんが、サザエさんに連れられて歯医者に来ています。ワカメちゃんは、治療室のドアーの取っ手を確りと握り、サザエさんに引っ張られ体は、横になってしまった状態です。それでも取っ手を離そうとせずに、歯の治療を嫌がっています。ワカメちゃんの体は、取っ手を握ったまま、空中に長く伸びています』

『ワカメちゃんは、治療台の椅子に座らされ、泣きながら、口を大きく開いて歯医者さんに治療してもらっています。サザエさんは、椅子の傍に座って澄ましています』

『治療が終わりました。治療室のドアーの所で、サザエさんとワカメちゃんは、先生に、行儀よくお礼を言っています。先生も、ハゲ頭を下げて丁寧に挨拶をしています』

『治療が終わって、サザエさんとお悧巧なワカメちゃんは、オモチャ屋さんの前を通りかかりました。すると、ワカメちゃんは、〈お店に入りたい〉とサザエさんを引っ張り込もうとしました。お店に入りたくないサザエさんは、お店のドアーの取っ手にしがみついています。ワカメちゃんは、そんなサザエさんを強引に、力一杯に引いています。サザエさんは、ドアーの取っ手を握り、足をワカメちゃんに引っ張られて空中に長く伸びているのです』

 

歯医者に行きたくないワカメちゃんは、今日もお姉さんと争っています。

ワカメちゃんのように小さい子ならば、ドアーの取っ手をしっかり握ったまま、サザエさんが足を強く引っ張れば、ワカメちゃんの体は浮くでしょう。

 

しかし、サザエさんがオモチャ屋さんに、入りたくないと店の取っ手を握り、ワカメちゃんが引っ張っても、サザエさんの重い体は、取っ手を握ったまま浮くことは絶対にないでしょう。

しかし、ドアの取っ手を握ったサザエささんは、ワカメちゃんに足を引っ張られて横に浮いているのです。

 

重いサザエさんが、可弱いワカメちゃんに引っ張られても浮かない、こんな起こり得ないことが、起こったと笑わせるところが可笑しい。

 

ワカメちゃんにとって、サザエさんは、母親以上に厳しいようで、、ワカメちゃんは、母親とは思っていないので、二人は反発し、喧嘩になるのでしょうね。

 

サザエさん!ワカメちゃんは、歯医者が嫌だと言っていても、お姉さんの言うことを聞いたのだから、オモチャ屋さんで、何か、昨日買ってあげるよと言っていた羽子板でも買ってあげればよいのに!

サザエさんの面白い落ち(130)

 

巻きずしにカンピョウは必要です。カンピョウが無くなって困った乾物屋さんの話とカンピョウが有るので困った乾物屋さんの話でした。

 

1.朝日文庫版25巻〔79頁〕・昭和37年

『坊っちゃん刈りの坊やが、八百屋の店先で、百円札を出して「カンピョウ」と言い買っています。半纏と帆布で作った前掛け姿のハゲ頭の八百屋のオジサンが、「はい」と坊やにかんぴょうを渡しています』

『その八百屋は、忙しそうです。何処かのお婆さんが買い物をして帰ると、直ぐに、1年生くらいの女の子と、そのお母さんが、店先にやって来ました。お母さんが 「カンピョウくださいな」とオジサンに言うと、オジサンは、カンピョウを女の子に渡しています』

『オジサンは、オカミさんにカンピョウが入っていた段ボールの箱を、引っくり返して見せ「行楽シーズンでカンピョウが全部売り切れだ!!」と嬉しそうに言いました。おかみさんも、嬉しそう顔をしていましたが、ハット!何かに気付き困った顔をしています』

『八百屋さんの奥の部屋で、小学2年生くらいの女の子が大粒の涙を飛ばして、大泣きしています。オカミさんが、オジサンにその子の方を指さして、「この子のえんそくのノリマキどうするんだよ!!」と喰ってかかっています。オジサンは、ビックリして頭をかき、唖然としています』

 

2.朝日文庫版24巻〔56頁〕・昭和37年

『オジサンとオバサンが、別々の布団に寝ていました。すると、「トントントントントン」と執ように、表を叩く音がします。2人とも、蒲団の上で上半身を起しています。オジサンは「なんだろう・・・」と不思議そうな顔をしています。オバサンも、〈私もそう思っているよ〉と言わんばかりの不思議そうな顔をしています』

『暫く、トントンと叩く音が続いた後。「かんぶつ屋さん」と怒鳴る大きな声がしてきました。この家は、乾物屋さんでした。乾物屋のオジサンは、蒲団の上に立ちあがり、肌寒そうに腕組みをして縮こまりながら、「どうしよう・・・・・・」と困っています。オバサンは、蒲団の上に座り寝間着の乱れを直しながら、壁の時計を見ています。そして「11時半じゃないの」とこぼしています』

『おじさんは仕方なく起きて、店先に行き、戸を開きました。するとそこには懐中電灯を手にしたサザエさんが立っていました。「すみません」と謝っています。オジサンは、迷惑そうな顔でサザエさんを見ています』

『サザエさんは、カンピョウを買って帰りました。オジサンとオバサンは、蒲団をかぶって寝なおしです。オジサンは蒲団の中から「カンピョウ買い忘れたんだって!」と呆れたように言うと、オバサンが「そういえば遠足だとかいってたわよ、人さわがせなえんそくね」と潜り込んだ蒲団の中から小言を言っています』

 

昔、遠足のお弁当は、手軽に作れる巻きずしが、多かったようですね。

確かに、そうです。小学生の頃の物不足の時代、遠足や運動会の昼のお弁当は、巻きずしがたびたびでした。

その巻きずしには、カンピョウが欠かせません。

紐のような干物を厚紙に巻いたカンピョウを買ってきて、コトコトと煮て、味付けをし、巻きずしの中に巻き込みます。大変美味しい巻きずしでした。

母親が、カンピョウが巻き込んで作る巻きずしを見ていた子供の頃が思い出されます。

 

そんなカンピョウを題材にした2つでした。

1つは、カンピョウを売っている乾物屋さんが、カンピョウがよく売れるものだから、つい、我が子の巻きずしに使うカンピョウのことも忘れて、カンピョウを完売してしまった。

カンピョウが、もうない、我が子の巻きずしを作れないと騒いでいる。

2つは、うっかり者のサザエさんが、明日、遠足のワカメちゃんの巻きずしを作ろうとしたらカンピョウがない。

図々しいサザエさんは、家にないカンピョウは、乾物屋さんにあると確信し、夜遅く、乾物屋さんも、既に床についているような時間に、お店の戸をトントンと叩き、そして、「かんぶつ屋さん」と、どなるような大声で叫んで、叩き起こして、買いに来て、乾物屋さんに大迷惑をかけた話しでした。

 

カンピョウが無くなって困った乾物屋さんの話とカンピョウが有るので困った乾物屋さんの話でした。

サザエさん―判らない落ち(40)

 

病院の前まで来て、喧嘩している大変迷惑な姉妹でした。

 

朝日文庫版25巻〔109頁〕・昭和37年

『サザエさんとワカメちゃんが、コートを着て歩いています。ワカメちゃんは、泣きっ面でサザエさんに手を引かれて歩いています。サザエさんは、どうやら〈羽子板買ってあげるよ〉と言っているようです』

『ワカメちゃんは、電信柱にしがみついています。サザエさんは、ワカメちゃんを電信柱から引きはがそうと懸命に引っ張っています』

『電柱から引きはがされた、ワカメちゃんは、サザエさんに、腕を引っ張られて、大きな声で泣き叫び、イヤイヤと逃げ出そうとしています。怒ったサザエさんは、物凄い顔をして、ワカメちゃんの腕を離さず、コブシを振り上げています』

『○○○○』

 

どうしたのでしょう。

ワカメちゃんは、サザエさんに何処かへ連れていかれるところですが、行きたくないところのようです。羽子板買ってあげると気を引こうとしても効果ありません。

懸命に逆らっています。

 

行きたくないワカメちゃん。

どうしても連れて行こうとするサザエさん。

2人の争いおは大変なようです。

ワカメちゃんは、

「いやいや!絶対に行かない」

と、電信柱にしがみ付いたり、サザエさんが引っ張る手を、力一杯引き返したりしています。

それほど行きたくないところとは何処でしょう。

 

子供が嫌がるところ、恐らく、尖ったものが、襲ってくるところでしょう。

お医者さんの注射針か、歯医者さんの尖った治療器具が、痛くて怖いのです。

 

落ちでは、遂には、そんな怖いところに連れ込まれ、痛くて怖い治療を受けているワカメちゃんが出てくるのでしょうか?

そうではありませんでした。

 

『○○○○』は、次の通りでした。

笑ってしまいました。

『個人病院のドアの前まで、サザエさんは、ワカメちゃんを連れてきました。そのドアの外で、サザエさんとワカメちゃんが言い争っています。サザエさんは、極度に怒り、ガミガミ言って腕を振り回しています。ワカメちゃんは、手足をバタバタさせて、キーキー言っています。その病院の開いた窓の奥に、コタツに入ったお爺さんとお婆さんがいます。お爺さんは、病院の入口を、うかがいながら2人の言い争いに、「まったくはためいわくな人だよ」と呆れています。「まだきがつかんか」と嘆いています。言い争っているサザエさんとワカメちゃんの前のドアには、「本日休診」との札が掛けられています。サザエさんは、この札に全く気がついていないのです』

と言うことでした。

 

本日休診の病院の老先生は、今日はのんびりするか!と奥さんと一緒に炬燵に入って、お茶でも飲もうかとしているところに、変な親子?姉妹?が、玄関先で大喧嘩している。

これでは、のんびりできはしない

先生は、コタツを出て、わざわざ玄関先まで出て行って、

「これこれ、こんな所で喧嘩するもんじゃない。どうやら、嫌だ嫌だという子供さんを無理やり連れてきたようだね!奥さん、その札をよく読みなさい、「本日休診」と書いてあるだろう。それが読めないのかい、読まなかったのかい。読んだら、今日は休みだから、仲良くおかえりなさい」

と追い返して、やっと、本日は、のんびりできると思ったでしょう。

本当に迷惑な姉妹でした。

サザエさん:恥ずかしい話(2)
スイカを新種だと偽装しても喜んでもらえません。やるだけ無駄です。
朝日文庫版25巻〔8頁〕・昭和37年
『サザエさんが、台所で洗い物をしていると、マスオさんが、何かを抱え「ちょっとねだんははるが」と言いながら帰ってきました。サザエさんは、振り返って、マスオさんが抱えている物を見て、嬉しそうです』
『マスオさんは、網袋から出したスイカを持ち「新種だそうだ!」と得意そうです。そのスイカは、通常のスイカが、縦に模様がはいっているのに対して、その新種のスイカは、横に縞模様がはいっています。そのスイカを見て、サザエさんは「まァ千円!!バカバカしい」と呆れています』
『サザエさんが、スイカを水道水で洗っています、すると、横にはいっていた縞模様は、水に流れてしまい、模様のないスイカになりました。サザエさんは、「ただのスイカに色ぬったんじゃないの!」、「すぐ人のいうこと信じるんだからァ!!」とスイカを洗いながら、カンカンになってマスオさんを叱りつけています。マスオさんは額をかきかき、ばれたかと言うような顔です』
『マスオさんは、ノリスケさんとビヤガーデンにいます。2人は、大ジョッキの生ビールを飲みながら楽しそうに語り合っています。話題は、昨日のマスオさんの新種のスイカとサザエさんを騙そうとしたことのようです。ノリスケさんが「へ~~のみしろを浮かすために色はきみが塗ったの」と聞くと、マスオさんが「またすぐだまされるんだ!うちの奴」と自慢げに言っています』

マスオさんは、ノリスケさんとビヤガーデンで、生ビールを楽しそうに飲んでいますが、マスオさんが何だか哀れです。
生ビールの飲み代を浮かすために、通常のスイカに細工をして、
「このスイカは新種で甘いんだそうだ、新種だから高かったよ、千円だったよ」
とでも言って、サザエさんを騙そうとしたようです。

普通のスイカは、縦に縞模様があるのに、このスイカは、新種と見せるためか、横に縞模様があるのです。
模様のない全面黒いスイカは、見たことがありますが、横に縞模様のあるスイカは見たことはありません。
そんなスイカを渡されたら、新種だと信じるでしょう。
サザエさんでなくても、騙されますよ。

マスオさんは、サザエさんを騙すために、ご苦労な細工をしたのでしょう。
通常売っているスイカは、下の図のような縦縞の模様があります。
マスオさんは、こんなスイカを買ってきて、次のような細工をしたに違いありません。この細工は大変な苦労です。

八百屋で普通のスイカを買います。このスイカをサザエに高く買ってもらおうとしたのです。

帰って、サザエさんや家族に見せることは出来ないので、納戸の片隅に隠しておきます。
サザエさんが、買い物に出かけて、誰もいない時、スイカを持ち出し、水で洗って、布巾で拭きます。
先ず、普通の横に入った縞模様を消さねばなりません。
その為の絵具に油絵具は使えないでしょう。
それにマスオさんは油絵の趣味があると聞いたことありません。
持っていないでしょう。その上、油絵の具は高価で、買ったら、飲み代を浮かせません。

そこで、多分、カツオ君の水彩絵の具を使ったでしょう。
まず使う絵具は、ホワイトか薄緑色です。
縦縞模様を見えなくするには、厚く塗らねばなりません。
縦縞を隠すために3回くらい、厚く重ね塗りをしたと思います。
ホワイトか薄緑の絵具は、なくなってしまいました。

縫った後、乾かしました。
乾いた後、濃緑色の水彩具を取り出し、横縞を塗ります。
スイカの縞模様を描くのは、大変でした。
騙すためには、旧種のスイカの模様に似た模様の方が効果的でしょう。

大変な苦労をして、何とか横縞模様のスイカを作りあげました。
絵具が乾くまで、一日隠しておきました。

翌日、会社から帰って隠していた新種のスイカを網袋に入れサザエの所に持っていき、後は、上の通りです。

「新種だから千円だった」
と言って渡しました。
「すぐだまされるんだから」
と嫌味を言っていましたが、直ぐ食べようということになり、水道水で洗い始めました。
スイカに塗った水彩絵の具は、水に直ぐ溶け、横縞模様の新種ではない、もともとの種類の縦縞模様のスイカになりました。

サザエは、
「何だ普通のスイカじゃないの、これだったら500円くらいでしょう」
と言い、500円を呉れました。

ノリスケさんと飲む約束をしていたので、生ビールを飲んでいるが、この飲み代は、全額自腹で、偽装の新種のスイカで浮かすはずだった飲み代ではありません。

飲み代を浮かすために、スイカを使って、いろいろ苦労はしたけど、報われなかった。
もうこんなバカなことは、2度とやらないことにしよう。

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サザエさん:恥ずかしい話(1)

行きすぎたスイカの正しい食べ方?ノリスケさん、白いところは食べないで。

朝日文庫版25巻〔2頁〕・昭和37年

『今は夏です。マスオさんとノリスケさんが洒落たレストランから出てきました。レストランのショウウインドウにはジュースかき氷メロンアイスクリーム、その他のおいしそうで涼しそうな食べ物が並んでいます。そんなお店から出てきたノリスケさんが、ドアーを出ると直ぐに立ち止まり、店内を指さし、マスオさんに「しまったサービスのマッチもってくるのわすれた」と言い、取りに行こうとしています。マスオさんは、面倒くさそうな顔をして、「いいじゃないかそんなもの」と言って止めています』

『ノリスケさんは、「いやまってくれ、とってくる」と店の中に戻っていきました。マスオさんは、嫌な顔をして店の外で扇子をあおぎながら待っています』

『ノリスケさんが、先ほど座っていたテーブルに戻りました。すると、そのテーブルを囲んで二人のウエイトレスが、テーブルの上をしみじみと覗き込み、お盆を持った一人が「このスイカのたべかた!」が肩を震わして笑っています。他の一人は、そのスイカの方に体を折って眺めると、両手で口を覆って、「すごい!」と大笑いしています。戻ってきたノリスケさんは、それを目撃して、恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にして突っ立っています』

『赤面して出てきたノリスケさんに、マスオさんが、「マッチは!」と聞くと、ノリスケさんは、顔を赤くして「いいにいいの」と言うだけでした』

 

昭和の37年の頃、スイカは、余り出回っておらず、高価な野菜?果物?だったのですね。

思い出します。

昔、スイカを栽培している地として知られた熊本の植木の近くに住んでいましたが、スイカは高いもので、たらふく食べることは出来ませんでした。

だから、確かに、時折、スイカを食べる時、スイカの赤い果肉は、食べつくし、白い果肉が皮に残っているところまで、まるで、齧っていたようです。

 

レストランのウエイトレスさんが見たら、ノリスケさん同様、「何この食べ方」と言われたでしょう。

それでも、皮は、捨てず、緑の皮の表面を、包丁で剥きとり、白い果肉の皮を塩漬けにして、スイカの漬物にしていました。

この漬物は、意外と美味しいものでした。

スイカを食べた後は、スイカの一夜漬けを作ったものです

 

時が過ぎ、スイカは、欲しいだけ手に入れることができるようになりました。

 

横浜に住み、三浦に遊びに行くようなりました。

三浦は、良く知られた三浦スイカの産地です。

夏に、ドライブをすると、道端にスイカを茣蓙の上に並べて売っています。

コドモが欲しいと言うので数個買って帰り、冷やして食べます。

 

子供達のスイカの食べ方が違います。

食べ終わった後のサラの上の食べたスイカは、まだまだ、赤い果肉が厚く残っています。

 

ノリスケさんに、三浦のスイカを、たらふく、そして、赤い果肉だけを食べさせてあげたいほどです。

 

ノリスケさんは、スイカが大好きだったのでしょう。

だから、皮が薄くなるまで食べたのでしょう。

でも、レストランでは、白いところまで食べないで!

珍しいと笑う、ウエイトレスさんがいます。

サザエさん―判らない落ち(39)

 

〈ざいさんのふえる法〉という本に紙幣を挟んで人に貸すだけでは、カネは増えません。

 

朝日文庫版25巻〔86頁〕・昭和37年

『マスオさんの会社の事務室です。マスオさんと同僚が雑談しています。マスオさんの同僚が、自分の椅子に手をかけ、立っています。マスオさんは、自分の机に凭れかかり立っています。同僚が机の引き出しから本を取り出して、「〈ざいさんのふえる法〉ベストセーラーだよ!」と言いながらマスオさんに渡しています。マスオさんは「すまんかりるよ」と言って受取りました』

『バス停で、同僚が、バスを待っています。同僚は、「ア、!あの中にはヘソクリ千円はさんでいた」と頭をかきながら言っています。マスオさんに貸した本に、千円挟んでいたのを思い出したようです』

『浴衣を着たマスオさんが交番の前にいます。本を開いて持っているマスオさんの前に、千円と書いた紙幣を持ったお巡りさんがいて、マスオさんに「やっぱりにせ札でした」と教えてくれました。マスオさんは、口をあんぐりして、やっぱりそうかという表情です』

『マスオさんの会社の事務室です。マスオさんと同僚がいます。マスオさんが借りた本を同僚に返し、「このほんききめたしかだね」と本を指さしながら言いました。同僚は、返してもらった本に千円と書いた3枚の紙幣が挟まれていました。同僚は、それを持ち、驚いて見つめています』

 

この落ちがよくわかりません。

マスオさんが、同僚からベストセーラーの〈ざいさんのふえる法〉という本を借りました。

ところが、同僚は、貸した本にヘソクリを挟んでいたのです。

貸した同僚は、バス停で、確かに「ア!あの中にはへそくり千円挟んでいた」と言っています。

 

挟んでいたのは、千円です。

千円は、千円札の紙幣1枚です。

 

次に、お巡りさんがマスオさんに、「やっぱりにせ札でした」と報告しています。

何故でしょう?

 

マスオさんは、借りた本を読もうとして、パラパラと本を開いたら千円札が出てきた。

通常だったら、翌日、同僚に「昨日借りた本に千円札が挟まっていたよ」と持ってくるでしょう。

しかし、マスオさんは、そうはせず、その千円札を交番に届けていたのです。

お巡りさんの報告から推察すると、

マスオさんは、お巡りさんに、

「この千円札は本物かに偽ものか調べてください」

と依頼したに違いないのです。

何故そんなことを依頼したのでしょう?

不可解です。

 

また、調べてもらった結果が、不思議な結果になりました。

お巡りさんは、

「やっぱりにせ札でした」

と言うのです。

同僚が本に挟んでいたヘソクリという千円札は、偽札だったのです。

 

同僚は、貸した本に偽千円札を挟んで、マスオさんに貸したことになります。

何故、そんなことをするのでしょう?

マスオさんを驚かすためでしょうか?

そうとは思えません。

バス停で、マスオさんに貸した本に、ヘソクリの千円札を挟んだままであったのを思い出した時の同僚の顔は、正気でした。その様子から、同僚が嘘を言ったとは思えません。

本に挟まれていた千円札が偽札だったのが何故か?その理由が全く不可解です。

 

お巡りさんの〈偽札です〉との報告を聞いて、マスオさんはどうしたのでしょう。

このように考えるしかありません。

マスオさんは、お巡りさんの偽札ですとの報告を聞いて、

「あの野郎、〈ざいさんのふえる法〉と言うベストセーラーだよなどと言って、偽の千円札を挟んで、俺を担ごうとした」

そこで、マスオさんは、その偽の千円札を3枚コピーして、本に挟んで驚かせてやれとイタズラをしたのでしょう。

 

マスオさんは、こう言いたかったのでしょう。

「確かに、この本は凄いよ。君が挟んでいた1枚の千円札が、この本を読んでいる間に3枚の千円札になったよ!効果抜群だ!」

 

サザエさんの素直な落ち(27)

お蕎麦屋さんのお兄さんは、忙しすぎて変わったものを出前しました。

朝日文庫版24巻〔138頁〕・昭和37年
『サザエさんの家に、お蕎麦屋さんのお兄さんが、お盆にザルソバの一揃いを乗せて出前しています。お兄さんは、「すみません。おそくなっちゃって」と威勢よく言いながら、勝手口のドアを開いて入っていきました』
『家の中では、サザエさんが待っていました。お兄さんは、お盆を置くと、「なにしろこんでるもんで!」と申し訳なさそうな顔をして、言い訳をしました。サザエさんは、文句も言わずニッコリしています』
『お兄さんは、配達を済ませ、サザエさん家の門の前に止めていた自転車に乗ろうとしています。そこへサザエさんが、ザルソバが入っていた器を持って大きな声で何かを言いながら飛び出して来ました。自転車のサドルに跨りかけてお兄さんは振りむいています』
『サザエさんが、持ってきた器の上下を引きのばすと、それはきそばと書いた蛇腹の提灯でした。お兄さんは、頭をかいてシマッタと言う顔をしています』

出前が相当に込んでいたのですね!出前のお盆に乗せたザルソバを入れた器と蛇腹の提灯では重さに大きな差があるでしょう。
それでも間違えるお兄さんは、忙しすぎて相当に参っていたと、思いやるしか仕方ありません。
出前で運ぶザルソバは、図1のとおりで、その中のザルソバの器が、図2の蛇腹の提灯だったというのです。
こんなことはありえなと思いますが、それがあったと思うと面白い落ちでした。
図1

図2

フレーバーストーン

 

フレーバーストーンをご存知ですか?

先日、早朝にテレビリモコンを触っていたら、画面にフライパンの画像が映し出されました。

そのフライパンは、焦げ付かないフライパンでした。

内面が赤色、外面が灰色の綺麗なフライパンの宣伝をしていました。

このフライパンも焦げ付きません

卵焼きが、フライパンの中で滑っています。

焦げ付かないのです。

大変な迷惑を被ったジャパネットたかたで買った焦げ付くフライパンとは大違いです。

このフライパンでは、卵焼きも、ハンバーグも全く焦げ付かないのを見せてくれます。

 

欲しくなりましたが、数日前に見たセラフィットとはどちらが良いのでしょう。

 

ただ、このフライパンの宣伝で、気触りで仕方ないことがありました。

フライパンの説明をしている青年の語り口が妙なアクセントです。

『・・・・で

と最後のが飛び上がるのです。

これはいただけません。

わざとらしく言っていると聞こえます。

折角焦げ付かないフライパンが、焦げ付いているようで仕方ありませんでした。

 

このフライパンはヨーロッパの何処か国の発進だそうです。

アメリカ発のセラフィットとはどちらがよいのでしょう。

たかた発のフライパンは、捨ててしまいましたから、新たに買わねばなりません。

検討中です。

サザエさんの面白い落ち(129)

 

ベンチで抱っこしあっているアベックは、子供達が見ています。

 

1.朝日文庫版24巻〔56頁〕・昭和37年

『お婆ちゃんが、赤ん坊を抱き上げ、「お~~ヨチヨチヨチ」とあやしています。その様子をワカメちゃんとお友達が、見上げています』

『そこへ、買い物から帰って来た若いお母さんが、「おばあちゃんよしてちょうだい だきぐせがついちゃてなおらないから!」と注意しています。おばあちゃんは、不服そうです。ワカメちゃんと友達は、そうよと言わんばかりの顔をして見ています』

『お婆ちゃんと赤ん坊を受取ったお母さんは、家の中に入りました。ワカメちゃん達も、他のところに遊びに行きました』

『ワカメちゃんと友達は、木と芝生が茂っている公園に来ました。すると、眉毛も下ったニヤケたスーツを着たサラリーマンらしいオジサンが、少し太った、ハンドバックを腕にかけたお姉ちゃんを膝の上に乗せて、だっこし、ベンチに腰掛けています。ワカメちゃんと友達は、そのアベックを見て「ハハアああなるのね」と言いながら通り過ぎて行きました』

 

2.朝日文庫版24巻〔56頁〕・昭和37年

『サザエさんのお父さんとお母さんが、いい歳をして、シーソーに乗って、はしゃいでいます。お父さんもお母さんも、口を開いて嬉しそうな顔をしています』

『ワカメちゃんとタラちゃんが、遠くにいたので、お父さんとお母さんは、シーソーを止め、手を挙げて、おいでおいでと大きな声で呼んでいます。ワカメちゃんが走ってきました』

『お父さんは、シーソーから降り、ワカメちゃんとタラちゃんの二人とかわりました。お母さんは座ったまま、腰を落とすとタラちゃんとワカメちゃんは、スーツと上がっています。お父さんは、遠くの方にいるカツオ君を大声で呼んでいます。なかなか来ません』

『カツオ君は、お父さんに服の襟を掴まれ、引っ張られていますが、突っ立ったまま動こうとしません。カツオ君の視線の先には、眉毛も下ったニヤケた、スーツを着たサラリーマンらしいサラリーマンが、目を閉じて、若いお姉さんと抱き合って、ベンチに座っていました』

 

今日この頃の、こんなに寒い日のベンチでは見られないと思いますが、ベンチにお座りのアベックさん達は、好奇心の強い子供達が見ているかもしれませんので、抱っこしないでください。

 

抱っこされているお姉さんは、赤ん坊の頃、お婆ちゃんにつけられた抱き癖の所為とは思いませんが、ベンチでの抱っこは、子供達が見ているか、いないか、よく確認してからにしましょう。

 

ワカメちゃん位の齢では、ああなるのねと見るだけで済みますが、カツオ君位の年になると、アベックの抱っこは、大変興味深いものです。

カツオ君も、お父さんに、引っ張られても動こうとしませんでした。

サザエさん―判らない落ち(38)

 

寒いので、うどん屋さんに温かいうどんを食べに行こう。屋台は駄目です。

 

朝日文庫版24巻〔96頁〕・昭和37年

『道端の電信柱の傍に屋台が出ています。屋根のついた、格子の障子に「うどん」と貼り紙がしてあります。屋台のオジサンは、ねじり鉢巻きをして、タライのような大きい桶に水を張り、ドンブリを洗っています。そこへ、うどんが入っているドンブリと箸をもったスーツ姿のサザエさんが、顔を突き出し、「いやだわ おじさん きたないあらいみずね!」と言いました』

『オジサンは、屋台の向こう側に戻り、うどんの入ったドンブリを手に持っているサザエさが「じせつがら中毒するわよ」と言うと、オジサンは、すまして、「いや ここまで にごれば大腸菌もチフス菌も死んじまう!」と口をとがらして、不服そうに言いました』

『オジサンは、せせら笑いながら、「そこがあっしのつけめでさァ」と自分の顔を指さして言ってます。サザエさんは、持っていたドンブリを落とさんばかりに驚いています』

『サザエさんは、食べかけのうどんのドンブリを屋台の上に置くと、逃げ帰りました。オジサンは、「だいじょうぶ!!」と高笑いしています』

 

申し訳ありません。吐き気が出そうな、屋台のオジサンが描いてありました。

サザエさんは、うどんは、食べてしまっていたのでしょうか?

言いえ、食べられる筈はありません。多分、何処かで掃き出したでしょう。

 

今も、屋台は出ていると思いますが、こんなおじさんは、商売していないと思います。

保険所が、屋台でうどんを売るのを許可しないでしょう。

昔、確かに似たような屋台を見たことはあります。

しかし、このオジサンのように汚い水で洗ったドンブリは使っていなかったと思います。

 

また、言うことが酷い。

「いや ここまでにごれば大腸菌もチフス菌も死んじまう!」

「そこがあっしのつけめでさァ」

とはどういうことでしょう?

そんなに汚い洗い桶では、細菌の培養器のようで、大腸菌もチフス菌も増えることはあっても、死ぬことはないでしょう。

そして、「だ丈夫」とは何だ、このおやじ!

 

余りに、言うこと、なすことが、不潔すぎるので、即、保険所と警察に連絡し逮捕してもらいます。

この四コマの出来事は、見なかったことにして忘れてしまいます。

 

しかし、こんなに寒い日が続くと、清潔なうどん屋さんに出かけ、温かいうどんを、フウフウ吹きながら食べたくなりました。